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  第6節 「3匹が斬る!!」


翌日・・・
一行はキルケが預けたロザリオを持つ神父に会いに行くことにした。
神父がいる教会は近くの街から離れたところにありひっそりとしている・・
「本当にここなの・・?」
思わずセシルが訪ねる。それくらい人気がないのだ・・
「ええっ、間違いありません。」
「とにかく、入ってみようぜ」
「そうだな、入ってみなければ何も始まらない・・」
「ごめんくださ〜い」
「・・何用ですかな?」
教会の中は思ったよりひっそりとしており、一人の痩せた青年神父が応対に出てきた。
「いや、ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・?いいかな?」
「なんなりとどうぞ?」
「ほらっ、キルケ・・」
クラークがキルケをつっつく。キルケはポニーテールに髪型を変えておりどうやら
神父はキルケのことに気づかない様子である・・
「あの、お久しぶりです。神父様。私、キルケゴールです」
「えっ、・・サルトルのお嬢さんですか?」
声を聞いてはじめて理解した様子だ。
「はい、そうです」
「しかし・・異端者となったと聞いていましたが・・?」
「ええっ、濡れ衣を着せられて異端者になりました・・」
「そうですか・・、ともかく無事で何よりです。」
「はい、それよりも以前お渡ししたロザリオはありますか・・?」
「んっ?ああっ、あれですか。まだ浄化ができてないがいいのですか?」
「はいっ、それを持っていたら恐らく神父様にも危害が及ぶと思います。
ですので引き取りにきました」
「そうですか、何やら訳がありそうですね・・、いやっ、詳しいことは聞かないでおきましょう。
私はあなたを信じますよ、キルケ」
「ありがとうございます、神父様」
神父はさっそく教台の引き出しにいれてあったロザリオをとりだし、キルケに渡した。
見た目はなんの変哲もないロザリオだ。しかし確かに得体の知れない「何か」を感じられる
「落ち着いたら再び私の元にくるといいでしょう」
「でも、私は異端者に・・」
「気にしなくていいですよ、それに言ったはずです。私はあなたを信じると」
微笑みながら神父が言う、まぶしい笑顔だ
「・・ありがとうございます・・」
神父の優しい言葉にキルケは涙ぐんでいる・・
「そこの方々、キルケゴールをよろしく頼みますよ」
「ああっ。かならず再会することを約束するよ」
いつになく真剣な顔つきのクラーク、どうやら神父のことを気にいったらしい・・
「それでは・・」
立ち去ろうとしたその時!

「異端者キルケゴール!そこにいるのはわかっている、大人しく出てくるがいい!!」

表から大声で誰かが叫んでいる・・
「ちっ、教会の前で無粋な奴だ・・」
ロカルノもご立腹の様子・・
「どうする?クラーク、ここで戦えば神父にも危害が加わるぞ」
「ん〜、神父さん、ちょっと耳貸してくんない・・?」
「はい?」
クラークが神父に耳打ちで何かしゃべっている。
その表情は余裕すら感じられた・・

一方・・
教会の前には異端審問会の僧兵達が十数名囲んでいた・・
「出てくる気配はないか・・、各員突入用意!!」
僧兵が体を乗り上げた・・その時、

バン!!!!

勢いよく教会の扉が開かれ4人組の男女と神父が出てきた。
なんと丸眼鏡の男が短剣を突きつけている・・
「き、貴様・・!!」
「おっと!動くなよ!?その善良な神父さんが天に召されることになるぜ?(ニヤニヤ)」
「たっ、助けてください!!」
神父は顔を青ざめ助けを呼んでいる
「外道が・・」
僧兵の一人がにらみながら言った
「外道?それはあんたたちのことじゃないか?
キルケゴールは追放処分だけで済んでもう用はないはずだろ?
それをこんな大人数で押しかけてきて・・女一人捕まえるにしちゃやりすぎた!」
「それは・・、新たに彼女がテロを企んでいるという情報が・・」
「テロをさせないための国外追放だろ?
いくら情報が入ったからといってもやって良いことと悪いことがある」
「それは貴様らに言われる筋合いはない、異端者に協力するというのなら貴様らも同罪だ!」
「やれやれ・・、そんなこと最初からわかりきったことさ・・おいっ!」
丸眼鏡の男・・クラークが二人の男女、つまりセシルとロカルノに声をかける。
二人は不適な笑みを浮かべつつ、己の獲物を手にとった・・
「かかれっ!」
僧兵の一声で戦闘が開始された・・・・




数分後・・。
あたりには僧兵が転がっている・・、ただし一人も死んでいない、全員気絶しているだけだ。
それにくらべてユトレヒト隊の面々はかすり傷一つついていない・・
「やれやれ、これが噂の異端審問会の実力か?」
あまりの実力の差に呆れるクラーク。
「大丈夫ですか?みなさん。」
「ああっ、この通り。しっかし神父さんも結構演技派だね〜」
クラークが笑いながら神父の腹を肘でつつく
「ふふっ、久々に楽しませてもらいましたよ。」
余裕の表情をみせる神父、どうやらただものではなさそうだ
「それよりどうするのよ、これから?どうやら私達も正式に異端者になっちゃったみたいだし」
「まぁ、こんだけ痛めつけたらしばらくは手は出せないだろう、その間に事を終わらせようぜ」
「それでは酒場に戻るとしよう。なにか情報がきているはずだ。
世話になった、神父。こいつらが目を覚ましてもあなたに危害は加えまい」
「ええっ、あなた方のご武運をお祈りしていますよ」
「ありがとうございます、神父様」
キルケが静かに頭を下げる
「キルケ、がんばってきなさい。神はあなたを見守っておられますよ・・」
「そんじゃまたな、神父さん!」
明るくクラークが返事をし、一行はその場を後にした・・


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