第10節 クラーク&キルケ編 「雷の如く」


部屋を蹴り壊しながら怪しい部屋を探す・・
さっきから走りっぱなしなのにキルケは息も切れていいない。意外にタフなんだな・・
「大丈夫かい?キルケ」
「はいっ、まだ大丈夫です・・!」
その年でよくがんばるよ、この子も・・しっかり守ってやらないとな!
「あっ、クラークさん!」
ふいにキルケが俺を呼ぶ、っというのも目の前に数体のキメラがいたからだ
頭はライオンで身体がゴリラ、そんでもって尻尾が蛇・・・・・
センス悪っ!!
「ふぅん、こんなモノまであるんだ・・、大したもんだ」
ちゃっちゃと済ますため愛刀「紫電」を抜く。
稲妻のような鋭い光は放つそりゃもうってくらい美しい刀身が姿を現す・・。
こいつを抜いたら手加減できなんぜよ!
「援護は頼むぞ!キルケ!」
「はい!」
返事を待たずキメラに突っ込む俺・・
速攻で3体なぎ払いキメラの血がおびただしく飛び散る
「へぇ〜、血が出るなんて結構しっかりできているんだ。何の血なのかな?・・!!おっと!」
2体のキメラが挟みこむように飛びかかる
「クラークさん、しゃがんでください!」
キルケが叫ぶ、とっさに言うとおりにしゃがんで回避したが
その瞬間あたりにまち散っている血が宙に浮いた・・
「なんだ、これ?」

『暗き闇より出でし、紅の共鳴、我が声に従い生者を食らえ!
 ブラッディーハウリング!!』

キルケがそう叫んだら宙に浮いた血はキメラに襲いかかり、食らいついている
やがて血だけを残しキメラは消滅した・・、エグイ・・
「・・・・何やったのかな?キルケさん?・・・」
「暗黒魔術の一種で血を操る魔法です(ニコッ)」
ニコって・・・見かけによらず凄い術使うんだな・・・
「・・・え〜と、どこでこういうの習うの?」
「いえっ、たまたま家にあった魔術書に書いてあったので興味本位で学んです」
さいですか・・、でもこんな術使うなら異端扱いされても仕方ないような・・・
ま、まぁ深く考えないことにしよう・・
「ふっ、ふ〜ん、まぁ頼りにしているよ」
「はい!」
なんだか嬉しそうなキルケ。これだけで見ると普通の女の子なんだけどな〜
「そんじゃ、先を急ごうぜ!」
雑魚もなぎ払い奥へ進む、・・長い廊下を突っ走っていると突き当たりに
重そうな扉がたたずんでいた・・怪しい・・・・
「ここが臭うな」
「入ってみましょう」
部屋の中に入ってみると馬鹿でかい本棚が所狭しとあった・・
「書斎か・・・、ビンゴかな?」
「えっ?」
「こういう部屋には隠し部屋への入り口があることが多いんだ。まぁセオリーってやつかな?」
「セオリー・・・ですか・・・?」
今一つピンとこない様子のキルケ
「キルケも色々経験したらわかるよ」
そんな会話をしつつ、本棚を物色する・・
・ついでに金目の本を頂く!
用意したバックが役に立ちそうだ
物色しながら怪しいとこを探す・・・・、っと・・・
「あった、ここだ・・」
「なにか見つけたのですか?」
「ほらっ、この本だけ他と違いレプリカだろ?」
「ほんとだ・・!!」
目を丸くして驚くキルケ、いやぁ、驚かせるカイがあるってもんだ
「そしてこいつを引くと・・・!」

ゴゴゴゴゴゴ・・・・・、

っと重い音をたてて馬鹿でかい本棚が横にずれていく・・。
「すごい!クラークさんって普段はチャランポランだけどこういう時だけは鋭いんですね!」
・・・・・誉めている・・・つもりなんだろうな・・・・
「ありがと・・・んっ?」
隠し通路から赤い光が見えた・・
「キルケ!下がれ!」
とっさにキルケを抱きかかえ入り口から飛びさる、
その瞬間入り口から狼のような魔物が飛び出てきた・・。
「あっ、ダメです!クラークさん!まだ心の準備が・・」
・・・な〜にを勘違いしてるのか・・・
「おっ、落ち着け!魔物が出たから抱きかかえただけだ!」
「あっ、そうなんですか・・・(がっくし)」
・・・・何故落ち込む?
「・・おほん、どうやら伏兵みたいだな?全く用意周到なやつら・・・」
そう言うやいなや狼の化け物が突っ込んできた
「っと、甘い!」
切り払い退けるがあまりダメージは与えていない様子・・・
「スピードはなかなか、それに・・タフな奴みたいだな、キルケ、
奴のあのスピードでは魔法も当たらないだろう。下がっていろ!」
「わかりました、負けないでください!」
素直に従い、後方に下がるキルケ。やっぱ女子は素直が一番や〜、
セシルのバカも見習えっての!!
「へっ!負ける気はさらさらないよ(ビッ!)」
親指立てて余裕のポーズ!まぁ見ておけって!!
また狼が突進してくる・・、しかもさっきと全く同じパターンだ・・頭は弱いみたいだな
「同じ手を2度も食うかよ!!」
軌道を読み「紫電」を体内深くに突き刺す!だがそれでも狼はピンピンしている・・
「危ない!クラークさん!」
剣に突き刺された状態でなお、俺に襲いかかる、大した闘争本能だ・・だが!
「食らいな!招雷!!!」
魔力により剣に高圧の電撃を発生させた、こいつを食らって無事だった奴はいない
凄まじい音を立てながら狼が黒い炭に変わっていく。・・合掌
「一丁あがりっと!」
「・・・(唖然)」
おおっ、唖然としとる唖然としとる
「な〜に、ぼーっとしてるんだよ?キルケ?」
「クラークさんって・・凄く強いんですね・・」
「惚れたか?」
「そっ、そんなことありません!!」
顔を真赤にしている。ウブだね〜!若いっていいなー!
って俺もまだ若いんだよな
「まっ、それは置いておいてこの先が怪しいな」
「・・みたいですね、どうします?」
「ん〜、とりあえずあの二人を待とうか。こっから先はバラバラに行動したら危険だろう」
いよいよ大詰めだな。さぁ鬼が出るか悪魔が出るか・・・?
どの道もう少し暴れられそうだな。

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