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八章  「自由の国へ」


それより30分ほど後
息を切らしたクラークが王の間へとやってくる
街の混乱はサマルカンド騎士団長ブランの活躍により収まりを見せ、
城内部もラファイエットの活躍で制圧しつつある・・
「話はフロス経由で聞いた・・・、この上にいるんだな」
全身傷だらけのクラークが静かに言う
「ええっ、どうするの?このままだと・・」
「あいつは助けてみせるさ」
「だけど、隊長、そんな身体じゃ・・」
自分ももうボロボロなのにクラークの心配をするクロムウェル
確かに腕には矢が突き刺さっていたり頬にはかすった切り傷がいくつも見られる
流石の剣士も大多数の戦闘に無傷では勝てないのだ
「あんな奴、右手一本あれば勝てるさ」
「・・・勝算があるってわけ?時計台ともなれば狙撃もできない高さみたいだし・・」
「俺が勝算なんて考えて行動する奴じゃない事はわかっているだろう?」
「・・わかったわ・・・、じゃあ道を作ってあげる・・。後は全て貴方が決めなさい」
おもむろに石柱に塞がれた階段に向かい・・・

「鋭!!」

ナタリーが刀を振りクルっと振り向く・・
「頼んだわ、隊長さん」
そう言うと得物の一本『雪月花』を地面に叩く

ゴゴゴゴ・・!!

その衝撃で石柱が切断されガレキだらけだが時計台への道が開かれた
「任せとけ、じゃ・・行ってくる!」
ブレードを抜きながら階段を駆け上がるクラーク。
「さぁ、私達も行くわよ」
「えっ・・?」
「馬鹿みたいな顔しない。もしクラークが殺られたら私達でファラを助けるの。」
「わっ、わかった」
そう言うと二人は静かに階段を上った




時計台
白鳥城の最上階にあり、国のシンボルとして掲げてある
巨大な時計であり、祝い事があれば設置されている巨大な鐘が鳴り響き国民に知らしている
王の間の階段からその鐘の下に出ることがあり、ちょっとした広場になってある
だが、今はその広場は円形の戦場と化しており
その隅で18部隊隊長が吹きすさぶ風の中静かにクラークを待っている
「・・・来たか・・」
ニヤリと笑う男
「・・18部隊長・・・、ブライアンだったか?・・ファラは無事か?」
階段から姿を見せたクラークが落ち着き払った感じで言う
まだ階段には頭だけを時折見せて様子を伺うクロムウェルとナタリーが・・
「ふんっ、貴様如きに我が名を言うとは片腹痛い」
「ファラは無事かと聞いているんだ」
「見ての通りだ。つまらん小細工をされてはかなわんので身包みははがさせてもらったがな」
下着姿のまま拘束されているファラ
依然気を失ったままで肩には楔が刺さっておりまだ出血している
「つまらん小細工・・?女を人質にする奴を言う事か」
「ふん!貴様のような下衆に言われる筋合いはない。若造の分際で隊長気取りおって」
「・・・喧嘩を売るならまだいいが・・、俺が隊長をやっているのは半分不本意だ。
お前も総師の命令で隊長をやっていたんだろう?」
「抜かせ!」
「まぁ、俺も話合いをしにきたわけじゃない・・。ファラは返してもらおう」
「おっと、動くな・・。この女がよほど大事に見えるな・・?おい!起きろ!」
ファラを持ち上げ頬を叩く18部隊長ブライアン
「う・・、あ・・・、クラーク・・」
「ファラ!無事か!?」
「私・・!!」
目を醒ましてようやく今の状況に気付き表情を強張らせるファラ
「おっと!そこまでだ・・。さぁ、良い感じになってきたな・・。少しでも動くとこいつの命はないぞ?」
「・・・・」
静かにブライアンを睨むクラーク。矢よりも鋭い眼光だ
「良い目だ。そうだな・・こいつが犯してからお前を殺すのも悪くないな・・」
そう言うとブライアンはファラの頬を舐める
「わ・・私は構わないからこんな奴・・(パン!)痛ぅ・・」
ファラの叫びを平手で黙らせる
「貴様は黙って犯されたらいいんだよ・・さぁ、13部隊長・・
楽しいショーの始まりだ」



「・・黙って聞いていればいい気になりやがって・・。
そんな手で俺を封じたつもりか?」
「・・強がるな、貴様に手はない」
「あるさ・・、貴様を殺す手が・・な」
「・・ふん、女を見殺しにする気か、これは傑作だ!!」
「死ぬのはお前一人、そいつは俺にとっては大事な女だからな」
「クラーク・・」
「抜かせ!ハッタリも大概にしろ!」
「きゃっ!」
逆上したブライアン、ファラを投げすて戦斧を振りかざす
「この女の首をはねてやる!」

「させるか!!」

その瞬間クラークの足元に展開した魔方陣
っとともに驚異的速さで突っ込む!
「きっ、貴様!」
「おおおおおおお!!!」
戦斧がファラの首に当たる瞬間!
クラークのブレードがすくい上げるように間に入り斧を斬る!!
その衝撃に一瞬ブライアンの身体が弾かれよろめいた
刹那・・

斬!!!!

クラークの身体が霧のように揺らめいたと思いきや次の瞬間にはブライアンを通りすぎた
・・・途端に倒れるブライアン
目を見開き口をパクパクしながら座りこんだ・・
そして

ブシュー!っと勢いよく身体中から血が噴き出る

「・・な・・何やったんだ?隊長?」
事態を階段から見守っていたクロムウェルも何をやったかわからない状況だ・・
「やったのよ・・・、物騒なのを・・ね」
「物騒なの・・って?」
「私やクラークが体得したアイゼン流剣術には外道にのみ使用が許される
『外法』って言う技種があるの。
どれも残虐な技だけどあれはその中でも一、ニを争うものね。
手足、首の動脈を浅く斬り、足の腱と手を切断させ身動きがとれない状況で殺すの。
やられたらそいつは自分が冷たくなるのを感じながら絶命するってわけ。
それがアイゼン流古式外法『血粧花(けしょうばな)』よ」
「・・そんなことをあの一瞬で・・?」
「まぁ魔法で一段と素早くなったようだしね。実際見るのはじめてだけど・・
良いネーミングなもんね、血粧花って」
ナタリーが感心するようにブライアンからは血が噴き出て花のようになっており顔は
その血で真っ赤になっているのだ
「・・」
「とにかく行きましょう。ここは気をきかせてあげないと・・ね?」
「気を利かすって?」
「ば〜か!愛しい男が無理して助けにきたのよ!?命まで助けてもらったっていうんだから
これから燃えあがるんじゃないの!告白と肉体関係になる絶好のチャンスよ!」
「な・・なるほど!じゃあ余計にこの場を離れるわけには・・」
戦闘が終わったことを感じたナタリー、剣士からいつもの気の良いお姉さんに戻った様だ
クロムウェルも冗談(?)を言うくらいだ
「良い趣味ね・・、付き合うわ!」

「お〜い、聞こえてるぞ〜」
遠くからクラークが突っ込んでいる

「・・・・ちっ、仕方ない、行くわよ!じゃあごゆっくり〜♪」
「えっ!?姉御!でもとりあえずは今後の事を聞かないと・・いでででで!」
クロムウェルの耳をひっぱりながらナタリー退散。
時計台の広場には絶命した外道を除けばクラークとファラだけになった

「・・大丈夫か?」
ファラの拘束を解きながら声をかけてやる
「・・ええ。ごめんなさい。迷惑かけて・・」
「気にすんな、仲間・・だろ?」
「うん・・でも・・危うく貴方まで・・(パン!)きゃっ!」
今にも泣きそうなファラに対し軽く御尻をたたくクラーク
「だから気にするなって!いつものあばずれさはどこいったんだよ?」
「う・・・・・う・・うるさいわね!!私だって死にそうだったんだし
肩怪我しているんだからしおらしくもなるわよ!」
「よく言うぜ!俺なんかお前よりも深手なんだぞ!
肩に訳のわからんもん突き刺さったぐらいでピーピー言うな!」
「なんですってぇぇ!この馬鹿クラーク!」
「世紀の幼児体型に馬鹿呼ばわりされたくねぇな!大体なんで下着姿なんだよ!」
「知らないわよ!あのクズに身包みはがされたんだから・・クシュン!」
高いところなだけに風が強く寒そうなファラ
「全く世話が焼けるな!ほれっ!」
手早く鎧を脱ぎ、下の戦闘服を破りファラを包む、そのままお姫様抱っこをしてやる
「・・・・馬鹿クラーク」
照れながらも憎まれ口を叩くファラ、ようやく笑顔が戻る
「うるせー。さっ、降りるぞ」
お姫様抱っこしながら階段を降りるクラーク。
時計台には強い風が吹き荒れたがどことなり清い空気になったようだ





この日、18部隊と暴君バスティーユは倒れた・・。
ラファイエットの勝利宣言により住民の喜びは最高潮になり
街中今まで震えていた分ランチキ騒ぎとなった
そしてサマルカンド国は王政を廃止し、民の意見を反映させるために議会制へと変化、
その中心人物にラファイエット、ブラン両名の姿があった・・・








それから一ヶ月後
再び行われる隊長会議
「先月の問題になっていた13部隊の特別予算の件だが、予定通り支給することになった」
総師がさも面白そうに報告する
参加している面々は18部隊を除く19人、
一部隊が全滅したというのに笑っている総師に一同唖然としている
「それでいいな、13部隊隊長」
「ああっ、いいんだが・・、怪我人も参加なんだな・・」
結構満身創痍なクラーク、まだ包帯がとれていなく隣で立っているファラも消毒液の臭いがしている
「会議には全員参加だ・・死亡していない限りな」
「総師、18部隊は・・・」
「ああっ、暴徒にやられて死亡っとこちらの調べではなっている。
平民に倒れるような輩はわが組織には不要だ」
厳しい総師の言葉に息をのむ面々
だが、事情は格部隊知っておりそれ以上にクラークに対して見る目が変わっていた
「さて、これで会議は終了だ。13部隊長、今回の任務ご苦労だったな」
「どういたしまして。だけど少しは隊員の補充もしてくれ。
こっちは補佐まで前線に出ていたんだからな」
「ふっ・・いいだろう。見当しておく。では・・これにて会議を終了する」
全員起立で敬礼、クラークだけがタイミングが合わず変な格好になっていた



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