ライとロカルノが最も近いポイントへ急行したとき、既に手遅れに

よりにもよって最初の犠牲者達がライの身内。

一旦、屋敷へ連れ帰り介抱するも二人とも恐怖のショックに事の記憶は無く

仕方なしと再びルーの観測魔法に、今度は二手に別れ・・・

ライが馬に乗り向かった先はユトレヒト隊がとった宿。

宿主に聞き、部屋に向かったところバッタリ出くわすのは金髪の美女。

話の通り、黙って立っていればモデルとして十二分に通用し

何よりその手に持つ得物がただものではない気配を放つ魔剣。

「セシル、だな? ロカルノさんの依頼で貴女の身柄確保させて頂く」

 「・・・ちっ」

ドンっ!!!

と派手に破壊しつつ宿の壁から破壊剣を盾にライが飛び出し

それを追うように飛び出したセシルは己の剣を揮って氷の矢を撃つ。

「ったく、行き成り攻撃するたぁ何てヤツだ!!」

とライは気合一発振り下ろす剣圧で氷の矢を丸々粉砕。

 「あら、意外にやるわね」

「当然。 ・・・ウチのガキんちょドモを襲ったのは貴様だな?」

 「さ、さあ、なにのことかしら〜?」

よりにもよって、ロカルノが応援を求めた者の身内を襲ってしまっていたとは・・・

その反応は誰が如何見ても肯定としか取りようがない。

「大人しく捕まるなら、纏めて罪を流してココの警察組織に突き出す事はしない」

 「・・・拒否すれば?」

「ロカルノさんにゃ悪いが、骨の3,4本へし折ってでも大人しくなってもらう」

 「それは・・・ドチラも御免よっ。 折角の機会なのにっ!!」

ぶつかり合う剣と剣。鍔迫り合いはライへ軍杯に、セシルは流しバックステップで

距離を取り再び氷装連撃に氷の矢を撃ち叩き込む。

 当然、ライは剣を揮い防御。

しかし、それは足止めに布石でしかなく

「!!?」

瞬間地面から生まれた氷に足を止められ、瞬凍斬に氷の中へ封じられてしまった。

 「へっへーん。所詮口だけね、男なんて・・・」

が、凍り付いているはずのライの目がぎょろっと動き、セシルを捉えた。

そして、目が普通の人の目から金色の龍眼へ

おおおおおおおおっ!!!

と咆哮にビキビキと氷に皹が走り、ついには粉砕。

「・・・寒いなチクショウ。人を凍付けにしてくれてからに」

 「手加減したとはいえ瞬凍斬を自力で打ち破るだなんて・・・」

「舐めるなっ。そっちが氷雪の魔剣ならこっちは神殺しの神剣。 そして俺は・・・」

ジリジリとライはセシルを追い詰め、その背にぶつかる建物に逃場はない。

 「うっ・・・」

「観念しろ。こっちはマジで鶏冠に来てるんだ。 八分殺しにしたいまでに」

自業自得とはいえ諦めスンナリ降参するのは

セシルの主義、望むところではない。

だが、目の前の男はツワモノの上にマジ怒りで冗談すら通じる気配すらなく・・・

しかし運はまだ彼女に味方していた。

斬っ!!!

と、場を薙ぐ雷の真空刃にライは飛退かざるえなく

「セシルっ、大丈夫かっ?」

 「クラークっ!!?  ・・・コイツ、キルケをさらった連中の一人よ。

 キルケさらったヤツを追うから、クラークはコイツの相手してっ。手強いわよっ!!」

とセシルはもう後ろも振り向かず遁走。

それは良くも悪くも仲間を信用しているから。

代わり、ライの前に立塞がるのはクラーク。

今のライの革ジャケットならクラークの剣と腕の前ではあってないが如く

クラーク自身、ラフな格好に剣を携えているだけ。共に当たれば一撃必殺。

だから硬直状態に睨み合いで一触即発。

「・・・貴様に話す時間はない。 邪魔するな」

「キルケは返してもらう。 貴様を倒して・・・」

「ちっ、戦うしかないか・・・」

「ほざけっ!!!」

瞬間、踏み込み撃合いに響く剣戟。

破壊剣と刀では破壊剣の方がはるかに強く、

そのかわり刀の方が太刀筋が鋭い。

「「!!?」」

剣の弾き様に二人が繰り出した蹴りが空中で激突。共に体勢を崩して距離をとり

クラークは刀を鞘に納め

「・・・その構え、居合い抜きか」

「だとしても、貴様にこの「霧拍子」を避ける術はない」

「そうでもないさ。 来ると分かっていれば、な」

とライは上段に構え、それを待つ。

どんな攻撃であろうと攻撃をぶつければ相殺出来る。

対し、クラークも迂闊には放てない

高速の居合とばれている以上相手に策はある、と。

それにライが破壊剣を振り下ろし瞬後、クラークも踏み込みに「霧拍子」発動

「「っ!!!」」

衝撃に二人の腕が軋み、再び距離を取り・・・

「まさか「霧拍子」を防がれるとは・・・」

「所詮、技を放つのは人。腕犠牲に潰す事ぐらいなら出来る」

少なくとも今暫く、クラークは「霧拍子」を放てなくなってしまった。

だが、それはライも同様に破壊剣を十分な威力で奮うのは難しい。

とはいえ、双方引くに退けず・・・

「「うおおおおおっ!!!」」

双方得物を捨て、体術で勝負。

拳を作れずとも、掌抵で十分。 いや寧ろ、引掛け,掴みも出来る分・・・

蹴撃を打合い、掌抵や肘を交わし、投げを当身で弾く。

戦いというのは語合いと例えられるが実際、戦い方にその者の性格が出る。

相手の多少の攻撃なら無視に一撃必殺や、

確実に相手の攻撃を捌き撃つカウンター

チマチマと地道に攻撃を重ねダメージを蓄積させたり、見かけ倒しだったり・・・

だが双方の実力ほどもあれば、その性格は見えてくる。

これほどのものが果たして姑息な真似をするだろうか・・・

とは思うものの御互いの性格が禍し引くに退けない。

自滅覚悟にクロスカウンターで必殺の拳を打ち出した瞬間

「何をしているっ、クラーク、ライっ!!」

ピタッとお互いの頬に接し止る拳。 

二人とも乱入者、この場合は救主ロカルノに

この男は何者?味方か? の視線を向ける。

 性分が似ているだけあって仕草も同様。

「・・・・・・ふぅ。 クラークは私達のリーダ。ライはこの町の冒険者だ。」

「冒険者? 冒険者が何でまたキルケを誘拐する?」

「なんで俺が誘拐なんぞしなくちゃならんのだ。

俺は、そのロカルノの依頼でセシルを捕縛しようと」

「何だって? じゃあ、キルケは何処に」

「なんだって? いないのか?」

「先に帰っていたはずなんだけどな・・・それで

俺が帰ってくるとライとセシルが戦闘をしていて」

「て、事はセシル捕獲以外に宿から消えたキルケ嬢も探さなくちゃいけないと」

「・・・・・・そういうことになりそうだな。」

「街中のココから人一人周りに怪しまれず連れ去るなんて至難だぞ。

大方、セシルの毒牙に何処かで・・・」

「う・・・ぐ。強くは否定できないが・・・狂暴でその気があっても面倒見はいい。

仲間に手を出すとは思えない。 それに、怪しい人物なら私が見た」

「「ナニッ!!?」」

「馬に大きなズタ袋を載せていく金髪の妖艶な女」

「ビンゴ・・・だな」

「それで、その金髪の妖艶女の特徴は?」

「ウェーブが掛かった長髪、旗袍服(チャイナドレス)に白衣、

多く小瓶をつけたベルトをしていた。

妖艶な割に意外に化粧っ気はなかったな・・・」

「むぅ、随分とチグハグな感じだ。まるでセシルの親戚みたいだな」

しかし、ライの頭の中ではしっかりその似顔絵のみならず全体像

どころか、エッチィな黒子の位置まで知り尽くしていたり。

「・・・済まん。それ、ウチのヤツかもしれない」

「「な、ナニッ!!?」」

「早い話、ウチの「セシル」。 あれほど狂暴じゃないけど・・・代わりに凶悪」

「これは・・・随分とややこしい事に」

と冷汗のロカルノに頷くクラーク。

「いや、多分極めて事は単純じゃないかな。ルナ、ウチの銀狼少女は黒猫娘と

出掛けたはずなのに何処にもいなかった。セシル一人では捕まえようはないが

そこにアルシアが手をかせば・・・つまり・・・」

「「己の欲望のために味方を売った」」

三人そろって溜息にしゃがみ込んでしまった。なんでそんなの側に置いてるんだろ。

「事の次第は良くわかった。それで、どうやって

囚われの二人を助け、ケダモノな二人を捕まえる?」

「「・・・・・・(沈」」

クラークに言われ更に落ち込む。

 その二人を飼ってるのは自分達なんですけどね。

「まぁ、アルシア×2だと思えば行動は簡単に読める。

当人はバレてないと思ってるがアジトにしてる廃墟があってな・・・」

「・・・なるほど、我々はセシル×2と思えばいいわけだ。」

「「「・・・手に負えるだろうか」」」

それでも、やらなければならない。でなければ二人の純潔が

「・・・すまん。黒猫娘シエルも俺の女」

「「な、ナニッ!!?」」

ライ達が居城とする屋敷から暫し歩いた森中、

そこには同規模の屋敷の廃墟があった。

元々は新参の商人が何やら企んだ上に張り合おうと建て始めたのだが・・・

結局自滅に、建物の基本部分だけが出来て

外装内装そっちのけで放置されてしまった。

それをアルシアが諸々の書類を始末し、

アレスとかを使って一部を使物になるように。

その幾つかある部屋の一室。

寝室のベットの上、頭の上で柵と手を

鎖で繋がれた下着のみの姿で気絶の娘一人。

そのキルケに毎度妖艶な格好のアルシアは跨り

ぺちぺちぺち

 「うっ・・・・・・はっ、ここは、私は?」

 「うふふふふ、ちゃんと目は覚めたみたいねぇ」

 「ひっ・・・あ、貴女は・・・きゃあっ、何故私下着だけなのっ!!?」

 「私が剥いちゃったからよぉ。 私が喰べちゃうために」

 「お、お願いします、助けてください・・・(ガタガタブルブル」

 「・・・、や〜〜ね〜〜幾ら私だって本当に食べちゃったりなんかしないわよぉ

 Hな事、す・る・の」

 「!!? お、お願いします私の純潔だけは・・・私好きな人がいるんです。

 それ以外の事ならなんでも・・・何をされても構いませんから(泣」

 「あら! あらあらあら・・・若いっていいわねぇ(うっとり。

でもねぇ、女の子には処女は二つあるのよぉ。

前の膜は残して可愛がってあ・げ・る」

 「ひっ・・・いあああぁぁぁああぁぁあぁぁぁ・・・・・・」

・・・乙女散華。 

いや、正しくは散華ではないのだけれども・・・

別の牢獄のような部屋では

全裸のシエルが手を縛られて天井から吊るされていた。

例の如く、気絶したまま。 しかし、その激刺激に

 「っ!!?」

身体仰け反らせ覚醒。 目の前には金髪悪魔一号(セシル)。

 「う〜〜ん、これで悲鳴上げないだなんて

流石イイ身体にヤり慣れてるだけあるわね」

 「・・・だから?」

 「ますます貴女の鳴声、聞きたくなっちゃった♪」

ガンガンと金髪悪魔の猛攻にシエルの身体は上下に揺れ

それでも目を見開いたまま歯を食い縛り呻声上げず・・・終には悶絶・・・

ガンと蹴破り牢獄に跳び込んで来たのはライ。

シエルは既に全身、汗と涙と涎とそれ以外の液で ぐっしょりにうな垂れ

「・・・貴様」

 「あ〜ら、いらっしゃい。 もう頂いちゃったわよ♪

残念ながら鳴声は聞けなかったけど、久々にいい運動したわ♪」

「俺の女に手出して・・・それなりの覚悟はできているんだろうな」

 「何の覚悟かしらね〜〜」

「お仕置きだっ!!!」

瞬間、ライはセシルに投擲。 当然、セシルはそれを両断。が、

 「くっ・・・これは・・・」

「こんなこともあろうかと、アルシアからガメておいた即効性睡眠薬。

だ〜〜れが、手前みたいなジャジャ馬なんかと真面目にやりあうか」

 「ひ、きょうもの・・・」

「手前がいうかっ!! ・・・まぁゆっくり寝ろ、次ぎ起きた時は御仕置タイムだ」

 「う・・・(くてぇ」

「・・・本当、寝たままから犯し続けて足腰立たんようにしたろか」

と言いながらも床に伏したセシルには触れず放置に、

シエルを解放し抱いて行った。

だんっ と寝室の部屋を蹴破りは入ってきたのはクラークとロカルノだが

その光景にロカルノのみ回れ右

 「く、クラークさん・・・」

 「あ、あらぁ〜〜もしかして御仲間さん?」

返事は「霧拍子」格もの当身で

 「あ゛うっ!!?」

一発に昏倒。それを何も言わずともロカルノは気を利かせアルシアを持って行き

部屋は二人っきりに。

 「クラークさん・・・恐かったです・・・(えっぐえっぐ」

「・・・そうか」

優しくキルケにシーツを巻き付け抱きしめるクラーク。

同性に辱めを受けた娘に言葉のかけようがない。

 「でも・・、気持ち良かったです・・♪」

「・・・そっ、そうか・・・それはよかったな。・・・あ、いや、よくないけど」

何もめのやり場に困る姿でゴロニャンと甘えるキルケをクラークはあやす様に抱擁し

ポムポムと優しく叩くしかなく・・・

廊下の途中でシエルを別室に置いたばかりのライとアルシアを抱えるロカルノは合流。

「それはこっちでしっかり御仕置させてもらう。そちらのジャジャ馬は地下室に

転がしてあるから、仕置は任せた。

ある道具は全部好きに使ってもいいから・・・」

「・・・済まない」

ロカルノからライにアルシアは渡り、二人共々牢獄へ・・・

ぺシペシと余り優しくない頬叩きに、アルシアの意識は覚醒。

「アルシア、何も言わなくても分かってるよな?」

 「ちょ、ちょっとした出来心じゃなぁい。 許して・・・ね?」

「だ〜〜めっ。 性戯の触手、テンタクス君カモンっ!!」

 「あ〜〜〜っ、触手いやああああぁああぁぁあぁぁぁ・・・」

ぐっちゃぐっちゃと粘液質な音に艶姿も何のその、

自分で御仕置すらアホらしいとばかりに

アルシアの前でドアは閉じられてしまった・・・

ライはその足でシエルの元へ。

感じからして、シエルは異常な快感にブレーカーが落ちたようなもの。

直ぐ意識は取り戻すかもしれない。 事実、シエルを寝かしておいた部屋から

 「にゃぁ・・・にゃぁ・・・」

ありえない、何とも寂しげなシエルの泣声。

覗き込んでみると部屋の隅には身体にシーツを巻き付けたシエルが

しゃがみ込んでオロオロと周囲を見回していた。

「・・・シエル?」

 「にゃぁ、らいーっ(えっぐえっぐ」

それでも、ライの姿を確認するやいなや仔猫さながらに一目散で懐に飛び込み

スリスリと甘えまくり。

大人な寡黙猫の姿はどこへやら完全に仔猫化してしまっていた。

図体は大人に戦士な身体なのに・・・

「まぁ、しゃーないよなぁ(呆」

兎に角、落ち着くまで動きようがなさそうである。

「・・・おはよう」

 「ロカルノ? ・・・おはよう」

寝起きのセシルは何故自分が牢獄の床に転がって寝ているか

それを椅子に座ったロカルノが見下ろしているのか要領をえない。

「正直、私は迷っている。 如何セシルに御仕置をすべきか」

 「な、何をいって・・・えっ何よこれっ!!?」

セシルの腕は既に後手に手錠。 勿論、氷雪の魔剣は既に別室においてある。

「御仕置をし易くするための処置だ。

 先に、共犯者の受けている御仕置を見てもらうか」

 「共犯者ってアルシア? 御仕置って・・・」

ロカルノの支えにセシルは立ち、二人共々その部屋へ。

既に廊下ではなんとも悩ましげな吐息と粘液質な音が響き、ドア前。

元々座敷牢として作ろうとしていたのかドアについた覗窓からセシルが中を覗くと

 「うわっ・・・ななななな何よこれっ、魔物がっ触手がっ!!」

卑猥に、妖艶女が触手にガッツンガッツン集られ折檻を受けていた。

「・・・何でも、仲間を売った罪と誘拐,強姦の複合罪により

彼は自分の仲間にも関らずこの御仕置に処すことにした。当然

私もセシルに相応の御仕置を施さねば申し訳が立たない」

 「そ、そんな事、私たち仲間じゃない・・・ねぇ?」

「仲間だからこそ、許してはいけない事もある。今回の場合は尚更」

 「そんなぁんっ!!?」

「自業自得だ。 これに懲りて少しは大人しくするんだな。」

 「ああ〜〜〜ん(泣」

駄々っ子の如く泣き逃げようとするセシルをロカルノはズルズルと引張って行き

バタンと閉じられた牢獄 もとい仕置部屋でそのような仕置が施されたかは

当事者の二人しか知る由もない。

以降暫くは覇気がない上に大人しく、ロカルノにポムッと軽く叩かれただけで

セシルはビクッと艶やかに昂揚していったとか。

しかし、咽喉元過ぎれば熱さは忘れ・・・

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