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第5節  「悪魔の正義 人間の正義」


雨が降りつける城塞都市カストロス・・
その街の入り口で今死闘が行われているのに気づいている
人間はあまりにも少ない・・
街の治安維持を目的とする自衛団もどうやら見回りの時間でもないようだ・・

「2時方向、熱源の消滅を確認、11時方向さらに熱源2体確認」
リアルタイムで的確なサポートをするレイブン。
それでも防水頭巾を押さえているのは愛のなせる技・・か
「サブノックもがんばっているようだな、負けていられない!」
カスタマイズした短弓、カストロススターに矢を構え次々と発射する・・
以前に比べて矢の早さは確段に上がっており貫通力も倍増・・
命中したトカゲの魔物の身体を貫通して別の魔物にも当たっている・・
「長話に付き合わされただけあって、性能は申し分ないね!!」
仕上がりに満足しつつ次の敵に狙いをしぼる・・
サブノックといえば上空から急降下して強烈な蹴りを繰り広げる。
その翼からは誰も逃れられなく、次々と叩きふせていった・・・・・
敵の魔物は爬虫類系でいわゆる「リザートマン」といわれる高い知能を持つ種だ
強固な皮膚を持ち、未熟な戦士ならまず苦戦する相手だ
それでも叩きふせれるのはやはりサブノックが強いから・・・なのだ

「数が多い・・、アル殿下がってください!」
「・・?わかった!」
言われたとおり後方に下がるアル・・・
それを見て一気に空へ飛ぶ・・
「そこと・・・、そこ!いくぞ!悪魔光線!!!!!」
額に両手をかざすサブノック・・
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!
かざした額から拡散状の光線が発射された・・、
・・・・
全発命中していき、トカゲの丸焼きが出来ていく・・
「・・、後方の熱源、撤退していきます」
どうやらリザートマンは力量の差に一時撤退するよだ・・・
ストッ、
大地に着地するサブノック、息がかなり上がっている・・
どうやらあの技はかなり負担が強いようだ・・・
「おつかれさん、とりあえずは撤退したようだよ・・」
「そのようですね・・・・・」
とりあえず・・ってとこが気になるのだが・・
「!!?街中から魔の気配!?しまった!反対側のゲートから侵入されたようです!」
「これは陽動だってこと!?やってくれる!行くよ!」
一戦交えた後で疲労感があるのだが我慢するしかない・・
これまで守ってきた門をくぐり街を駆ける二人・・・・
雨はさらに強さを増していった・・・・・

・・・・・・
街中、
昼間アル達がくつろいでいた広間ですでに戦闘は開始されていた
街に侵入したリザートマンに気づいた自衛団がすぐさま応戦したものと思われる
「自衛団?がんばっているようだけど・・」
苦戦しているのは目に見えている・・、おそらくあまり実戦慣れしていないのだろう・・
シュッ!!
カストロススターで速射!雨の中、矢がリザートマンの額を正確に貫通させた
「大丈夫ですか!?」
「ああっ、君は・・?」
突然の助けに驚く自衛団員・・
「僕は通りすがりの者です。ここは手助けしますので
他の自衛団とともに体勢をたてなおしてください!」
「わ、わかった!頼む・・」
すぐさま他の団員の元に向かう・・
「全く、利口な奴らだね・・・!」
「そうですね・・、こうも乱戦模様だと熱源の特定も難しいですし・・」
「小生が空から迎撃します。アル殿は地上でボス格を探してください」
「・・わかった!まかせるよ!」
そう言うや否やまた天高く羽ばたくサブノック・・・
「街中にリザートマンが動いている・・っということはそれを指揮する者は
全体を把握できる位置にいるはず・・・・」
レイブンが思考をめぐらす・・・
「見渡せる位置・・、あの城壁の上とかは?」
街を包む巨大な城壁に目をやるアル・・・
「可能性は大きいですね、行ってみましょう!」
ずぶ濡れになりつつも目的の排除のため駆けだすアル・・・
・・・・・・・・・・・
城塞に向かう途中リザートマンが数体いたがいずれもすぐ落雷にあって絶命した
どうやらサブノックが援護してくれているようだ。
「ほんと、助かるね!」
余計な戦闘を避けれてホッとするアル・・
「雷まで操れるとは・・、かなり上位の悪魔のようですね・・」
「なんでもいいよ。それよりも城塞の上に熱源はある?」
「ここからは・・、しかし門付近に熱源が集まっています。何かあることは確かのようですね」
「そうなると・・強攻突破だね・・」
弓を素早く肩にしまい腰の仕込み刀に手をかける。
やがて門が見えてくる・・、レイブンの言うとおり門付近にリザートマンが集まっている・・
「加減はきかないよ!死にたくなかったら下がれ!!」
鋭く放たれる斬鉄剣「無銘」がリザートマンを切り払う。
強固な皮膚は豆腐を斬るかのようにあっけなく切断される。
「グァァァァ!!」
それでも物量で押し込もうとする、知性と野生がうまく両立している・・
「全く!!こいつら!!」
切り払いつつ距離をあける、押し倒されたらそれで終わりだ。
素早く刀をしまい弓を構える。構えた矢尻が燃えあがる・・・!
「まずは試し撃ち!!」
弦から手を離すと矢は流星の如く燃えあがり襲い掛かる
ドゥン!!
リザートマンに触れた途端大爆発!
距離をあけたアルのところまで爆風が吹き荒れてきた・・・
「・・・・・・すごいですね・・・」
リザートマンがいた地点は小さなクレーターになっておりレイブンも唖然とする・・
「ほんと・・、これほどまでだとは・・・」
想像以上の破壊力のようだ・・
「ともかく急ごう、上に行く階段はあれか!」
門の中にある細い階段を見つけ走るアル・・・
(なんか最近、階段を駆け上がる事が多いな〜)
そんなことを思いつつ薄暗い階段を駆け上がっていった・・・・・・

街が段々小さく見えてくる、階段にもリザートマンがいたが細いので
相手にするのは1匹づつ・・、こうなるとアルのほうが断然有利だ・・
次々と斬鉄剣で切り払っていく・・
・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
やがて階段が途切れ、てっぺんにたどり着いた
ここまでサブノックは飛んでこれないらしく少し下の方で雷を放つ姿が見える・・・
「さすがにこの高さだと風が強いね、レイブン、飛ばされないようにね!」
「わ、わかっています!それよりも前方に大型の熱源、恐らく指揮者です!」
必死にアルの服の中にもぐりこむレイブン、ぬいぐるみは軽いので風に飛ばされやすい
まぁ憑依しているからもし落ちても彼女自身に何も問題ないのだが
いかんせんこのぬいぐるみは彼女の宝、手荒なことにはしたくないのだ
「前方・・、こいつか!」
視線の先には今まで相手にしてきたリザートマンよりもさらに一回り大きく
皮膚が黒い・・・、亜種のようだ・・
「はじめての種族ですね、気をつけてください」
「わかっているよ、いけっ!」
手早く刀から弓へ交代、先手必勝で矢を放つ・・・が・・
ドスッ!
見事命中したが全然平気のよう・・・・
「この弓でも効果なし・・?接近して斬るしかないか」
またまた弓と刀を交代・・、状況に応じて素早く装備を変えるのが
玄人と素人の違いっというわけだ
「ガォォ!!」
短く叫ぶと亜種リザートが襲いかかる。
自衛団員から奪ったのか手には大剣ツゥハンドソ−ドを持っている
「早い・・・!しかし!」
大剣を扱う敵には慣れている、力任せに打ち付けてくるトゥハンドソードをかいくぐる。
ソードの刃は城塞の壁を斬り、そのまま抜けなくなったようだ・・!
「はっ!!」
亜種リザートの腕を斬る!片腕が綺麗に跳ねあがり遥か地上に落下していった。
「口元に熱を感知!気をつけて!!」
レイブンが叫ぶと同時に亜種リザートは口から炎のブレスを吐いた。
「うわっ、と!!」
幸い服が雨でずぶ濡れなので数秒は耐えれそうだ。その間にさらに斬鉄剣「無銘」を
払い、亜種リザートの胴を切断した!
ここで離れたら炎のブレスに対して手が打てなくなり不利になるからだ・・
「シャァァァァァ!!」
断末魔の叫びをあげながら残った腕で殴りつける・・!
これにはブレスに気をとられていたアルには避けきれなく
その腕力をモロで受け止め、飛ばされた・・・
亜種リザートはそのまま動かなくなった
「うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
城塞から落下するアル・・・・・・・!!
・・・・・・・!!!!!!!!
「どうしよう!レイブン!!」
「こうなってはどうにもできません!!!!」
落下しながら最善の策を考えるアル・・、しかし良い案が思いつかない。
例え斬鉄剣を城塞に突き刺しても剣が持たない・・・
「アル殿ーーー!!!」
頭上で声がする・・サブノックだ。
「サブノック!!」
「つかまってください!!!」
手を差し出す・・・、アルも手をばたつかせながらもなんとか掴むことができた・・
バサッ!!
サブノックが漆黒の翼を大きく広げ、パラシュートの役目をしてくれる・・
ひとまず安心というところだ・・
「ありがとう、助かったよ・・・」
生きた心地のしないまま礼を言うアル・・
「いや、礼にはおよびません。それよりもリザートマンたちが撤退をはじめました」
「やはりあれが指揮していたようですね・・」
アルの服をしっかり握りつつレイブン・・・・・・・
「そのようですね、さぁ、着地しましょう。気をつけて」
風に流され広場あたりで着地することになりそうだ・・・
広場には人がちらほら見かけた・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

なんとか無事着地しお互いの生還をたたえるアルとサブノック・・
「君達は助太刀してくれた・・・?」
自衛団員が声をかける・・
「ああっ、そうです。なんとかリザートマンは撤退したようですね・・・」
「そうか、君の働きに感謝する!しかし・・そちらは・・」
サブノックを見て驚く自衛団員・・
「小生は・・・」
言いかけた途端・・
「こいつは、悪魔だ!お前があの化け物を呼んだんだな!!?」
自衛団の一人が叫ぶ
「ち、違います!」
「いや、アル殿、ここはきちんと説明した方がいいでしょう。確かに小生は悪魔です
しかし、あの魔物とはなんの関わりあいもありません」
静かに説明するサブノック・・
しかし
「悪魔の言うことなんか信用できるか!!卑しい悪魔め!!」
容赦ない罵声が響く・・
「助太刀感謝するが・・、この街から出ていってもらえないか?」
自衛団員が静かに言う・・
「待ってください!!」
女性の声だ・・、振り向くとセリアが雨に濡れるのもおかまいなしで立っている
「セリアさん・・」
「ごめんなさい、勝手に出てきまして。心配でしたので・・・」
アルに頭を下げる・・
「何だね、君は?」
「この街の宿で働いているセリア=エルモアです。
サブノック様は私を強姦から助けてくれました!悪い方ではありません!!」
自衛団員に懇願するセリア・・・・
「しかし、その者は悪魔だ。いくら君を助けたからと言って・・」
「何故そんなことにこだわるのですか!?悪魔でも天使でも関係ない!
大切なのは助け合う気持ちではないのですか!!」
必死で訴えるセリア・・
その言葉に自衛団員も閉口する・・・・
「ともかく、街から出ていってもらう。セリア、君もその悪魔を味方するなら出ていってもらおう」
「そ、そんな・・!!」
これにはアルも抗議する・・!
「落ちついてください。わかりました。小生は街を出ましょう」
「サブノック・・・」
「小生には小生の正義がある、そして人には人の正義がある・・・、それだけです」
静かに言い自衛団に背を向くサブノック・・・
「・・・・僕も行こう、あなた方の言い分だと僕も悪魔の手先・・のようだ・・・・」
怒りを押し殺しアルもその場を去る・・・、
「・・・・、こんなことって・・・こんなことって・・・!!!」
セリアはただその場に泣き崩れる・・
雨はただただ激しさを増した・・・・・・。


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