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第7節  「王都襲撃」


再び貿易都市ルザリア・・
今度の合流ポイントは次の行動が移しやすいこの地を選んだ
場所はいつもながら酒場・・、ここが一番手っ取り早い・・
「ロカルノさん達は情報収集ですかね?」
中央通りを歩きながらキルケが呟く
「そうみたいだな、ここにくる途中の伝書屋で確認したら遠くまで出向いているって
伝言あったし」
「・・・・酒場に行って誰もこなかったらどうしましょう・・?」
「大丈夫だよ、ロカルノの事だ。俺達の歩くペースを考えてうまく合わせてくれるよ」

ギィ・・

そう言いながら合流ポイントの酒場に入る・・・

店内に・・・・仮面の男どころか金髪の女も隻眼の女性もいない・・・

「・・なんか約束の場所に誰もいなかったら場所間違えた気になるのって俺だけ?」
「・・私もそうですが・・、ここであってます?」
「え〜と・・・・・・間違いない。しばらく待つか・・」
仕方なしと葡萄酒を頼むクラーク
「私も・・いいですか?」
「えっ?まぁいいけど・・、キルケって酒飲めたっけ?」
「まだそんなに飲めませんが・・、多少なら・・」
「ふぅん、じゃあ軽く・・っと・・・」
グラスに葡萄酒をついでやる・・
「ありがと・・。ゴクッ・・、ぷはぁ・・・・」
両手でグラスを持ち一気に飲んだ
・・かと思ったらテーブルに倒れた・・・
「おっ、おい、キルケ?大丈夫か?」
「ZZZZZZZ」
顔を真赤にして寝息を立てるキルケ・・、すこぶる弱いようだ・・
どうしたものかと悩むクラーク・・
・・・・そこへ・・

・・酒の弱い女の子に飲まして悪戯しようとする男み〜つけた〜・・・

嫌〜な声が聞こえた・・。恐る恐る声の主に振り向くクラーク
「・・セシル!?いやっ、これは・・その・・」
「兄上・・、そんなことをする人だったなんて・・」
クローディアも隣にいた・・。何故か非難の眼差し・・
「ちゃうがな!キルケが飲みたいゆ〜たら軽く飲ましただけやん!!」
「・・ふふ〜、そういうことにしてあげるわ♪」
「・・こいつ・・・」
「それよりも兄上、その手のあざは・・?」
クラークの右手にある『鬼』のあざが気になるクローディア
「ああっ、・・・・これが新しい剣さ」
「ええ?これが剣?」
訳がわからないご様子のセシルさん・・
「まぁ、いずれ見せるよ。・・・・・・それよりロカルノは?」
ロカルノがいないことに疑問を感じるクラーク
「一足先に騎士団の潜伏していると思われる町に行きました。
私達は兄上と合流してその後すぐに来てほしいと・・」
「・・わかった、それで、その町は?」

「王都ハイデルベルクよ」

「いいっ!?ここら一帯の都であいつら何しようってんだよ?」
「どうやら国王を襲撃しようとしているらしいってロカルノが言ってたわ」
両手を広げ「何考えているのやら・・」な仕草をする
「・・やれやれ、大層なことを・・・。まぁファラの力を使えばそれもたやすい・・か」
「・・兄上・・」
「ようし!そんじゃあ行こうじゃないか!王都ハイデルベルクへ!」
「・・意気込むのはいいけどキルケは?」
幸せそ〜に寝ているキルケを見ながらセシル・・・
「俺が抱っこしていくよ。たぶん今の状態なら起きないだろうし・・・」
顔が真赤なキルケをおんぶしてクラーク達は王都行きの交易隊の馬車に乗ることにした・・・



王都ハイデルベルク・・
ルザリアをはじめとする幾つかの都市を束ねる都・・
国王カーディナルY世が統治しており大いに賑わっている
都自体は大きく4つの運河で仕切られており南側に位置する
凱旋門が表ゲートとして使用されている・・・


クラークたちが王都に到着したのはもう夜になっていた・・
しかしこの町は眠る事を知らない町であり繁華街はまだ賑わっている
「・・さてっ、着いたのはいいけどロカルノはどこかね・・?」
凱旋門の下、クラークがぼやく。
出発して一日は経っているのでキルケも元に戻っているようだ・・
まぁ今朝方は二日酔いに悩まされていたようだが・・
「ここら辺で待っているって話だけど・・」
辺りを見まわしても仮面姿のロカルノはいない・・
「・・すぐ後ろにいますよ?」
っと不意にクローディア
驚く振り向くと門にもたれているロカルノがいた・・
ただし仮面を外した素顔だ
「・・ロカルノ!なんで仮面してないんだ!?」
「情報収集であんな仮面をしていたら目立つだろうが・・」
確かにクラークもセシルも仮面を頼りに探していた・・・
「それもそうね・・、でっ、どうなの?」
「もう動き出した・・。こちらも急いだほうがいい・・」
「では・・、城に突っ込むわけですね・・」
すでに一行は戦闘体勢

クラークは薄碧のコートで右手に刻んだ『九骸皇』を何時でも出せる状態
セシルは騎士鎧姿。腰に氷雪の魔剣『氷狼刹』を下げている
ロカルノは仮面を外しているが後は重装鎧『要塞』を装備した完全スタイル
クローディアはいつもの薄桜の着物姿ではなく黒い袴と白い道着で襷掛けをしている・・
キルケは老鍛冶師ミョルキルが若い頃使用していたと言われるピンクの法衣をもらったので
それを着ている。いつもの黒ケープはかばんにしまっているようだ・・

「ではっ、城に向かって!」
クラークがそう叫んだ瞬間・・!

ドォン!

大きな破壊音が城から響き火の手が上がった・・
「動き出したか!急ぐぞ!クラーク!」
「わかってる!」
駆け出そうとする一同
・・しかし・・
「・・・兄上、いいですか?」
「どうした?クローディア?」
「少し別行動を取らせてもらいたいのですが・・?」
「何言っているの!?敵がそこで動き出したのに!」
セシル訳がわからず狼狽
「・・いやっ、・・・何か考えがあるんだろ?行けよ」
「・・ありがとうございます、ではみなさん、また後程・・」
そう言うとクローディアはクラーク達と別の進路を取り駆け出していった・・
「大丈夫ですか?クローディアさん・・」
「元々彼女には協力を願っていただけだ。私達が無理強いもできまい・・」
「それにクローディアは何の考えも無しに動き回る女じゃない。心配いらないさ」
「・・・それもそうですね、では急ぎましょう!!」
一行は城への通りを駆けていった・・・




クラーク達と別行動を取っていたクローディア
細い路地を入り迷いなく駆けて行く・・・・
やがて裏路地のひらけた場所でクローディアは立ち止まった・・
目の前には巨大な斬馬刀を担いだ大男・・シグマの姿があった・・
年代ものの皮の胸当てをしており手首を痛めないためのリストバンド
どう見ても戦闘態勢だ
「やはり・・、来ていたのですね・・」
「・・・・・・」
「・・・・あなたに依頼された時から不審に思っていました。
よもやあの騎士団と手を組んでいたとは・・」
「・・・・」
クローディアの台詞に眉一つ動かさないシグマ・・
「・・ですが。その訳はロカルノさんから聞いています・・」
「・・!・・・」
一瞬だがシグマの眉が少し上がった・・
「どうしますか?大人しく下がればそれでよし・・、下がらぬば・・」
腰に下げた木の杖に手をかける・・。
これは仕込み刀であり彼女はスッと音もなく抜いた・・
「・・・すまない」
シグマもそう呟き馬をも切断する斬馬刀をかまえた・・
「・・・・・ならば全力で来なさい・・斬鉄剣『月華美人』・・なまじの物ではありませんよ・・」
両手で剣を持ち正眼にかまえる

隻眼の女性とそれを一周りも二周り大きい男性・・
本来なら体格差で勝負にならないのだが彼女は剣の達人・・
そのことはシグマもよく知っており、なかなか打ちこめない・・・
「「・・・・・・・」」
無言のまま対峙する2人・・
しかしクローディアが突如刀をダランっとしたに下げた・・
先ほどまで出していた鋭い気迫もおさめて、静かにシグマを見ている・・
それを見てシグマは静かに歩みよる・・
もはや斬馬刀の攻撃範囲にいるのに動こうともしないクローディア・・
一歩シグマの顔には汗が噴き出しワナワナと震えている・・
「・・・・破ぁっ!!」
耐えきれず渾身の力をもって斬馬刀を振り下ろすシグマ
巨大な刀身はまっすぐ隻眼の剣士の頭上に落とされてる・・・!
が、彼女はそれでもピクリとも動かない・・
斬馬刀の刃が頭部に当たる瞬間、クローディアの目がカッと見開き
刹那に独楽のように回転してシグマのたくましい腕に愛用の刀をめり込ませた・・!
・・・峰打ちだ・・
「!!!!!」
声ともならない絶叫で地に倒れるシグマ・・・、斬馬刀も腕から落ちもはや戦闘不能・・
「・・勝負あり・・ですね」
息を弾ませてクローディアが倒れた依頼主に言う・・
「・・・殺してくれ」
腕を押さえながらシグマが呟く。
「それはできません・・、あなたには家族がいるのでしょう?
勝手に死なれては家族が悲しみます」
「・・俺の家族はあいつ等に・・」
「・・ええっ、ロカルノさんに聞きました。安心してください、ダンケルクの特殊隠密部隊が
動きあなたの家族救出に向かいました。彼らにまかせれば間違いなく助け出せると
あの人もいってましたし・・」
刀を収めつつ説明するクローディア。さすがに額に汗がにじんでいる・・
「?・・・・・ならば何故俺と戦った・・?」
そこまで知っていれば戦う必要はないのに・・
「例えどんな理由であろうとも昔の仲間の敵にまわったのであればそれなりの償いは必要です
それに・・捨てておいてあなたが敵にまわった事を兄上が知れば悲しむでしょう・・。」
「・・・・・・・厳しくも優しい女だな・・」
「よくご存知のはずですが・・?」
「・・ふっ」
「ともかく、横になっていてください。すぐ全てが終わります。」
そう言うと静かに背を向けるクローディア
「・・すまんな」

そう声をかけるシグマにクローディアは何も応えず暗闇を再び駆け出した・・


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