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第3節  「地獄よりいずる戦士」


商業地区に建っている武器屋。
看板からして武器屋とわかるように剣のレプリカが飾られている。
それ以外はレンガの家、っとしか言い様がない。
しかし内装はしっかりしていた。
ショートソードから太刀、フレイルから鞭と種類も豊富。
そしてもちろん弓矢も扱っていた・・・
「ふぅむ・・、業物だね。すごいよ、これ」
武器屋の親父が興味深くアルの短弓を調べている・・
「そうですか、最近ちょっと弦の張りが今一つな感じなのですが・・・」
「それはそうだろう、この短弓の材質は弓の原材料としては最高峰のグレートトレントの芯だ。
こんなもの滅多にお目にかかれない。それに比べてこの弦は軍隊用の安物だ。
使っているといずれ弦のほうが負けてしまうってわけだ」
調べるだけで材質まであげてしまう親父、さすが職人
「あらっ、安物がばれたか・・。良い弦ありますか?」
「おおっ!いいのがあるぞ!これなんかどうだ!こいつはな・・・・・・・・・・・」
長々と説明し出す親父、業物を見て興奮しているようだ。
マシンガントークのはじまりはじまり〜!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・

・・・・しばらくして・・・・
「まいどあり!」
っと大きな親父の声をよそに疲労顔のアル・・
結局親父オススメの弓の弦+矢を数十本、
さらに弓の性能強化させるオプションパーツを数点購入した。
「話好きな人でしたね・・・」
レイブンもお疲れの様子・・
「やれやれだよ・・、ともかく意外と時間食ったし今日はこの街に泊まろう」
すでに夕暮れ時、今から出発するのは野宿決定というものだ・・
人通りもすくなっていき、アルもさっき会ったセリアの宿屋に向かおうとした・・
その時・・
ストッ・・・・・
あの黒い猟犬がアル達の前に現れた。
「あっ・・・」
あまりに唐突の事にアルも唖然としている
猟犬はゆっくりと店と店の間の狭い路地に入っていった。
「誘っている?・・・行ってみますか?」
猟犬の意図がわからず緊張するレイブン・・
「うん、そうだね・・」
うなずくとアルはすぐに路地裏に入って行った・・・・・

路地裏は夕方ということもあり薄暗い。
広さも人一人なんとか歩ける程度なのだ・・・。
中に入って少し進むとあの猟犬がこちらを向いて座っていた・・・
「・・失礼、そちらの肩の羊の方は天上の者と見うけました」
落ちついた口調で猟犬が話す・・
「・・・・・そうです。元、ですが・・・。あなたは悪魔ですね?」
レイブンは静かに答える
「さよう、小生は地獄を抜け出したものです」
「レイブンの推測通りだね、昼間はどうも。助かったよ」
アルが全く素であいさつをする・・・・
「いや、小生が手を出すまでもなかったようで・・・」
猟犬がアルを見ながら言う。どうやら見ただけで力量を把握したようだ。
「お褒め頂き光栄だよ、僕はアル、この元天使はレイブンだよ。君は?」
悪魔相手に普通に自己紹介するアル・・・、
警戒心ナッシング・・・
「小生はサブノック、アル殿、レイブン殿、以後おみしおきを・・」
「サブノック、ですか。悪魔がなぜ人間界にいるのですか?」
悪魔や天使はそうそう人間の世界に出てこれるわけではない。
それぞれの世界を隔てる『壁』というものがあるのだ。
まぁその『壁』を一時的に無効にして別世界に移動できる秘術もあるのだが・・
「わが道を進むため、地獄を出たしだいにです」
「じゃあレイブンと同じ・・か」
「いえっ、私は天上王に追放されました。だから力は失いましたが
サブノックは力をまだ保持しています。おそらく・・・」
「察しの通り、地獄を無理やり出たしだいです・・・・」
「へぇ、無茶するんだね・・。ってそんなことできるの?」
肩のレイブンに訪ねる。
「悪魔の世界については知りませんが天上界ではほぼ不可能ですね。
統括する天上王と同等の力を持ってしても『壁』を越えれるかどうか・・・」
「ふぅん、大変なんだね。でっ、僕達の目の前に現れたのは何か用があるの?」
「はい。・・おそらくこの街はもうすぐ魔物の襲撃に合います」
曖昧な表現だったがその目は確信に満ちていた・・・・

城塞都市カストロスには自衛団があまり発達していない・・
高い城塞が鉄壁の守りとなり、外部からの襲撃等は一度もなかったからだ・・・
それ故自衛団の仕事はもっぱら治安維持のみとなっていった。
・・・だから魔物との戦闘などはあまり想定していない・・・・・・

「・・・、どうしてそう言い切れるのですか?」
静かにレイブンが訪ねる・・、考えを探っているようだ・・・
「大型の魔物の気配がこの近辺に感じました。
昼間周囲をさぐったら確かにその存在も確認しました・・」
「その時に僕達と会ったんだね・・、でも僕達にはその魔物の気配ってわからなかったけど・・」
「何っ、悪魔には悪魔の感覚というものがあるのですよ・・」
少し口元を上げるサブノック・・、犬がにやけると何故だか恐い・・・
「それではその魔物はこの街の自衛団には荷が重いというわけですか・・」
「さよう、それ故小生もここにとどまり、退けようと思いましたが・・、
物量差が激しいこともあり、失礼ながらアル殿達に助太刀を願おうと・・・」
「なるほど・・・、その魔物っていつ攻めるかわかるかい?」
事情が飲みこめつつあるが・・、今一つ釈然とした感じのアル・・
「昼間に少し数は減らしましたので・・、しかしもう近日中にはくるでしょう・・」
「・・・・・・そこまで聞いて知らぬ顔で街を去れないな・・、わかった。協力するよ」
「・・・かたじけない」
「それでいいかな?レイブン」
「私からは特には。しかし、サブノック・・、あなたが急に街の人を襲う可能性が捨てきれないのですが・・・」
やはり、悪魔のことを今一つ信用しきれないようだ・・
「もちろん、天上の方なら小生を疑うのは必至。もし疑われるのであるならば後ろからでも
遠慮なく刺してくれたらよいです」
まっすぐレイブンを見るサブノック・・、その瞳には一点の曇りもない・・
「・・・・・わかりました、あなたを信用しましょう」
「・・かたじけない」
「よしっ、話がまとまったし宿に向かおうよ。それにサブノック、
君に会いたいって人がいるみたいだよ?」
昼間に会ったセリアのことを思いだす・・
「小生に・・?」
これにはサブノックも意外そう。
「ああっ、そんじゃあ案内するから行こうよ」
肩にぬいぐるみ、さらには猟犬を引き連れた状態でアルは宿に向かった・・・
夕暮れ時なので行き交う人はさほどいなかったが・・、
それでもみんなアルの方を振り向いていった・・


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