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番外  「紫電再び」


「・・しかし・・、この道であっているんですか?キルケさん」
「・・あ〜、そうですね・・。たぶん・・合っていると・・」

森の中を歩く2人の女性・・

一人は黒いケープを被った可愛らしい女の子 キルケ
一人は眼帯をした隻眼の着物女性 クローディア

「しかし女鍛冶師ミョルキルが生きていたとは・・」
「元気そうでしたよ。なんだか恐そうな人でしたけど」
二人は折れた魔剣『紫電』を修復するためふたたびミョルキルに頼みに行く途中だ
実は以前ミョルキルが別れ際に
「その剣を修復したければ折れた刃の部分を別の業物の刃でつなげるしかあるまい。
なまじの金属では釣り合いがあわんからな。もしそんなものがあったならまたくるがいい」
っと言ったのだ
その話をクラークがしたところクローディアが紫電に匹敵する刃を持っているということで
彼女がミョルキルに会いにいくことになった・・
何故クラークではなくキルケが同行しているかというと
ファラの一件で王から多額の賞金をもらい
新しい仲間が増えたのをきっかけに小屋を増築しようということになり
大工が趣味なクラークはこれに手が離せない状態になっている
因みにデザインはロカルノ担当、セシルはパシリ・・

そう言う訳でキルケがクローディアを案内するようになり一生懸命先導している・・
がっ、どうにも彼女は方向音痴のケがあるようだ・・
「・・ああっ、確かここです!この道をまっすぐいけば大丈夫です!!」
ようやくおぼえのある通りを見つけるキルケ
「ご苦労様です・・」
「よかった〜、迷ったらどうしようかと思いました・・」
「ですがその前にやることもありそうですね・・」
「???」

ガサガサ

草むらが揺れたと思いきや、いきなり獣が飛び出てきた・・
野生に生息している狼のようだ
「・・この間は何もいなかったのに・・?」
以前は穏やかな森だったので驚くキルケ
「おそらく、兄上の気配に怯えていたのでしょう。あの人は無用な戦闘を避けるため
いつも剣気を放っているのですよ」
「へぇ・・、そうなんですか」
「とにかく、片付けましょうか・・」
スッと腰の剣、斬鉄剣の銘を持つ『月華美人』に手をかける・・・
緩やかな動作だがすでに気合い十分、張りつくような剣気が放たれる
狼もその気迫に押されて少し下がり気味だ・・
「古式一刀流・・・『風輪』」
ものすごい勢いで剣を抜きその場で回転する・・
凄まじい剣風が全方位に放ち狼はふっとんだ
「・・すごい・・」
キルケも持っていたマンゴーシュで構え何とか耐えたようだ
「・・・無益な殺生は好みませんので」
飛ばされた狼は悲痛な泣き声をあげ逃げていった

「・・でもクラークさんとクローディアさんって同じ剣術を学んだんですよね?」
「そうです。アイゼン流剣術といってかなりこじんまりとした剣術道場でした」
「へぇ・・、古式ってどういうことなのですか?」
さっきの技に興味を持つキルケ
「アイゼン流剣術は『古式』と『我式』に別れています。基本的なモノと過去から受け継いだ技を『古式』、他流派を見たりして自分で学んだものを『我式』といいます。
・・かなり型破りな流派でしょうね」
「ふぅん・・。私も習ってみようかな」
「止めた方がいいですよ・・。お師さんはかなり女性が好きなのでキルケさんなら
まず襲われます」
自分の師の事なのに結構呆れた口調のクローディア
「・・・・・・・そんな師匠さんなのですか?」
「・・ええっ、今は道場をたたみましたが貴方よりも年下の少女と一緒に隠居しています」
「・・はぁ・・。あっ、見えました!あそこです!!」
目の前に以前の廃墟がそのままの状態で姿を現す。



「ごめんください」
礼儀正しく中に声をかけるクローディア

ギィ

「・・どなたかな?」
相変わらずの無愛想な感で出てくる老鍛治師ミョルキル・・
「おばあさん、こんにちわ」
「おおっ、お嬢さん。また用かな・・?」
「『紫電』の修復をお願いにあがりました」
そのクローディアの言葉に眉をあげるミョルキル
「・・ほう、では良い得物が見つかったのか・・。入れ」
クローディアを招き入れるミョルキル、キルケもそれに続いた
・・・・・
中に入り椅子に座ると以前いなかった犬人の少年がお茶を出してきた
「どうぞ、紅茶です」
礼儀正しくお茶を置く
(・・セシルさんがいたら間違いなく襲っているだろうな・・)
キルケが心の中でぼやいた
「あの法衣は気に入ったかな?」
以前来た時に渡したピンクの法衣のことを話す
「ええっ、ちょっとスリットが入っていて恥ずかしかったですが・・」
「何っ、戦場で動き回るにはあのくらいがちょうどいいのだよ。
私もはじめて着た時は恥ずかしかったな」
「・・・ええっ!ミョルキルさんアレを着ていたのですか!!?」
しわくちゃの黒肌ばあさんがピンクのスリット法衣を着ているのを想像しかなり驚くキルケ
「・・これ、若い時の話だ。この年でそんな真似するわけないだろう・・・」
「・・そっ、そうですよね・・」
「全く、奴の女だけあってヌけている・・。でっ、紫電にあう刃はあるのか・・?」
改めて本題に入るミョルキル
「はい、私がずっとお守りとして持っていた物です」
道具袋から白い布で巻かれた物を取り出す・・
布をほどくとそこには妖しくも美しい光を放つ刃が・・
「・・これは中々のものだな・・」
ミョルキルも一目でそれが業物と判断した
「妖刀『紫電』とともにかつて私の姉が使用していた銘刀『雪月花』の刃です」
「ほぅ、お前さんの姉は双剣だったのか」
「ええっ。この雪月花も兄上のあの技で破損したものです。この一組自体は相性はいいので
これを紫電に使えばうまくいくかと・・・」
「・・全くあの男もつくづく鍛冶屋泣かせな技を持ったものだ。・・いいだろう。
お前さんの姉の剣、見事一つにしてやろう。」
そういうと折れた二つの剣を持ち作業へと取り掛かる・・・
「待ってください!師匠。その仕事僕にやらしてもらえませんか?」
隅で大人しく話を聞いていた犬人の少年が立ち上がった
「・・・リュート、お前には刀を作るにはまだ早い」
「精製法、修復法は習いました」
「・・おばあさん。こちらは?」
キルケが犬人の少年について聞く
「僕は師匠のもとで鍛冶師を目指しているリュートと言います!」
耳をピョコピョコ動かしながら自己紹介する少年リュート
「まだみそっかっすな奴だ。」
対し辛口のミョルキル・・・・
「・・リュートと言いましたね。刀について学んだそうですが・・
刀鍛冶が刀を打つ際一番必要なものは何ですか?」
「・・・打ち手の『魂』です!」
じっと問いかけたクローディアを見つめる・・
「・・いいでしょう。やってみてください。」
「・・酔狂な」
ミョルキルも呆れ顔だ
「ありがとうございます!」
「ただし、この柄も刃も私やあの人にとっては大切な形見です。失敗は許されませんよ。
それなりの覚悟はしてもらわないと・・」
そう言うと物言わず腰の刀を抜きリュートの喉元に寸止めをする
その瞬間はまさに刹那
リュートも何がなんだかわからず目を丸くしている・・
「もう一度言います。失敗は許されません・・いいですか・・?」
「・・はっ、はい!必ず良いものを作って見せます!!」
「・・頼みましたよ・・」
刀を収め静かに座るクローディア
「・・・・そら恐ろしい女だ。わしも手伝おうリュート。お前の成長ぶりをみせてもらおうか・・」
「はい!!」
得物を持って工房に向かう二人
「お前達はゆっくりしてくれ、何か手伝ってもらったら言おう」
「わかりました。がんばってください・・」
師匠と弟子は軽くうなずき中に入って行った・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
「・・・・あのリュート君、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫でしょう。少し脅かしてみましたがそれでも刀を打つ意欲を見せました。
上手くやってくれますよ・・」
「ではっ、出来あがりが楽しみですね♪でも・・、クローディアさんのお姉さんってどんな方だったのですか?」
やることもなく不意に気になったことを聞く。
彼女は好奇心旺盛のようでよく聞きたがる体質のようだ
「姉・・ですか、そうですね・・、しゃべってなかったら死んでしまうような人・・でしたね」
「・・そっ、そうですか・・」
「私と姉は子供の頃、親に捨てられましてね・・・。たった二人の肉親と言う事で力を合わせて
がんばってきました。・・例え片目を失っても姉上がいたからこそ、ここまで来れたのです・・」
「・・クローディアさんの片目って・・」
「小さい頃に山賊に襲われたことがありまして、ね。その時に失いました」
「・・すみません・・」
「いいですよ。済んだ事です。そんなところをアイゼン師匠に拾われそこで
兄上と出会ったのです」
「クラークさんが・・・、その頃のクラークさんってどんなんでしたか?」
「今とあまり変わってませんよ、一見チャランポランに見えて頼り甲斐がありましたし・・。
兄上も私達と同じような身の上だったのでよく可愛がってもらいました。」
「へぇ・・、そうなんですか・・」
「やがて姉上と兄上は独立ということで道場を離れ、私だけがお師さんの元で剣を磨きました」
「・・・・・・・クローディアさんはいいですね、あの人のことをよく知っていて・・」
嫉妬にも似た眼差しで見つめるキルケ
「・・私にはあなたのほうが羨ましいですよ。あの人に愛してもらっているのですから・・・。
剣客が大切な者を作る覚悟なんて余程の事がないとできませんしね」
「クローディアさんはどうなんですか?大切な者をつくろうとは・・・?」
「・・・・・・・私も血まみれですから・・、まだそこまでの覚悟は出来てませんね
まだまだ修行が足りないということです・・」
静かに微笑むクローディア・・、やや自嘲的にも感じられる
「クローディアさん・・」
「・・さぁ、この話はここまでにしましょう。工房の様子も気になりますし」
そう言うとクローディアは席を立ち工房の様子を見に行った・・



工房では師匠ミョルキルと弟子リュートが懸命に刃を叩いている
「一打ち一打ちしていく事に刃が輝いてくる・・、すごい・・・!!」
「無駄口が多いぞ。一心を込めて打て!!」
全身汗まみれで赤くなった刃を叩く
(・・・・・姉上。姉上の形見をこのような事に使用して申し訳ないです。ですが・・
兄上には貴方の剣を使って欲しいのです・・)
その光景を静かに見つめるクローディア・・
今は亡き者、そして今も戦う者を思い静かにその場を立ち去った・・・・




翌朝
徹夜をしたのか居間で真っ白に燃え尽きているリュート
ミョルキルはその弟子を見つつ酒を飲んでいる・・
「おはようございます」
そこへやってくるクローディア。まだ朝なので眼帯はしておらず固く塞がれた片目が
見える
「・・おおっ、できたぞ・・」
「・・・・良い物ですか?」
「試してみればわかる。ともかく物を見るのはこいつが起きてからにしてくれ」
「わかりました・・・・・」
「おはようございます〜」
そこへ欠伸をしながらやってくるキルケ。
こちらもケープは外している
「おはようございます、キルケさん」
「それで、剣はできたのですか?」
彼女も剣の出来が気になるようだ・・
「まぁ待て・・。それよりもお嬢さん、腰のその剣はクラークに貰ったのか?」
肌身離さず!っといいたげに腰に下げるレイピアとマンゴーシュを見るミョルキル
「ええっ、剣を習いたいってあの人に言ったらこれを貰いました」
モジモジしながらキルケ
「ほぅ・・・。なかなか良い物だが・・・・・・お嬢さんの腕が未熟過ぎるな」
「・・あぅ。」
キルケゴール=サルトル撃沈!
「この間来た時それが気になってな・・、これをやろう」
懐より取り出したのは一冊の薄っぺらい本
「魔導書・・、ですね?」
「うむっ、これには一時的に剣聖並の知識と腕を得られる強化法が記されている。
役立てるといい」
「ありがとうございます!ではっ早速・・・!!」
椅子に座り黙々と解読し始めるキルケ・・・・・
「・・ふわぁ〜・・、おはようございます」
それと共にリュートがやっと目を醒ます・・
「起きたか、みんな待っているぞ?」
みんなもう目を醒ましていることに慌てるリュート
「あっ、すみません!ではっ、取ってきます!!」
寝癖もそのまま、工房へと走りだした。
・・・・・・・
どたばたしながらリュートが戻ってくる・・
手に持つは雪の結晶の絵が彫られた黒い鞘に納められた剣・・
「・・うまくいったようですね・・」
「まぁ見てください!」
両手で剣をクローディアに渡す

チャッ・・

刀身を抜き出来を確認する・・・
彼女が持つ斬鉄剣『月華美人』ばりの美しい刀身・・、見る者の心を奪うようだ・・
「・・上出来ですね」
「ありがとうございます!切れ味は銘刀『雪月花』の切れ味を残しつつ『紫電』の雷の魔力を
込められることができました!!ただし紫電の損傷が激しかったので以前のような雷ほど
強力ではありません。その点は鋭くなった切れ味でカバーするしかないですね」
嬉しそうに報告するリュート
「よくがんばりましたね、リュート・・」
「いえっ、師匠が手伝ってくれたおかげです」
照れくさそうにリュート
「ふんっ、今回お前はがんばった。わしの手柄じゃない」
「師匠・・」
思っても無い言葉に感激するリュート少年
「さて、では試し斬りと行こうか。お嬢さん。その魔導書、少しは解読できたか・・?」
「はい!まだちょっとですが・・すごいですね・・、高度な魔法で剣聖の知識のみを
憑依させるなんて・・」
「できそうか・?」
「やってみます!」
「よしって、では表に出ろ・・。ここではやられたらかなわんからな・・」



朝の日差しの中、小屋の前で対峙するクローディアとキルケ・・・、キルケはやや顔が青い
「あの・・、私がクローディアさんの相手を・・?」
以前彼女の戦いぶりを見ているので無理もない・・
「ああっ、まぁ出来あがった『紫電』の状態を確認する程度だ。それにさっきの術があるだろ?」
「・・わかりました・・。」
サッっと印を切る・・
「キルケさん・・、ではっ参ります」
腰に差した剣を抜き一気に跳躍

『空漂いし剣の聖人 この声聞こえしば我に力を!!  ソードマスタリー!!』

そう叫ぶと共にキルケの目が碧眼から黒い瞳に変わり動きが急変する・・
「・・!!!鋭!!」
キルケの変化に気づき全力で打ちこむ
「・・見える・・!?そこっ!!」
クローディアの太刀筋を見切りレイピア『ローズクォーツ』で反撃・・
隙をついての鋭い一撃・・、しかしそれに当たる彼女でもなくさっと飛びのく
「これ太刀筋・・、剣聖並という謳い文句もあながち嘘とも言いきれませんね」
「体の動きが全然違う・・、!!あっ・・あれ・・・!?」

急に体がガクンとなるキルケ・・、瞳も黒から碧へ・・・

「効果が切れたな・・、お嬢さん。まぁ修行を積めばもっと長い時間扱えるだろう・・
クローディア、剣はどうだ?」
「羽根のような軽さですね。斬りこそしなかったですが斬れる感覚は十分伝わりました。
「ふむっ、ならよかった。これで満足かな?」
「ええっ、ありがとうございます・・。」
静かに頭を下げるクローディア・・
「うむっ、名はどうする?リュート、お前が決めろ」
「ええっ!僕ですか!?」
「・・そうですね、この一振りは貴方が作りました。是非お願いします・・」
「わかりました・・。じゃあ・・『紫電』をそのままに『雪月花』の刃を加えたので
『紫電雪花』というのはどうでしょうか?」
「し・・でん・・・せっか・・?いいですね。私は賛成です♪」
「ふむっ、お前にしては妥当な名前だな。お前もそれでいいか、クローディア」
「ええっ、感謝します。リュート、貴方にも」
「・・いえっ、僕も良い勉強になりました!また何かあったら言ってください!!」
満面の笑みで応えるリュート
「ふんっ、でかい事をぬかして・・、では飯でも食ってから出発するといい」
ぶっきらぼうながらも優しいミョルキルばあさん。二人は昼まで世話になり仲間の待つ
教会への旅路に着いた




教会への一本道、辺りは草原だ・・
「結局もらうだけもらって・・、なんだか悪いですね・・」
ただで魔導書と銘刀とも言える刀をもらったのだ。図太いといえば図太い・・
「安心してください。リュート君にお金を渡しましたよ。お礼金として・・」
「クローディアさん・・、いつの間に・・」
「まっ、こうしたことは表立って渡すものではありませんよ」
やがて視界に入る教会・・、その隣には立派な木製の館が・・
「すごい・・・!アレだけの館を3人でやったのですかね・・?」
「ど、どうでしょう・・、ともかく行ってみましょう・・」
・・・・・・・
館の前は木材が散乱しておりそこに横たわっているのは大工姿のクラークと
短パンにタンクトップというラフな格好のセシル・・、
仮面を外しバンダナをつけているロカルノがいた
「帰ったな。疲れただろう?」
とりあえずは長旅から帰った二人を気遣うロカルノ・・
「私達は大丈夫ですが・・、立派な館ですね・・」
仕上がった木造2階建ての館にクローディアも驚く
「私の自信作・・だな。ちゃんと個人が使えるように個室を6つ用意している。さらには浴室、
談話室、食堂、キッチンも完備。ベランダも作って星が見えるようにした」
自分が設計した図面を見せながら説明、よほど気に入っているようだ・・
「あの期間でよくできましたね・・」
「クラークが徹夜でがんばったしな。セシルもコネを使って人材をよこしたし・・」
「セシルさんが・・!?そんな人脈あったのですね・・・」
「しっつれいね!これでも騎士団時代にゃ人気あったのよ?」
疲れて寝ているクラークの横で同じくうなだれているセシルが反論・・
人気があって手伝ったのか脅迫まがいのことをして手伝わしてのか・・。
しれは誰にもわからない・・
「・・まっ、そんなあやふやな情報はよしとしてどうだったんだ?」
「これです・・」
大事そうに取り出したのは黒鞘に収められた『紫電雪花』
「ほう・・、これは・・。おいっ、起きろクラーク」
クラークの脇腹を軽く蹴り起してやる・・
「むっ・・、昨日遅かったんだから・・・、もうちょっと・・」
「クラークさん、起きてください!」
優しく体を揺するキルケ
「・・・・えっ、キルケ・・?帰ってきたのか!?」
いきなり跳ね起きるクラーク!

ゴツン!!!

勢いでキルケと頭が激しくぶつかった・・
しばし両者ともに無言で額を押さえている・・
「馬鹿な事はそのくらいにしておけ。できたそうだぞ?」
全くおかまいなしに剣を投げ渡すロカルノ
「・・おおっ、・・・これは凄い・・・」
「兄上のために作ってもらいました」
「ええっ!?俺のためだったのか?てっきりクローディア自身が使うのかと思ったよ」
「私にはすでに得物がありますよ。兄上はあの鬼神剣だけだとその力ゆえかえって
不便だと思いましたので・・」
腰の剣に手を当てながら応える
「そっか・・、ありがとう・・クローディア。キルケもご苦労だったな」
「いえっ、私もお土産をもらいましたし」
「ふぅん、また何かもらったのか・・。でっ?この刀の名は?」
「『紫電雪花』・・・これを打った鍛治師がつけました」
「そっか・・、ありがとう。喜んで使わせてもらうよ。ではっ、お返しに新しく出来た我等が城の
案内をしようか!」
「お願いします!どんなになっているのですか・・?」
「ふっふふ〜、見て驚くぞ!まずはな・・・・・・」
館に入り説明し出すクラーク。
新しい得物、新しい家を持ち、彼らの生活は続く・・


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