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十三章  「選ばれた剣士」


武技会第3回戦。
1,2回戦に敗北した部隊の戦士も必死になるので一番辛い勝負となる
1回戦は第8部隊の巨漢戦士シグマ=カミュ
2回戦は第2部隊は白銀の騎士グレッグ
この二名は訓練場の隅で第3回戦の様子を見るつもりなのだろう

そして訓練場に立つは13部隊隊長クラーク=ユトレヒト。
隊長クラスの強面面々が並ぶ中、一番の若手で一番弱そうなので逆に目立ってしまう
だが、面々も2回戦のナタリーの奮闘を見ていたので全員で襲いかかろうとはしないようだ
「最初に言っておくが・・。あいつがマジで負けた以上、俺も徹頭徹尾、やらせてもらうぜ・・」
クラークが剣気を放ちながら静かに言う
それを聞きある者は息を呑むが大方はせせら笑っている
彼の強さは上層部レベルで知れ渡っているので現場で剣をふるっている者にとっては
優男の強がりにしか見えないようだ

”第3回戦・・はじめ!”

総師の一言とともに戦闘開始・・刹那!

「破っ!!!」

一気に突っ込むクラーク!
最初から身体強化の魔法と発動させているようで恐ろしい早さで斬りかかる!
「うわっ!」
「一つ!」
「ぎゃ!」「ぬぅ・・!」
「二つ三つ!!」
風の如く駆けこみ鋭い斬撃で戦士達を翻弄していく・・。
すでに開始早々3人の戦士を地に落としている

「すげぇ・・。訓練の時とは比べ物にならねぇ・・」
真剣なクラークにクロムウェルも感嘆の声を出している
「だが、先ほどまでは嫌々の割には切れのある動きだな・・」
フロスもクラークの本気ぶりに驚いているようだ
「私が負けたからよ・・」
「えっ?」
「あいつったら仲間が倒れるとああなるの。普段不真面目な分がむしゃらに戦ってね・・。
ったく、そんなんだったらいつも真面目にやれっての」
それができないのを承知しながらもナタリーがぼやく
「ふぅん。クラークさんってそうなんだ・・」
「ファラも良く見ておきなさい、あれが貴方が愛する男の気性よ」
人格が変わっているファラに気付き声をかけるナタリー、
彼女はもともとそういうことにはまったく気にしない
「ああっ・・わかったよ」
「でももう10人倒してますよ!1,2回戦以上の速さです!」
今回はフロスの解説をずっと聞いているために会話に参加できていないアル
クラークの戦いに目が離せないようで目を皿のようにして観戦している
「そりゃあね。刀持っていてさらには魔法による強化、おまけにマジでやっているんだから
いくら公社の戦士だからって言っても止められないわよ」
ナタリーの言うことは本当で他の部隊の観客達も先ほどまでの騒がしさとは
打って変わり静まり返っている
・・それほどまでの猛攻なのだ

「17!・・残るはお前だけだ!」
恐るべき乱舞を目の当たりにした残りの一人・・もはや戦士喪失のようだ
「さぁ、どうする?来るか・・!?」
「・・う・・ぬ・・」

ドス!!

「ああっ・・!」
突然その男に突き刺さる矢・・
見れば総師が弓を構えていた

「その男は敵を目にして逃げる気になっていた・・
我が公社の戦士にあるまじき行為・・よって
罰を与えた」

全くの無表情で叫ぶ
一同その非情な行為に静まり返る
「ふん、急所は外してある・・それよりも13部隊隊長クラーク、つまらぬ者の愚行に興ざめた
・・このまま連戦する・・異議は・・」
「言ってもやるんだろ?ならさっさとやろうぜ・・」
「ふっ・・、さっさと片付けろ・・第2部隊グレッグ、前にでろ」
「・・おおせのままに・・」
「私を失望させるなよ・・」
そう言うと弓を捨て再び席に座る総師、秘書は眉一つ動かさず士官に指示をだし
士官たちも手際良く倒れている戦士達を訓練場かた連れ出した
残るは片隅でその行動を静かに見ていたシグマ。
そして息を切らしながらもまだ余裕があるクラーク。
対し余裕面のグレッグ・・・

「さて、休憩もなしに剣を交えるは少し不本意だこれも総師の御心。・・悪く思うな」
白銀剣の切っ先をクラークに向け堂々と言いやるグレッグ
「・・へっ、随分総師に信仰しているな・・気にするな、俺は1秒でもお前を叩きのめしたかったんだね」
「・・ほう・・」
「でなきゃ、あいつがうるさいのでな」

「クラーク!一気にしとめなさい!!」
静まり返っている中に一人だけ叫ぶナタリー・・

「なるほど・・、では・・真剣勝負!!」
「望むところ!」

”・・はじめ!”

「「おおお!!」」
総師の声とともに一気に突っ込む!

キィン!!!!

鋭い鍔迫り合いの音が響く・・が
「ぬっ・・、流石にナタリー君とは訳が違うか」
力VS力ではクラークの方が上回っている・・っと言っても魔法で強化しているからの結果だが
「なんでもかんでも比較すんじゃねぇよ、俺は俺だ!!」
そのまま連撃へ・・、刀を手にしたクラークの攻撃は激烈なもので流石のグレッグも防戦一方になった
・・・・
「・・全く!公社のツワモノを打ちのめした後でこの動き・・尊敬に値するよ!」
「口動かす前に手を動かせ!せい!!」
「ぬっ・・!ふっ・・失礼・・では私も最大の礼を表し君を葬る!」
数歩飛びのき白銀剣を改めて構えるグレッグ
「ああっ・・。ならばこれで終わりにする・・。次が待っているようだからな・・」
ちらりとシグマの方をみるクラーク、今までの攻防を口をへの字にして見ている
「なるほど、三連戦を想定・・か。大きく出たな・・」
「中途半端は嫌いでな・・。これでいくぜ・・」
足を広げ刀を持つクラーク、目は鋭くグレッグを見ている
「ほぅ・・、刀使い特有の剣技・・「抜刀術」・・だな」
「知識だけはあるようだな・・、だが、それだけじゃ止められないぜ」
息を整え剣気を高め、斬鉄剣『無銘』に手を添える・・・
「ふっ・・、ならば止めて見せよう。我が剣にかけて!」
グレッグも白銀剣を構え迎え撃つ気だ

「へっ・・・、なら止めてみろ!アイゼン一刀流!『霧拍子』!!」
気合いとともに残像を残し走るクラーク、
魔法による体力強化も手伝ってとんでもない速さでグレッグに斬りかかる!
「!!・・・・おおっ!!」
グレッグも予想以上の早さに唖然とするが何とか対抗する

斬!!!!

風の刃と化したクラークがグレッグを通りぬける
・・・・・・
「・・・くっ・・」
着地したクラークだが肩に傷を負っている。
あれだけの踏みこみでもグレッグは対応し一矢報いたのだろう
「・・・ふふっ、見事・・」
毅然と立つグレッグだが、満足そうな顔をまま倒れる
腹部からは激しい斬撃の後が・・

”それまで・・、勝者13部隊クラーク”

総師からの一言で戦いは終了・・。
グレッグは気を失っており士官達が止血をしながら訓練場から担ぎ出している・・
「ぜぇぜぇ・・さすがにきっつい!」
勝ったクラークのほうも流石に疲労の顔が強く肩の傷を押さえながら座りこむ

”さて、では最終戦といこうか・・”

「待て!少しは休ませろ!これはフェアじゃねぇだろ!」

”ほう?流石にきついか?”

「当たり前だ。シグマもアンフェアだとやる気もないよな?」
「・・・・・・・」
シグマ、応えてくれず・・
「無視?」

”・・ふっ、まぁいいだろう。5分やる。仲間に傷を癒してもらえ」

「へいへい・・じゃあさっさとしますか・・」
そういいながら素早く訓練場を走り出す、どうせもうカウントははじまっていると思ったのだろう
シグマはそれを黙ったまま見、自分の得物に手をかけ静かに立った


「おつかれ〜、クラーク」
「おう!まだ終わってないんだがな。おい!ファラ!時間がない!早く傷治してくれ!」
13部隊陣営に急いでくるクラーク、先ほどまで凄まじい戦闘をこなしてきた男とは思えない
「ち・・治癒!?あたしは・・」
少し困惑顔のファラ。
「えっ?あっ、お前そういうのできないのか?」
「攻撃があたし担当、あの子は治癒とかそっち系が得意なんだとにかく起こすよ・・ファラ?」
「・・・・・・・」
「ファラ・・起きなさい」
自分の名を呼ぶファラ、事情を知らないとかなりおかしい人に見える
「・・・・・・」
「もう、寝起きが悪いんだから・・、ファラ!」
「ええい!もういい!こうなったら無理やりだ!」
そう言うと観客席によじ登りファラを掴む!
「えっ・・無理やり・・?」
慌てるファラ、治癒を無理やりさせられると思ったのだが・・
「(すぅ・・)起きろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
耳にすごい大声で叫ぶ
「!!!!!」
これにはファラも目を星印にして驚く
「・・・・・・・な・・・なんて事してくれてんのよ!鼓膜破れるじゃないの!!」
「うるせぇ!俺が戦っているのに呑気に酒飲んで交代してんじゃねぇ!さっさと治癒しやがれい!」
「呑気とは何よ!今日はあの子が楽しみにしていたから
私が気を利かして交代しやすいようにしたなく飲んでいたの!」
「理由はどうあれ二人仲良く見なさい!」

”後三分・・”

「げっ・・、ともかく早く傷治してくれ!次最後なんだよ!」
「えっ、何時の間に!」

寝てる間にです

「だから早くしてくれ〜、勝ったら欲しいもん買ってやるから!」
「わっ、わかった・・いくわよ!」
そう言うと傷口に手を当て治癒魔法を唱和するファラ
・・一同、この二人の場違いな痴話喧嘩に違う意味で沈黙

「・・、部隊の恥だな」
隣で耳をふさいでいたフロスが呆れる。隣のアルは間近でみる二人の喧嘩に硬直
下の二人はわかっているけど他人のフリ・・・

・・・・
「よし!これでいいわ!体力も回復させたからがんばってきなさい!」
治癒魔法が終わりクラークの背中をバンっと叩くファラ
「おう!じゃあ応援よろしくな!」
「あの子にも言っておくわ!・・・・・がんばれ!」
会話の途中にクイックチェンジ・・。今日はもう一人のファラがメインらしい
「任せられて!とう!」
元気良く観客席から跳躍。そのまま訓練場へ颯爽と着地する
そこにはすでに準備運動を終わらせた第8部隊にして前剣聖帝シグマが大戦斧を持ち静かに待っていた
「待たせたな、第8部隊の・・」
「・・・・・」
クラークの言葉にも眉を少し上げるだけで無言のまま・・
「・・・怒っている?」
「・・・」
またも返事なしなシグマ、かわりに巨大な戦斧を構え足幅をあける

”それでは・・、武技大会最終戦・・はじめ!”

その総師の言葉とともにシグマがその巨体から想像もつかない
早さで突っ込む!
「!!」
「うおっ!」
クラークがいた所をものすごい早さで斧が通過・・クラークはなんとかしゃがんで回避できた
「大ぶりだな!」
空振りに終わったシグマにクラークは徒手空拳での連撃!
人体急所を肘撃ちで押しこみ腰の回転を生かした蹴りで吹き飛ばす!
「・・・・(ニヤリ)」
強烈な蹴りで飛ばされたのに少しにやけるシグマ
「タフだな・・、しかし何かしゃべらないのか?」
「・・・・・・・・いくぞ」
そういうと大戦斧を振り投げる!・・・しゃべれないわけではないらしい
ともあれ、轟速球と化した大戦斧がクラークをピンポイントで襲う!
「!!!!・・なんとっ!!」
鋭い刃をクラークが飛びのく・・が

バキィ!!

それをみすこしたようにシグマが突進しクラークの頬に強烈な突きが入る!
「ぐぅぉぉ!」
まともに入ったクラーク、身体が駒のように周り訓練場の壁に激突する!
そのまま彼はピクリとも動かない
「・・・・・・・・」
対しシグマはブーメランの如く戻ってきた戦斧を持ち追撃もかけずに静かに見ている


「あの・・クラークさんが・・」
「・・・流石は前剣聖帝・・、巨体とは思えない攻撃だ」
唖然とするアル、そして的確にシグマを見やるフロス
隣のファラは声も出ずに心配そうにクラークを見ている
「本当よね、あんな戦斧、剣でまともに受けれたもんじゃないし、回避すれば必ず隙ができる・・。
そこに的確に拳を叩きこむなんてね・・。負けて正解だったわ♪」
「姉御!そんなこと言っている場合じゃ・・」
「大丈夫よ、あいつがそのくらいで敗れるタマじゃないわ」
「でも・・隊長倒れたまま起き上がれませんよ!?」
一番慌てているアル、倒れるクラークなんか見た事がないのだろう
「大丈夫大丈夫、ほらっ、ファラ。声かけてあげなさい!」
「あ・・あたし・・?」
「そっ、負けないで!って言えばニョキって立ちあがるわよ」
「ニョキって・・」
「いいからいいから、早くしないと負けるわよ?」
「・・・・クラーク!負けないで!」
ちょっと戸惑い気味ながらも大きな声で叫ぶファラ。


その言葉にピクッと反応するクラーク
愛の力は偉大か・・
呼吸を整えゆっくりと立ちあがる
「・・・ペッ!・・ったく巨漢に似合わず早いな・・」
口から血を吐き頬に手を当てる
「・・・・・・・・意外だ」
静かに見ていたシグマがぽつりと言う。巨体に似合う低い声だ
「意外って何が?」
「・・貴方を殺す気で殴った・・だが・・」
「これでもタフさには定評があってな。それに簡単に倒れちゃ失礼だろ?」
「・・・・では、本気で手合わせ願おう」
そういい大戦斧を構える
「・・了解だ。長期戦になるとこっちが不利だ。さっさと終わらせるぜ」
そういいながら制服を脱ぎ捨てシャツ1枚になるクラーク
見ればファラの治癒で塞がれていた傷が開いている
先ほどの一撃で傷が広がったようだ
「・・・・・・・」
「手加減無用・・、全力勝負だ!」
「・・・・・良い目だ。自分に対して正攻法で挑むのは貴方がはじめてだ・・」
無感情なシグマが少し微笑む
クラークの戦い方が気に入ったらしい
「へへっ、俺もお前みたいなツワモノ久々だな・・いくぜ・・」
そう言うと立体魔方陣を展開し、『無銘』を抜く
居合いを使わないのはシグマの屈強な身体には、
力よりも鋭い切れ味に頼るの刀で仕留めるには適切ではないと思ったのだろう
「・・・・・いざ・・」
「尋常に勝負!!」

「「おおおおおっ!!!」」

渾身の力で振り下ろすシグマ!
対し身体強化にて力を増したクラークが刀を下から振り上げる!


キィン!!!

鋭い音とともに力と力がぶつかりあう!
「ぬうううう・・!」
やはり力勝負ではシグマに分があるようでクラークが押され気味だ
「・・・・その力では勝てぬ、負けを認めよ・・」
「そんな事できるとでも思っているのか・・?俺はまだ勝負を捨てていないぞ!」
「・・・・・口だけでは勝てん・・。ならば一思いに・・」
「・・!!」
さらに力を込めるシグマ、これには流石のクラークも膝をついてしまう
「・・・・・・・・・これまで・・」
「・・ちぃ・・・」
額を汗まみれにしてクラークが唸る
その時・・

「何やっているの!がんばりない!」

「!!・・ファラ・・」
振り向けないが彼女の叫びには違いない

「勝つっていったんでしょ!負けたら承知しないわ!」

「だれ・・・が・・負けるんだって!目をかっぽじって見ていろや!」
気合い一発!シグマの戦斧を押し上げるクラーク!
「!!・・・ぬっ・・!」
「俺は負けない!シグマ!覚悟!!」
そのままシグマの戦斧を弾く!
シグマは信じられないっと言った顔だ・・
そして・・

斬!

全一撃を込めた一振りが見事シグマの腹に入る!
「・・・ぬぅ・・!」
うめいたままシグマが倒れる・・、見れば『無銘』は峰打ちで斬るのではなく叩いたようだ
「・・・へへっ、俺の勝ちだ・・・。つ・・・疲れたぁ!!!!」
全力を出しきったクラーク、シグマを討ったと同時に尻餅をつく

”それまで・・、今回の武技大会、剣聖帝の座は13部隊のクラークに与える。受賞は後日、
本日はこれにて終わらせる・・”

その言葉とともに観客席にいた公社の人間は全員立ちあがり総師に敬礼する
やっていないのは気絶しているシグマと全く動けないクラークだけだった

・・数日後、総師から改めて『剣聖帝』の称号を受け取ったクラーク、
本人はあまり興味がないので終始事務口調で儀式を済ませる・・。
それよりも重要なのは・・

「すっご〜い!!!一気にこれだけ上がったの!!!」
給料明細を見て思わず声を上げるナタリー
一同隊長室に集まりクラークが給与明細を配る
「うおっ!流石は剣聖帝!」
「・・でも、僕達が受けとっていいのですか?」
アルだけが気まずそうに明細の金額を見る
「気にするな、資金増えた事には違いないんだからな」
「そうそう♪じゃあ早速街へ繰り出しましょう!!」
「おお〜!!」
肩を組み負けたはずのナタリー&クロムウェルが早速出ていく
「あの・・クロムウェルさん?」
「おっ、アルも来い!浴びるほど飲むぞ!」
「えっ、うわっ・・・!隊長〜!!」
上機嫌なクロムウェルに首をつかまれつれていかれるアル・・
「はしゃぎすぎんなよ〜」
クラークはそれを助けようともせず・・
「では遠慮なく受け取っておくか・・」
一人静かに受け取るはフロス、彼は計画的に使うようだ・・
明細を見たらさっさと隊長室を後にした
・・・・・
「ま〜ったく、現金だな・・」
「いいじゃない?お金が増えたのは悪いことじゃないわよ?
貴方だって栄えある『剣聖帝』の座を手に入れたじゃないの」
「別に欲しかったんじゃないんだけどな・・。まぁ、いいんだけど」
「あの子も喜んでいるわよ?貴方の戦うところを一杯見れたって」
「意外に応援とかするんだな、内心びっくりしたぞ?」
「うふふ、あの子も最初はナタリーに言われて仕方なくだったみたいだけど・・ね」
「ふぅん・・」
二人っきりになった隊長室で甘い空気が漂う
「まっ、今はあの三人が街に行ったからしょうがないけど・・今度二人でお祝いしましょう♪
・・剣聖帝になった事の♪」
「そうだな、でも・・」
「でも?」
「三人・・だ」
「・・・ふふっ、そうね♪」

コンコン

和やかな会話をしている中突如ノックが
「フロスか・・?開いてるぜ?」

ガチャッ・・

「・・・・・・」
フロスだと思っていたが入ってきたのは第8部隊のシグマだ
「・・・・どうしたんだ?お前?」
「・・・・・話は聞いていないのですか?」
静かに応えるシグマ
「話・・?あっ、ファラ、伝書鳩来ているぞ?」
「ええっ、ちょっと待って・・」
突然の来客にお茶を出そうとしたがそれよりも本部からの連絡があったので窓に向かう
「・・・ええっと・・『本人からの意思により本日付けで
第8部隊のシグマ=カミュを第13部隊へ異動する』・・ですって」
「・・・・・よろしく、お願いします」
静かに礼をするシグマ
「あ・・・ああ・・。でもどうしてだ?」
「・・・・・、正しき心を持つ者の下で腕を振るいたいと・・」
「なるほど、公社の隊長なんて結局は欲に目が狂っているものね〜、
クラーク、心強いのに惚れられたものね?」
「・・まぁな。多少買かぶっているような気もするが・・よろしく頼む。」
「・・・・・」
クラークの言葉に無言のまま深く礼をするシグマ
剣聖帝と前剣聖帝が配属していることになった13部隊・・
この日を境に彼らをあざ笑うものはほとんどいなくなった


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