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第4節  ロカルノ&キルケ編  「隻眼の女剣士」



ルザリアを拠点として別行動を取ることにした・・
私とキルケは墓荒らしについて、クラークとセシルは聖ヴァルハラ騎士団の足取りを・・
キルケがクラークと一緒ではなく私と来たのはその騎士団との戦闘で足手まといになるのが
嫌だと思ったからだろう。
この子は本当に一途だからな・・
まぁ騎士団追跡についてはあの二人にまかしておけばいいだろう。
傭兵公社の『剣聖帝』クラークとハイデルベルグ騎士団の『金獅子』セシルのコンビだ・・
よほどの事がない限り大丈夫だろう
「・・・・、ロカルノさん・・」
「・・、どうした?キルケ」
「・・・・・・・クラークさん、大丈夫でしょうか?」
「・・・・・・」
「私・・、あの人の力になりたいけど・・、何もできていない・・」
「・・・・大丈夫さ、キルケはきちんとあいつの役に立っている」
「そうですか・・?」
深く沈むキルケ
「君自体は気づいてないだろうしあいつもそうだろうがキルケがあいつに話しかけている時は
こんな事態でもいつものあいつに戻っている。君と話していると心が安らぐんだろう・・」
「・・・ありがとうございます」
「それにあいつは・・、君の想いにも気づいているよ」
「・・えっ?本当ですか・・?」
目を丸くして驚く・・・・
「あれだけ積極的にアプローチしているんだ。いくら疎くても気づかないわけないだろう」
「・・でもっ、なんでクラークさんは・・」
「君にはわからないだろうが傭兵など人を殺める稼業に就く者は殺めた者達の
『憎悪の螺旋』にまとわれることになる。殺めた者達の友人や親族に恨まれることは必至なんだ・・。
だから自分のかけがえモノを奪われるのを恐れてしまい、ソレを作らなくなるのが大抵だ・・・・」
「それで・・、クラークさんはそれで私を・・?」
「そうだ。しかし、徐々にだろうが君の気持ちに応えようとしている・・。君が必要なんだよ」
「・・・ありがとう、ロカルノさん・・」
「ふっ、まぁがんばるといい。さてっ、あそこか・・」
眼前に見えたのは廃屋・・、恐らく山で酪農をしていたものがかつて使用していたのだろう・・



廃屋からはかすかに人の気配は感じられる・・が・・
「どうします・・、ロカルノさん・・」
「ふむっ・・、そうだな・・。一気に押し込んで済ませるのが手っ取り早いか・・んっ?」
「ロカルノさん・・?」
「血の臭い・?いくぞっ!」
「はっ・・・はい!!」
かすかに血の臭いと肉が切られる音がした、何かおかしい・・
扉を突き破り中に入る・・
・・・・そこには野盗と思われる数人の男が血を流して倒れている・・
どれも手や足を切断されただけで致命傷ではない・・
そして少し返り血を浴びている薄桜色の着物の女性・・
長い黒髪で片目に眼帯をしており腰には木の杖・・・、仕込み刀か・・

服装からして東の国「カムイ」付近の人間だろう

「・・・・君はここの野盗と関係があるのか・・?」

静かにこちらを見ている隻眼の女剣士に訪ねる・・
「・・・・そうだと言えば?」
「・・私はここの人間に聞きたいことがある。できれば協力願いたい・・」
「・・私は他人の手伝いをするほど暇ではないのです・・」
そう言うと静かに刀に手をかける
「・・交渉決裂・・か。キルケ、下がっていてくれ」

戦場で刀を持つ者には気をつけなければならない。
鋭い太刀筋が特徴の刀は振る者によってはかなりの脅威になる。最も、格好つけたがって
持つ輩もいるがそうした者は扱いの難しい刀に振りまわされて実力を出せない・・
この女性はそうした者ではなくかなり『使う』ようだ・・・

こちらも愛用している槍『戦女』をかまえる。
生憎、墓荒らしが相手ということで重装鎧『要塞』は装備してなく完全武装じゃない・・
耐刃加工の戦闘ジャケットくらいだ・・・。これで刀相手は少々危険だな
まあその点彼女も防具関係は全く装備していないのだが・・
「かなりの猛者だな・・」
「貴方も・・、では・・勝負!」
そういうと一気に跳躍・・!ちっ、早い・・!
「・・鋭!!」
一気に目前に迫り抜刀!
「はぁ!!」
戦女をまわし刀に当てて軌道を変える・・・
女剣士は刀の軌道を変えられ体勢を崩すがそのまま鞘を取りだし振りかざす・・
「まだっ!!」
「・・・・・・甘いっ!」
鞘の杖で脳天を狙うが空いている腹部に蹴りを入れる・・
女剣士は飛ばされつつも鞘を振り切る・・!
チッ!
少しだが鞘が私の頭をかすめた・・・

そのまま距離を空ける女剣士・・・
「ふっ、流石は刀使い・・・。少しでも油断すると頭を砕かれてしまうとこだ・・」
かすめたとこから血が流れる・・、風圧だけで斬ったようだ・・
「あなたも・・、どうやら剣客との相手になれているようですね・・」
「仲間に刀を使うものがいてな・・、さぁ来い。次で決めよう・・」
戦女を下段に構える・・
「・・・捌きの構え・・」
女性が呟く
「ご明察・・、襲いかかるモノはその牙を失う破刃の構え「枯牙方陣」・・」
全神経を集中させるカウンター技だ。武器を狙えば破壊できるしそのまま急所を狙うことも
できる刃の結界・・・
「・・ならば私も最高の一撃で打ちましょう・・」
そう言い刀を上段に構える・・
「・・心法の剣・・か・・」
振り上げそれを振り下ろす事以外の全てを排した剣技・・、自身が切られる覚悟をし、
ただ斬ることのみに専念するため、その一撃は凄まじい・・
「・・知っておられるとは流石ですね・・」
「ふっ・・・・」
彼女の一撃が早いか私の迎撃が早いか・・・、
・・・・・・・・・・・・・
「・・・鋭!!」
迎撃範囲に静かに入り鋭く振り下ろす・・!!
「おおっ!!」
その筋、見切った!
一気に戦女を振り上げる・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
辺りに静寂が広がる・・・、私のすぐ目の前に彼女の刃が・・
そして彼女の首元に戦女の刃が・・・
「相打ち・・ですか・・」
「やはり、そのようだな・・」
緊張の糸が切れたように同時に話す・・、キルケは隅で青い顔をしている・・
「・・刀をおさめ願いたい。それほどの腕なら墓を荒らしたりしないだろう・・」
「!・・あなたも、墓荒らしに調べていたのですか・・」
「・・君も・・なのか・・?」
「・・ええっ・・」
我々以外にもこの件に関わっている・・?
「よかったら訳を話してくれないか・・?」


・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
・・

彼女・・、流浪の女剣士クローディアはとある人物の願いでファラ=ハミルトンの墓荒らしを
調べているようだ。
なんとか情報をつかみこの廃屋を襲撃して誰に頼まれた聞いていた時私が入ってきた
らしい・・・・・
どうも私はこいつらと同類だと思われたようだな
因みに依頼したある人物については口を割らなかった・・、
まぁ・・検討はつくが・・
「それで・・、墓を掘るのを依頼したのは誰なんですか?」
廃屋の外でキルケが聞く・・。
野盗どもは斬られた手足を持ちつつ走って逃げた・・、あれなら当分悪事も働けまい・・
中で話してもいいのだがいかんせん血なまぐさいので外に出ている・・
「・・ドゥヴァンと呼ばれる騎士・・だそうです」
「・・・・ドゥヴァン・・・、騎士というところを見ると奴らの可能性が高いな・・」
「・・貴方達もかなり情報をつかんでいるようですね・・」
「ああっ、君にばかり話してもらっては申し訳ない、こちらの事情も話そう・・」
この女性なら安心だろう・・
・・・・・・・・・
手短に説明する、彼女も話しているうちに顔色が変わってきたな・・
・・・・・・・・・
「クラーク・・、あの人が・・・」
まず話の内容よりもクラークの事に驚くクローディア・・
「・・知り合いか?」
「・・ええっ、あの人が傭兵に入る前に妹のように可愛いがってもらいました」
「クラークさん・・が?」
これにはキルケもびっくりしている・・
「・・まぁ妹弟子のような感じでしたので・・」
・・・?・・
「・・弟子?何かの道場か?」
「はい・・、私とクラークさんは同じ剣術を学びました」
「なるほど、あの鋭さ・・。合点が行く」
「それよりも、貴方達はこれからその騎士団を追われるのですか?」
「そうなると思いますけど・・」
「ならば私も同行させてもらいませんか?どうやら目的は同じようですし・・」
「・・それはありがたい申し出だがいいのかね?余計な戦闘に加わる事になるぞ」
これほどの腕なら心強いが・・、イレギュラー要素は不安が付物だ
「かまいません。結果としてはその方がうまくいきそうですから」
・・・・・・
「・・わかった。よろしく頼む。クローディア」
「お願いします、クローディアさん」
寡黙な女剣士を引き入り私達はクラーク達と合流することにした・・


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