第8節 「命名!コスプレエクソシスト!」


商品部屋と称された部屋にクラークが飛び込んできた
「キルケ!?大丈夫か!?」
なんだか疲れた様子のキルケを見て叫ぶ
「ああっ、はい。二人ほど殺しちゃいましたけど」
あまり少女が口にするセリフではないが・・・
「それはいいよ、とにかく無事でよかった。あ〜・・・・、何も・・・されなかったよな?」
「・・はい(ポッ)それよりもここのみなさんに毛布か何かを・・」
「ああっ、そうだな。一応セシルが持ってきた毛布がある。みなさん、使ってください!」
騒動のせいかキルケの説得のおかげなのか裸なのに男が入ってきても動揺しない・・
一通り毛布を渡すと二人は廊下に出た・・。
「そっちは、大丈夫なんですか?」
「ああっ、ボスのブリューゲルは最初に仕留めたし後はセシルが・・な・・」
「・・なるほど」
説明しなくても十二分に理解できる・・
破壊女、ここに在り
「ともかく被害者も保護できたし無事終了ってとこかな?」
「そうですね、よかった」
「でもっ、それにしてもその衣装・・」
ゴスロリ調のドレスを着ているキルケをまじまじと見つめるクラーク
「・・なっ、なんです?」
想いの人にまじまじ見られ照れるキルケ・・
「コスプレエクソシストの名前は頂きだな!」
そんなことに気づかなく素直な意見をクラークが言う
「・・・えっ!?なんなんですか!?その「コスプレエクソシスト」って〜!!」
頬を膨らましクラークに向かってポカポカと叩く
「はははっ、何を着ても似合うって事だよ。気を悪くするな!」
「もう!!これでも恐い思いしたんですからね!ご褒美の一つぐらい下さいよ!」
「ご褒美・・って何・・?金とか・・?」
「そっ・・、それは〜・・・」
「!、そうだ。じゃあこういうのでどう?」
キルケの頬に軽く口付けをするクラーク、思ってもみないことに顔を真赤にするキルケ・・・
「・・・・・!!!!!!!!!」
「・・・何だ?やっぱりお気に召さない?」
「!!!!!!!」
あまりの出来事にショック状態のキルケ・・・・
妙な知識はあるが免疫力はないご様子・・・・・・・
しばらくしてようやくセシルの破壊活動が終わった時には
犯人達の死体は20体にも上っていた。



「みなさん、助かりました。これでようやく国にも平和が訪れます!」
ダンケルク城の所見の間、ヤスパール王がホクホク顔で3人に言う
頭痛の種がなくなったことがよっぽど嬉しいようだ
ロカルノはというと一睡もせずに国務を手伝いダウン、客室で寝ているらしい。
狙われていたリンディス嬢もそんなことを知るはずもなく家に帰り自分の家具を移動する
団通りに追われているそうだ・・・・・
「いや、それよりも犯人達全員殺したことにおとがめはないよ・・・な?」
「もちろんです、かえって処刑する手間も省けたとこですよ!」
「ふぅ、よかった。表立っての殺人ってのはあまりしないからな」
「ともかく、ゆっくりしていってください。兄上も眠りこけていますし。ああ!それと・・」

「まだ何かあるのか?」
「数日中に私とリンディスの婚約パーティーがありますのでぜひ出席してください」
「わかった、楽しみにしているよ」
クラーク達は所見の間を後にした・・


客室
ダウンしていたロカルノが目を醒まして食事をとっている、そこへ・・
「よう、ロカルノ。体調はいいのか?」
「・・お前達か、まぁぼちぼちだ」
「ぶっ倒れるくらいまで働くなんてあなたも律儀ね〜」
ロカルノの食事をつまみ食いしながらセシルが言う
「こんなことでも恩返しはしないとな。それよりもそっちは終わったのか?」
「ええっ、上手く解決しました」
「セシルが暴れすぎたのが若干のミスかな?」
「・・いいじゃないの、女の敵は死すべき!よ」
「その様子だと、・・皆殺しか?」
「「ご明察・・」」
「やれやれ・・、加減を知らない女だな」
わかりきっている事だが呆れる・・
「まぁまぁ・・いつもの事だからな。
それよりも数日中に王の婚約パーティーがあるんだってな?」
「ああっ、そうらしいな。たまった国務も片付けたから頃合いだと思ったんだろう」
「出席してくれっていわれたけど、ロカルノはどうする?」
「このまま帰ったら良いことなしだからな、出席しよう。
それよりもお前達その格好で行く気か?」
クラークは薄緑のロングコート、セシルは騎士姿、キルケは黒いケープを被っており
パーティーに行く格好にはとても見えない・・
「この格好だと、確実に浮きますね・・」
お互いの服装を確認しつつキルケ・・・・
「セシルはドレスよりもその格好の方が自然だがな」
笑いながら挑発するクラーク、宣戦布告?
「・・なんですと・・・?」
「全くお前達は・・、とりあえずヤスに頼んでドレスを用意させておこう。
セシルとキルケは一緒に後で好きなのを選ぶといい」
「あら?そう、じゃあ綺麗なのを選びましょ。」
「クラークさんは服は選ばないんですか?」
ふぃに訪ねるキルケ、やはり気になるらしい
「・・そうだな〜、俺は戦闘用の装備以外は無頓着だからな〜、城の人にまかせるよ」
「・・よかったら、私が選んでもいいですか?」
もじもじしながら聞いてみる・・・
「キルケが?・・うん、構わないよ」
「ありがとう。格好いいの選んでおきますね!」
承諾を得て嬉しく微笑むキルケ。
「ああっ、頼む(キルケって服選ぶのが好きなのかな?)、
あっ、じゃあついでにロカルノのも選んでおいたら?」
「・・・、いや私は自分で選ぶとしよう(ニヤニヤ)」
「そうそう、ロカルノはロカルノで選ぶから別にいいじゃない(ニヤニヤ)」
「あら?そっか?」
嬉しそうなキルケに、それを見てにやけるセシルとロカルノ。
当のクラークはなんだか周りの雰囲気にふが落ちない様子である・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
ちょうどその頃、王国にある被害届が出された。
犬人の娘が数人、謎の金髪女性に襲われたらしい。犯人は・・見つからなかったそうな・・・



<<back TOP next>>