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第1節   「四人の日常」


町から随分離れた教会・・、
一見朽ち果てたように見えるがここにはちゃんと神父がいる。
少々変わり者で若い神父だがちゃんと参拝しにくる信者もいるようだ・・

教会の周りはほぼ平原で遠くに町の建物が見えるといった程度・・・
従って教会の周りには小さな墓地と街道をのぞいては緑の絨毯が占拠している・・、

・・優しい日差しと穏やかな風が絨毯をより心地よいものにする・・・
その絨毯に寝転がる一人の金髪女性・・・
「ほぅあ〜〜〜〜、ふぅ、い〜い陽気ねぇ〜」
間が抜けた声であくびを出し、
女剣士セシル=ローズが伸びをしている
タンクトップとズボンでかなりラフな格好、
・・・服装が示すあなたのお人柄・・・
腰まで届かんばかりの長い金髪はよく手入れされて輝いていて
モデルばりの細い体つき、第3者が見たらモデルと思うだろう・・
まぁ中身は・・・・、問題ありなのだが・・・

「こらっ、セシル。お前礼拝の道具の片付け終わったのか?」
教会から小さい丸眼鏡をかけた青年、クラーク=ユトレヒトが出てきた。
彼もこれまたラフな格好、まぁいつも鎧をつけているような用意周到人は
そうそういないのだが・・・
彼はやや長め髪・・っといっても首にちょっとかかる程度だが・・
そしてひ弱そうな外見・・、だが戦闘能力は極めて高い・・
・・・
彼等は冒険者でありこの教会を拠点に活動をしている。
と言っても大きな事件などそうそうあるものではなく、
教会の手伝いや近くの町で用心棒などをして生計を立てているのが実状なのだが・・

「あんなものすぐに片付けれたわよ、一応私は王国の騎士だったんだから
宗教儀式の用意なんて朝飯前なの!
傭兵出身の冒険者風情が口を挟まないで(ニヤ)」
あざ笑いながらセシル・・
王国の騎士は少なからず宗教に影響を受けている。
彼女は王国騎士の中でも神殿護衛の任にあたる「神殿騎士」に勤めていた経験があり
教会の仕事には詳しいのだ
「・・・でも道具の場所が違っているって神父さんは言っていたぞ?」
「あ、あら・・?」
「モグリの騎士はだめだめですな・・」
「・・・・やる気かしら?」
「・・・望むところだ」
セシルが立ちあがり闘気解放、クラークも構える・・
一触即発の雰囲気・・、まぁこの二人にとってはいつものことなのだが・・・
その殺気に気づいたのか教会の中から黒いケープを被った少女と
目元を覆う仮面をつけた青年が飛び出てきた
「二人とも、止めてください。ここは教会なんですよ」
「キルケに言うとおりだ、こんなとこでやりあったら教会が潰れるぞ?」
キルケと呼ばれたケープの少女は真剣に心配しているが
仮面の男・・ロカルノは至って平静だ。
「全くお前達は生活環境が変わってもやることはまるで変わらないな?」
「うるせぇよ、ロカルノ」
「そんな簡単に行動が変わるほど単純な頭じゃないのよ」
それを単純というのは正しいのか?
・・・・・・・・
これが彼等の日常・・・彼等4人はチームを組んでいるのだ。
リーダーは丸眼鏡の優男クラークでチーム名は彼の性をとって「ユトレヒト隊」と名乗っている。
メンバーは仮面の戦士ロカルノ、金髪女剣士セシル、黒いケープの少女キルケの
計4人で年齢層の偏った異色の組み合わせ・・
教会に巡拝にくる信者も彼等が冒険者だとは夢にも思っていない。
(キルケ以外はどこぞの雑技団と思われている・・)


・・・・・・・・・・・・・
4人は騒ぎも収まって一息つくことにした・・・
「しっかし、こう毎日教会の手伝いっていうのも大変だな。
そろそろまた町で仕事探そうかな?」
あぐらかきながらクラーク・・
「そうよね〜、まぁキルケは元々教会勤めしてたからいいでしょうけど
私達ってそういうの苦手なほうだしね〜」
朝飯前じゃなかったのですか・・?
「ふっ、お前等がそういうと思って先日仕事を探しに行ってきたぞ?」
「「さすがロカルノ!」」
同時に誉める二人
「だが一つしか見つからなくてな、私が行く事にした」
「「あー!!」」
・・同時に嘆く二人・・・・
「ふっ、卑怯とは言うまいな?大体暇なのに町に出て情報を集めないほうが悪い」
「「・・・うっ」」
的確なご指摘にグウの音もでない二人
「まぁそういうことだ、1日程度だからすぐ帰る。
キルケ、この二人の面倒を頼むぞ?」
「えっ、もう行くのですか?」
「ああっ、教会の手伝いも終わったし今から行ってちょうどいいくらいだ。」
「わかりました。それじゃあクラークさんとセシルさんの面倒はまかせて下さい」
にっこり微笑みキルケ、少々毒舌だがその笑顔に帳消し・・・
「ふっ、じゃあな」
かすかに微笑みロカルノは教会で準備をして出発していった・・
手には愛用している槍「戦女」を持っている・・・
どうやら何かの護衛か?
・・やがて背の高い仮面の男は地平線に消えて行った・・
・・・・・・・・・・・
「・・・なんか最近ロカルノも表情豊かになってきたわね?」
「そっか?俺はそれよりもロカルノの口の悪さがキルケにうつらないか心配だ・・」
「あっ、クラークさんひどい!」
頬を膨らませて怒っているが、
迫力はまるでない・・
「ははっ、冗談だよ!冗談!!」
「はぁ〜、私も町で仕事したいな〜。んっ?」
セシルが何かに気づいた
知らない間に教会の前にピンク色に装飾された馬車が止まっている・・
「ねぇ、キルケ。えらい豪華な馬車が止まっているけどお客じゃない?」
教会の参拝者にお客という表現はどうかと思うのだが・・
「あっ、ほんとだ。じゃあ神父様のとこに行ってきますね」
いそいそと教会の中に入っていくキルケ。
慌てていたのか途中石につまずいている
・・・・・・・
「ふぅん、こんな町外れに似合わない馬車だな、しかも悪趣味・・」
「本当ね、ピンク色の馬車だなんてどこぞのお嬢様専用って感じ・・・・」
「お前意外にああいうのに憧れているんじゃないの?」
「・・・、失礼な。私は実用性重視なのよ!・・あれっ?」
教会からキルケが出てきたのでちょっと驚くセシル
「クラークさん、セシルさん。お客様です」
「えっ?俺達に・・、誰だろ?」
「少なくてもあんな趣味の知り合いはいないわね、とにかく行きましょう」
客が誰なのか検討もつかないまま3人は教会に入っていった



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