第6節  「外道退治作戦」


クラーク達は宰相から婦女暴行と人さらいに関する情報を聞き出した・・
内容は二つの事件の犯人は同一人物であること。犯人の場所が特定しつつあること。
犯人は数人のグループで行動しており手慣れていること・・などなど
「ふぅん、こんだけの情報があるのに解決しないんだ」
結構情報があるのに解決できてないことに呆れるクラーク
「しょうがないんじゃないの?素人に毛が生えたくらいじゃ・・」
人質がいる状況でうまく解決するのは至難の技だ・・・
「きっとそういう経験がないんだな〜」
「どうするんですか?クラークさん?」
「そうだな・・、奴さんの居場所はわかっている。が、人質がいるのも十分考えられる・・・」
「うかつには動けない・・わね?」
「良いアイディアがあるんだけど・・いいかな?」
不適に笑うクラーク
「えっ?秘策があるんですか?」
「うん、ちょっとキルケには頑張ってもらわないといけないけど・・」
その言葉に首をかしげるキルケ
「とにかく話してみてよ?」
「ああっ、それじゃ・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・



ダンケルク国より少し離れた山にある民家・・、
付近からは木々で巧みに覆われており近くにいても見つけるのに時間がかかってしまう・・。
ここが宰相が言っていた人さらい犯が住んでいると思われる民家だ。
中にはみすぼらしい格好をした男たちが酒を飲んで寝転がっているようである
「うまくいきやしたね!ボス」
数人いる男のうちの一人が嬉しそうに言った
「何っ、うまくいったといっても数人程度だ。それよりも今さらにでかい計画があるんだ」
「さらにでかい・・ですか?」
「ああっ、次は富豪の娘を狙おうと思う・・」
「富豪の娘ですか!?」
「ああっ、計画は練ってあるんだが・・、いささか人手が足りなくてな」
富豪のさらい計画をしているとふぃに民家の扉が開いた。
中にいた男たちは全員武器を手をとり扉を見つめる・・・・
「おっ、酒があるな・・」
突然民家に入ってきた不審な男が全然臆することなく中に入ってくる
そのあまりに自然な行動に犯人達は呆然としている・・
男はみすぼらしい乞食の格好でひ弱そう・・、だが得体のしれない「気」を感じる・・
そんな事は気にせずに入ってきた男が勝手に酒を飲み始めた
「!!・・・まずいな。安物か・・」
その一言に周りがやっと動き出す
「なんだてめぇは!」
「ぶっ殺してやる!!」
二人の下っ端が男に殴りかかる・・・が
「うわ!」「げぇ!!」
腕をスッっと動かした途端、下っ端は投げ飛ばされた。男は1歩も動いていない・・
「この野郎!」
男の早業に警戒してか今度はナイフを取り出す下っ端、
しかし
「あれっ!?刃がない?」
確かにあったはずのナイフの刃が綺麗になくなっている・・・
「探し物はこいつかい?」
男が酒を飲みつつ懐からナイフの刃を取り出した
「自慢の獲物なんだろ?しっかり持っておかなきゃだめだぜ?」
下っ端に刃を渡すがもはや戦意喪失の様子・・
「・・・お前、すごい腕前だな」
一連の出来事を冷静に見ていたボスが静かに言った
「そうかい?まぁ普通かな?」
「何でここにきたんだ?」
「なにっ、偶然だが良い女を一人捕らえてな。売り飛ばそうと思っているのだが
そういう知り合いがいないからここにきたってわけさ」
「・・なるほど。お前、その気があれば俺達と手を組まないか?」
ボスの発言に下っ端は目を丸くする
「・・・金になるのかい?」
「もちろんだ。お前ほどの腕前の男がほしかったんだ。悪い話ではないと思うがどうだ?」
「・・よし、いいだろう!」
「そうか!お前がいれば千人力だな!俺はブリューゲルだ。お前は?」
「・・ラークだ。それよりも、俺が連れてきた女を中に入れてもいいか?
病気にでもなったら値段が下がる」
「ああっ、そうだな。構わない」
男は堂々とした動きで外へ出ていった。
やがて黒いゴスロリなドレスをきたおさげ髪の少女を軽々と担いで中に入ってくる。
少女は眠っているようだ。
「ほう、こりゃあすげえ上玉じゃないか?どこでさらったんだ?」
「そういうことは言わないのがこの世界の礼儀・・じゃないのか?」
「おっとそうだな、すまねえ。それじゃあ「商品保管庫」に案内するぜ」
案内をするボスことブリューゲルの後ろをラーク・・もとい変装したクラークがついていく。
おさげ髪の少女にそっとウィンクしつつ・・・・


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