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2章  「氷狼刹」



翌日
すぐさま副団長室に駆け込むセシル
「おっす!副団長!!!」
「・・ノックぐらいせんか・・」
豪華な椅子に座るオサリバンが呆れ顔で応える
「まぁまぁ、私と副団長の仲じゃないの〜!」
「・・・でっ、何か用か?」
「これ!!」
バン!っと机に叩きつける書類
「・・お前が聖剣使いに立候補だぁ?
おおよそ聖騎士昇格に伴う給料アップに目が眩んだか」
「ぐっ・・、違う!私は聖剣を使いたいだけよ!そうよ!そうなのよ〜!!」
自分で自分を納得させるセシルさん・・
もうめっちゃ怪しい・・
「・・まぁいい。じゃあついてこい」
「えっ?今すぐなの?」
「幸い、試験官が折り良くここにいてな・・」
不適に笑って部屋を出るオサリバン
「・・・まっ、いいか。」
それに続くセシル・・・


連れてこられたのは野戦用の訓練場
そこに立っているのは黒髪をかきあげた黒肌の青年
背中には大きな青龍刀を背負っている
「こちらは?」
騎士内で見かけない顔なのでセシルがオサリバンに聞く
「ブレイブハーツ『龍光牙』の使い手 ジェットだ」
「よろしく」
手短に頭を下げるジェットと呼ばれた黒肌青年
「セシルよ。でっ・・、試験の内容は?」
「まぁわかるだろうがジェットとの対戦だ。こいつを使って・・な」
セシルの目の前に突き刺されたディフェンダー
大きめの両刃、柄は質素なつくりになっているところ完全な実戦用のようだ
そして剣身の中央には蒼い輝石が埋めこまれており何やら文字が刻まれている
「お目当ての『氷狼刹』だ。お前に使える代物か・・見させてもらおう」
「・・ふぅん。これが・・じゃあ行きましょうか!!」
片手でそれを抜き取り構える
「ほぅ、抜いてかまえることができるか・・」
ジェットも感心している
「?何がそんなに珍しいの?」
「この剣はよほど力を持つものでないと持つことすらできんのさ」
オサリバンが補足してくれる・・
「別に何ともないわよ?でもこの剣って何が特殊なのかしら・・?」
「それは自分で確認することだ!」

いきなり青龍刀を抜き鋭く一閃・・!

「うわっ!っと!!」
紙一重で回避する・・が
「・・・すごい切れ味ね。その青龍刀・・」
回避したのに肩が浅く切られている・・。
「これぞブレイブハーツが一つ、龍鱗剣『龍光牙』・・」
「ふぅん、聖剣という名がつくだけあるわね・・。」
「ほう、余裕だな」
聖剣の鋭さを知ってもあまり驚かないセシルに感心するジェット
「そうでもないわよ・・。でも聖剣ってそんなもんなの・・?」
「・・ならばこの力を見よ・・」
龍光牙を両手にかまえ静かに呼吸を整える・・
(・・気を集中・・?気弾かしら・・?)
氷狼刹を前にかざし素早く防御に移る・・。
「行くぞ!『神気龍魂』!」
気合いと共に龍光牙を振る!
それとともに白い龍の形の闘気が飛び出す!!
「いいっ!?このっ!!」
足を踏ん張り防御に徹するが龍の気は強力でガードを跳ね飛ばし
セシルをふっ飛ばした・・
「手加減はしている。しばらくはろくに立てないだろうが・・・」
龍光牙を収め背を向けようとするが・・
「あっ、たたたたた・・・」
倒れていたセシルが勢い良く立ちあがる
「!!!・・・ほう、龍魂に耐えたか・・」
「とっさにこの剣の使い方が理解できてね・・。
気、あるいは魔力を注入して持ち手に応える
魔剣・・ってことでしょう?こんな風に!!」
今度はセシルが氷狼刹を斬り上げ氷の刃を作る
「!!?瞬時で理解したか!面白い!!」
笑いながら再び龍魂を放つ・・
氷の刃と龍魂がぶつかり激しい音とともに相殺した・・
・・・・・・・
「どう?副団長。これで一応は扱ったことになるかしら?」
「むっ、いいだろう。お前をブレイブハーツ『氷狼刹』の使い手として認める。
ジェット、異論はないな」
「ああっ、後は聖騎士としての資格、だな。
・・私はこれで退散しよう。楽しかったよ、セシル」
龍光牙をしまい握手を求めるジェット
「私も楽しかったわ。まっ、今度は本気でやりあいたいけど・・」
固く握手をする・・
「ふっ、ではっ・・失礼」
さっさと退散するジェット・・
「さて、セシル。お前には聖騎士としての手続きを行うからついてこい」
「へ〜い。早めに終わらせてね〜」
軽い気持ちでオサリバンの後に続く・・



・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・・
「どういうことよ!!!」
聖騎士としての手続きを終わらせ自室で叫ぶセシル
「・・どうしたの?セシル?」
荒れる同僚に呆れるタイム
「聖騎士になったのはいいけど異動ってどういう事よ!!!」
「・・聖騎士になれたの・・」
一瞬嫉妬にも似た眼差しでセシルを見るがいつもの目に戻る・・
「うん!だけど北のノースリヴァーに異動ってさ!!」
「そりゃそうよ。ブレイブハーツの使い手は国を守るため国境沿いに異動して外国、内国を
守るのが指名よ?教本にも書いてあったじゃない」
「・・・書いてた?」
口をあんぐりするセシル
「書いてた」
「う〜ん、でもあんな田舎行ってもさ〜・・・」
「給料アップのためでしょ?我慢しなさいよ・・」
「・・!!そうだ!タイム、貴方も来なさいよ♪」
「なっ、何言っているのよ!?」
これには流石のタイムも唖然・・
「いいじゃないの・・・・・・あなたは、私無しじゃいられないでしょう・・・?」
じりじりとタイムに近寄るセシル。
タイムは蛇に睨まれたカエルのように動けない様子・・
「セシル・・・、こういうの・・・もう止めようって言ったじゃない・・・」
「だ〜め!異動するって言うまで許してやんない!!」
狩りでもするかの如くタイムに飛びかかるセシル・・

・・その様子を寮の窓から静かに見ている一人の男が・・
(おおっ!!騎士団ってお固いと思いきやこんなことまで!!覗きにきてよかった〜♪)
短めの金髪をしたこの男、至福に浸りながら覗きをするも
これよりだいぶ後タイムと自分が良い仲になるとは夢にも思ってなかっただろう・・





「ええっ!!セシル先輩とタイム先輩異動するんですか!!」
もう一人のルームメイト、クリスが悲しげに驚く
「・・まぁ・・ね」
タイムも気まずそうに応える。何やらお疲れのようだ・・
「聖騎士になれたのはいいけどね〜、これじゃあ意味ないかも・・」
「そんな・・せっかく先輩達と仲良くなれたのに・・・」
「まぁ仕方ないわよ。ここは他にもいい先輩がいるから・・」
「私も異動します!!」
あやすタイムを払いのけ一大決心!!
「「・・・・・え・・・・」」
「こうなったら関係ありません!先輩達にどこまでもお供します!」
そう言い終わらないうちに部屋を飛び出すクリス
・・・・・・
「・・・厄介な後輩を持ったものね・・・」
呆れるセシル
「本当は嬉しいんでしょ?セシル・・」
「まぁ・・・・ね」
照れくさそうにそっぽを向く
その後クリスの出した異動願いも受理され3人はめでたく(?)異動となった
因みにハイデルベルク騎士団では化け物セシルがいなくなったと狂喜乱舞する騎士
(おもに男)が十数名いたとか・・・・・



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