十二章  「剣の聖帝」


新しい得物、新しい仲間と共に13部隊は以後も快進撃を続けていた
命令された依頼はクラークが気に入ったものなら完全に遂行し
気に入らないものならば全く動かなかったので
余所のお堅い部隊長にはかなり嫌悪感を持たれているが
総師は彼の行動はお見通しのようで特に何も言ってこない

「今日も書類と戦い〜♪ルルルルル〜」
いつもの隊長室、いつもの机でクラークが嘆く
彼にとってはツワモノとの戦い以上に苦戦する相手のようだ
「ほらほら!文句言わずにビシバシやりなさい!」
ファラが隣で足を組みながら監視する。
何時もの丸眼鏡ではなくスパルタ教師が愛用しそうな三角眼鏡をきらきら光らせて・・
「堪忍してくれ〜、っうかいつもの眼鏡はどうしたんだよ?」
「イメチェン♪貴方が怠けていたら鬼のファラさんモード突入よ♪」
「・・っうか眼鏡はちゃんとつけなさい」
「あれは伊達眼鏡よ。あんなんでもつけていないとほんとに子供に見られるし」
書類を丸めてパンパン手で叩くファラ。
語尾に「〜ざます」っと言いかねない・・
「ふぅん・・、そうなんだ・・」
「さぁ、ヨタ話はここまで!貴方が命令無視したから始末書も上乗せよ!」
さらにドカンっと置かれる始末書、彼の悪行三昧についてのようだ
「俺が何やったってんだよ〜・・」
「文句言わない・・ったく。国家犯罪者の殺害が嫌だとか王様の護衛が嫌だとか言っているからよ・・」
「あの国家犯罪者は冤罪、王様の件にしても同性愛全開だぜ?アルなんか一発で襲われるっての」
思い出しただけで身震いするクラーク、情報だけでも相当濃い王様だったらしい
「でもそのおかげで13部隊の評判は結構なもんよ?「のぼせ上がっている」とかさ・・。
貴方ってトラブルメーカー?」
「んなもの知るかい。・・んっ?本部の鳩が来ているぜ?」
見れば隊長室の窓をつつく純白の鳩が
「あらっ、ほんと・・ちょっと待っていて・・」
ファラが餌を持っていき鳩の書類を取り餌をやる。
鳩は嬉しそうに鳴いたと思うとすぐに天高く飛び立った
「・・・始末書の件?」
恐る恐るファラに聞くクラーク、中には提出期限を過ぎているものもあるのだ・・
「違うわ。公社の『武技会』のお誘い・・ね」
「ああっ、あの公社内での武闘会か。こんな小さなところでも参加しろってのか?」
「そうね・・、18部隊壊しちゃったし・・。とりあえず3人参加しろって」
「了解・・じゃああいつら呼ぶか・・」
「その前に書類!!」
「・・ファラさ〜ん・・」



その日の昼過ぎ
書類もなんとか終わり、13部隊の面々は談笑室に集まった
「さて、本部から連絡があってな。今度行われる公社の『武技会』に3人参加しろってよ」
「「武技会?」」
クロムウェルとアルは公社には入ってまだ長くないのでわからないようだ
「公社内での力量を競う武闘会だ。それにより頂点に立った者に『剣聖帝』の称号が送られる
他にも高位の者には『剣帝』、『帝者』っという称号があったな・・」
物知りフロスさん、眼鏡片手に武技会の説明をする
「んな肩書きなんの役に立つってんだよ」
クラークはあんまり興味がないようだ
「そうとも限らん。剣聖帝になれば所属している部隊の予算は2倍に。
『剣帝』なら1・5倍、『帝者』なら1・2倍で部隊に余裕が出てくる」
その一言に面々の目には欲の光が・・
「私!新しい鎧が欲しい!」
「俺も動きやすいように丈夫な靴が!」
「私は〜、そうね、魔術書かな?」
「ふっ、私はサウスヴァージニアに新しく発刊した兵書がいいな」
「みっ、皆さん・・」

「てめぇら!そういうのは自分の金で買え!!給料やっているだろうが!」
ここはリーダーらしくクラークが一喝
「だってクラークさんは自分の得物のためにわざわざ遠出してさ〜」
「そうよ、そのためにクロムウェルとアルまで使ったんだしね〜」
流石は日頃慕っているコンビ・・見事な呼吸での抗議だ
「まぁ、貴方が剣聖帝になったら皆潤うんだからがんばりなさい♪」
「ファラまで・・ったく。わかったよ。じゃあ出場するのは俺とナタリー、クロムウェルだ。
各自の懐の温かみを保つため張りきるぞ!」
「「応!!」」
「じゃあ私達は応援ね〜♪負けたら私刑よ♪」
「お前は楽しすぎだっての・・。じゃあフロスはアルに戦いの解説を頼む。
アル、プロである傭兵公社の戦いってのをじっくり見ておけ。」
「わかりました!」
「・・こちらも了解だ。まぁアルは才能があるから問題はないとは思うが・・な」
日頃熱心に訓練に励むアルをフロスはいつも見ている
対しクロムウェルは朝の訓練は寝過ごしてクラークとファラにボコられたのだが
隠れてその分を補っている・・。こちらは朝が苦手なだけのようで実力もかなりついたのだ
・・・っと言っても彼を誉めるのはナタリーがたまに・・なのだが・・



それより数日後
公社本部に設置されている訓練場が『武技会』の舞台となる
それは公社の地下にあるのがかなりの広さで円形の闘技場のようになっている
そこに集まるは各隊員3名ずつのツワモノ
「いつもながら思うのだが・・、いつもはここ使っているのか?」
地下闘技場だけに余分に松明が焚いてあり熱気がすごい・・。
そして観客席には傭兵公社のそうそうたる面々が
「さぁ?でもここって何か血なまぐさいのよね〜。」
「二人はここはじめてじゃないのか?」
訓練場に並びながらの二人にクロムウェルが聞く
彼は公社本部地下にこんなものがあることを全く知らなかったのだ
「まぁ、去年も出たからな・・。やる気ないからさっさと辞退したけど」
「そうそう、無茶苦茶だもの」

”さて・・、集まったか”
クラーク達の会話を妨げるように総師が登場、隊長会議の時と同じ服装でいつもの口調だ
そのまま出場者達の前に移動する

「今回も公社内最強に相応しい者を選ぶことに相応しい舞台を用意した
。最強の戦士には相応の報酬を名誉を与える
・・せいぜいがんばってくれ」
にやける総師。そしてそのまま訓練場から退場・・どうやら特等席で観戦するらしい。
訓練場がよく見える頑丈そうな椅子に座る・・
いつも傍にいるあの無表情の女秘書もいて飲み物を出しているが・・相変わらず生気がない
「でもこんな大人数でどうするんだよ?」
「どうするって公社流のやり方よ・・がんばってね〜」
クロムウェルを残してクラークとナタリーは退場
それとともに他の部隊の隊員も一緒に退場・・・・
「公社流って・・まさか・・・!!」
広めの訓練場に残されたのは19人の戦士・・つまり各部隊の代表隊員

”第1回戦・・はじめ!!”

総師の一言とともに全員が戦い出す!!

「マジで!!うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突然のバトルロワイアルに唖然とするクロムウェル
屈強たる傭兵達にはかなうことはできず
・・轟沈・・

・・・・・・・
・・・・
・・

「やれやれ・・、無茶苦茶じゃないか!」
乱戦は激烈を極め、早めにダウンしたクロムウェルは公社の士官に助けられ一足早く
13部隊陣地へ・・
「言ったじゃない。あの戦闘に残ったものが『剣聖帝』『聖帝』・・後なんだっけ?
その3つの勲章の一つを得られるってわけよ」
今だ血で血を荒らそうが如くの戦闘にアホらしいっと言った顔で見ているナタリー
周囲は熱狂に包まれかなり騒いでいる・・
「なるほどな・・。あれに勝ち残っただけでも賞金出るはずだ」
「だろ・・?まぁんなもんやる気もでねぇっての・・」

「こら〜!クロムウェル!何負けているんだぁ!!」

そんな中観客席からファラのヤジが・・、
戦闘に参加しない者は自由なので酒を飲んでいるようだ
「・・・・、クラークさん。なだめてくれよ」
「・・・・ああなったら手がつけられん。・・耐えてくれ」
「あう・・」
「そんなこと言っている間にもどうやら勝者が決まったらしいわよ」
戦士たちが倒れる中、唯一立っているのは素晴らしい筋肉をつけた男が・・
短い黒髪が特徴で太い眉毛に鋭い目・・。見るからに戦士の風貌をかね揃えている
得物は巨大な戦斧で柄が長いのが特徴だ
「第8部隊のシグマ=カミュ。去年の『剣聖帝』に輝いた男ね。
ま〜ったく、あれだけの戦闘しておきながら息も切れてないわよ?」
激しい戦闘の後なのに口は正しく『への字』になっているし
息も乱れていない
前会の王者としての実力が垣間見える
「化けモンだ・・・。クラークさん、勝つ自信なんてあんのかよ?」
「まぁ・・、優勝するってあいつに言っちまったからな〜。
酒入っているし負けたら小言がすごいだろう?・・やるしかないよ」
ま〜ったくのマイペースなクラーク
だがそんな彼の方をシグマがちらりと見る

「・・・・・・」
「・・・・・・」

シグマはしばしクラークを見たがやがて何事もなかったように訓練場を後にした
「・・熱烈大歓迎ね?」
「まぁ、まだ俺がバトルロワイアルに勝ち残れるって決まったわけじゃないんだけどさ」
頭を掻きながらクラークが言う。まだそれほどやる気があるわけではないようだ
「まっ、それは置いといて〜、次は私ね」
訓練場で気絶している傭兵達を士官が片付けていき準備はおっけいのようだ
「姉御!がんばれ!」
「あいよ!できれば勝ち残ってみるわ♪」
流石のナタリーもあまり自信がないようだが明るく訓練場に入っていく

・・・・

「紅一点だな・・」
第2回戦も屈強な戦士達が揃っており女性はナタリー一人だ
一同はナタリーを見ており「まずはこの女から」・・っと目が言っている
「・・集中攻撃は必至じゃないか・・?」
「ナタリーは対多数戦には慣れている。お前も『姉御』を信じろ」
「・・はぁ・・」

”第2回戦・・はじめ!”

「「「「うおおおおおおおお!!」」」」
予想通りに一気にナタリーに襲いかかる男達
まずは貧弱なる女を相手にしようという感じだ
この戦い、数を少なくしてから仕掛けるのが得策なのだ
「ここまでは予想通り・・古式ニ刀流『驟雨(しゅうう)』!!」
押し迫る戦士達に自分の得物「雪月花」と「紫電」を構え猛烈な突きの連撃を放つ!
二本の刃は幾多にも増え、激しい雨の如くと化す
戦士達はその予想外の攻撃をまともに食らってしまった 

「すげぇ・・」
思ってもみない展開にクロムウェルも驚いている
「まぁ、こういう事だ。女だと思って甘く見たのが間違いなのさ」
隣のクラークは当たり前・・っという顔だ。
「対多数戦での見本をお前に見せているのだろう・・、クロムウェル。しっかりみておけ」
クロムウェルの頭のほう、酔って身を乗り出しているファラを押さえながらフロスが言う
「そ・・・、そうなのか?」
「ああっ、いくらなんでも直にパワー負けするぜ?あいつは元々ああいう戦い方はしないんだよ。
力に限界があるからな。だから腕力のあるお前に教えているんだよ」
「・・姉御」
「口数多いくせにそういうところは不器用だからな・・おっ、動いたぞ」

ナタリーは押し寄せる戦士達の頭に飛びかかりそのまま包囲を突破!
それを見て十数人の戦士達はもはや彼女を相手にするより
近くの連中を相手にしたほうがいいと判断したのか乱戦となった・・

「まったく!公社の戦士ならもう少し品のある戦いをしなさいよね!」
もうドロ沼状態の彼らを見て呆れるナタリー

「同感だ。これでは野蛮人と見られてもおかしくない」

静かに応える男の声・・
見れば最初から戦闘を見ていたと思われる男が・・
こげ茶の髪を綺麗に整え白銀の鎧に同じく白銀の騎士剣を持つ
「なんか・・場違いね。どこの部隊?」
「第2部隊のグレッグだ。君の噂は良く聞いているよ、13部隊の剣鬼、ナタリー君」
「あぁら。剣鬼だなんていかついネーミングはよしてくれないかしら?
これでも自称は『キュートでイケテル女剣士』なんだから!」
そのナタリーの一言に13部隊の面々はシラ〜っと・・
「それは失礼、『キュートでイケテル女剣士』さん」
「・・真顔で言われるとなんか嫌ね。ったく服装といい・・騎士崩れ?」
「まっ、想像に任せる。真剣での勝負を願いたい。
その前に後の味噌っかすどもを片付けたいのだが・・」
「任せるわ。やるなら一人でどうぞ?」
そういうとナタリーは口笛吹きながら訓練場の壁にもたれる
「やれやれ、流石は・・っというべきか。ではお言葉に甘えよう」
そういうとグレッグは白銀剣をかざし一礼する
騎士気取り・・っということなのだろうが結構様になっている

「選ばれし戦士の名を汚す愚劣な者ども!私が蹴散らしてくれる!!」
大見得を切って乱戦に参加する・・のだが・・

斬!

ヒョロッとしている外見とは裏腹に一撃が重い。
予想外の腕前に乱戦中のお馬鹿な戦士達もタジタジしている

「こりゃあ・・、残りもあいつ片付けるな」
「クラークさん、まじかよ!いくら一撃でなぎ払ったとしてもまだ16人もいるんだぜ!?
ナタリーさんなんか一休みしていて伸びしているし!」
「あの一撃でただもんじゃないってことはわかるだろう?フロス、あの騎士さん知っているか?」
観客席で戦術指南しているフロスにクラークが聞く
「余り聞かない名だ。恐らくは近頃配属になったのだろうな・・。
だが鎧の紋章からしてハイデルベルク騎士団のものだろう」
「ふぅん、騎士崩れ・・ってわけか」
「あながちそうとは言えん。現在の社会の『騎士』という器に満足できなくなった者もいる。」
「力量からしてあのグレッグさんはその部類・・か。
まぁ、そう考えた方があの華麗に見えてごり押しな斬撃も納得いくな・・
ってファラ・・寝てるのか?」
手すりにつッぷすようにうなだれるファラ、何時の間にか潰れていたようだ
「飲み過ぎだっての・・。全く、観客気分なんだから・・」
「・・聞こえているぞ」
クロムウェルの小言に急に起き出すファラ
「げっ!寝ているふりかよ!!」
「違う、あの子は寝ていて今はあたしがでてきたんだ」
「・・っということはクラークが以前言っていたもう一人のファラ・・か」
流石に驚くフロス、アルは声もでないようだ
「ちゃんと説明していたんだね、クラーク」
周りの反応に少し微笑むファラ・・、普段とは違い大人っぽさが現れている
「ああっ、でないと戸惑うだろう?
安心しろ、こいつらはだからと言って態度を変えるほど育ちが良くない」
「ほっとけ!でも・・ファラ・・でいいのか?こんな時に出てきてもやる事ないんじゃないか?」
「あたしだってたまには身体を動かしたいんだ。それにもうすぐクラークが戦うんだろう?」
どうやら彼女の目当てはそれのようだ
「・・なるほどな」

そうこうしているうちにグレッグが16人斬りを達成し華麗に剣を振って血を飛ばす
「さぁ、待たせた・・楽しもうじゃないか」
「あれだけ相手をして息も切れていないの・・」
「メインディッシュの前に満腹になるとシェフに申し訳ないのでね」
「・・な〜んかあんたの言い方って気に入らないわね〜、まぁ、はじめましょう」
そういいながら壁を蹴って一気に突っ込むナタリー!
「ぬおっ!これは・・!」
あっという間に距離が迫り鋭い連撃を放つ・・が

キィン!!

グレッグも白銀剣で捌きに専念し、ダメージはないようだ
「ったく!騎士剣ってそんなんだから気にいらないのよ!」
「ふふっ、私は『刀』というのは気が抜けないから好きだがね」
「そりゃあよかったね!!」
渾身の力での突きを放つ!
・・しかし・・
「もう少し踏み込んだ方がいい!!」
半歩側面へ動きその突きを回避し白銀剣を振るう

!!!

カラン、カラン・・

「うっ・・」
地面に落ちる「雪月花」、見事に叩き落されてしまった
「二刀流の剣士が一本になれば辛いだろう。
君の戦いに敬意を評しここらで幕引きとしようじゃないか」
「冗談!これでも私は剣士よ!敵を前にしてみっともなく逃げるもんですか!」
残った「紫電」を両手持ち目を細める
それと共に紫電の刃に紫の光が走りだす
「・・・・どうやら、引く気もなければ負ける気もないか・・。それでこそ『キュートでイケテル女剣士』」
少しにやけて白銀剣を構え、迎え討つグレッグ
「いくわよ!」
鬼気迫る表情で突っ込むナタリー、そのまま全力の一振り!
紫電の魔力により雷の刃となった刃はグレッグに寸分の狂いもなく叩きこまれる
「ならば!我が力にて退ける!!」
襲ってくる刃に避けようともせず白銀剣で迎えうつ!!

キィィィィィン!!

「「うぉおおおおお!!!」」
激しい鍔迫り合いが起こるが・・
「見事なり!女剣士ナタリー!」
「くっ・・・ああっ!!」
グレッグの剣が紫電を跳ね除けナタリーを弾き飛ばした
鍔迫り合いで留まっていたエネルギーが一気に放出したためナ
タリーはかなりの衝撃で壁に叩きつけられた
勝者はグレッグとなり、気絶してるナタリーに一礼して訓練場を後にした

「・・しっ、信じられねぇ・・」
今まで無敵の強さを誇っていたナタリーが破れたのだ。
信じられないのも無理はないだろう
「・・力の差・・だな。あいつが一番気にしているところだ。クロムウェル、迎えにいってやれ」
「あ・・・ああ」
唖然としながらも気絶しているナタリーを抱えにいこうとクロムウェルは走り出した
・・・・
「流石は傭兵公社、上には上がいるということか」
「だろうな、アル、良い勉強になるだろう?」
「は・・はい。でも・・」
敗れたナタリーが気にかかるのだろう
「安心しろ、あいつはそんなにヤワじゃない
・・だが、アイツが敗れた以上俺が手を抜くわけにはいかないか」
腕のグローブを締めなおすクラーク・・
「真剣だな、だが怪我するなよ。ファラが悲しむ」
「お前も・・だろ?」
「・・・・・ああ」
人格違えど心は同じ、もう一人のファラも彼の事が・・
そんなことしているうちにクロムウェルがナタリーを抱えてやってくる

「つつつ・・負けちゃったぁ!」
悔しそうに叫ぶナタリー、至って明るいので一同は安堵のため息を
「まっ、その分は俺が動いてやるよ♪全く!二人して情けない!」
「うるさい!」「うるせぇ!」
そろって反論するクロムウェル&ナタリー
まぁこの戦いに残る事はよほどの事なので恥ではないのだが・・
「ほっほっほ・・では、隊長様の動きに感嘆の息でもついてたもれ〜♪」
笑いながら訓練場に足を運ぶクラーク
しかし・・、すでに眼光鋭くツワモノ達が集まる舞台を睨んでいた


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