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第四節  「天使は再び・・」


祭壇には穏やかな光が満ちている・・
静寂の中にさしてくる光、その幻想的な風景は天国のようだ
その祭壇にたどり着く羊のぬいぐるみの堕天使レイブン
女司祭は無表情に戻りその様子を静かに見ている・・
アルはその光景を不安そうに見つめているだけだ・・

「さて、それでは儀式を始めるとしますか」
女司祭がにやける
「それで・・、儀式とはどうするものなのです?」
「それは・・こうするのよ・・」
女司祭が手を上げる、その瞬間祭壇を結界が囲み
アルの周りに4体の禍禍しい悪魔が・・
「!、なんだ!!」
瞬時に現れた悪魔に驚くアル
「これが『人化の法』です。人に転身させるには体が必要、そこの男性の魂を抜き取り
あなたがあの体に入る・・。そういうことです。まぁ一人で来る方は悪魔の餌になるだけですが・・」
面白そうに説明する女司祭・・
「アル!」
囲まれているアルに叫ぶレイブン・・
「・・・やるしかない!!」
斬鉄剣『無銘』を抜き戦闘体制に入るアル、弓が有効な距離ではないので
接近戦になる・・・。4対1・・しかもアルは接近戦は得意ではない・・

フッ

悪魔の1体不意に視界から消滅する・・・
「消えた・・・、ぐぅ!!」
驚くと同時に腹部に激痛が走る・・!
悪魔の蹴りがもろに入ったのだ。
「こ、このぉ!」
必死に反撃するが尋常ではない素早さで回避、そうしている間にも
他の悪魔が炎の弾を投げてくる!
「避けきれない!うわっ!!!!」
何発か回避するものの全てはできなくアルは煙に包まれた・・

「アル!!」
「・・・・どうしたのですか?せっかく儀式が順調に進んでいるのに・・・」
「あの人が傷ついているのに平静を保てるはずがありません!」
「ですがあなたは人間になることを望んでいる、そしてそのためには彼の命をささげるのは
必至。仕方ありませんよ」
あくまで無表情の女司祭・・・
「彼の命を失ってまで私は人になる気はありません!今すぐ儀式を中断してください!」
「・・・それはできませんね。儀式はすでに始まっているのです。」
そうしている間にもアルに撃ちこまれる炎の弾・・・
「・・・私は・・・私は・・・・!!」
羊のぬいぐるみから出てくる蒼色の宝玉・・
「もうこれ以上、私のために死ぬ人を見たくはない!再来の宝玉よ!・・・・私に力を!!」
レイブンが叫ぶと宝玉が激しく輝くだす・・・!!
・・・・・・・・・
・・・・・
・・

光がおさまるとそこには長い銀色の女性がいた
緋色の瞳で純白のドレスを身にまとい黒い羽を羽ばたかせ宙に浮いている・・
レイブンの本当の姿だがいつもの霊体ではなく実体を持っている

これが再来の宝玉の力。悪魔サブノックにもらった碑石で精神を侵す危険を持つ
物だ・・

「実体化・・?気は確かですか?消滅を覚悟でそれを使うとは・・」
「覚悟はできてます!これが・・・私の進む道!」
「・・堕ちても心は綺麗な方・・、しかしたかだか天使、何ができるというのです」
無表情のまま殺気を出す女司祭・・
「私は元天空の守護せしワルキューレが一人、レイブン。
例えこの魂が滅びようとも彼は救って見せる!」

パァァァァァァン!!

レイブンが手をかざすと結界が音を立てて崩れた
「アル!」
急いで彼の元へ・・・・
「レイ・・ブン?まさか・・、あの石を・・?」
苦痛に耐えながらもレイブンが実体化していることに驚くアル・・
「・・・ええっ、それよりも剣を私に!」
「・・あっ、ああ・・」
言われるまま斬鉄剣をレイブンに渡すアル

『天の願いここ集い、慈悲と共に飲みこまん
                     愚者に安らぎの死を・・、送る鐘の音!』

レイブンは魔方陣を描き、詠唱を唱え剣を突き刺す・・・
それと共に周囲が光に包まれた・・・・・!!!
・・・・・・・
・・・

光が収まるとアルを襲っていた悪魔は消滅していた・・
「レイブン・・、これは・・?」
「天上の守護者が使う神聖魔術です。・・こうした悪魔には特に効きますよ・・」
アルに手を貸し起こしてやる・・。どうやら重傷というほどでもないらしい・・
「・・ぐっ、よもやワルキューレだったとはな・・」
よろめきつつも起き上がる女司祭、しかし瞳の色が変色しており声もよどんでいる
「『送る鐘の音』に効果がある・・、なるほど、あなたも悪魔ということですか・・」
静かに剣をかまえる・・
「ふんっ!こうなっては私自ら手を下すしかないな!」
司祭のローブを投げ捨てる女司祭・・
そして背中に4本の虹色の羽が生えた・・
「その容姿・・、虹の羽、さらには人を騙し魂を食らう・・。堕天使ケルビム・・ですか・・」
「ほぅ!私の名前を知っているとはな!その礼に一撃で葬ってやろう!!」
「あなたも堕天使なら、ワルキューレの実力を知っているでしょう・・」
「ぬかせ!堕ちた者が何を言うか!」
目にも止まらぬ速さでレイブンにつっこむケルビム・・

ザンッ!!

「・・確かに私は天使の全てを捨てました。しかし・・『最も大切なモノ』は捨ててはいません」
鋭く剣を振るうレイブン、そして4本の羽のうち一本が無残に切り裂かれたケルビム・・
「あああああああああ!!!」
狂気じみた声を上げ光弾を放つ!
それらは全て宮殿の柱を貫通させていく・・
やがて天上が崩れ、宮殿は崩壊しだした・・!!
「ははははは!!!」
笑い声とともに消えていくケルビム・・
「・・・アル、大丈夫ですか!」
「なんとか・・、だけど外まで駆け出るのは無理っぽいな・・。レイブン、せめて君だけでも・・」
「馬鹿な言わないで私の手を握ってください」
そう言いつつレイブンはアルの手を握り目を閉じた・・

『力の螺旋、ここに束ねる
            我は汝、汝は我なり・・・天人融合!』

魔方陣とともに光に包まれる2人・・
やがて宮殿は完全に崩壊していった・・・・・・
 

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