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第二十話  「ミニオン オブ エターナル」


翌朝

「ん・・が・・・たたた・・」

鈍く響く頭の痛みとともに目が醒めた・・こりゃいかんな、完全に二日酔いだ・・

記憶が曖昧なんだか昨日は確かあれから相当飲まされたからな

たぶん屋敷の酒は底をついているだろう

あ〜・・起きたくねぇけど起きないとなぁ・・

ん・・だが・・なんか手からは柔らかい触感がするなぁ、このジャストなフィット感・・

これは・・


「ん・・・んあ・・」


「うおっ!?」



目の前に髪を解いた状態で床で寝ているセリアさんが!?

・・っというか・・つまり俺がセリアを押し倒して胸を揉んでいる状態だね

まずい、本能的に胸を求めて俺の手が勝手に動いている!

とまれ!俺の手!

目が醒めたら大変な事になる!

いかん!神経パルスが拒絶反応を起こしている!?



「ん・・あぅ・・つぅ・・頭が・・・あ・・」



・・あ・・起きちゃった・・

気だるそうに目を開け頭を抑えつつも俺と視線が合いさらには胸から伝わる感触に凍り付いている・・

違う・・違うんだ!俺のこの手が悪い!

「セ・・セリアさん!これは違うんだ!手が勝手に動いて・・」

「な・・な・・・なにやっているの!この変態!」


バチィィィン!!!


もげらっ!!!


気絶しそうなほど強烈なビンタ・・、

奇しくもそれが今日の皆のお目覚めコールとなった

・・・・・・・・
・・・・・・・・

「クロムウェル・・頬が腫れているわよ?」

「うっせい・・ほっとけ」

結局、ビンタの音で全員目覚め、そして全員が二日酔い

軽い朝食後にアンジェリカのお薬の世話になり

元気になったところで俺の不可抗力な事故の全貌が明らかになりハリオンを除く女性陣から凄まじく冷たい視線が送られてくる

・・これって、アイスバニッシャー?

「まったく、ほとほと危険な変態ね?」

へへっ、キョウコの毒舌が今日はやけに身に染みらぁ・・

「不可抗力だ・・、キョウコ。男ってのはなぁ・・欲求不満になると煩悩が体を乗っ取り制御不能になるんだよ。

なぁ・・コウイン?」

「あ〜・・すまん、それに同意すると俺まで寒い目で見られるから・・ノーコメント」

戦友・・!?

「ふふふ・・まぁまぁ。確かにクロムウェルは欲求不満気味だからね・・手が勝手に動いてもそれは仕方ないかもしれないわ」

「アンジェリカさ〜ん・・」

今日のあんたは魔女でも痴女でもなく天使だぜ♪

「でも・・だから昨日『わかめ酒』をしてあげたんだけど・・それじゃ満足しなかったの?」

な・・なにぃぃぃぃぃぃ!!!

「お・・おい!!そんな事やっていたのか!?」

「ええっ、涙流しながら喜んでいたじゃない・・覚えてないの?」

ク・・クロムウェル=ハット!一生の不覚!!

「ア・・アンジェリカさん・・『わかめ酒』って・・何ですか?」

おいおい・・知らないのか・・

まぁ女のキョウコがそうそう知っているものでもないか・・

「女性に股を閉じさせてそこに酒を注いで飲む事だよ。驚いたな・・そんな事まで同じなんだな」

・・っというか学生のコウインが何故知っているんだ?

「・・へ・・へぇ・・、すごい・・アブノーマルね・・って!コウイン!!!!何でそんな事知っているの!!?」

「仏道を極めるためには相当な知識が必要なんだ〜、俺も覚えたくない知識なんだが仕方なくだなぁ〜・・」

宗教関係ないやん

・・ま・・まぁいいや

「とにかく!セリアさん!悪かった!」

「・・ふん、貴方の恥行はわかったからいいわよ・・」

「それに〜頭がガンガンするのがスッとしましたしね〜」

いつもマイペースなハリオンさん、二日酔いでも笑顔だったのがすごいんだが・・

「ほんとね・・、『ふつかよい』というのはかなり辛かったのにそれが嘘のよう・・」

「メジャーな症状だからね。即効性だからこれで進軍の遅れはないでしょう?

さっ・・謝罪も済んだんだしユウソカに向けて行きましょう?」

う〜ん・・できれば気分をすっきりするために水でも浴びたいんだが・・流石にこれは贅沢か・・

「しょうがないな、そんじゃ各自準備して屋敷前に集合、一気に南下するぞ!」

「あんたが仕切るのもなんか嫌だけど・・、気にしていられないわね!さっさと行きましょう!」

こういうのは年長者に任せろっての・・

まぁスピリット達とは違い俺達は少々準備が必要だ。用意をしてさっさと終わらせにいくとするか


・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・



ユウソカまでの道は一本のみ、当然帝国スピリットが死守している

だが、後退して最後の砦を守る連中と勢いづいて最後の砦を崩そうとする者とでは気迫が違う

神剣に心を奪われたスピリットならば忠実に任務についているが心が残っているスピリットはもはや怖気づいている

おまけにアンジェリカさんが広域魔術を放つんだから正直、俺の仕事は心が残っているスピリットの気絶

他の連中はアンジェリカの術発動までの時間稼ぎみたくなっている


「貫けぇぇぇぇ!!」


「覚悟はいいか?せめて、苦しまないようにしてやる」


とはいえ流石にエトランジェ、キョウコとコウインの迎撃にスピリット達が逆に圧されている

まぁ・・ややキョウコが突っ込んでいる感があるんだけど・・な

速攻で発動を阻止しなければならないアンジェリカの周りを護衛しており布陣としりゃ完璧だ


「いくわよ!セリア!」

「わかっているわ・・、ハリオン・・援護して!」

「は〜い!ウィンドウィスパ〜!」



それにスピリット三人娘も負けてはいない、まぁラキオススピリット隊の中でも1,2を争うセリア&ヒミカ

加えて防御力が高く治療能力が高いハリオンの援護もあり

ほぼ無傷のまま帝国スピリットをなぎ倒している

性格が正反対なセリアとヒミカだが戦闘となると息があっている・・

二人とも第二詰め所を仕切っているだけに馬が合うんだろうな

「・・こりゃ俺の出番ないかもなぁ・・」

ん・・?


「「・・・・・」」


まだ街道を塞ぐように尚も立ちふさがる緑スピリット達・・

俺も働かないとな!!

「せぃやぁぁぁぁぁ!」

ライトニングブレイカー発動の急所攻撃!

緑との戦いには慣れている、アキュレイトブロックってのはかなり高い防御効果があるが

一点集中して叩けばそれを打ち破ることは可能!

流石に一撃だけで倒しきれないがふっとばすことができる!

コツを掴んでまとめて相手をしてやる!

そこに・・


『風 大気に満ち地を覆え さすればいかなる物も粉塵へと帰さん
  疾風怒濤  テンペスト』


アンジェリカさんによって巻き起こる竜巻・・、風の脅威は大地の加護を受ける緑スピリット達を巻き込んで吹き飛ばして行った

これで防衛部隊はほぼ壊滅だな・・

後はユウソカで待ち構えている部隊を倒し占領するだけだ


「いや〜・・流石アンジェリカさん、防衛に当たったスピリットを一瞬で倒すなんてねぇ・・」

しきりに感心するキョウコさん

まったくに・・これに関しては俺も同感だ

高位な風術なだけに本人の魔力消費は激しいらしいが・・、それだけに威力は凄まじい

編隊を組んで常に固まって行動するスピリット達にはなす術がないだろうな

「まったくだ。まぁ・・俺としては防御する緑スピリット達を吹っ飛ばすクロムウェルもすごいと思うけどなぁ

・・なんか、モーションがキョウコと似ている気がするんだけど・・」

なぬ!?

「光陰!何を言っているのよ!?」

「そうだ!コウイン!俺はキョウコほど凶暴じゃねぇ!もっと純粋だ!」

「なんですってぇ!クロムウェル!!!」

や・・やべ!キョウコの怒りに触れちまった!?

・・というかキレるのは早すぎ!

そしてハリセン取り出すのも早すぎ!!

「荒んだ心に、武器は危険なんです!キョウコさん!」

「問答無用!!落ちろ!黒い奴!」

スパコォォォン!!

あいてぇぇぇぇ!

な・・・なぜだ・・!?

ただの厚紙を折り曲げただけのハリセンに何故これほどの威力がある・・?

「ハ・・ハリオンさん・・、回復お願いします・・」

「はい〜・・でも・・外傷はないんですが〜・・」

「真に受けなくて良いわよ、ハリオン。どうせ芝居なんだし」

・・セリアさん、厳しいです・・

「ですがキョウコ様もコウイン様も、部隊を壊滅させたからといって気を抜かないでください」

エトランジェと違って流石に油断しないな・・ヒミカは・・

「ははっ、悪い・・ヒミカ。だが・・もう防衛部隊はユウソカに撤退しただろうしなぁ・・」

確かに、周囲にもう気配なんてもんはない

「アンジェリカの魔法がなけりゃ激戦になっていたんだが・・意外にあっけなかったもんだな」

「ほんとねぇ・・。赤スピリットの神剣魔法の比じゃない規模だし」

まぁ赤スピリットの神剣魔法は強力だがアンジェリカの魔法に比べたらそれほど広域じゃない

・・まぁ・・周辺に被害がでかけりゃいいってもんでもないんだけどなぁ

それにそんなに広い訓練場もないだろうし・・

「ナ・・ナナルゥなら少しは対抗できるかもね・・」

「ナナルゥ、あの冷静ねーちゃんか。神剣魔法での援護がメインだったな・・

ん・・そういやヒミカが神剣魔法を使うところってあまりないよな?」

「うるさいわね・・。スピリットには得手不得手があるのよ!」

「ふ〜ん・・つまりは魔法はへたくそ・・ってわけだね♪」

「くっ・・そうよ!悪い!?」

胸も小さくて魔法も下手、・・愛すべき人だな・・ヒミカさん・・

「まぁ・・私の場合は広域魔法をしてもクレームを受け付けなかったからね。

これでも・・アルマティ史上3番目の建造物倒壊数を記録したのよ?」

・・・、あそこって・・俗に言うところの台風銀座ってやつか?


「アンジェリカさんの危険なお話はそこまでにしておいて〜・・そろそろユウソカに向おうぜ〜」

「そ・・そうねぇ・・」

この人の過去は想像以上デスカラネ

「あ・・ちょっと待って。イオから通信が・・」

立ち止まり目を閉じるヒミカ、確か・・イオの神剣は神剣同士の通信ができるんだってよ

髪も珍しけりゃ能力も珍しいってわけか

「どうしたんだ?ヨーティア研究所があいつの実験の失敗で大爆発〜とか?」

「・・・え・・!?そんなことが・・!?」

無視かよ・・

っていうかかなりの異常事態か?

「何があったの?」

「秩序の壁が崩壊したそうです・・」

何・・?

「お・・おい、それの制御している装置がこれから行くユウソカにあるんだろう?」

「そうよ、すでに占拠したのかとイオから通信が入ったんだけど・・向こうも驚いているわ。

そのまま侵攻するつもりだったけど今警戒するように呼びかけたとこよ」

・・そうだな、このままサーギオスに突っ込んでも何があるかわからん状況だ

「・・・、どう思う?光陰?」

「考えられるのは秋月が秩序の壁を放棄してサーギオスに招き入れたって事だが・・そうする意味は少ない。

第一、アンジェリカさんの力ですぐに掃討できたがここに配置されたスピリットの数からして

ユウソカを防衛することには違いはなかったはずだ。・・ユウソカで何か異変が起きたか?」

そう考えるのが普通だな

・・だが・・、どういう事だ?

ラキオス侵攻の勢いにユウソカの住民が反旗を翻した・・?

・・いや、帝国の人間の無気力かつ反発する姿勢からして有り得ないか・・・

第一スピリットがいるんだ、常人にゃ抵抗もできないだろうし

「ここに来て不気味ね・・。

でも秩序の壁が崩壊したならユウソカの占拠は無理にしなくてもいいはず・・どうする・・?」

「ユウソカで異変が起こっている事は間違いない。だが、帝国の首に刃を突きつける絶好の機会でもある・・か」

ただのハッタリなら・・いいんだけどな・・

ゾク・・!


!!

なんだ、この寒気は!?

「アンジェリカ!結界だ!」

「・・ええ!!」

アンジェリカにも感じ取ったらしく咄嗟に風の防御結界を張る

次の瞬間、結界の外は紅蓮の閃光に包まれた!

これは・・アポカリプス・・?

まだ伏兵がいたか!?



「ちょ・・ちょっと!神剣の気配なんてなかったわよ!」


「俺もだ!どうやら厄介な相手のようだな!」


幸い、結界のおかげ全員無傷・・そして炎が消えるとともに俺達の周りを囲むように三人のスピリットが立っていた

赤、青、緑とオーソドックスな編成だが・・サーギオスの服装じゃないし・・なんだ・・この違和感・・?

「一人一人オールラウンダークラス・・皆、気をつけて!」

ヒミカやセリアの顔つきも変わっている、

相当な力量であることは俺もわかる・・わかるんだが・・

「・・・、なぁ・・セリア・・こいつら・・本当にスピリットか?」

「何を言っているの?どう見てもスピリットじゃない・・」

「・・いや、何か違う。スピリットに似せた何かだ・・」

「私もクロムウェルと同意見よ。

今まで戦ってきたスピリットとはまた違う異質な存在・・だからこそ、神剣の気配だけじゃなくて

私やクロムウェルの気配にも気付かなかった・・」

「じゃ・・じゃあこいつらは!?」

「・・ユウソカの異変と関係ありそうだ。とりあえず・・話し合いが通用する相手じゃなさそうだ!

ここは一気に仕留めるぜ!」

俺とアンジェリカで青、コウインとキョウコで緑、スピリット三人娘で赤に立ち向かう

対し顔色一つ変えずに様子を見るスピリットもどきだが・・能力的にはかなり高いはずだ!


「アンジェリカ!援護をたのむぜ!」

「わかったわ・・」

『疾空』での援護を受けながら一気に終わらす!

「・・・」

相手の青スピリットもどきも俺達が相手だと認識したらしく剣を構える・・が・・

ハイロゥを広げ魔法陣を展開している・・?

まさか・・神剣魔法!

青色の立体魔法陣が回転しながら発動する!

バニッシュスキル!?

次の瞬間に氷の結界はアンジェリカの周りに現れた!


パァァァァン!!


氷が砕けるとともに衝撃で少しよろけるアンジェリカ

「くっ・・!?私にも有効な・・バニッシュスキル・・?」

攻撃魔法じゃないから直接的なダメージはない・・が魔法が使えないか・・

こりゃ少々痛いな!

「ちっ!味な真似しやがって!これでも食らえ!」

この様子だと他の連中も苦戦は必至だ!さっさとぶっ倒す!

脳天目掛けての突きを放つ!

「・・・・」

フッ!

命中寸前にウィングハイロゥで空に回避しやがった・・

そしてそのまま切りかかってくる!

相当訓練されている?

「・・・」

大振りながらも落下速度を加えての強烈な一撃を放とうとする青スピリットもどき

俊敏な動きに加えて太刀筋も鋭い・・

「このっ!」

振り下ろされる神剣をギリギリで回避する、青スピリットもどきはそれに動ずることなく機械的にすかさず追撃!

ハイロゥによる姿勢制御により急旋回して仕掛けてきやがる!

「っ!うわっ・・この!いい加減に・・しろぉ!」

しつこく繰り返される攻撃を何とか回避しながらカウンターに中段蹴りを放ち蹴り飛ばす!

攻撃に気を取られまともにそれを受け吹き飛ばされる青スピリットもどきだがそれでも堪え倒れることはなかった・・

「しぶといな・・、アンジェリカ、魔法はどうだ!?」

「・・ダメね、アイスバニッシャーよりも高位のバニッシュスキルみたい・・しばらくは使えないわ」

難儀な・・、おまけに少し離れたところで他のスピリットもどきの相手をしているコウイン達も苦戦しているみたいだ

コウインとキョウコはまだ互角だがスピリット三人娘のほうは圧されている

「・・援護すべきだな・・。セリア、ヒミカ!もう少し耐えてくれ!」


「あ・・あんたの世話にはならないわよ!」

「くっ・・口ごたえしている場合じゃないわ、ヒミカ!バニッシュできなくなったら一気にやられるわ!」

時間はないか

おまけに青スピリットもどきもまだピンピンしていら・・

こうなったら・・・

こぉぉぉぉぉ・・・・

「ヴァイタルチャリオッツ!!」

身体強化にて一気に仕掛ける!

「・・・」

俺の使った術が何なのかわかるのか青スピリットもどきも真っ向から突っ込んできた・・上等だ!


「手加減できねぇぞ!ごらぁ!!」

一気に駆ける!一瞬にして青スピリットもどきの顔が目の前に現れる・・

「ライトニングステーク!!」

俊敏な動きをする青スピリットもどきだが今の俺のほうが一枚上手だ!

攻撃させる前に胸に手刀を突き刺し・・

パァン!!

雷の追撃!体を貫通して背中から閃光が放たれる!

「・・・」

胸を貫かれても無表情の青スピリットもどき・・、流石に致命傷だ・・、吹っ飛ばされながら消滅していった

よし!このまま一気に援護に向う!


赤スピリットもどきとスピリット三人娘との戦いは赤スピリットもどきのほうが優勢だ

強烈な神剣魔法はセリアがなんとかバニッシュしているがそれでも神剣による攻撃は付け入る隙がないらしく

真っ向から打ち合ってもヒミカが打ち負けている

ハリオンが防御するものの防ぎきれていない!

「・・・・」

無言のままごついダブルセイバーをハリオンに振るう赤もどき・・遠慮がないな


キィン!


「きゃ!痛いですぅ・・」

連撃にハリオンの防御が崩され血が飛び散る

だいぶ圧されてきているな!

だが・・奴が攻撃し終わったこのタイミング、ここで加勢したらいける!

「加勢する!下がってろ!」

隙をついての奇襲、卑怯かもしれないがこれは実戦だ。悪く思うなよ!

「・・・・」

赤スピリットもどきは俺にかまわずハリオンに追撃するつもりだ、こりゃチャンス!

「ライトニングブレイカー!」

ハリオンの前に飛び込みそのまま超低空の踏み込みとともにライトニングブレイカーのアッパー!


ドン!


深々と腹にめり込みうな垂れながら宙に浮く赤スピリットもどき・・まだだ!

「ヒミカ!仕留めろよ!」

「わかっているわよ!てぇやぁぁぁぁぁ!!!」

電撃で鈍くなった赤スピリットもどきにヒミカ渾身のファイアエンチャントが炸裂する!

猛烈な連撃に赤スピリットもどきは堪えきれず光の粒子となって消えて逝った

まぁ卑怯かもしれないが神剣魔法なんぞ使われたら俺なんかはまず致命傷もんだからな・・

基本的に体力が低いところは奴にも同じようだな

「やれやれ・・どの道厄介だな・・。お前ら、大丈夫か!?」


「わ・・私達は大丈夫、ただハリオンが少し傷を・・」


「だいじょうぶです〜、もう後2回ぐらい当たったら危なかったですけど〜・・」

「でも一体何なのよ・・。高位神剣魔法をあれだけ連発してくるなんて・・」

まったくだ。セリアさんがふんばらなかったらおそらくは三人とも倒れていただろうし・・

「・・だが、まだ終わっていない。一気にコウイン達を・・」




「俺達も何とか片付けたぜ・・?」

・・ん・・?おおっ、いつの間に緑スピリットもどきを倒していたコウイン&キョウコ

流石にエトランジェはこのくらい無事か

「加勢は必要なかったか?」

「あんたに世話になっていられないからね・・っといっても・・メチャクチャタフだし回復魔法するから

ジリ貧だったし、アンジェリカさんの援護があって押し切れたって形だけどね」

「おっ、アンジェリカさん・・治ったか?」

「簡単な魔法なら使えるようになったわ。動きを止める程度しかできなかったけどね」

「それでもありがたいもんだよ、こっちの攻撃分の回復をすぐやるからなぁ・・」

緑スピリットが元々タフな分こまめに回復されたらたまったもんじゃないだろうな・・

「やれやれ・・、一体何者なんだ?こいつら・・」

「消滅するところを見るとスピリットに近い者だけど・・、全然違うわね」

「・・ああ、今まで戦ってきたスピリットとは強さも違う・・」

俺達を襲ってきたところからしてサーギオス関係っぽいんだが・・な

親衛部隊・・?

だけどそれだったらなんだ、この違和感か・・

「とりあえずは退けたけど・・どうする?」

「・・たぶん、ユウソカにその真相があるだろう・・。

・・・よし、コウインにキョウコ・・ちと頼まれてくれないか?」

「な・・なによ?よからぬことじゃないでしょうね?」

「お前達はここから引き返してサーギオス侵攻のほうに回ってくれ、理由はどうあれ秩序の壁は崩壊した・・

御大の首を狙うには絶好の機会だ」

「お・・おい、じゃあユウソカのほうは・・」

「俺とアンジェリカで行く・・今の連中もサーギオスとは関係はなさそうだ。

断定はできないが・・な。それにエトランジェが3人揃えば帝国との決着は早くつくだろう?」

「・・・・、そうだな・・」

「ちょ・・ちょっと!光陰もそれでいいの!?ユウソカには何があるのかわからないでしょう?」

「確かに、情報は少ないから断定はできない。だが・・秋月を倒すにはいいタイミングには違いない

それに俺も、今のスピリット達がサーギオスとは無関係に思えてな」

「・・うし、じゃあ頼むぜ?ヒミカ、イオ経由でユート達にそう伝えてくれ」

「え・・ええ、わかったわ・・」

スピリット三人娘にとっても俺の提案は意外らしいな

「・・それならゼィギオスまで転送して上げるわ。そこでユート君達と合流して帝国との決着をつけてきなさい」

「ああっ、助かる。ユウソカ方面で異常が起こったら兵士達を向わせるようにレスティーナにも言っておくよ」

「まぁ〜・・今戦った奴と同じ奴がいるのなら兵士送るだけ無駄な気がするけどな・・」

「イオに連絡をつけたわ。ユート様達も警戒しながらもすでにサーギオスを包囲した状態ですって」

「・・大詰めだな・・。時間差でコウイン達を駆けつけるようにする・・ユウソカの異常は裏方の仕事ってことにしておいてくれ」

「ゼィギオスからサーギオスまでは近距離だから、転送後に移動すれば決戦には間に合うでしょう・・

がんばってね」

「ええ、アンジェリカさんも気をつけてくださいね」

・・なんかキョウコってアンジェリカに対しては礼儀正しいな・・

「ふふ・・じゃあセリアさん達も・・連戦になるけどこれが最後だろうから・・頼むわね」

「ありがとうございます・・」

ううむ、おまけにアンジェリカが何時の間にか仕切ってるなぁ・・まぁ、俺はそういうの苦手だからいいんだけどね

そうこうしている内にアンジェリカはコウイン達を一箇所に集めてその周囲に魔法陣を展開させる

そしてコウインに小さなマナ結晶体を渡した・・

あれを触媒にするつもりか・・

「貴重なマナ結晶体を移動に使うか・・贅沢だな」

「決戦よ?派手にいかないとね・・。じゃあ・・転送するわ!」

魔法陣から白い光が昇り出す・・!


「クロムウェル!・・また・・後でな!」


「ああ・・またな!」

コウインと声を交わした瞬間、閃光が走ったかと思ったら5人の姿は一瞬で消滅した

「・・成功ね、ゼィギオスの前に到着したわ」

「・・これで、後は俺達の仕事・・だな」

「ええっ、あのスピリットに模した存在が何なのか・・確かめましょう・・」

ユウソカにその答えがあるかわからないが・・少なくとも秩序の壁が壊れた原因はあるはずだ

何かすごく嫌な予感がするんだけどなぁ・・

鬼が出るかエトランジェが出るか、腹を括って走りましょうか!


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