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番外  「異国の地で休息を(表)」


リキニウスの新体制が確立してから一週間

その間この国はまさに激動の時が流れただろう

半壊した城の建て直しから前王が行った不正の判明、

それに荷担した腹心の処罰などやる事は多岐に渡っている。

その最前線に立ち指揮をするはコーネリア女王、

ショックは抜き切れていないモノのその指揮は的確であり国の代表としての品格が伺えた

そしてその傍に寄り添い彼女の手助けをしているミランダの姿が・・

ルーとアルシアの治療により自らが知り得なかった人格を除外できたものの、

それが行った所業を知り歯を食いしばる姿も見せたがそれ以上にコーネリアを守るという決意を改めたらしい

元より彼女自身に責任はないのだ

 

そして・・

 

「え〜っとぉ・・こっちの農場はこの薬ね〜」

 

郊外の農場を見回りながらそれに適した農薬を提供するアルシアの姿・・

外向き、かつ農作業の手伝いと言うことで純白の軽いドレス姿で長めのブーツを履いている

それでもその見目麗しさは健在でありここまで来る途中振り向かなかった殿方はいなかった

 

「ふぅん〜、そんな区別しなきゃいけないもんなのか?」

 

その隣で興味深そうに見ていたクラーク

彼はいつもの軽い姿、

アルシアがリキニウスの農業支援をするということでその付き添いに来ている

っと言っても専門知識がない彼には力仕事全般が主であり

数日前にリキニウス国内の農場の土を採取した程度で後はアルシアが勝手に進めている

「そうよぉ?この国はもともと土が痩せているのよ。その魔術師が作った薬はそれに合っていないのよ」

「・・どういう事だ?」

「つまりは病弱な子を病気にさせないで育てるのにその子を強くさせるんじゃなくて

周りの環境を徹底的に変えたってところかしら

寄りつく菌がなくなるくらい強力な農薬だったのよぉ・・

だから使えば使うほど悪循環になって最後には何も育たなくなっていたわね」

「うへぇ・・極端だな・・」

呆れた口調で説明するアルシアにクラーク納得

しかしそう言う彼女の手持ちの鞄の中にも多種多様な粉末状の薬が瓶に詰められており

その中にはどうにも危なげな色をしたものも・・

「ほんとぉ、そんな極端な事をしなくても作物って育つものよ?

薬草の一つも作ったことがない三流だったようねぇ」

「──確かに、俺の育ったところも大概気候がよろしくなかったがそれでも良く育つ物もあったからなぁ・・

でっ、それがわかったのならアルシア大先生はどうなさいますかい?」

「簡単よ・・、要はここの土は作物が育つには不足している栄養分があるの。

それを補ってやれば無茶な薬をしなくてもいいの。

土に含まれている栄養分を見て足りない物を自然品で代用してぇ

それに適した農作物を育てれば安定するわぁ」

「・・じゃ、その鞄に詰め込んでいるのは薬じゃなくて栄養剤って訳か?」

「そっ、まぁ病気を治す薬には違いないわねぇ・・。

そんな訳でクラーク、今日はやる事ないわよ?」

メモを取りながら瓶の番号を書き込むアルシア、

彼女にしてみれば何故彼が今日もついてきたのかわからなかった様子・・・

「・・そういう事は最初に言えよ?」

「ん〜?んふふ〜、言われなくても付いてくるからてっきり私に気があるのかと思っちゃった♪」

そう言い軽くウィンク、そして何気にお乳強調

知的な美人お姉さんがそんな事をしてくれるのだから

健全な成人男性ならば心拍数の上昇くらいは軽いのだが・・

「んな訳ないだろ?

お前が傷つくかもしれないから今まで言わなかったけどなぁ・・俺、結構お前が苦手なんだぜ?」

「あらあらぁ・・どうしてぇ?」

非難されているにもかかわらず態度は相変わらず、

アルシアさんは大人なのだ。

これが某パッキンケダモノならばすでに死闘となっていただろう

「・・ライがセシルを嫌うのと似たようなもんだ」

ライがセシルを毛嫌いする理由はただ一つ、身内を穢されたから・・

それも3人も・・

それと同様ではないのだがアルシアもキルケに悪戯したという経歴を持つ

これが前科に当たらないのは一重にキルケが満足しちゃっているから。

ただ自分の女に手を出された以上男としては至極複雑な訳である

「・・・・、ふぅん。やっぱり貴方も気にしていたのねぇ」

「そりゃ一応な。まぁシエルとは違ってキルケはそれで満足しているから・・な」

それにより目覚めちゃった感のキルケ、純情少女が一転してセクシ〜アピ〜ルっ子に進化を遂げたのだ

「ふふふっ、私はセシルとは違って相手の事を思いやっての上の悪戯だから〜

キルケも納得していたんじゃないかしら」

「・・やった事には違いないだろうが・・ったく・・」

「でもぉ、その後は満足しているんじゃないのぉ?私のアドバイスも役に立っているようだしぃ♪」

「・・・あのな・・」

何気にキルケの性の相談に乗っているアルシアさん、

そのためにクラークの性生活のほとんどが彼女に筒漏れだったりする

「まぁ・・他人様の女の子に手を出したのは確かに悪い事ね。

今更だけどぉ・・体を張ってお詫びでもしましょうか?」

抜群のプロポーションを持ち誘惑してくるアルシア嬢、

下心を持つ男ならばこの時点で魅了完了となるのだがクラークはそんじょそこらの男とは違う

「・・・いや、遠慮しておく」

「あぁら?私じゃ魅力がないのぉ?・・やっぱりあのロリ疑惑って・・そうだったのぉ・・」

巷では自分よりちっさい子が好きだと噂されるロリ疑惑男ことクラーク。

「違う!友人の女は抱けないって事だけだ!」

しかし彼はあくまでロリ疑惑を否定する、

キルケのような若い娘に加えて義理の妹まで虜にしている手前

その疑惑は常に付きまとっているのだが本人としてはその気は全くないとの事

「本当かしら?」

「・・あのな・・」

アルシアにペースを握られ流石のクラークもタジタジである

 

そこへ・・

 

『お〜、ここにいたか〜!』

 

軽く手を上げてやってくるはオーバーオール姿の赤髪の男・・ことロギー

槍を手に雄々しくライに向かっていった騎士も今はそれとは違い鍬を手にしている

なかなかな美男子の農夫姿・・

しかしそれが意外な程よく似合っていた・・

「よう、ロギー。よく似合っているじゃないか」

「うるせぇ・・茶化すなよ。これから大変なんだからなぁ・・

槍なんて握っていられなくなっちまったもんだぜ」

っと言いながらもそれは嫌そうな顔ではない

「物騒なモノを握っているよりかはお似合いじゃないのぉ?

人を殺すよりも物を育てる方が何倍も大事な事よぉ?」

「その口調で言われてもよ・・、でっ、どうすればいいかわかったのか?」

「ええ〜、後で纏めて資料として提出するわ・・。

苗もこちらで用意してあげるかぁ・・今はがんばって土を耕して頂戴」

ニコリと笑うアルシア、対しロギーは顔色を曇らせた

「・・まぁ俺達の労力は尽くすつもりだけど・・流石にアレには勝てないぞ?」

ぶっきらぼうに指さす先には畑に立つ鋼鉄の人馬・・

それは顔が鎧甲冑の兜ではなく布を丸めてそれに顔のパーツを落書きしたようなもの

恰幅の良い甲冑の頭部にしてはお粗末すぎ見るからに滑稽、そして手に持つは鍬の二刀流

「リキニウスの戦馬改め『リキニウスの農馬』・・だな」

それは回収された戦馬の残骸を集めディが弄ってできた魔導機兵

ただし戦闘用ではなく雑用専用、

農作業全般の簡単な思考パターンを魔石に組み込み効率の良い作業を実行する

心臓部にそれは仕込まれているために腹部は空、

故にそこにジョウロなどの農具が仕込まれており動力は馬部分に仕込まれた魔石

日の光により動力を得てさらに走ったりしないので燃費が良い

「可愛いじゃないのぉ・・あの頭ってクラークが立案したんでしょう?」

「ああっ、兜が回収できなかったって訳じゃないぜ?

ああやってマヌケ面をしておくと鳥避けになるんだよ

もしくは大きな目玉みたいなのを吊しておくといい、鳥が嫌がる」

「・・妙な知識を持っているな・・。まぁ確かにあれじゃ人だって避けるぜ・・

詳しい使い方は魔術関係に詳しい奴がシウォングまで習いに言っているものの・・

ああいうのを頼るのも何だかなぁ・・」

侵略の目玉としていた物だけにロギーにしてみればこれ以上あの戦馬に関わるのは御免と言いたいようだ

「いいじゃないか?労力が十分あるのは良いことだ、余裕があるなら品種改良の試みも出来る。

単純作業とは言え手が足りているのは悪い事はないはずだぜ?」

「・・まぁな、今のところあれが5機か・・これでどうなる事やら・・」

「少なくとも、これ以上悪い事はないんじゃないかしらねぇ・・

あの女王様もがんばっているようだしぃ」

「・・だな。まぁ三人寄れば文殊の知恵って奴だ。

困ったら周りと話し合えば解決策も出るだろうよ」

「・・・・へっ、この一件で一番学ばなければいけない点だな・・まぁがんばるとするか」

腕をまくりながら鍬を振り回すロギー

そこに・・

 

「こちらにいらっしゃいましたか、アルシア様、クラーク様」

 

スラっと伸びた白髪の美女ミランダ、出会った頃のままのラフな格好でやってきた

その腰にはウェストポーチが掛けられており中には釘などが見える

「よう、ミランダ・・どうだ?様子は?」

「ええっ、建築作業などやった事はなかったのですが

クラーク様の教えがよかったのでしょうか・・順調に進んでおります」

珍しくはにかんだ笑みを浮かべる・・

国の立て直しに騎士も侍女も関係ない、

ロギーが農作業を担当するようにミランダも戦馬の自爆によって半崩壊した城の補強工事を行っているのだ

「・・ってか普通俺の方が城の作業に回るべきじゃないのか?」

「・・ロギーは不器用ですから、こうした作業は私の方が適任です」

「何を!?そんなのやってみなければわかんねぇだろうが!」

「・・ならばやってみますか?

mmの誤差もなく木材を打ち付けないと隙間ができて後々問題となりますが・・」

「・・・・・、ゴメンナサイ」

うなだれるロギー、その性格が表すように細かいことを気にしない分精密作業にはすこぶる向いていない

それに対し何事も完璧に仕上げようとするミランダには

その作業が意外にうってつけであり飲み込みも実によかったりする

「意外に仲いいんだな・・お前ら・・」

「まぁ、同じ時期に入団した同期だからな。

堅物だけど意外に話がわかる分腐れ縁みたいな感じか」

頬を掻きながらそう言う・・、当人を目の前にしている分照れくさいようだ

「・・そうですね。まぁ、当初は貴方の騎士としての品格を疑問視もしましたか・・」

対しミランダは普段のまま・・彼女の性格からして余り表情を表に出さないようである

「・・うるせぇよ・・」

「ふふっ、で・・もう元気そうねぇ・・ミランダさん?」

「・・ええ、アルシア様にもご迷惑をおかけしまして・・」

「いいのよぉ。これも私の勤めだからぁ〜、

でもその歳で処女って言うのも考えものよぉ?早く良い男探さないとぉ」

「!!!」

その話題になった途端ミランダの顔が真っ赤になり硬直した

「おいおい、そんなの人それぞれだろう?・・おい、ミランダ?」

「・・・・・」

顔を真っ赤にしたまま微動だにしないミランダ・・

「ああ、こいつそう言う話ダメなんだ。固まってしまうから・・」

「純粋ねぇ・・、ふふっ、ドロドロになるまで汚してみたいかも♪」

その純朴な姿はアルシアの悪戯心をかき立てるもの、彼女はセシルの心友

さらにはキルケを汚しちゃった張本人・・決して冗談として済ませられる発言ではなく

クラークが慌ててそれを防ごうと立ち上がる

「さぁさぁ!被害者でない内に俺は持ち場に戻るぜ!元々城の修理に駆り出されたんだからな!

やることないんだからいいだろう!?」

「・・もう、仕方ないわねぇ・・。がんばっていらっしゃい」

「・・・・・・」

最後まで赤面で動かないミランダをクラークは引っ張りその場を後にする

 

天は高く空は晴れ・・作物を育て国を立ち直すには絶好の日和であった

 

 

──────

 

一方シウォング国の屋敷では・・

 

「復興は思ったよりも順調かぁ・・」

 

居間にていつもよりもきちんとした姿勢でのティータイムを迎えるライ

その前にいるのは質素ながらも品が良いドレスを着たコーネリア、

王と女王の会談・・っと言いたいところだが

部外者多数な上に元々そこまで畏まる必要もない

「ええっ、皆さんのご協力により短い間で早くも形が見え始めています」

レイハが淹れたお茶を優雅に口にしながらもライに感謝をするコーネリア

一週間、それだけの期間なのだが以前そこにいた彼女と今ここにいる彼女とでは明らかな違いが感じ取れた

「生産性の確保にはディとアルシアが対応している、城の修復は私が再設計しておいた。

クラークが現場指揮を執りつつ住民が取りかかっている・・

とりあえずは復興は順調だが・・問題も残っている」

同席するロカルノ、彼も頭脳面でコーネリアをサポートしている。

国の代表としてどうした態度をとればいいのか、

それについてライと二人でアドバイスをしている

・・っとは言えども片やなんちゃって王、

片や実際は冒険者で早々に王位継承権放棄した男だが

二人とも王として有り余る器を持っている、

その発言はコーネリアにとって実にためになるモノでコーネリアは頻りに頷いている

「・・はい、資金振りは思わしくありません。

元々国の経済が破綻していたのを犯罪で誤魔化しようやく今年にそれなりの収穫を得たところなのです

偽造された被害国に対し謝罪金を用意すれば・・」

「外交上それで済むものでもない・・が、そこらは私が何とかした」

「・・えっ?」

「一応は謝罪金と書状を渡しただろう?それとともに少々挨拶を・・な。

今日辺りその謝罪を飲む内容の書状が来ているはずだ

・・気付いていない国は捨てておけ、そこまで打ち明ける必要はない」

静かに笑うロカルノ、彼の国ダンケルクは軍事力などほとんどないものの

諜報能力に至っては大国ですら一目を置く技術を持っている。

そのために裏で工作をする事など造作もない事である

「で、ですがロカルノさん!」

「己の国の金が偽られているのに気付かない以上それは相手の国の怠惰とも言える。

生真面目にやる必要もないさ。

友好的な外交など表面的な物だ。

良心にて動くのは内政だけにしておいたほうがいい」

「流石はロカルノ、よくわかっている

・・だが、ここやダンケルクみたいな本当の友人関係な外交もあるって事は覚えておけよ?

そんじゃなきゃ世の中ギスギス過ぎる」

「・・ふっ、まぁ稀なケースである事には違いはないがな」

そう言いながらお茶を一口、現在まだ正式な国交を結んでいる訳ではないのだが

シウォングとダンケルクは通常の外交ではあり得ないくらい清い交流が行われている

まぁつまらない小細工などシウォングにはしようがないのではあるのだが・・

「わ、わかりました・・。では他国への謝罪はもう心配ないのですね・・それだと残るは・・」

「来年までの収穫の間、国をどうするか・・だな。

謝罪金も少なくはないだろうし・・どうしたものか・・」

顎をさすりながら考えるライ、

資金提供するだけならば容易いのだが彼も一国の主

金銭をそう安々とくれてやるわけにもいかない

それはロカルノも同じでありどうしたものかと会話が途絶えた瞬間・・

 

「ふふふ・・ならば妾達の出番のようじゃな!」

 

「そうダナ!私達に掛かればこの程度の問題造作もナイ!」

 

雄々しく無い胸を張りながら登場するは極悪同盟改め「オシオキ恐怖隊」のルー&メルフィ

双方違う意味でのオシオキを終え元気に元の状態となっているのだがそうなったのも2,3日前

それまでメルフィはアミルの説教で凹みまくっており


ルーはライの体の張ったオシオキで放心状態が続いていたのだ

「なんだぁ?お前達が揃うと何か嫌な予感がするんだがよ・・」

「失礼だな!実はな・・この間の夜間飛行で日の出暴走として海上を飛んでいたのじゃ。

朝日が余りにも眩しかったのでなぁ・・

それを海中から見てみようとダイブして遊んでいたのじゃ」

「うむ、夜明け前の海の中で見る空も中々に乙だったナ。

そこでダ・・何気に海底の方まで潜ってみたら沈没船があってナ。

あれは古代の宝物船と見て間違いあるまい」

さも当然のように言ってのけるのだがやっている事も異常なればそれが判断できるのも異常である

「宝物船って・・良く断定できたな?」

「船首にそれを表していた紋章があったからな・・。

もっともそれが宝物船としての印だったのは後の世にならないと判明できなかったそうダ

故に表沙汰に出来ない宝物が奉納されていた貴重な物だと

トレジャーハンターども間では結構有名なブツだったようダ」

「・・どこで仕入れてるんだよ、んな情報・・」

「気になった事は調べるのが性分デナ。

それでだ・・!私達がそれを引き上げめぼしい物を鑑定する・・これでどうダ!?」

「なるほど・・海底に眠る宝を換金するわけか・・

良案だが・・沈没船を引き上げるには相応の設備と人手がいる

・・その経費は並大抵なものではないぞ?」

冒険者間の情報に詳しいロカルノ、

沈没船探索などは冒険者としてはポピュラーなものであり

それを探し当てるのに人生を賭けている者もいる

・・もっとも、何も探し当てる事ができなく破産する者も多いのだが・・

「何を言っている!妾とアミル、そしてルーがいれば十分じゃ!」

「・・おいおい、本気か?」

「海底にあるのは私が『物体(アポ)転移(ーツ)』にて引き上げる。

大きさからすればアミルとメルフィがいれば十分持ってこれるダロウ」

事もなげに言ってのけるルー、

よくよく考えてみればこの三人は人という姿を取ってこそいるが

その中は超越しすぎている・・

確かに一般的な常識の物差しに当てるのは相応しくはないだろう

「・・まぁ引き起こしても困る奴なんていないだろうしな・・できるならそれもいいだろうさ。

・・ってかちゃんとアミルの許可を得ろよ?」

「わかっておる!お主達はそこで吉報でも待っておれ!では征くぞ!」

「オウヨ!任せてオケ!」

意気揚々と居間を後にする幼女二人・・その異様なテンションに三人は掛ける声もなく・・

「あの・・いいのですか?」

「気にしなくて良い。おおよそこの間の遊びを正当化したがっているのだろうさ」

呆れたような表情を浮かべるロカルノ・・

それより数分後、屋敷より大空に羽ばたく二頭の飛竜の姿が居間より確認できたのであった

 

・・・・・・・・・

 

──二時間経過──

 

「ではっ、そのように調整をすれば何とか軌道に乗るか・・」

「そうだな。幸い国民全員がコーネリアを応援している、

内部の繋がりな強固な国は決して悪い方には向かないものだ」

「・・ありがとうございます・・」

三人の話は続きようやく区切りがつく、

気丈に振る舞うコーネリアも不安がないと言えば嘘であり

ライとロカルノに相談をしている内にその顔も穏やかになっていった

「まぁ後の問題は資金振りだな・・一番現実的ってところだけど・・あいつらどうなってんだ?」

「・・本当に、沈没船の引き上げなど出来るものなのでしょうか・・?」

未だに信じられないコーネリア、そんな事などすぐに思い立って出来る事ではないのだ

「いや・・どうやら・・結果は上々らしい・・」

その中呆れ口調でロカルノが呟く

「そのようだな、ってか・・舟のまんま持ってきて後始末どうするつもりだよ・・」

さらに呆れ口調なライにもはや言葉を失うコーネリア

空がよく見える居間の窓には大きな舟を鎖で固定させながらぶら下げる飛竜の姿が・・

おまけに角がある方の飛竜の背にはどこから用意したのか『大漁』と書かれた旗が風に揺れていた・・・

 

・・・・・・

 

それより間もなく屋敷の庭に濡れた沈没船が下ろされた

それは大きさ的にはかなりのものでありすでに魚礁として定着していたのか海藻等が張り付いており

船上には魚の姿もチラホラと

そしてその前には人状態へと変身したアミルとメルフィ、そしてルーが屋敷の住民が来るのを待ちかまえる

これだけ大きな物がやってきたのならば気付かない者はおらず屋敷に滞在する全ての者が外に出てきた

 

「ちょっと!三人ともどこからそれ持ってきたのよ!?」

 

一番驚いているのは事情を知らないセシル、

それは他の面々も同様でありクローディアなどは目を丸くして驚き

シエルは強い潮の香りに眉をしかめる

そしてルナだけは何事かとはしゃぎ回っていた

「もちろん海からじゃ!」

「・・本当に持ってくるとはな・・アミル、済まないな」

未だ状況が飲み込めていなさそうなアミルに声を掛けるロカルノ、どんな時でも相棒を気遣う

・・それが騎手の勤め

「い、いえ・・リハビリがてらの飛行にはちょうどよかったのですが・・

これをどうするつもりなのですか?」

「芝居のセットにするにゃ立派だな・・、まぁ要は財宝が欲しかったって事だけだったんだが・・

なぁルーさん。

舟を丸ごとこっちに運んで後始末はどうするつもりなんでしょうかね?」

爽やかに笑うライ・・だが、こんな磯臭ぇもん間近に持ってくんじゃねぇと目で訴えている

「それではインパクトに欠けるからなぁ・・、安心シロ。これは立派な魚礁として使われている

調べ終われば元の場所に戻してくるワ」

「・・まぁ、それならそれでいいんだが・・な。そんじゃ皆、急ぎの用がなければ手伝ってくれ

中から金目のあるもの全部集めてくれたらいい・・あれば・・だけどな」

「だが足場が脆そうだな。移動には気をつけた方がいいだろう」

静かにロカルノが観察しながらお宝探し開始・・

結局のところ取り立てて用事がなかった面々は全員でその沈没船の探索に乗りかかった

 

・・・・

 

結果

「た・・大漁じゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

居間に広げられた戦利品を前にセシル絶叫・・、

めぼしい物が調べ終わった状態でテーブルの上に広げられた宝は正に山状態。

金貨、銀貨はくすんでこそいるが数が多く宝石類も多数、

厳重に梱包された箱もありそれが正に宝物船であった事を証明するに十分なもの

・・因みにメルフィとアミルは再び沈没船を運搬・・

元あった海に沈めてくるとの事

これにはルーが同行する必要もなく幾分軽くなった沈没船に

ルーがどこからか持ってきたやたら長い鎖を巻き付けてそのまま投棄飛行へとテイクオフ・・

「ふぅん・・金貨に関しては全部本物ですね・・。

純度の高い良質の金・・しかもかなり古代の貨幣故に歴史的な価値も高いですよ」

その中鑑定係なディは金貨数枚を取りじっくりと鑑定しながらそう断定する

「銀貨等も本物ですね・・ここまで綺麗に残っているとは・・」

同じく銀貨を見定めるレイハさん、

クノイチの目には偽造硬貨なんぞは無意味であり何気にこうした事は得意

言うところの暗殺(アサシン)兵術(マジック)、鑑定眼力である

「宝石関係も本物です・・呪いもありませんね・・。後はあの箱ですか・・」

宝石の鑑定担当のキルケ、めぼしい物を確認した後にその中に埋もれる木製の箱を見つめる

鍵があるわけでもないのだがそれはどうしても開かない・・

「ん・・?これは・・少々特殊なものダナ。術での施錠がされている・・どれ・・」

ルーが軽く手を取り箱の蓋に手を翳す・・それとともに箱は音もなく開かれた

その中には書状とともに厳重に保管された金色に輝くカード。

それを見た途端にルーの顔色が変わった・・

「これは・・」

「なんだ?ルー、やばいものか?」

「ライ・・そうダナ。少々特殊なものだが・・書状が気になる・・確認させてもらおうゾ?」

そう言いながら書類を手に取る・・。

箱の内部には浸水がされていなかったのか紙の書類は全く濡れていない

それだけ特殊な物故に周囲の注目の的ともなり結果が気になっている

「どうなのよ?ルー?」

「危険なものならば封印をしなければいけませんね・・」

「ええい、騒がしいゾ!これは・・太古の国の物だ。そして・・このカードは秘宝と呼ばれる物ダ

書状には『商王より真王へ』と書かれておりこのカードの封印の依頼をしている」

「商王・・?珍しき名前ですね・・」

「確か・・その昔世界の全てを牛耳った商いの王がいたとか聞いたことあるナ。これはその時の物ダロウ」

「具体的な時代はわかったが・・結局このカードはなんだ?封印を依頼するって事は危険ブツか?」

「ある種な・・。このカードは『約束(えっ)された(きすき)商品(ゃり)()()』精算に使うカードのようダ。

当時としては商いを行うにその組合に入った物にカードを支給し

その種類に応じて品物を割り引いていたようダッタ

このカードはその最上級・・

その存在は人々から羨望を浴び次第に呪いじみた能力を身につけていったようダ」

書状を解読しながら説明するルー、しかしその説明に納得する者はおらず・・

「・・どう言う事なのですか?」

「つまりは、このカードの効果が強すぎたのじゃ。

もはやその存在が相手に与える効果は呪いに近く割引きの度合いも凄かった・・

それ故に経済を揺るがす物として商王はその封印を依頼したようダナ・・

その運搬の最中に舟は沈没したらしい」

「割引しすぎて経済を揺るがす・・すごいものなのですね・・。名前的に悪ふざけが過ぎてますが・・」

「価格をぶった切るって意味だったんじゃないの?」

「名の由来までは知るカ。

このカードを支払いの時に提示すれば相手の呪いに対する耐性にもよるがおおよそ半額にもなったそうダ

・・これは・・まだその効果は残っているナ」

「ほ、本当ですか!?」

素っ頓狂な声のキルケ・・日頃買い出しに出ているだけに半額というあり得ない割引に驚いている

「嘘だと思うなら試してみろ。受けた相手も別に何の痛みも違和感も感じない。

ただ割り引きしたい気になるだけらしいからナ」

「な、なら私が試してきてもいいですか!?」

「おうおう、実際どうなるのかは私にもわからないからナ。

ちょうどリオが買い出しに行く時間ダ・・一緒に行って確かめてこい」

そう言うとルーは『約束された商品の券』を取りキルケに渡す

それは紛れもなく黄金で出来たカード、重みにキルケの心拍数が上がった

 

「じゃ、じゃあ!キルケさん!行きましょう!」

 

「ええっ!」

 

気合いを篭めて出陣するリオ&キルケ・・

 

そして彼女達はそのカードに込められた破壊力を垣間見る事となる・・・

 

「・・いいのかよ?ルー?話が本当なら街の経済破綻しちまうぜ?」

「一度や二度の買い物程度で破綻するカ。まぁ・・やばそうなのはこのぐらいダナ。

とりあえずはこれを売りさばけば十分な蓄えにもなろう・・いいな?ライ?」

「・・ああっ、俺はいいんだが・・メルフィも荷担したんだからな・・ロカルノ、いいか?」

「構わん。私達も金には困っていないのだからな」

相応の稼ぎがあるのだが生活自体は質素なのがユトレヒト隊、

以前までは路銀等に費用がかかっていたのだがそれも今はほぼゼロであり蓄えは十分だったりする

「え〜!ロカぁ!それって勿体ないわよ!」

「金にがめついのは心が汚れているのと同意だ、

お前も大人ならば心の広いところの一つでも見せてみろ」

「ぐっ・・い、いいわよ!そのぐらい自力で稼げるし!」

負け惜しみ的な発言のセシルさん、中身が大人の女になる日は未だ遠く・・

「なら問題ないか。クローディアはどうする?いるか?」

「・・・いえ、私には・・銭よりも大切なモノがありますので・・」

真顔でそう言ってのける侍娘、

今回の一件にて兄依存症が末期的になったのは火を見るよりも明らか・・

「よし、決まりだな。コーネリア、全部お持ち帰りしなさい」

「ほ・・本当によろしいのですか!?」

余りに気前が良い申し出にコーネリアも目を丸くした

「聞いての通りだ。俺達もユトレヒト隊もそこまで金銭に執着していないからな・・

今現在それを一番必要としているコーネリアが持っているべきものさ」

「・・・・わかりました・・本当、何から何まで・・」

「気にするな。まぁ運ぶのは手間だな・・それはまた追々考えるとして・・お茶にするか・・」

大変な作業を終えた中、ようやくのティータイム

一同に取ってはさほど大したことではない出来事だったのだが

コーネリアに取っては正しく信じられない出来事であり

その後出されたお茶や茶請けの味も全くわからなかったと言う・・

 

────

 

ティータイム後

屋敷前の平原にてラフな格好で集まる者達が・・

「すまんな、アレス・・」

「いえっ、リオがキルケさんと共に買い出しに出たので特にやることもありませんでしたので・・」

「・・ってか・・さ。大げさじゃない?」

そこにいるはロカルノ、セシル、そしてアレスの三名

セシルはいつものだらしがない格好に盾と剣を持っている、

ロカルノは特段変わりが無く趣味が良い出来る男な出で立ち

その中アレスだけが馬に乗っている・・しかしその馬は魔造の物・・

「実験をするにはちょうどいい。ここならそれだけの広さもあるからな」

事の発端は今回の一件にてセシルが使った技をロカルノに報告した事に始まる

氷刃のボード、咄嗟に思いついたそれは牛馬を凌駕する程の加速をしその障壁を砕いた

それを多様されてはいけないとロカルノは思いその使い道を見極めようとしたのだ

もっともそれだけの理由では確かに大げさ、もう一つ実験は用意されている

それはアレスが乗っている馬・・

リキニウスの戦馬の再利用として農馬以外に回収したのを弄った物。

それは戦馬よりもディの魔導機兵の理論を応用しており魔石よりフレーム固定をできる

本家の魔導機兵のように高度な思考回路を必要としない分燃費効率を優先、

馬力にも優れ走行距離も長い「足」として試験的に造られたのだ

ディティールは細部まで拘っておりそれは正しく銀色の馬、しかし見た目に気を遣っていたとしても

実能力がどうなのか念入りに確認しておかなければならない。

 

・・つまりは人がきちんと操れるのか・・

 

通常の馬とは違いその走行の限界はない、故に振り落とされる心配もあるのだ

「アミルを乗りこなす腕を持つアレスだ。乗馬も任せていいだろう」

「・・はぁ、軽く乗ってみましたが実物の馬と変わりませんね・・」

「拘り・・だそうだからな。ルーにしてみれば粘土で玩具を作る程度の事だろう」

軽く言うロカルノ、これを造ったのはディ・・ではなくルー

ディは農馬の方を担当しルーはオシオキの一環でこの馬の製造をやらされた

っというのも影の功労者であるメイがリキニウスよりハイデルベルクまでの

長距離を馬にて走破しメルフィに援護を依頼した事が発端であり

その間に乗り潰した馬の数は相当数に昇り出費が嵩んだと嘆いていたところをライが聞いたのだ

そこで思いついたのが戦馬再利用、

諜報員たるものいつでも高速に動けるようにしておいた方がいいということで

草とメイ、そしてロカルノ用に造らせたのだ

「確かに・・急を要する時にそう都合良く馬が手に入る事はないからな。重宝する事は間違いない・・

まぁ、極星には不要な物か・・」

「そうですね。そうした事態にはまず遭遇しないでしょう・・。ではセシルさん、よろしいですか?」

「はいはい、じゃ〜、アレスが私にタッチできたらその分一晩付き合ってもいいわよん♪」

「・・それは、俺に対する罰ゲームですか?」

思わず口にしてしまう口撃、中身さえ知らなければ非常にそそる案なのだが

中身がケダモノなために彼女の相手をするのはロカルノぐらいとなっている

「ま、真顔で・・、じゃあ!私が勝てばリオたんを一晩慰めたる!」

「・・・・ロカルノさん・・」

どうすればいいのですか?っと目で助けを求めるアレス、

相応の過去を持つ彼もケダモノの対応は慣れていないようだ

「お前の罰になっていない。

そうだな・・アレス、セシルに触れたならば私のコレクションを一つ譲ろう

最近では格闘家も素顔を隠すために仮面を付ける・・

覆面となると少々見栄えが悪いが装着感は良好だ

格闘技をこなすお前ならばそのポテンシャルもさらに高まることだろう

何ならフルオーダーメイドでもいいぞ?

覆面騎士というのも悪くない・・

君のパーソナルエンブレムの刺繍をすれば効果はさらに上がるだろう」

「───あ〜・・えっと・・仮面も・・ちょっと・・」

真顔で仮面を譲ると言われさらに対応に困る、

ロカルノ視点ではアレスも仮面愛好者として見られている・・らしいのだが本人はそんなつもりは全くない。

寧ろ過去の一件により仮面に対する拒絶反応らしきものすらも出ていたり・・

「ふむ・・、では仕方あるまい。

単純ルールと行くか・・セシルは逃げ切れたら勝ち、アレスは一度でもセシルに触れれば勝ちだ

負けた方はシウォングの店で一番高い酒を買いそれを勝者に捧げる・・どうだ?」

「異論はありません。・・仮面に比べたらよほど・・」

「私もそれでいいわよ・・そんじゃ!」

軽く息をつき、盾に剣を重ねる・・瞬時に氷のコーティングがされていきそれは一つの大きな板となる

「・・ほぉ・・」

「これは・・」

異様と言えば異様・・寝かせず盾の部分を持てばライの神狼牙に匹敵する程の氷の刃なのだ

こんな芸当ができるのもセシルならでは・・

そしてセシルはそれを地に置き両足を乗せた

「こんな感じ、最初の推力は風牙で造って後は風を使ったり氷で線路を造ったり・・ってところかしら」

「なるほどな・・。

氷面で溶け出した水分は摩擦を少なくさせる・・そこで風牙の風を使い速度を上げる・・か」

「流石はロカ♪いくら風牙でもそれだけじゃ人を吹き飛ばせる程の風量が得られないのよ。

氷を巻き上げてもシエルを吹き飛ばされなかったしねぇ」

元々は風牙の風は盾そのものを飛ばすため、もしくは飛来物の衝撃を緩和させるためのものであり

人を乗せたり吹き飛ばせるだけの力はない。

もっとも持ち手の魔力に応じて瞬発的にそれだけの力を発揮する事は可能なのだが

多様すれば盾の寿命を削りかねないがためにセシルも使用は控えている

「お前の考えは奇抜だが的は得ているな・・。

よし10秒だ・・それより後にアレスが走り出す・・行け」

「はいよ〜!じゃあいくわよ〜!」

気合いとともにセシルを乗せたボードが宙に浮きそのまま平原を駆け出す

斜面だとそのまま滑り、加速したい時は自然と地に細長い氷の道が作るのでその速度は急激に上がっていく

元々は短い草に覆われている分自然とボードから溶け出す氷の水分にて何もしていなくても滑走はするのだ

「予想以上のスピードですね・・。

爆走する牛馬を追い抜き勢いを殺さないままにぶつかったというのも頷けます」

「速度だけならばシエルの全速にも匹敵するか・・。

さて・・ではこの銀馬はどこまで対抗できるか・・時間だ」

「では・・」

手綱を握り締めアレスがスタートする、

名馬にも匹敵するような力強い踏み込み本域の走りにアレスの目の色が変わった

「この感触・・!!これならいける!」

力強く駆ける銀馬、直線での加速はセシルを上回りその距離を徐々に縮めていく

 

「・・ふむ、馬力は流石・・、安定性も高いようだな」

 

それを冷静に観察するロカルノ、だが数回見た程度で結論に辿り着く

「あれならばメイにも使えよう。持続時間はその時の差はあるか・・さて、後は勝負の行方でも見るとするか」

そう言いながら観戦モード突入・・、

アレスがセシルを捕まえる事ができるならばロカルノでも捕縛は可能

もしセシルが逃げ切れば別の手段を用意する必要もあるのだが・・

「・・ふっ、加速の度合いからしてみれば結果は見えている。たまには追われる立場になるのもいいさ」

結局の処セシルに勝ち目が用意されている勝負ではなかったようだ

 

・・・・・

 

一方

「うぬぬぬ・・!やりおるわ!アレスめ!」

平原を疾走するセシル、

その速度はかなりのものであり長い金髪が風に揺れる・・・

先ほどまで余裕であったのだがその後方に銀色の馬に跨るアレスの姿を確認してから顔色が変わった

まっすぐに自分を追うアレス・・・その距離は少しづつ縮んで行く

「セシルさん・・御覚悟を・・!」

アレス、さらなる加速・・銀馬の動きは最高潮となりながらも力強い走りを維持し続けている

「なんのぉ!直線のみが走りではないわ!」

「っ!この速度で方向転換を!?無理です!」

「否!可能だ!・・セシル=ローズは伊達ではない!!」

そう言うと前方に小さな氷壁を造り出す・・

それは内側がくぼんでおり緩やかなコーナーのようになっている

セシルは速度を落とす事無く自ら造ったコーナーに突入、

凄まじい衝撃と共に強引に方向転換して無理矢理Uターンをした

「無茶苦茶な人だ・・!だがこちらも・・!」

魔導機兵の理論とは言えどもこちらは馬、距離が開くのを覚悟で大きく旋回し再びセシルの後ろ姿を追う

直線ならば負けはせず銀馬は平原を風のように駆けセシルを捉える、

それでも彼女との距離はまだ開いており・・

「へいへい!どうした騎士公!私の爆走は止められネェのかい!?」

風とともに調子も乗ってきたセシル・・蛇行走行をしてアレスを挑発しだす

だがそれに乗るアレスでもない

「・・貴方も騎士では・・?」

「う゛・・アレスめ、ボケよりもツッコミを取ったか・・。

ツッコミ同士のカップルは間が難しいわよ!?」

「・・何の事かわかりませんが・・今度こそ決めます!」

「馬鹿め!急旋回を可能とするこのセシルスライダーにどう対抗すると言うのだ!

幾ら金物の馬とは言え急な旋回はその足を痛めてしまうわ!」

そう言い再び目の前に氷のコーナーを造り出すセシル・・何でもありである・・

「あ〜ばよ!とっつぁぁぁぁん!」「ふっ・・二度も同じ手はさせませんよ!」

コーナーに突入しようとした瞬間にアレスは手に持った礫を投げる

ただの礫ではない、一騎当千の男が全力で投げた物だ

それは下手な魔法弾よりも強力でありセシルよりも早く氷壁にぶつかり・・

 

パァァァン!!

 

派手な音を上げて氷を砕いた・・、行き場をなくしたセシルはそのまま直進・・

「おのれぇ!何時の間に石などを!!」

「勝負前にロカルノさんから渡されました、いざとなれば投げろと・・」

「謀ったな!ロカ!」

「勝負は勝負です!これで・・!」

ついにセシルの横に並んだアレス、そしてその手がセシルの髪に触れた

「おのぉれぇぇぇぇ!!!」

「・・俺の、勝ちです・・」

ニヤリと笑うアレス、悔しがるセシル・・

しかしそれも一瞬、高速で走行しているが故にぶつからないように

両者はすぐに進路を反らし無駄に熱いレースは幕を閉じた

 

・・・・・・・・・

 

しばらくして・・屋敷前でのんびりと日光浴と洒落込んでいるロカルノの元に銀馬に跨るアレスが帰還した

「戻ってきたか・・。むっ?セシルはどうした?」

勝利は最初からわかっていたもののセシルがいない事をやや驚いている素振り

「どうやら・・止まる方法を考えていなかったようで・・森に突っ込んでいきました」

「・・そうか、何かにぶつかるまで止まらない。それもあいつらしいな・・」

その頃、セシルは森の中、大木にまともにぶつかり気絶していたという・・

それでも鋭いボードの刃に大木の幹を深く切り、自重を支えきれなくなった大木は倒壊

御約束にセシルはその下敷きとなり再起(リタ)不能(イヤ)と相成った

「らしさで・・済ませますか・・」

「奴に対して心配などするだけ無意味だからな。まぁ色々とわかった、協力感謝する」

「いえっ、このぐらいお安い御用です・・銀馬の方も良好でした」

「ここからでも確認できた。瞬発力、持久力も言う事はないな」

「はい、安定性は見事なものです。

・・ただ、全力疾走を繰り返した故に残りの稼働時間が少なくなってしまいましたね」

「チャージすれば問題はない。それにあれだけの荒々しい走行はそうはしないだろうからな。

通常の移動手段としては申し分はないだろう」

「そうですね・・では、ここらにしますか」

そう言うと馬より飛び降りる、

そして馬の頭を軽く撫でてやると銀馬の体は光り大きめのアミュレットが地に落ちた

「結果は私がルーに伝えよう。ご苦労だったな・・後でセシルから酒を渡すようにする」

「・・迎えにいかれるので?」

「放ってもおけんからな・・。方角はわかる・・後は痕跡を辿れば奴と会うだろう」

「なるほど・・大変ですね・・」

「ふっ、ああいうタイプは苦手か?」

「貴方の前で言うのも何ですが・・かなり・・」

「それでいい、君にはリオが良く似合っているからな」

ニヤリと笑うロカルノにアレスも気恥ずかしそうに頭を掻いた

そこへ・・

 

「アレスくぅぅぅん!」

 

「ロカルノさぁぁぁん!」

 

金髪の美女二人が激走しながらやってくる・・手には大きめの紙袋が幾つも

買い出しとは言えどう考えても買いすぎであるのは誰が見ても明らか・・

「リオ・・どうしたんだ?」

「す・・すごいの!このカードすごいのよ!!!」

興奮冷めあらぬと言った感じのリオ・・

「落ち着け・・確か・・『約束された商品の券』か。そんなにすごかったのか?」

「ええっ!!?20%30%は当たり前!

挙げ句にはオマケとして色々貰っちゃいました!あり得ないですよ!これは!」

キルケも興奮状態で買い物袋をアレスに見せている

「・・それはいいのだが、そんなに買う必要があったのか?」

 

「「・・・あ・・・」」

 

ロカルノの一言で夢から現へ・・

「割引きの魅力に取り憑かれて買いすぎ・・か。典型的な失敗例だな」

「・あ・・はははは・・確かに・・買いすぎちゃってね・・キルケさん・・」

「え・・ええ・・、服の予約までしちゃいました・・し・・」

「なるほどな、封印しようとした訳だ。ともあれ・・まずは買いすぎたことを素直にライに報告するんだな・・」

「・・割引も怖いですね・・リオさん・・」

「え・・ええ。買う時はあれだけ気持ちよかったのにロカルノさんの一言で天国から一気に地獄へ

これが・・ノウブル・ファンタズムね」

「馬鹿な事言っていないで、さっさと戻るぞ。ほらっ、荷物を貸せ・・」

ぶっきらぼうながらリオの荷物を持ってやるアレス、

それにリオは甘い声を上げキルケは情熱的に見つめる

・・だが、その数分後にカードが没収されたのは言うまでもなかった・・

 

 

 

 

その夜・・

客として招かれたユトレヒト隊と極星騎士団は夕食を終えてのんびりと同じ時を過ごす

っとは言えども体調が万全ではないクローディアやアミルは早めの就寝となり

ディが銀馬や農馬のデータを纏めるために自室に篭もったりと全員集合というわけにはいかないようで・・

しかしその大半が居間へと集まっている、

その要因の一つとして割り引きの魔力に取り憑かれたがために買い過ぎてしまった食材。

早い目に食べてしまわなければならないためにリオ&キルケが調理をしてちょっとした酒宴となったのだ

宴と言えども完全自由参加故に形式も何もなく

各自勝手に摘んで勝手に飲んでと言った感じのホームパーティーのようなもの・・

故に居間では各々勝手に盛り上がっている、

レスとリオがセシルから献上された最上級の酒に酔い、中々に良いムードを作ったり

ルナは肴をウマウマと際限なく摘んだり、

思わぬ出費に凹み飲んだくれになっているセシルに対しすっかり出来上がったキルケが陽気に慰めていたり・・

そして

「いやはや、キルケの肴も意外に美味いもんだな・・U」

「ふっ、調理に関しては私達の料理を参考にしているからな。今では何でも作れるように成長した、V」


「ふぅん、ほんと家庭的ねぇ。ああいうところにクラークはメロメロなのかしらぁ?W」

「うるせぇ・・。まぁ、否定はしないけどな・・X」

「クラーク、偽り(ダウト)だ」

「・・ぐっ!!とっときな!!」

 

テーブルを囲み酒と肴を片手にカードに興じるはクラーク、ロカルノ、アルシア、ライの四人。

そしてやっているのは一人ずつ場に札を伏せながら番号順に重ねていき

相手が嘘のカードを置いた事を見破るゲーム、『偽り(ダウト)

それに加えてカードをやる以上賭けをしたいというクラークの発言を元に

見抜かれる毎に他の三人に、指摘が外れたのならその札を置いたモノに小銭を渡すようなルールで進行をしている

「自分から言い出した割には弱いわねぇ・・」

何気にさっきから出費がかさんでいるクラークにアルシアが一言・・

それにクラークは反論もできず場に積まれた札を回収した

「・・こんなはずでは・・ってうわっ!お前ら・・メチャクチャだろ!?」

「そう言うゲームだ。以前にも言ったが・・お前に賭け事をするには無理がある」

勝ち誇る仮面貴族、仮面がなくともポーカーフェイス

加えて盗賊の技術をマスターしているがためにイカサマは常套手段

賭けに対しては不敗だったりする

「・・あらあら、やっぱりぃ?」

「やっぱりって何だ!やっぱりって!」

「なんかクラークって、つまらない事でお金をドブに捨てていそうな感じがするからぁ」

微笑みながら白葡萄酒を優雅に口に運ぶアルシア、

頬に朱が乗っているところそれなりに気分がよろしいようだ

「鋭いな・・。確かにこいつの賭け好きで随分と臨時収入をもらっているな」

「な、なんだよ!?俺がカモみたいにいいやがって!」

事実、身内からはそう見られています。

「そう言っているつもりなのだがな」

「くっ、こうなったら意地でも負かしてやる!レート上げるぞ!」

気合い十分なクラーク・・だがこれもロカルノの罠だったりする

賭け事で一番大切なのは冷静さを保つ事・・間違っても『こうなったら一発逆転だ!』っという発想をしてはいけない

・・そう簡単に逆転できるほど甘くないのだ

「いいのか?お前結構払っているぜ?」

「心配無用!俺のターン!ドロー!俺はリバースカードを一枚セットしてターンエンドだ!」「偽り(ダウト)

やや長めのフリをして颯爽と出された札・・

しかしそれも速攻でロカルノに見破られた

めくられた札は彼の読み通りに、嘘の札でありクラーク轟沈・・

「おのれ、俺はロカルノに勝てないのか・・」

「少しはポーカーフェイスというモノを学ぶ事だな。ギャンブルのイロハがまるでわかっていない・・」

静かに笑い洋酒を飲むロカルノ、彼にとっては全てお見通しのようで・・

「おのれ・・向こうじゃ単純な物しかなかった分こっちのゲームの多さについ舞い上がってしまうのが恨めしい」

東国の賭け、それは主にダイスを使って偶数、奇数のどちらかを賭けるという単純なモノが主流であり

それに慣れてきたクラークにはカードを使ったモノなのには熱中してしまう癖があるらしい

それでも止められないのは彼がある種のダメ人間だからか・・

「そう言えば、勝ち負けで思ったのだけど・・結局のところ、クラークとライってどっちが強いの?」

「「はぁ?」」

ふと思い立ったアルシアの疑問に口を揃える二人

「それ相応の芝居をしたが勝敗は付かなかったからな。

アルシアが疑問に思うのも当然と言えば当然か」

「そう言われてもなぁ・・。実際に死合った訳でもないんだし」

どう応えるべきか困惑気味のライ、それはクラークも同様のようで腕を組んでいる

「実際、得物も違えば戦闘技術も違うからな・・。

今回は敵を欺くためにギリギリのところで芝居をしたけど本気でやったとしても相打ちじゃないか?」

「もしくは、どっちかが死んでどっちかがポンコツな瀕死ってところか・・

まっ、そこまでやる気はさらさらないけどな」

「そりゃ、俺もそうだ。正直ライとはやりたかない、

攻め手に欠けてしょうがないし神狼牙の重圧(プレッシャー)は凄まじいからな。

立ち会っただけで迫力負けしてらぁ」

わざと震えるフリをしながら葡萄酒を飲み干すクラーク、

ゲームに負けたヤケなのか酒が随分入っているのか・・テンションはやや高めである

「確かに・・あれだけの得物となると対峙した者に与える威圧感は相当なものだ

もっとも、その一撃はその上をいくのだが・・」

重厚な刃はそれだけで相手を萎縮させる、ライの得物などは良い例であり

構えられただけでも並の相手ならば戦意を失うことだろう

「俺としては実感は湧かないがな・・それに、刀の太刀筋の鋭さの方も十分に脅威だ。

剣速からしてちょっとでも気を抜けば攻撃をすり抜けて首を飛ばされそうな気になってしまうからな」

刀の恐ろしいところはその美しい造形とは裏腹の鋭さ。

見ただけでは装飾品にすら思えてしまう刃も使うモノが使えば脅威となる

「そんなものなのぉ?確かにたまに動きが見えなくなる事があるけど」

「刀の鋭さは私も身に染みている。

軽剣に匹敵する剣速もさることながら居合いともなるとそれは一気に跳ね上がる

鋭さも然り・・鉄を斬るなど他の武器では早々真似できまい」

「斬鉄か・・あの技は特別さ・・、まぁそういう剣術ならクローディアの方が優れているんだけどな。

あいつの鋭さは俺以上だ」

そう誇らしげに妹を褒めるクラーク、実力としては彼の方が勝っているのだが

純粋なる剣術としてはクローディアの方が技術が高いのだ

「ふぅん・・じゃ、結局は相打ちになっちゃうのねぇ」

「そこまでどっちが強いかって拘るつもりもないしな・・

第一ほれ、もし俺がクラークに殺されたお前達だってただでは済まないだろう?

今回の一件でのクローディアやキルケみたいに暴走する可能性もゼロじゃない」

最愛の者が殺されて平然といられる訳がない、

それは四姫であっても変わりはないだろう

「それはねぇ、キルケも相当すごかったらしいじゃないの。レイハから聞いたわぁ」

「あ〜、俺の刀振り回して『殺してやる』だからな・・。俺も面食らったぜ」

「・・そんな状態だったのか・・、ふむ・・それは悪い事をしたな」

作戦立案者であり情報を周りに伝えなかったのはロカルノ、

まぁバレたらそれ以上に危険な目に遭う分彼に落ち度があるわけでもないのだが・・

だが、女性が弾けるのは実に恐ろしいものなのである事は良い教訓となった

「あの場合はしょうがないんじゃないか?それに・・決闘も本気だったからなぁ・・

光に紛れて小細工はしたけどそれ以外は全くの遠慮なしだったし」

「あれはねぇ・・私達がいなかったら回収しても手遅れだったわよぉ?」

「だろうなぁ、まだ体がちょいと痛むんだし・・。まぁ、こういう芝居はもうコリゴリ・・だな?」

「やらないに超した事はない。それはライにしてもそうだろう?」

「──そうねぇ・・。ライが死んだとなると私もあの子みたいになるのかしら・・」

「あんまりそう言う想像はするなよな?」

不吉な事を想像するアルシアに対し呆れながらライは麦酒を飲み干した、

彼としても当然、四姫を悲しませるつもりはない

「妙にしんみりとした空気になったな・・」

思わず苦笑を浮かべるクラーク、

居間ではセシルが瓶ごと酒を飲みキルケと肩を組んで盛り上がっている

ルナはお腹一杯なようで満足そうにソファに座り、

アレスとリオはもう二人の世界突入、そろそろ部屋に行く?っと目で会話をしていた

自由参加の酒宴も中々に盛り上がっているようである

そこに

 

「お〜、まだやっておったカ。ちょっといいか〜?」

 

やってきたは寝間着姿のルーさん。

彼女も居間にはいなかったのだが軽くお酒が入っており上機嫌

「どうした?お子様は寝る時間だぜ?メルフィなんてもう爆睡だろう?」

「トカゲと一緒にするナ!これでも夜更かしする時もある」

「・・もっぱらオシオキ中の時なんだけどなぁ」

「ダー!ライもウルサイ!全く・・ロカルノ、銀馬の調整が終わったゾ?」

そう言い軽くアミュレットを彼に投げ渡す、

拳大の大きさで見た目としては高価な宝石のようにしか見えない

「助かる、再利用としてはこの上ないからな」

「戦馬を改造した魔造の騎馬か・・性能はアレスのお墨付きもあったな」

「ああ、走りとしては名馬と変わらない。緊急時の足としては役に立ちそうだな」

馬を手軽に携帯できるとなれば利便性は非常に高い。

それが諜報員ならば尚更である

「それだがな、素体が余っているからこの際、筐体有型として1機作ってみようかと思う」

「ほぉ・・それは興味深いな、・・普段の足としてアミルに頼り切りもよくないからな」

遠距離ならば彼女に頼んで飛行するのは非常に便利

だが微妙な距離だと頼む方も気が引ける・・

なんせ目立たないようにルートも考えなければならないのだ

「ロカルノの頼みなら本人は気にしてないと思うけどな。

でっ、ルー・・そいつは常時展開されている銀馬だろ?

エネルギー供給はどうするんだよ?・・そこら辺の草でも喰うのか?」

その手の知識が皆無なだけにクラークは何が何なのかわからない

「そんなまどろっこしい構造余計に手間が掛かるワ、

消化器官など無理に作らなくとも日光でチャージするようにしてある。

庭で放しておけばそれで十分ダ!」

「ふぅん・・便利ねぇ、ライ、ここにも用意しておかなくていいの?」

「庭に放し飼いのがいるだろう?あいつらだけでも立派な足だからな。

それに・・俺達ってユトレヒト隊と違ってそんなに出払わないだろう?よくて街までだ」

冒険者としてあちこちに出掛けるユトレヒト隊に対し

ライは一国の主、本人があちこち出張る事も少なければその住民も然り

故にそこまで性能の良い移動手段を用意しても活躍する場がないのだ

「その通り、私達はそこまで足がいらないからな。よし!そうと決まればちょいと構想を練るか!

普通の馬では出せない速度までの加速もありダナ!」

「・・何創るつもりだよ・・?」

「そうダナ・・、通常は銀体だが全速力を発揮した時に赤く変色するのもいい!」

「では、構想は任せる。

が・・あくまで移動用として利用する分そこの範疇を超えないようにはして欲しいが・・な」

「む・・そうカ。では速さに拘ってみよう!

ではディを使って数日中に仕上げてみせる・・完成を楽しみにしておくんダナ」

そう言うと至極満足そうに笑い立ち去っていくルーさん。

ちょうど良い暇つぶしを見つけたようで色々と改造に興じるつもり満々のようだ

「・・意気揚々だな、あの様子じゃ騎手を吹き飛ばすようなえげつないモノが出来そうだ」

「人を簡単に踏みつぶせるような巨大な馬だったりするかもねぇ」

「──どこぞの拳の王の所有物かよ。

まぁ、返品は受け付けているから・・具合が悪ければ言ってくれ」

「ふっ、了解した。さて・・ではゲームを続けよう。

クラーク・・カードがダメならば自分の得意なゲームを言うと良い」

「ほう・・言ったな!上等だ!てめぇら!身ぐるみ剥がしてやるぜ!!」

「できるなら・・ねぇ?ふふふ・・」

自信満々で言ってのけるクラークだがすでに大分酒が入っているらしくそれは完全なる過ち。

 

結局一晩にして彼は手持ちのほとんどを三人に渡し、

廃人状態になったところをキルケとクローディアに慰めてもらったという・・・


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