番外  「ロカルノ様 愛しております」



「ロカルノさん、お茶が入りましたよ」
「うむ、今行く」
アミルの声に新聞を眺めていたロカルノがそれを折りたたみ庭先のテーブルへと向かう
そこには二人前の珈琲と軽い菓子が置かれている
「今日はロカルノさんが好きなエスプレッソ珈琲を入れてみました」
「むっ・・君が淹れたのか?」
「ええ、本を見て作ってみました・・お口に合うかわかりませんが・・」
「ふっ、ならばじっくり味わうとするか」
静かに小さく白い陶器のカップに注がれた濃い珈琲を取りそれを優雅に飲むロカルノ
対しアミルは緊張した面持ちでそれをジッと見つめている
「・・・ふむ・・」
「ど・・どうですか?やはり・・」
「良い味だ。濃さも香りも申し分ない・・」
「よかった・・」
ホッと胸を撫で下ろすアミル、それにロカルノは静かに微笑み
「私の好みに合わせてくれたのか?」
「・・え・・あ・・はい。ロカルノさんが好きそうなので・・」
「ふふっ、ありがとう。普通の珈琲では物足りないと思っていたのでな」
「いえ・・そんな・・」
珍しくロカルノが素直に礼を言ったものだからアミル、頬を染めながら慌てる
その微笑ましい光景はまさに夫婦の光景。お似合いの二人・・なのだが・・


「・・・以上が隠し記憶球で撮影した密会シーンよ」
そう言うとサングラスをかけたセシルが会議テーブル中央の木箱のような記憶球再生装置を止める
ロカルノとアミルのお茶会の光景を盗撮しそれをここでスクリーンに公開していたのだ
因みにここがどこかと言うと・・
「スクープって言うから見てあげたけど・・確かにこれは・・」
ハイデルベルク城内にある情報部、長であるフレイアとアリーがセシルの向かい側に座り記憶球に写る
二人の姿を見ていたのだ
「仲が〜・・良さそうですね・・」
非常に気まずい空気の中、ポツリとアリーが呟く
「そう、これじゃまるで恋人みたいじゃない!?私という者がいながら!」
「ちょっと待って野蛮騎士、お兄さんはまだ貴方も者じゃないわよ!」
「肉体関係があるもん勝ちって言っているでしょうにこのガキァ!!」
「大方、貴方の野蛮さに愛想尽かしてこの記憶球に写るアミルって女に乗り換えたんでしょう!?
お兄さんもお兄さんよ!私という者がいるのに〜!!」
ヒートアップする二人、完全にプライベートなことなのでそれにつき合わされているアリーはちょいと呆れ気味で
どうしようか考えている
そこへ
「・・・お〜い、喧嘩始めるならその前に俺の縄ほどいてくれないか〜」
もう一人この会議室にいる男が助けを求める
茶髪で顎髭を生やした凛々しい聖騎士ジャスティン・・なのだが縄でグルグル巻きにされて軟禁状態
無理やり記憶球の映像を見るように強要されていたのだ
「まだ早いわよ!髭!」
「ってこの後お前らが喧嘩した痛み分けなオチしかないだろうが!俺だって仕事あるんだよ!!」
「サボリ常習犯のあんたがぁ?」
「うるせ〜、大体なんでロカルノの女関係に俺が巻き込まれなきゃいけないんだよ」
「それは簡単、男の目から見てアミルがそれほど魅力的なのか判断してもらおうと思ってね
まぁロカに比べてあんたはかなり劣っているけど一応の審査基準ね」
嫌〜な笑みを浮かべるセシル、攫っておきながら酷い言い草である
「あの記憶球の子がかぁ〜。う〜ん、そうだなぁ。家庭的で良い子さそうじゃないか
がさつで乱暴ですぐ手をあげる問題児どもに比べたら彼女のほうが人気・・が・・あ・・る・・かも・・」
素直に感想を言っているジャスティンだがその言葉も途中で尻つぼみに小さくなっていく
なぜなら目の前の女傑二人がすさまじい殺意のオーラを放っているから
「・・ふふふ・・私がアミルに劣っていると?やはりダメね・・」
「ジャスティン、馬鹿な戯言を言うなんて・・ね」

「まっ!待て!俺が個人的な意見を言っただけだろうが!フレイアまでも本気にするんじゃない!
・・よ・・よるなぁ!アリー!二人を止めてくれ!!う・・・・うわああああああ!!!」

哀れ髭聖騎士、恋に走る乙女の暴走により闘死・・・
「・・・(ごめんなさい、ジャスティン様・・私の力では・・)」
ぼろ雑巾状態のジャスティンを見てアリー、心の内で謝罪。まぁ嫉妬に狂う女性を抑える事など
並大抵のことではなく才能があれども分かりアリーには役不足なのかもしれない・・
「けっ・・ううむ、それにしてもアミルめ・・どうしてくれようか・・」
「漁夫の利の如く私達からお兄さんを奪おうなんてねぇ・・」
本当はロカルノに優しく声をかけられている事が羨ましい二人なのだがひねくれているのかそれが嫉妬の火種になっている状態に
「そもそも、あの娘は私とロカの関係を良く知っているんだしお似合いだって言っていたのよ?
付き合っているカップルを潰して奪おうなんて考えがあるようには思えないし・・」
「む〜・・ならばこのアミルに直接聞いてみましょうか」
邪悪な笑みを浮かべるフレイア、恋する乙女は・・げに恐ろしや
「無駄よ、竜人なのに随分と奥手なんだから問い詰めてもオロオロするだけなのは目に見えているわ」
「だったら、催眠術をかけて彼女の心内を調べたらいいのよ。それなら本音なんてイチコロよ」
「・・・・、あんたできるの?」
「もちろん♪情報を司る者としてはだんまり決め込んだ容疑者から情報聴くのに必須な技術よ?
ねぇアリー♪」
笑顔で自慢しているフレイア、アリーにもふるのだが彼女は複雑な表情のままで・・
「催眠術の使用はかなり限定された行為になるのですが・・」
「いいのよ、これは催眠術を使用しなければ解決できない重大な事件よ!」
「あ・・はははは・・」
こうなっては自分ではどうにもならない・・っと内心すでに諦めているリーであった
「そんじゃアミルの真意を聴く事にするとして〜、なんかアリー、胸おっきくなったわね」
「「っ!」」
何気ないセシルの言葉にフレイアとアリーは顔が強張る
「・・どしたの?」
「これは・・以前任務に失敗した時に・・魔物に陵辱された・・・影響です」
「あらら・・」
「復帰したのは最近だけど、治療も大変だったからねぇ」
「ふぅん・・、やっぱり原因はフレイアがヘボいから?」
その一言にフレイア殺気立つ!
「あ〜ん〜た〜ねぇ〜!!」
「いえ、私のミスです。フレイア様は寧ろ私に付き添ってくれました。
魔物の体液の影響で出続ける母乳を・・その・・いつも搾ってくれましたから・・(ポッ)」
「アリー!この野蛮騎士の前でそんなこと言わないで!」
「・・ほっほ〜、女同士で搾乳ですかぁ・・フレイアさん好き者でんなぁ♪」
してやったりな笑顔のセシル、良いこと聞いたと満足そうだ
「しょうがないでしょう!?魔物の出産と体液の影響で大きくなった胸からずっと出ているんだから
アリーの胸を元通りにするにはああやって搾ってあげるしか〜」
「・・結局、それが原因で大きいままになったんじゃない?」
「・・う・・」
「そんな事ありません、胸が大きくなったのはあの陵辱での毒素の影響です。
少し大きくて邪魔ですが・・隊長に揉んでいただいて・・嬉しかったですし・・」
照れながらそう言うアリー、尊敬と敬愛がいけない方向へと向かいつつあるのは一目瞭然
「・・フレイアぁ、そっちの道入るならサポートするわよ♪」
「ばかな事言わないで!そ・そんなことよりもさっさと行くわよ!私だって暇じゃないんだから!」
「へいへい♪そんじゃアリー、ちょっと行ってくるわねぇ」
「・・はふぅ・・隊長〜・・」
声をかけるセシルだったがアリーは敬愛するフレイアに胸を搾ってもらった時の事を思い出し
その胸を自分で揉みながら何だか自分の世界に入っている様子であった



2日後
王都ハイデルベルクから離れた田舎町プラハのユトレヒト隊拠点館、
その日もいつもと同じく朗らかな一日が終わり周囲が夜の闇に包まれる中静かに夜の一時を迎えていた
「・・ふぅ・・」
一階部分にあるアミルの部屋、流石に山中の秘境で暮らしていただけあって年頃の娘の部屋とは思えないほど
質素なモノ、クラーク自慢のお手製ベットと机が置かれている他には小さな本棚が・・
キルケに勧められた巷に出回っている恋愛小説や料理の本などが質素に纏められている
「・・・・・、いけない、私・・」
白い寝巻き姿のままベットに座り思い悩んだ様子のアミル
その原因はやはりロカルノに対しても気持ち。それがいけないことだとは分かっていてもどうにもならない感情のくすぶり
それが徐々に大きくなって来ていることを彼女は敏感に感じ取っており戸惑っている
「ダメよ、ロカルノさんにはセシルさんがいる。私なんかが間に挟んじゃいけない」
もう何度目になるかわからない独り言、そうは言っても結局はどうしようもない・・
「こんな気持ちになるなんて・・」
ほとほと困り果てた様子のアミル、彼の事を考えながらもその右手は自然と自分の大切な箇所に向かって伸び出す
・・しかし・・
コンコン
「アミル〜、起きている?」
「!!セ・・セシルさん!?」
飛びあがるぐらいに驚くアミル、・・まぁまだやりなれていない自慰をはじめる瞬間だっただけに
それも仕方ないのだが・・
そんなことも知らずにセシルはゆっくりとアミルの部屋に入ってくる
「・・何そんなに驚いているの?」
寝巻き姿のセシル、恋のライバルになりつつあるアミルに対して実に爽やかに微笑みかける
この二面性が彼女の持ち味・・なのかもしれない・・
「い、いえ、それよりもどうしたのです?私の部屋にこられるなんてはじめてでは・・」
「あ〜、まぁそういやそうね♪まぁ私まだアミルの部屋って見たことなかったから・・」
「そうですねぇ・・・っと言っても何もありませんよ」
苦笑いなアミル、まぁ確かにその通り・・セシルの部屋の乱雑さに比べたら物足りないくらいだ
「ははは、まぁすっきりしているわよ・・。って言うか・・恋愛小説・・?」
「あ・・それは・・キルケさんから借りたもので・・」
「ふぅん、あの子もドロドロしているかと思ったらこういうのは歳相応なのねぇ・・」
デレデレな内容の小説の内容を見てセシルが呆れる
・・まぁ自分以外にも恋人を認めさらに体の交わりは前を使わないという特異な事をしているがために
セシルが意外そうに思うのも無理はないのかもしれない
「そうなんですか?」
「あ〜、まぁかなりね・・。でもアミルがこういうのを読むのも意外ね」
「まぁ・・里にはこういう書物もありませんので」
「そりゃね・・、ところでアミル・・」
二コリと笑い彼女の隣に座るセシル・・
「はい?」
「ちょっと眼を瞑って?」
「は・・はぁ・・こうですか?」
言われるままに眼を閉じるアミル、セシルの本性を知っているがまさか自分を襲うとは思えないので言われた通りにする
まぁ実際にはセシルは何もしない。何故ならアミルが眼を瞑った瞬間にフレイアが天上から音もなく舞い降りたから
二人は目で合図を送りながら次の行動に移る
フレイアがアミルの頭に軽く触れた瞬間・・
「え・・・?あ・・」
急にフラッと体が崩れベットに沈んだ・・
「第一段階は終了ね・・」
「こうまでうまくいくとは思わなかったけど・・」
「何っ、催眠術なんてよほどのひねくれ者じゃない限りかかるものよ」
得意げに笑うフレイア、犬猿の仲も共通の敵の前には戦友のようだ
「それで・・私をロカルノと思い込ませてその真意を引き出すと・・」
「不本意だけど・・うまくやってよね」
「あいあい♪」
「それじゃいくわよ・・はい・・」
指をパチンと鳴らすと同時にフレイアが素早く身を隠す
そしてふらっとアミルが目を開く・・
「あ・・ロカルノさん・・」
セシルの顔を見てロカルノと言うアミル、ややボ〜っとした感じになっているようでうまく催眠に掛かっているようだ
「ふっ・・起きたか・・?」
対しセシルも流石に相方の真似だけに早くもなりきっている・・
「ど・・どうしたんですか?急に・・」
「ああっ、この際・・お前の気持ちを知っておこうと思ってな・・」
「えっ・・・」
「私が気づかないとでも思ったのか・・?」
「・・あ・・・」
顔を真っ赤にするアミル・・しばらくモジモジしていたがやがて心が決まったのかゆっくりと口を開く
「はい・・、何時の間にか・・私は貴方に特別な感情を抱くようになっていました・・」
静かに告白するアミル、それにセシルとアミルから死角になっている部屋の隅で様子を伺っているフレイアが目を合わせて頷いている
「アミル・・、だが私には・・」
「わかっています。貴方とセシルさんは・・素晴らしい仲です。
私なんかが邪魔をしていいとは思っておりません」
「・・・」
「だから、こんな気持ち捨ててしまいたかった・・でも貴方の顔を見るたびにこの胸が高鳴るのです・・
・・もう、私にはどうすることもできません・・だから・・」
意を決するようにロカルノだと思い込んでいるセシルに抱きつくアミル・・
「お願いです・・一度だけ・・一度だけ私を抱いてください。それでこの気持ちを・・・清算したいのです」
「ア・・アミル・・」
真剣なアミルの願いにセシルはたじろぐ・・
「お願いです・・。このまま感情に流されて・・貴方やセシルさんに迷惑をかけたくないのです・・」
目に涙すら浮かべるアミル、困り果てたセシルはアイコンタクトでフレイアに助けを求め
それに応えるようにフレイアはアミルの首筋を軽く叩き・・
「あ・・ロカルノ・・さん・・」
アミルは懇願しながら気を失った・・
「・・まさか、アミルがここまで悩んでいるなんてね・・」
「ええ・・悪い事しちゃったわね。彼女に・・」
「うん、無理を承知で抱いて欲しいとまで言うなんて・・」
自分達のしたことに後ろめたさを感じている二人
その時

”何をやっている・・”

不意に部屋に響く聞き慣れた男の声・・
それに二人は硬直する
見れば入り口の扉にロカルノがもたれていた。すでに就寝準備をしていたのか仮面を外しており
緋色の瞳が無感情に二人を見つめている
「ロカルノ・・」
「兄さん・・」
「全く・・姿が見えないと思ってまた悪ふざけを考えているのだろうと思えば・・アミルの心に土足に上がりこんだのか?」
「「う・・・」」
「お前達もいい歳なんだ、やっていい事と悪いことの違いくらいわかるだろう?」
「・・ごめん・・ロカルノ・・」
「で・・でも、お兄さんはアミルさんの気持ちを・・」
「わかっていたさ、だが・・それに触れないようにしてきた」
ため息をつくロカルノ・・、それを水の泡にした恋人と義妹に呆れているのだ
「どうして・・?」
「わからんのか?人の姿をしているとはいえ彼女は竜人だ。私とは寿命が全く違う
・・結ばれたところで二人が同じ時を歩める時間は彼女にとっては余りにも短いんだ」
「「・・・・」」
「それも彼女は悩んでいた。・・わかっただろう?人の心を簡単に覗こうとするのはやめておけ・・」
「「ごめんなさい・・」」
諭すように言うロカルノに二人も静かに謝る
「それでいい・・、だが・・後はアミルだな・・」
「このまま記憶を消す?お兄さん・・」
「それでは結局は問題の解決にならん。致し方ないが・・この際だ。
アミルの気持ちに応える」
「それって・・」
「他にどうするというのだ?アミルにその決意がある以上・・応えてあげないわけにもいかないだろう?」
「・・う・・そりゃ・・」
自分達の嫉妬心から起こった騒動とはいえ彼氏が他の女を抱く事には少し抵抗がある様子のセシル
・・自分は好き勝手やっているのに大したものである
「さぁ・・わかったら出て行け。」
「・・わかったわ・・」
「お兄さん・・ごめんなさい・・」
静かに謝り部屋を出るセシルとフレイア・・
後ろめたい気持ちで一杯なのかその気配はすぐに館の外に出て行った

「・・・・さて・・」

二人っきりになったところでロカルノは軽くため息をつき気を失っているアミルを抱き起こし
覚醒させる・・
「ん・・あ・・ロカルノ・・さん・・」
「目を醒ましたか?」
「あ・・はい、私は一体・・」
「疲れていただけだろう。気にするな・・・。
それよりも・・」
突然ゆっくりとアミルに顔を近づけその唇を奪うロカルノ・・
「!!!」
突然のことにアミルは目を丸くして驚きつつも愛しき人の唇の感覚に頬を染めゆっくりと目を閉じた
子供がするような軽いキスだが彼女にとってはそうではなく
大事な儀式・・、胸が高鳴っているのが良く分かる
「お前の気持ちは良く分かった、だから・・私は私なりに君の想いに応えよう・・・」
「ロカルノさん・・ありがとうございます・・」
顔を真っ赤にしながら礼を言うアミル
自分から抱いて欲しいなどということなど恥ずかしいことこの上ないことなのだ
「・・全て私に任せろ。君は無理をしなくていい」
ゆっくりと彼女の薄い紫色の髪をかきあげながら優しく言うロカルノ
風呂に上がった彼女の髪はしっとりとまだ濡れておりほのかに良い香りをたてる
アミルは顔をこわばりながらも普段と違った印象を受ける彼に全てをゆだね、ゆっくりと頷いた
そして静かにアミルの上着を脱がすロカルノ・・
なすがままな彼女は少しこわばった表情になりながら、豊満な胸を彼にさらけだす
「恥ずかしい・・です・・」
「最初はそんなものだ・・」
落ち着かせようと再びアミルに口付けをしながらロカルノは彼女の胸に手をつける
「・・っ・・ふぅん!」
ロカルノの指がどこまでの沈んでいきそれが彼女の胸の柔らかさを主張している
指を動かすたびに形を変える胸・・それと同時に彼女からは甘い声がこぼれ出す
「ひゃ・・あ・・・ぁん・・」
「・・アミル・・」
「ロカルノさん・・くすぐったいです・・」
「それだけじゃないだろう?」
「・・はい・・」
素直に応えるアミル、自分でも体が火照っていっているのが十分わかっており頭が痺れるような感覚に酔いしれている
「ぁ・・っ!くぅ!」
軽く乳首を抓るだけでアミルの体がビクッと痙攣する
「・・ふっ、初めてのわりには感じているな・・」
「あ・・はしたない女で・・すみません・・」
「そんな事はないさ、少し・・激しくいくぞ」
そう言うとロカルノはアミルの胸を愛するのを止め寝巻きのズボンへと手を伸ばす
「・・っ!」
咄嗟に体がこわばるアミル
「・・怖いか?」
「・・・はい・・初めて・・ですから・・でも、貴方なら・・大丈夫です」
二コリと笑うアミル、それにロカルノも微笑みおもむろにズボンに突っ込む
質素な下着の中には小さな茂みがありその先には・・
「!はぁん・・!」
女性の一番大切な箇所が・・、そこを軽くなぞっただけでアミルの甘い声を上げる
「濡れているな・・気持ちよかったか?」
「はい・・頭がボ〜っとしてきて・・気持ちいいです・・」
その反応に気を良くしたのかロカルノの愛撫がはじまる
ゆっくり優しく秘部を撫で肉芽にも手を伸ばす
「くぅぅ!・・あっ・・そこは・・あん!」
軽く彼女の女陰に指が侵入すると愛液がさらに滴り出す
「ひゃあ!入ってます・・指が・・ああん!」
指を動かすたびにアミルは体を震わし快感に酔いしれる
「・・ッ・・ン〜・・っあ!はぁん・・!」
「そんなに感じてもらうと嬉しいものだ・・では次だ・・」
「・・えっ?」
息を切らしながらアミル
それに応えずロカルノは彼女のズボンと下着を纏めて脱がせ秘部をあらわにする
紫色の茂みはヌラヌラ光っており滴り出す愛液の量は増す一方だ
「明るいところだと・・恥ずかしいです・・」
「気にするな、私以外見る者もいまい・・」
「・・・(コク)」
真っ赤にしながらも頷くアミル、そしてロカルノは彼女の股を広げ顔を近づける
「え・・ええっ!?何を・・あぁん!!!」
一際大きな声を上げるアミル・・彼の舌が愛撫をはじめ指とは違った感覚に悶えはじめる
「ひゃあ!・・だめ・・そこ・・汚い・・ですぅ」
「・・お前に汚い箇所などあるはずもない、心配するな・・」
「ロカ・・ひゃん!舌が・・入ってます!ああ・・くぅん!」
目を閉じ涎を垂らしながらその快楽に酔いしれるアミル、舌が軽く動くだけで脳に痺れが走り思わず
はしたない声を上げてしまう
「はぁん・・ああ・・ひっ・・ああっ・・恥ずかしいのに・・」
「気持ちいいか?」
「はい・・舌が・・とても・・」
「・・ふっ、ならばそろそろいいか・・」
舌での愛撫も止めロカルノも息子をあらわにする
「はぁ・・はぁ・・お願い・・します」
息も絶え絶えに一つになることを懇願するアミル、前戯にもうどうしようもないほど感じてしまっている様子だ
「・・初めては激痛が走る、止めて欲しいならすぐに言え」
「わかりました・・ど・・どうぞ」
ややこわばった表情のまま、ゆっくりと股を広げる
そこはもうビチャビチャの状態で男を求めるように秘部がヒクついていた
「いくぞ・・」

グ・・ググ・・

「ふ・・・あああ・・・っ・・」
「大丈夫か?」
「はい・・遠慮はなさらず・・どうぞ・・」
中に入ってくる感覚に怯えるようなアミルの頭を軽く撫で挿入を再開・・
「ふぁああ・・太い・・っう!」
「・・処女膜か・・いくぞ・・我慢しろ」
「は・・はい!」
目をきつく閉め破瓜の衝撃に備えるアミル
そして

「んんんんん・・・!!!」

抵抗を一気に突き破りアミルの体が軽く痙攣する
・・結合部からは赤い血が少し垂れてきた・・
「・・大丈夫か・・?」
「はい・・思ったよりも・・・大丈夫でした、それに・・」
「んっ?」
「貴方に処女を捧げられて・・嬉しいです」
二コリと笑うアミル、健気なその姿はロカルノのテンションを何気にあげていく
「ふっ・・光栄だ」
「ロカルノさん・・・遠慮なく・・抱いてください。私は・・大丈夫ですから・・」
「わかった・・ならば・・」
ズブ・・
水に濡れた音とともにロカルノのそれはしっかりと彼女の中に入り込んだ
「ふぅん・・はぁ・・これで一つに・・」
「まだこれからだ」
しっかりと結合した状態でロカルノはアミルを起こし座位状態に・・
「ふぁ・・・、深くまで・・入って!!」
「いくぞ・・」
そう言うと破瓜直後だというのにも関わらず遠慮なくロカルノがアミルを犯しだす
「ひゃあ!あん!あぁ!えぐって・・ますぅ・・」
突き上げられるたびに喘ぎ声を出すアミル、目を閉じただ快感に身を任せロカルノに抱きつく
「ああぅ!奥に届いて・・すごい・・です!!っくぅぅぅん!!」
「気持ちいいか?」
「は・・はい!とても・・気持ちいいです!ロカルノさんのが・・私の中で一杯に・・ひゃ!はぁぁん!」
もはや何も抑えることはない、何もかもさらけだし彼と身体を重ねることに夢中になる
彼の腰の動きが加速するにつれて結合部の水音も激しさを増しまた彼女の喘ぎ声も増していく
「ロカルノさん!ロカルノさん〜!!!」
全身汗まみれ、息も絶え絶えな状態で愛する男の名前を連呼する
「くっ・・この締め付けだとそろそろ限界か・・中で出すぞ・・」
ロカルノのその一言にアミルは我に返る
「い・・いけません!それは・・セシルさんにもうしわけ・・ないです!外に・・外に出してくださいぃ!!」
「セシルの事は気にするな・・今は・・君が私の女だ」
「ロ・・ロカルノさん!ふぅん!」
「ふっ・・出すぞ!」
そういうと一気にラストスパート、鍛え抜かれた体からの突き上げはパンパンと肉がぶつかる音を立てながら彼女に凄まじい快感を与える
「ひぃ!あん!ああっ!!!ロカ・・さん!わ・・私の中に・・ください!!中に・・ひゃああ!!」
「アミル・・!くっ・・」

ドピュ!ドピュドピュ!!!!

「ああああぁぁぁぁぁぁあ・・!!」
アミルの膣で大量の射精・・彼女の中をロカルノの精液が勢いよく出され彼女の膣を支配していく・・
「熱い・・のが・・たくさん・・ああ・・・・すごい・・」
「・・ふぅ・・」
軽く息をつくロカルノ、対しアミルは射精の余韻に浸りながら彼にもたれかかっている
「・・ロカルノさん・・愛しております・・」
彼の耳元で囁くアミルの声は艶やかながら彼に対する気持ちで溢れているものだった
「・・アミル・・」
「ロカルノさん・・今夜は、傍にいてくれますか・・」
「・・お安い御用だ。」
そう言い自分のモノを抜きながらゆっくりとアミルを寝かしつけるロカルノ、
自分も彼女のとなりに周り静かに部屋の明かりを消す
その夜、アミルはロカルノの手を握り続けたという

・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・

翌朝
「・・・ん・・あ・・」
朝の光に目を醒ますアミル・・
昨日の情事を思い出し咄嗟に隣で寝ているはずのロカルノを見る・・が・・
彼の姿はすでにそこにはない、それにアミルは彼が寝ていた場所にうつぶせになりながら
「ロカルノ様・・愛しております・・」
すでに消えた彼のぬくもりを感じようとしながら静かに呟いた
・・・・・
しばらくして
いつまでもそんな余韻に浸っているわけにもいかずに着替えを済まし
担当になっている朝食作りへと取りかかる
流石に全裸のまま寝ただけに準備はすぐにできたのだが・・
初体験後なだけに下半身に少し違和感を感じたりしている
・・厨房ではすでに祈祷を終わらしたキルケがスープの材料を作っている最中で上機嫌に鼻歌を歌っていた
「あっ、アミルさんおはようございます♪」
「キルケさん、おはようございます」
いつも元気な少女にアミルも自然と笑みがこぼれる
「・・皆さんはまだ訓練中ですか・・」
耳を澄ませば庭から刃がぶつかる音が聞こえる・・
「そうですねぇ・・まぁ終わるまでに仕上げましょう♪」
「はい・・」
「それはそうと・・昨日はすごかったじゃないですかぁ♪」
ニンマリ笑うキルケだがアミルには何の事だが・・
「はっ?・・すごかった?」
「だ・か・ら〜♪ロカルノさんとのエッチですよぉ♪」
「!!!!!!!!!!!」
普通にそう言いだすキルケにアミルは完全に硬直する!
「すごかったですねぇ・・私も燃えちゃいました♪」
「あ・・あの・・なんで・・」
完全にパニック状態なアミル、そこに・・

「う〜・・・」

不機嫌そのものでメルフィが厨房にやってきた
「すまんが・・水をくれないかのぉ・・」
「あっ、メルフィ様おはようございます」
「おはようございます、じゃないわ。昨晩は何をそんなに叫んでいたんだ?うるさくて寝付けなかったぞ」
メルフィの不機嫌発言でまたもアミルの動きが止まる
「そりゃそうですよ〜、二階までばっちり聞こえていたんですから♪」
「・・あう・・あう・・」
まさか自分の情事が周りに聞こえていたとは知らずにアミル、完全ショート
「・・むっ、二階まで聞こえていたか・・一体大声出して何をやっていたんじゃ?」
「まぁそこはタブーですよ♪」
「キ・・キルケさん・・確か・・この館の壁は・・防音加工じゃ・・」
「あ〜、クラークさんが木材だけじゃ限界あるよなぁってつぶやいてましたから・・まぁそれを上回っていたってことですよ」
恋人の仕事の限界に明るく応えるキルケ、だがそれにはあまりありがたくないアミルだったり
結局アミルとロカルノの情事は全員に知れ渡っているわけで
その日アミルは恥ずかしさのあまりに部屋に閉じこもったらしい・・


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