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第二十一話  「燃ゆる大地」


突如襲い掛かってきたスピリットもどき、そして時を同じくして突如として崩壊した秩序の壁

その応えはユウソカにあるはずだ

「もう襲ってくる連中はいないみたいね・・。サーギオスのスピリットも撤退を開始したらしいし・・」

確かに〜・・ユウソカまで後少しだと言うのに街道沿いに帝国のスピリットの気配はない

本拠地まで下がってそこで決着をつけるのだろう

もしくは・・
「あのスピリットもどき達に殺られたのかもしれないな・・」

「それも考えられるわね・・。あの人形さん達の目的が私達だけのものかもわからないことだし・・」

「・・どう思う?」

「おそらく、この戦争を裏で操っていた黒幕さんじゃないかしら・・ね?」

・・、この世界の不自然な状況と今までの経緯・・何かが裏で手を引いているのは俺も感じたことだが・・

「黒幕の仕業としたら今更手を加えるなんてどうなんだよ?今までそんな影も形もなかったのに」

「さぁね・・。世界を動かす戦争の終焉が近づいてきたから次の準備をしたのか・・それとも・・」

「・・それとも・・?」

「お芝居に飽きちゃったか・・ね」

・・・、芝居・・か

「どの道、何か待ち構えているのは間違いなさそうだな・・急ぐぜ!」

「ええ、ユート君達が決着をつけるまでに終わらしましょう」

アンジェリカの術の加護により俺達は風となってユウソカまでの道を走り抜けるのだった


・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・


サーギオス西部に位置する都市ユウソカ

秩序の壁の一端を守る都市以外は特に特殊な都市ではない

・・だが、そこに到着し、目の前に広がる光景は明らかに特殊だった


「・・・・、竜でも暴れたのかしらね」


「それにしちゃ中途半端じゃねぇか?」


そこら中から煙が上がっており目に見える建物の大半が崩壊している

まぁリレルラエルと同じく人気はまったくないのは同じなんだがそれ以上に異常だ

拠点防衛していたスピリットの気配すらないんだし

「何者かが暴れたって感じにゃ違いないんだけど〜・・むちゃくちゃだな・・こりゃ」

「同感ね・・、でも・・何の気配もないのが妙なんだけど・・」

「ああっ・・こんな事しでかしてもう他の都市に移った・・とか?」

確かここから少し南下したところにリーソカって小さな町があったな・・、

サーギオスに通じるもう一つのルートだったか・・

そっちに向ったって可能性もあるが・・

「わからないわね・・もう少しこの都市を調べた方がいいと思うけど・・」

「・・そうだな・・」

何が起こるかはわからん、周囲を警戒しながら廃墟と化した帝国都市を探索することにした

・・、スピリットか人間がいたらまだいいんだけど・・何か不気味なんだよな・・


・・・・・


都市中央部の広場までとりあえずは何事もなく進む事はできた

だが、ユウソカはほぼ壊滅状態だ・・、人の気配も微塵もなく木が燃え残った臭いが鼻につく

マナ障壁を造っていた施設もどこにあったのかすらわからない状況だ

正直・・これ以上調査するにしても限界があるな・・

どこを見ても同じような景色だし・・

「・・やれやれ、結界内で何か動くもんはあるか?アンジェリカ?」

ここに進む途中でユウソカ全体に簡易結界を張った、生体反応を調べる代物だ

「・・残念ながら、スピリットどころか住民の気配もないわね」




”当たり前だ、全員殺しちまったからな・・”




・・・・、どうやら・・まだ他の都市には行っていなかったようだ

大通りからゆっくりこちらに向ってくる男、長めの赤髪をオールバックにしており血の気の多そうな目をしている

着ている物は黒いマントに材質がよくわからんが丈夫そうな黒ズボン、上半身は裸だが見事な筋肉だね。

そして得物は・・ユートの『求め』と良く似たナタっぽい碧色の剣・・、だが一回りでかいし切れ味は鋭そうだ

「アンジェリカ・・結界には何もひっかからなかったんだよな・・?」

「ええ・・」


「あんな陳腐な結界に引っかかるほど、俺ぁ間抜けじゃねぇぜ・・?」


掻い潜ったってわけか・・、放っている殺気の強さと言い・・只者じゃないな・・

「そんじゃ、お前がユウソカを壊滅させた奴と見て間違いないな」

「へっ、そんな事はどうでもいい。それよりも・・エターナルミニオン達を仕留めたのはてめぇらだな?」

「えたーなるみにおん?」

なんじゃそら?

「・・ここに向う途中で襲いかかってきたスピリットに近い存在の事・・ね?」



「ああ・・知らなかったか。面倒だなぁ・・話を合わすのも・・」


自己中心的だな、こいつ

「別に合わす必要もないんじゃないか?『えたなるみりおん』なんて単語を知っても得になることはないしな。

お前がサーギオスに関係ないんならそれでいいや」

「ああ・・俺はサーギオスの連中とは関係はない・・もちろん、ラキオスにもな」

「じゃあ・・、秩序の壁を崩壊させラキオスに有利な展開を招いた理由は何なのかしら?」

「我慢できなくなってなぁ・・あのシュンとか言うガキの監視に飽きたから暴れただけさ」

・・シュン・・?帝国のエトランジェか・・

こいつがそのシュンを監視していた・・?

「・・じゃ、てめぇがこの世界の戦争を裏で操っていた『黒幕』さんってわけだな」

「・・・・・、まっ、間違っちゃいねぇよ・・。俺は『略奪』のアマルガン、永遠神剣第三位『無情』の持ち主でありエターナルだ」

エターナル?

さっきから聞き慣れない単語ばかり使いやがって・・

要はユウソカを崩壊させ、ラキオス、サーギオスとも関係なく破壊活動をする危険人物だろうが・・

「エターナル・・ね。

大層な肩書きをお持ちのようだけど、それじゃあのスピリットもどきは貴方の”お気に入り”ってところかしら?」

「・・へっ、”俺の”・・じゃねぇよ。それよりも・・性に合わない潜伏生活で鬱憤が溜まってるんだ、

もうこの世界やらあいつらの計画なんてどうでもいい!やりたい放題やらせてもらうぜ!」

「・・お前のやる事に付き合うのも面倒なんだが・・今頃サーギオスじゃこの世界の未来を決める決戦が行われているんだ

てめぇの好きにはさせねぇぜ・・?」

まぁ、裏は裏で終わらせるってか・・

「上等だ!俺が相手になってやる!こいや!」

勝手に盛り上がりやがって・・、まぁいい!

「いくぜ、アンジェリカ!」

「いつでもいいわよ・・」

魔導書を取り出し臨戦体勢にはいるアンジェリカ、こちらもいつでも戦える状態だ


「はっ・・はははは!てめぇら、この俺に本気で勝てると思っているのか!?」


轟!


!!

闘気を放出したのか・・!それだけなのに凄まじい殺気だ・・

だが、ここまできて俺も引いちゃいられねぇっての!

「けっ!いくぜ!」

気合を溜めて突っ込む!微動だにしないアマルガンだがおかまいなし!

顔面目掛けて拳を突き出す!


ガァン!


「へぇ・・永遠神剣を持たない野郎って聞いたが・・中々やるじゃねぇか」

・・、突如神剣の腹が現れ俺の拳はそこで止められた

一瞬でこの動き、遊んでいやがる!

「この!」

さっきよりも速く!回し蹴りを放つ!

「のろいぜ!?黒服野郎!」


フッ!


俺の蹴りがあいつの体を通り抜ける・・?

手ごたえはない!残像か!

「クロムウェル!上よ!」

真上だと!?

「その通りだ!」


バキィ!


っうぅぅぅぅ!

蹴りがまともに顔に入った!体がすごい速度で飛ばされる・・!

「くそ・・!」

なんとか堪えるが直撃をもらった威力は馬鹿にならない・・、今の一撃で相当体力が削られたみたいだ・・

「堪えたか、見所あるじゃねぇか」

見下して笑いやがるアマルガン・・だが、それに見合う力はあるか・・

今まで戦ってきた奴とはまるで違う・・・

「下がって・・クロムウェル、『疾空』!」

二対一でも卑怯じゃない!アンジェリカの疾空で怯んだ後に全力を叩きこむしかない!

アンジェリカの股体から無数の白い弾丸が走り蛇腹を描いてアマルガンを包囲する!

全方位からの疾空だ!


「なかなか凝った技だ。この世界の連中にゃきついだろうが・・」


ニヤリと笑いながら疾空が奴の体に突き刺さる!

これで牽制になる!

「待って!クロムウェル!仕掛けたらだめよ!」

「何・・!?」

二十発もの白い弾丸が波紋を広げながらアマルガンに襲いかかる中、アンジェリカが俺に叫ぶ

良く見れば疾空を受けても奴の体は微動だにしない・・!

「・・中々利口な女じゃねぇか。気にいったぜ?後でたっぷり可愛がってやろうか?」

全くの無事なアマルガン、体の周りに黒い光が包みこんでいる・・

黒い・・オーラフォトンのバリアか・・

「残念ながら遠慮しておくわ、粗雑な男は嫌いなの」

「そのツンとした態度・・たまんないねぇ・・。ミトセマールの奴とは違った魅力ってもんがある」

「けっ、戦いの最中に惚気てんじゃねぇよ・・」

その余裕な態度が気に入らなねぇ・・!

「てめぇら、中々やるみたいだが・・その程度じゃ俺の防御は崩せれねぇよ」

ちっ・・、だが・・あの黒いオーラフォトンバリアは頑丈そうだ・・

俺とアンジェリカが全力で攻撃して・・どうかだな

だがそれであいつを仕留められなかったらまずい、そもそもまだ本気を出していないし神剣を使って攻撃をしていないんだから・・な

「アンジェリカ・・、ピンポイントで敵を仕留める術はあるか・・?」

「テンペストを使ってもあの身のこなしじゃ避けられるでしょう・・、後ピンポイントで敵を仕留める術となれば・・

アルティメットノヴァぐらいかしら・・」

真空球で全てを滅ぼすあれ・・か

確かに、視覚で感知できないアレならば回避することはできないだろうが・・

奴のバリアを貫けるのかどうかは・・謎だな

「分が悪いな・・どうにも・・、だが・・」

奴を野放しにはできない!


コォォォォ!!


「ヴァイタルチャリオッツ!」

こいつで!

決めてやる!

「ん・・?ほぉ・・」

顔色が変わりやがった・・、これなら!

チャリオッツ状態でのライトニングブレイカー!


パァン!


白く光り放電をする拳がアマルガンの腹に入る・・が、黒いオーラフォトンバリアのせいか分厚い金属をぶん殴っている感じだ

俺の攻撃の大半は吸収されてしまっている!

それでも・・

「ぐ・・へへっ、少しはやるなぁ!」

少しだけ吹き飛ばされる・・渾身の力を込めて軽傷とはな・・

だが、これで終わりじゃねぇ!

同じ箇所目掛けて渾身の蹴りを放つ!

バキィ!

「ぐお・・!」

流石に間髪入れずに同じ箇所に入ればバリアの威力も半減したらしい、この感触・・・入った!

このまま一気にたたみ掛ける!

「調子に・・乗りやがって!」

何・・!?

チャリオッツにライトニングブレイカーを重ねた蹴りを受けても即座に反撃しやがる!

しかも神剣を持って・・

まずい!

そう思った次の瞬間、俺の体は吹き飛ばされる!!

何が起こったか理解できないが・・凄まじい速度で地面に叩き付けられる!

「遊びは終わりだ!消してやるよ!」

ちっ、すかさず止めを刺す気か・・!

転がる俺の目の前に瞬時に姿を現し剣を振り上げてやがる・・!

「させない・・!狂風!」

ドォン!

見えない風の弾丸が真横から直撃するも全く効果がない・・!

「痒いな、てめぇは後で可愛がってやるよ・・まずはこいつだ!」

アンジェリカの方を振り向きもせずに俺を見下すアマルガン、こっちはチャリオッツで身体強化したのにも関わらずもうボロボロだ・・

だけど黙ってやられるわけにはいかない!

「こなくそ!」

咄嗟に跳ね起きつつ蹴りを放ちながら距離を空ける・・!

「おっと!流石に威勢だけはいいなぁ!だが終わりだ!」

軽々と蹴りを回避しながらでかい神剣を振り上げて斬りかかってくる!

くそ!まともに受けれねぇぞ、こりゃ!

「南無三!」

一か八か!守りを固めて受けきるしかない!

「俺の一撃は甘くはないぜぇ!死ねよ!!」

んなもん見りゃわかるっての!

振り上げた剣を物凄い勢いで振り下ろすアマルガン

その刹那・・!



「封刃無音の太刀!」



俺とアマルガンの間に一つの影が走り刃が走る・・


斬!


「な・・にぃぃ!?」


黒いマナの光を纏う刃の衝撃に吹っ飛ぶアマルガン

俺の前に姿を見せるは・・かつて敵だったはずのオウカ=ブラックスピリット・・

ラキオススピリットの制服に着替えている・・

「クロムウェル殿・・ご無事ですか?」

「オ・・オウカ、どうして・・」

ラキオスの捕虜としつつも特例としてレスティーナの護衛に回る事になっていたはずだが・・

「レスティーナ様の許可を頂いて、我々は貴方の援護に参りました・・」


我々?


「皆!合わせるわよ!」

「あの男に向けて・・一気に!!」

「マナよ!私達に力を!」


俺の後ろから響くこの声・・そして伝わる熱気は・・あの三姉妹か!



「「「トリニティフレア!!!」」」



瞬間、吹き飛ばされたアマルガンを巻き込む超爆発が巻き起こる!

一瞬にして衝撃がここまで伝わりそれだけで周辺の建物が瓦礫と化す・・

赤スピリットの強力な神剣魔法が同じタイミングで三つも発動し相乗効果を放ったらしい・・

爆発と爆炎が目の前に広がり凄まじい熱気が伝わってくる・・

「苦戦しているようね!私達がいたほうがいいでしょ!」

振り向くとにやけた顔のヴェロニカ・・ツンツン髪は相変わらずだがオウカと同じくラキオススピリットの制服を見に付けている

「そりゃ・・こんだけ派手にかませばな・・。お前達もオウカと一緒に無理してきたのか?」

「うん、コウインのお兄ちゃんに援護に向ってくれって言われたから・・」

相も変わらず幼さを感じるティートだが・・コウインから・・?

・・狙われた・・のか?

「事情はティートから聞きました。我々は貴方に恩がある身・・助太刀致します」

長い赤髪を揺らしダブルセイバーを構えて一礼をするエスメラルダ、心強いもんだ・・

「助かる・・、だが奴には強力なバリアがあってな・・」

「クロムウェル殿・・私の太刀・・お忘れになりましたか?」

・・ん?そうか・・封刃無音の太刀・・相手の技を封じる一撃か!

なるほどな、デタラメな強さを持っていても神剣を持っている点ではスピリットと同じ

オウカのスキルが有効だ!

「そこに私達渾身の神剣魔法を放ったのです・・何者かはわかりませんがタダではすみません」

・・それだったら流石のあの野郎でも!


「ぐぅ・・へへ・・残念だったな・・。俺はまだこのとおりだぜ・・」


燃え盛る炎の中から姿を見せるアマルガン、様子からしてダメージは与えているようだ

だが


「そこにこれが加わると・・どうかしら?」



突如としてアンジェリカの静かな声が響くや否や

ドォン!ドォン!

凄まじい衝撃とともにアマルガンの体が大きく仰け反る

法皇の壁侵攻戦で放っていた疾空と狂風を合わせた凶器だ

「アンジェリカ・・会話に参加しなかったと思ったらそれを用意していたのか?」

「貫通性を高めるために魔力を高めていたのよ・・。オウカの技のせいで防御スキルを封じた今、より効果的に入ったはずよ」

ニヤリと笑うアンジェリカ、冷静さにおいてはほんと頼りになる・・

「ちぃぃ!ふざけやがって!いいだろう!まとめて消してやる!」

神剣を構えて叫ぶアマルガン、オウカの太刀により神剣の力を出せないのだろうがそれでも凄まじい闘気だ!

そしてそのまま突っ込んできやがる・・!

神剣の力がまだ少し出せるのかそれとも元からの力なのか、踏み込みの速度は先ほどと殆ど変わっていない!

「まずはてめぇからだ!」

「ひっ!フ・・フレイムレーザー!」

一番幼いティートを狙いやがる・・!

咄嗟にフレイムレーザーで迎撃するも直撃受けながら尚も突っ込んでやがる!

ちっ、援護しないと・・!

「下がって!ティート!」

俺より速く、間髪入れずにティートをかばうヴェロニカ・・、そうだ・・この姉妹は役割はきちんとしている

どんな時でも次女が皆を守る・・

「まぁいい!まずはてめぇだぁぁ!!」

「耐え切って・・みせる!」


轟!


「きゃあああああぁぁぁ・・」

凄まじいアマルガンの一撃、風を切り裂く剛刃は守りを固めたヴェロニカの防御壁を軽々と砕きそのまま吹き飛ばす!

神剣を吹き飛ばされて転げ回るヴェロニカ・・やがて瓦礫に埋もれたままそのまま動かなくなった・・

霧に還らない・・とりあえずは無事か・・

だが、あいつの高い防御力でもまるで防げない攻撃力だ・・他のスピリットならば即死は間違いない!

オウカの太刀の効果が残っているうちに勝負を決める!

「オウカ、エスメラルダ!決めるぞ!」

「・・承知!行きます!」

「わかりました!タイミングは合わせます!」

ウィングハイロゥを羽ばたかせ俊敏な動きでアマルガンに仕掛けるオウカ、味方になるとここまで心強い奴はいねぇな!

「上等だ!スピリット如きが俺を止められると思うなぁ!」

そのまま豪快に神剣を振りアマルガンがオウカの相手をする!

真っ向から立ち向かうオウカは強力な一撃を華麗に避け、腰に下げる神剣に手をかけ奴の懐に踏み込む!

「行きます・・、星火燎原の太刀!!」

鋭い居合いを放つ・・閃光の一撃がアマルガンの強靭な体を通り過ぎ確かなダメージを与える!

「ぐぅ!こ・・こんなしょぼい神剣に!!」

少しよろめいた!

そこにエスメラルダが素早く踏み込む!

「ヴェロニカの分も・・打ち込む!」

「舐めるな!」

エスメラルダの一撃を放つよりも速くアマルガンが反応する!

しぶとい野郎だ!



「インシネレート!!」



ボン!

神剣を振り上げた瞬間に奴の顔に炎が巻き起こる!ティートの援護か!

いつもながら良いタイミングだぜ!

「何!?」

「お・・お姉ちゃん!」

「わかっている!いくわよ!」


斬!斬!!


エスメラルダ渾身の攻撃!ダブルセイバーの刃がアマルガンを切り刻む!

「ぐぅ・・ス・・スピリット如きに俺がここまで・・!」

確かな一撃、決定的な隙を見せる!

ここだ!

「クロムウェルさん!」「クロムウェル殿!」


「わかっている!さがれ!」


決定的なチャンス!俺とアンジェリカで決める!

「てめぇ!」

「終わりだ!腐れ外道!」

よろめきながら神剣を振り上げるアマルガン、だがかなり弱っているらしくヨロヨロだ!

そんなもんに当たるかよ!

零距離まで肉薄し奴と目が一瞬合ったが・・

「スフィアストライク!」

ヴァイタルチャリオッツ仕様のスフィアストライク、それを奴の腹にねじ込みながら天高く突き上げる!

今だ!アンジェリカ!


「ピンポイントに絞り込んで・・テンペスト!」


静かに魔力を練ってこの一瞬にかけていたアンジェリカ、その瞬間俺の周りに竜巻が現れる・・

そして俺のスフィアストライクの陽気と竜巻が混ざり合い、光の嵐となり天に向って突き進む!

これぞ俺とフィートで考案した『フォトンストーム』、アンジェリカが竜巻をピンポイントで発動させたために

威力はさらにある!

「ぐ・・ぅおおおおおおお!!!」

超高温の嵐に揉まれ空中に放り出されるアマルガン!

流石に消滅しないか・・

だが、俺達もこれで終わりじゃない!

「止めだ!アンジェリカ!」

「ええ・・!行ってきなさい!」

瞬間、俺の足元に風が集まったかと思うと体が上空へと飛び上がる!

超絶な攻撃を受け、不安定な上空に打ち上げられた状態の奴に止めを刺す絶好の機会だ!

出し惜しみせずに奥義で止めを刺す!



「ライトニングボルト・ザ・セイバークラッシュ!!」



全ての力を雷に込める!

次の瞬間天から雷が降り注ぎ俺の体を駆け抜ける!衝撃も激痛も今は関係ない・・!

それを剣の姿に変えるために両手を上げる・・

全身を纏う雷のエネルギーはそのまま両手に集い天に届かんばかりの巨大な雷の剣を作り出す

チャリオッツ中じゃなければ落雷の威力に体が負けそのまま死にかけるほどの力だ

だが、制御できれば全てを払う力ともなる!

「きさ・・ま!」

眼下でもがくアマルガン、神剣を構え俺の一撃を防ごうとしている

無駄だ!


「ファイナル・・ノヴァ!!!」


落下とともに両手を振り下ろす・・

それとともに巨大な雷の刃はアマルガンの体を飲み込む!


「ぐ・・が・あぁぁぁ!お・・俺は・・!エターナルだ!負けるはずがない!こんな・・こんなことがぁぁぁ!!!」

断末魔の叫びを上げながらアマルガンの体は雷の中に消えて逝った・・

それとともに雷の制御が効かなくなり雷の剣は四方に散らばり空を裂いて消えていく・・



やっぱこの技は・・禁じ手だよな・・

あ・・いけね・・

チャリオッツの効果が消える前に力が・・

アンジェリカ・・うまく・・回収してくれ・・よ・・




・・ぐへぇ・・


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