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第3節  「貴女と王」


夜・・・。
建物もほとんどないので全くの暗闇になる
明かりといえば月明かりと教会の前の小さなカンテラ・・
そして教会の隣にある小屋の明かりぐらいだ
クラーク達はその小屋にいた。
この小屋は彼等が教会に世話になることになってすぐ造られたもので普段は
クラークとロカルノが使用している(女性陣は教会の部屋を使用・・)
っというのも教会自体さほど広くもなく部屋も数人しか泊まれないので
小屋でも建てないと礼拝堂で寝泊まりすることになってしまうのだ・・・

「建ててからはじめて入ったけど結構頑丈にできているのね?」
セシルがしきりに感心する
「クラークさんってほんとなんでもできるのですね!」
キルケも目を輝かせている
「ん〜、まぁ傭兵時代にはこうしたこともできないといけなかったしな。
それに内装はロカルノの趣味だから見た目の綺麗さはあいつの領分だよ?」
「・・ロカルノさんも何でもできるんですね・・」
外見は普通の小屋だが中身はログハウス調で中々の出来映えなのだ
「下手したら教会の部屋より豪華じゃない?」
「・・・交代しないぞ・・」
「・・ちっ」
考えが読まれ舌打ちをするセシル・・
「身内同士で盛り上がるのは結構ですけどロカルノはまだですの!?」
リンディス嬢がイライラしながら叫ぶ
「まぁまぁ、もう帰ってくるんじゃないかい?」
「・・・そのセリフ何回目かしら?」
「だってわかんないもんはわかんないじゃないか?」
ごもっとも・・
「・・・ふぅ」
待ち疲れた様子のリンディス。

ガチャ・・・

その時、小屋の扉が開いた
「・・・なんだお前達?こんなに大勢で?」
ロカルノだ。人口密度の高さにいささか驚いている
「いや、お前に会いたいって奴が着てな。そいつと一緒に待っていたんだよ」
「・・・私に?」
「はじめまして、ローディス王子。わたくし、リンディスともうします」
「?、何故私の本名を?」
表情は変えてないが警戒しているようだ
「私は、ヤスパール王と婚約してますので。
ローディス王子の噂はよく聞いておりますわ」
「ヤスの?それなら納得できるが・・、私に何の用だ?」
「まぁ、それは座ってゆっくり話しませんこと?ローディス王子」
「・・・ロカルノだ。ローディスの名は捨てた」
声のトーンを下げつつソファに腰を下ろした
「ん〜、じゃあ俺達どうしよ?お邪魔だったら退散しようか?ロカルノ?」
二人の真剣な雰囲気に圧倒されて3人がタジタジしている・・
「・・いやっ、お前達にも聞いたほうがいいだろう、それでいいかな?リンディス嬢?」
「構いませんわ。それじゃあ本題に入ってもいいかしら?」
「ああっ、構わん」
「それじゃあ、さっき話したように私とヤスパール王とは婚約が成立してました。
しかし最近になってその話も全然進まなくて、先方からも返事が全くないのです」
ブータレ口調でリンディス
「小さいとはいえ一国の主なんだ。そんなに頻繁に話が出来るわけでもなかろう?」
「それはそうなのですが、どうも様子が変なのです。
直接会おうと思っても拒絶されましたし・・、
困り果てた時にあなたのことを聞いてここにきたのです」
「・・つまり、私を介して弟に会いたい・・と?」
「そうです、報酬はお約束します」
どうやら金を払う用意はきちんとしているらしい
「やれやれ・・、まぁ弟には世話になってるから無視もできん。
クラーク、この件引き受けていいか?」
「俺は構わないよ?っうか教会の手伝いに飽きたとこだからな。セシルとキルケは?」
「私は・・、クラークさんが行くのならどこでもお供します」
普段は大人しいのだが彼の事になると大胆になる彼女A・・・
「私も構わないわよ、ロカルノの実家だなんて一回見てみたいしね」
本音は暇つぶしになればいいと思っている彼女B・・
「・・お前達、私の正体を知ったのに随分冷静だな?」
女性陣2人の意外な態度にロカルノが驚く
「あなたがいない間に驚き尽くしたわよ。」
「まぁロカルノさんはロカルノさんですし・・ね」
「ふっ、酔狂な連中だ。では明日の朝にでも出発するか。
リンディス嬢、今夜は教会に泊まってくれ」
「わかりましたわ、それでは、また明日。ごきげんよう」
相当疲れているらしくとっとと教会に向かうリンディス。
話すだけ話して勝手な女だこと・・
・・・・・・・・・・・
「・・やれやれ、まさか弟の色恋沙汰で実家に帰るとは・・な」
「いいんじゃないか?帰るとこがあるならたまには帰らないとな」
「?、クラークさんは帰るところがないのですか?」
キルケがふいに質問する
「俺っ?俺が育った村はガキの頃疫病で全滅したからな〜、
行っても何も残ってないよ」
あっけらかんとした口調で言うクラーク、暗い話のはずなのだが・・
「・・すみません、失礼なことを聞いて」
「ああっ、いいって。こんなご時世どこにでもある話さ」
明るくクラークが答える、たしかに疫病なんて十数年に一回の割合で流行っているから
確かに珍しい話ではない・・・
「それよりもロカルノ、そんな格好で国に帰っても大丈夫なの?
なんだかその仮面だと入国の許可も出なささそうよ・・」
「もちろん、仮面はとるさ。さすがにこの姿ではな」
「ロカルノの素顔か、明日が楽しみだな。そんじゃあ女性陣もそろそろ寝たら?
ここからダンケルクったら結構な道筋だしな」
「そうね、それじゃそろそろ寝ましょうか、キルケ」
「はいっ、じゃあおやすみなさい」
欠伸をしながら二人が退場。
野郎二人も就寝の準備をしはじめる・・


・・・・・・・・・・・・
「・・クラーク」
「ん?なんだ?」
「私が王子だったこと・・、前から気づいていたか?」
「まぁな、あの二人は知らなくて相当驚いていたけどな」
「・・・ふっ、そうか」
「別にそんなことは気にしないさ、あいつらもそうだろ?お前はお前さ」
「・・すまんな。」
「やめておけ、お前がそんなこと言うと雨が降る」
「やれやれ・・、揃いも揃って口の悪い連中だ・・」
ベットにもぐりこみ消灯、そのまま深い眠りへと・・いくはずだった

バン!!

突然小屋の扉が開いたのだ
「ちょっと、起きている?」
セシルだ。寝巻き姿で毛布を持っている
「なんだ、セシル。もう寝るんだから用なら明日に・・」
「あの女・・私のベットで眠っていて私の寝るところがないのよ!」
教会の部屋は小さくベット以外のスペースがほとんどない状態・・
「ここのソファ空いてるでしょ?そこで眠るわよ」
「「・・勝手にしろ・・」」
遠慮なく上がりこみソファに横たわる・・
「・・・言っておくけど、夜這いしないでね?」
「「・・するかよ」」

・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・
「ちっ」

セシルの思惑(?)とは違い何事もなく夜は明けた・・

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