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第6節  「己が道の戦い」


セリアが働く宿・・・、2階・・・・
アル達は荷物の整理をしている・・。服も乾かし明日の出発に備えている・・
そこにはセリアの姿もあった・・・
「どうしても、そうするのかい?」
宿の寝巻きに着替えたアルが言う・・・
「はい・・、この街は・・、私のいるところではないようです」
セリアはこの街を出ていき、アルとともに行動しようとしているのだ・・
因みに彼女も寝巻き姿・・・
「私達と共に動くことは危険を伴いますよ」
宙に浮ぶ銀髪の天女・・、レイブンが言う。
憑依している羊のぬいぐるみがずぶ濡れなので干しているからだ・・
さすがに吊るされたままで会話はしづらい・・
セリアもはじめは驚いたがアルの説明で納得した模様・・・・・
「かまいません。これでも武器さえあれば多少の援護はできます」
彼女の決意は固いようだ・・・
「・・わかった。無理をしない程度ならいいよ」
アルも諦めた模様・・・
「ありがとうございます!」
深深と頭を下げるセリア・・・
「それで、アル殿達はこれからどうされるのですか・・?」
戦闘スタイルから猟犬へと姿を戻したサブノック・・
全然濡れてはない・・、変身の際水気が飛んだらしい
「・・・おそらく、あなたと同じでは?」
レイブンが微笑みながら聞く
「ふっ、さようですか・・・」
「どうするのですか?」
やはり状況がわからなく頭に?マークを浮べるセリア
「あのリザートマンの群れの根源を断つのさ。このままじゃあまたあいつらはこの街に
襲いにくるだろうし」
「!!、この街を助けるのですか!あんなことされたのに!」
「セリア殿、小生はあの者達のために戦うのではないのです。自分のために、
そして自分の正義のために動くのです」
穏やかな目でサブノックが答える・・・
「僕も同じさ。確かにあの自衛団員は気にくわなかったけどこの街にはそんな
人間ばかりじゃない。セリアさんだってそうだろ?僕はそんなセリアさんのような人間のために
戦うのさ」
安っぽい名誉のためではない・・、自分に何ができるか、誰を救えるか・・
それが彼の行動理念、そしてその結果を探すために彼は旅をしている・・
「そうですか・・、わかりました。ではっ、私もできることをお手伝いさせてもらいます!」
「小生も・・、アル殿今しばらく厄介になります・・」
「ああっ、それじゃあ今日はもう休もう。みんな疲れただろう」
無言のまま全員同意、部屋の明かりは静かに消された・・・・




翌日、昨晩の雨が嘘のような快晴。
晴れ渡った街には昨日の敵襲の後始末をする自衛団が見かけられた。
そんなことはおかまいなしに街の入り口に立つアル・・・、
服もなんとか乾いて準備は完璧、サブノックとレイブンもいつもの格好だ。
「おまたせしました!」
走りながらセリアが来る・・、宿屋の主人と別れを言いに行っていたのだ・・
さすがに看板娘を失うのは嫌らしくかなり引きとめられたようだが
彼女の決意は固かったようだ・・
彼女は長い髪をくくり、バンダナをしている。
いつものスカート姿ではなく、胸にはレザープレート、動きやすい革のズボン・・
更に手には丈夫なトレントの木で作られたと思われる棍・・
「セリアさんは棒術使いなんだね・・・」
棍を見て驚くアル・・
「はいっ、祖母が棒術使いでしたので・・、少々荒削りですが・・」
「でも、武道の心得があるなら以前強姦に襲われた時切り抜けられなかったのですか?」
ふぃに浮ぶ疑問をレイブンが訪ねる
「お恥ずかしいが・・、徒手空拳はさっぱりなんです・・。武器がなかったらどうしようもなくて・・」
「なるほど〜、じゃあ棍を離さないようにしないとね」
「小生がしっかり守りますので安心してください、セリア殿」
「・・ありがとうございます、サブノック様」
奇妙な関係・・、まぁアルとレイブンにもそれは当てはまるのだが・・・
「そんじゃあ出発しようか、サブノック、奴らのネグラってわかる?」
「はいっ、昨日行きましたので・・。最も、奴らが警戒して場所を変えてしまう
可能性もありますが」
「それは行ってみないとわからないですね。」
「そうだね、じゃあ案内してよ。」
「わかりました、ついてきて下さい」
サブノックを先頭とし一行は草原に入って行った・・・

リザートマンは湿気ている洞穴を好んで生息する。
水分も皮膚から補給できるし、洞穴の壁につたう水滴をもとめ餌もやってくる・・
カストロス近辺の草原には地下水脈もありリザートマンにとっては
適した環境といえる・・・

見渡す限りの草原・・、生い茂った中を進む一行。
街道からかなりはぐれている・・。目印でもしておかないと迷ってしまうのは必至だ。
まぁ猟犬姿のサブノックがいるのだから問題はないのだが・・
「ここです・・」
草むらに埋もれるように大きな穴が開いている・・・
奥のほうはどうなっているか暗くてわからない
「レイブン、反応は?」
「熱源は・・、ありますね。この洞穴自体そんなに大きな規模ではないです」
「と、なると・・、昨晩襲いかかった奴らは群れの大部分を占めていたということかな?」
「それはどうか・・、とりあえずいかがしましょうか?」
どうするか困惑するサブノック・・
「向こうは昨晩奇襲をかけたんだ・・、だったら今度はこっちからしないと・・ね・・」
そう言うとおもむろに魔弓カストロススターを取り出すアル・・
「アル・・、まさか・・」
レイブンがもしやと思ったのと同時に穴に向かって
矢を何度も撃つアル
それも炎晶石のによる炎の矢を・・・
ドンドンドン!!!!
凄まじい破壊音が地下から轟く!
地面が揺れる・・・!!
「ア、アルさん!!」
セリアが必死にアルにしがみつく・・・!
「大丈夫、ここなら崩れはしないよ・・・!!」
あらかじめ計算の上で撃ったようだ・・・
やがて、揺れは収まっていく・・、大穴は崩壊し埋まっていた・・
「極力戦力を落とすため、洞穴自体を崩壊させ生き埋めにする・・・
乱暴に見えて実に効果的ですね。小生にはとても・・」
冷静に分析するサブノック、「勧善懲悪」の塊の彼には到底思いつかないだろう・・
「傭兵公社時代の副隊長から習った兵法さ。これで生きている奴はどこからか出てくるだろう
さっ、セリアさん。構えて、どこからくるかわからないよ!」
「熱源6、地中を掘って上昇中!!」
レイブンが素早く分析、こういうサポートは彼女の右に出る者はいない・・
素早く弓をかたづけ、刀を構える
「熱源接近中、セリアのすぐ後ろです」
レイブンが言うのより一瞬早く地面からリザートマンが出てくる・・
「はぁい!!」
気合い一番、棍を振りリザートマンを払いのける、
そのまま倒れるリザートマンの首に体重をのせて突きを入れる・・!
耳障りな声をあげてリザートマンは動かなくなった。
その顔は以前強姦に襲われて怯えていた少女のモノではない
どうやら武器を手に取ると性格が豹変するタイプのようだ・・
「やるね、僕だって!!」
次々飛びかかるリザートマンを切り捨てる、接近戦もどうやらかなり慣れて来たようだ
サブノックも負けじと戦い、6匹のリザートマンはあっという間に倒された
「どうやら、生き残ったのはこれだけかな・・?」
「そうですね・・、!、いやっ!大型の熱源を感知、昨晩の亜種と同じタイプですね」
「親玉か・・、アル殿!ここは小生にまかせてください!」
「サブノック・・・?」
「元はといえば小生のせいで貴方達を巻き込まれたもの、ならばこの一件の始末は
小生の手でつけさせてもらいたい!!」
「・・わかった!僕は手を出さないよ。奴は口から炎のブレスを吐く。気をつけて」
「承知!!」
「熱源・・、きます!!」
ボコッ!!
地中から出てきたのは黒い亜種リザート。昨晩城塞で戦った奴よりもさらに大きい・・・
どうやら地中で戦いを観察していたようだ・・・

「これは己が道の戦い!我が道に立ちふさがる者よ!深遠なる闇に消えよ!!!」
サブノックがそう決め台詞を言い変身・・・!
日中でも変身はできるらしい・・・
しかし、昨晩の禍禍しい闘気は感じられない。日中に変身することはかなり
負担がかかることのようだ・・
「シャァァァァァァァ!!!!」
咆哮とともに飛びあがる亜種リザート、その大きさ、姿からしてもはや
竜に近い。
「いくぞ!!」
サブノックも勢いをつけ飛びあがる、リザートよりも素早くまさに
黒い疾風だ。
ズバァ!!!!
限界を超えた速度で先に飛びあがったリザートの腕に突進・・
片腕は目にも止まらぬ早さで切断された。
サブノックはそのままさらに上昇!
亜種リザートは飛び掛って襲おうとしたらしく、片腕を切断され
さらに自分より上に飛びあがったサブノックには手の出し様がない・・
「サブノォォォォォォォックアタァァァァァァァック!!!!」
空に響く気合い声とともに急降下するサブノック・・
そのまま蹴り落とすつもりのようだ
超急降下の蹴りはもはや高エネルギーの塊で摩擦により足が赤く輝き
放電している・・!!
「ウォォォォォォォォォ!!!」
バキィ!!!!
咆哮とともに亜種リザートの背中に命中!!
そのまま落下していく!!!
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
ドォォォォォォォン!!
激しい破壊音とともに地面に激突!
砂煙とともに衝撃波が走る・・・!!
「うぅ、うわっ!!」
アルの衝撃に思わず後ずさる・・
衝撃に飛ばされそうになるセリアもアルにしがみつきなんとかこらえている・・・・
衝撃波が収まるとそこには巨大なクレーターが出来ていた。
その中心にはもはや原形すら留めていない亜種リザート・・・
そして息を切らしているサブノックの姿があった・・・・



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