第六話  「阻害戦士達」




──マー坊の剣術指南にニクスを付けて一週間が経過した。

最初の2,3日は俺も様子を見に行ったんだけど

もはや怠け癖ってのはなくニクスの言う事に絶対服従と言った感じが漂ってきた。

まぁ基礎体力の訓練とは違い剣術ってのはまだ面白みがあるからな

ニクスの巧みな話術もあってかのめり込んでいた。

・・ほんと・・尋問とかもできそうなぐらいな惚れ惚れするぐらいの『飴と鞭』だった

もはや俺の事など眼中になかったものなぁ・・

まっ、ニクスが他の連中と違ってマー坊に対して嫌悪感を抱いていなくて助かったというか何というか・・。

 

とりあえず剣術訓練にて音を上げなかったという事で次のステップ・・

テント群担当課に所属する事になった

ううむ・・ここまで来るとあいつにやる気があるのではと思ってしまいかねない

正攻法で泣きつかれるかと思ったら意外に根性があるもんだからな

そんな訳で今日からテント群配属を伝える事になった

まぁ・・・マー坊自身は即戦力なんてなる訳がないのでそこらは事後報告

どうせ拒否権なんてのはない、嫌ならとっとと帰ればいいんだしな

・・ってか、帰ると言っても土に還るんだろうけど

 

 

────

 

「それで・・、変態はあの問題児を僕のところにいれるつもりなのか・・?」

 

朝の内にテント群担当課の面々を全員招集した後俺からそれを告げる。

タイムも何とも言えない顔つきになるのだが一応は了承、

でも流石に室長であるツンツン黒髪頭のスクイードはいい顔はしない

・・嫌いそうだものな、ああいうの

「まぁそういう事だな」

「適正はあるのか?口だけは一人前だったが・・」

スクイードの隣で腕を組むは白狐族の女戦士にしてルザリア騎士の一人であるシトゥラ

膝に当たるぐらいまで伸ばした白髪と狐耳が見目麗しいが実力は確か

元々人里離れた秘境でこことはかけ離れた生活を行っていた分マー坊の貴族体質云々についてはどうでもいいらしい

まぁそれよりも大切なのが「使えるかどうか」

その分周りより遙かにシビアだろうな

「う〜ん、ニクスがついているからな。

とりあえず最低限のシゴキには耐えた、通常任務に付けるだけの体力は確保してあるし

それを向上させるために与えた自己鍛錬メニューも欠かさずこなしているんだってよ」

情報部の新米の監視によると非番の時でも自己鍛錬を欠かさない様子で

煙草もぷっつり止めたらしい

あのごっつい部下どもも姿を見せなくなったところ・・ある程度の本気さは伺えるんだが・・

「でも、結局はテント群の仕事が出来なければ意味がないじゃない。そこらはどうなのよ?」

あからさまに不満を顔に出すは金髪ポニテで活発さが滲み出ている我が愚妹、カチュア。

──ってかこいつもぶっちゃければマー坊と同じでどさくさに紛れ込んで騎士になったようなもんだろう?

まぁ、仕事できているんだろうからいいんだけどさ

でも〜、まぁ俺もそうだがカチュアも貴族ってのは正直苦手な方だからな

マー坊に対しても良い感情は持っていないだろう。

・・そら、身近なところで最低最悪なのがいたんだしね・・

今頃どこかの町を彷徨っているんじゃないっすか?あのクサレツガイ

「それを試すのさ。貴族気質の野郎にとっちゃ貧民救済なんてのは一番やりたくない仕事だ。

嫌ならすぐに辞めるだろうよ」

「・・確かに試すのにはちょうどいいかもしれません。

がっ、テント群は貧民や難民以外にも厄介者が流れつく場でもあります

・・下手をすれば命を落とす事も考えられる、なまじの覚悟ならば危険だと思いますが・・」

緋色の美男子、訓練の虫なキース・・現場のたたき上げで騎士になった実力者で

自分を鍛える事をこよなく愛する努力の人

故にマー坊の事などどうでもいいらしい、死んだら死んだで仕方がないって顔が言っているしな

「んなもん騎士になる覚悟の上だろう?ニクス、お前の意見はどうだ?」

「そうですね、基本動作は学ばせました。後は私と同じで実戦にて磨くのみですけど・・

護身術などは教えておいた方が良いと思います」

自分の考えを纏めたノートを取り出して説明するニクス

几帳面なところはすでにテント群一だな・・。

まぁ思ったことを記しておくのは良いことだし。

「ふむ。確かに今のところあいつにたたき込んだのは基礎体力と初歩剣術だからな。

攻めるにはそれなりだけど、敵から攻められた時に上手く捌く事はできないか」

寧ろそこは特化させておかないといけないからなぁ・・

「性格的に敵襲にあった時は慌てふためき冷静な対処はまずできないと思います。

護身術については教え方は難しいので私では中々伝えにくいと思いますが・・

基礎体力はつけてきているので体の方はついていくかと思います」

「ふぅん・・まぁ言い渡したメニューは全身鍛えるものだからな。

真面目にやっていたら柔軟に動き回れるだろう

でも護身術の教える奴が必要だなぁ・・、なぁ?スクイード?」

「・・・・そこで何故僕を見る?」

「ニクスはここまで新米の面倒を見たんだぜ?

上司のお前が好き嫌い言っていていいのかぁ?あ〜ん?」

「・・・別に好きとか嫌いなどではない、僕はあの男が騎士にはふさわしくないと・・」

「あっ、そうか。何だかんだ言っていて阻害キングの称号が移るのが嫌なんだな!」

「何を!?」

「ルザリアにスクイードあり!

世のため人のため!人の嫉妬を受けるスクイード=キャンベル!

この阻害された視線恐れるならかかってこい!!・・ってか?」

「人のためとかじゃなくてルザリア騎士団の男衆じゃないの?お兄さん。

シトゥラさんが発情している時なんて室長の両隣に住んでいる独身騎士さん、

血の涙を流して狂ったようにワラ人形打っていたわよ?」

・・・そりゃ、男の巣の中で、壁越しでその都市一番の美女が甘い声で喘ぎまくっているわけだからねぇ・・

そいつら、神を呪っているぜ・・

「・・たぶん、マー坊より阻害されているな、初代」

「誰が初代だ!そ、それにカチュア君!不謹慎な言動は慎みたまえ!」

「そうやってムキになって〜、やっぱりマー坊を余所に押しつけて辞めさせて、

阻害キングの地位を守りたいんじゃねぇのか?」

「違うわ!・・いいだろう!僕があいつにその資質があるか試してやる!」

 

・・フィッシュ・・♪

 

「男に二言はないぜ、んじゃ、タイム団長殿・・ご承認を♪」

「む・・わかった。スクイード君の熱意を認め彼の指導を託そう」

今まで黙っていたタイムも静かに笑いそれを認めた

ナイスだ・・これで言い訳はできねぇ

「だ、団長・・」

「すまんな、まぁ無理にとは言わない。資格がないと感じまた彼が不満を漏らせば外させよう」

「まっ、そういうこった。がんばんな・・スクイード。」

「・・ぐっ・・い、いいだろう!元々テント群は正規者が少ない!その程度の世話ぐらいやってみせる!」

やけっぱちに胸を張るスクイードはん・・だが・・

「正規者が少ないのはわかるが世話になってんのは寧ろお前じゃねぇのか?」

指揮官としてのスキルこそ持っているが実力そのもので考えるとスクイードは一番・・じゃあない。

まぁそれでも平均的な騎士よりかはよほど使えるんだが周りが異質過ぎるからな

因みにテント群最強はシトゥラさん、ぶっちゃけルザリア騎士団全体で見ても2位かな

1位?・・俺じゃん♪

「うるさい!やってみせるさ!」

「ははは・・まっ、マー坊の件についてはタイム一人じゃなくてルザリア騎士団の問題だからな。

他の面々も手が空く時があるなら手を貸してやってくれよ」

「しょうがないわねぇ・・。馬鹿な事言っているならシトゥラさんの幻術でからかって上げたら?」

「脅しにはなるか。幻覚を見せるのも精神を鍛える修行にもなる」

「再起不能になるような幻覚は後を引きますので遠慮してくださいね・・」

こういう時って何気にシトゥラに注意しとかないといけないよなぁ

あの里にはマー坊みたいなヘタレはいないんだから加減がわからんだろうし・・

「まぁ、そういう事だ。んじゃ・・それでしばらく様子見ておくれよ」

「・・ちっ、偉そうに・・。では、団長・・我らは職務に戻ります」

「うむ、スケジュールは君達に一任する。厄介だろうががんばってくれ」

最後にタイムが締める、

まぁ不満そうな顔を浮かべているのはスクイードとカチュアぐらいだがそれでも了承

かくしてテント群一同は団長室を後にしてこの時点にてマー坊の世話は俺の手を離れスクイードの元へと渡された

 

 

「・・これで大丈夫かしら・・?」

二人きりになった途端タイムの表情が崩れる、仕事も大変だからなぁ・・

「まっ、なんとかなるんじゃねぇの?

ダメならダメでそれでいいだろう、どうせ逆らうだけの度胸もないんだし」

「そうね・・でも、教える事が基礎を飛び越えて実戦中心というのも・・」

「んなもんキースやカチュアもそうだしシトゥラなんて教育なんて関係ないだろう?」

騎士の基礎訓練を学ぶ学校での授業ってのはそれほど実用的なのか今ひとつ理解できん。

退屈な時にニクスに聞いた事があるんだけど〜、基本的には体力付ける訓練なんだってよ。

何でも丸一日同じ姿勢で立ち続ける任務や剣を構えたまま数時間待機する場合もあるから鍛えろって言われたそうな・・

 

・・・・・・、教える事ズレてねぇかね?

 

丸一日立っているだけってルザリアじゃ考えられないしなぁ・・

おおよそ地方の暇な都市勤務かどこぞの警備ぐらいじゃねぇかな。

剣を構えるにしても待機する時間ってのを見極めるのが指揮ってもんだろう

もしそんな命令をしているのなら本当に馬鹿だな

まぁ一般的な騎士の仕事には必要なのかもしれないが〜、

ルザリア騎士団に必要なのは
寧ろ応用性・・だな、

そら体力も必要不可欠だが一日中突っ立って景色眺める程退屈でもないし

重大事件などの突入時の指揮は主にタイムが務める。

そんなマヌケな指示など出そうはずもない・・

マニュアル化されたもんだから実戦慣れしにくいヘタレ騎士が配属されていくんだよ、ったく。

 

「それもそうね・・、まぁいちいち彼の事で時間を掛けるのも馬鹿馬鹿しいし・・放っておきましょう」

「なはは・・タイムさん、毒舌ですねぇ。

まっ、それも仕方ないか・・仕事の方もだいぶ落ち着いてきているな?」

「騎士業務のみなら溜め込む事なんてしないわよ・・、まぁ、また来るらしいけどね」

珍しく嫌そうな顔を浮かべるタイム

自分の専門外、加えてとばっちりの仕事となればそらいい顔しないよなぁ・・

それでなくとも働きづめなんだし

「失踪した領主の替えはいねぇのかよ?」

「領主としての責務を辞退したと明言していない以上それもできないみたいなのよ

ひょっとしたら失踪じゃなくて拉致かもしれないでしょう?」

「・・・どっちでもええやん。いてもいなくても同じなんだし」

「それは同感なんだけどね、一応そういう決まりらしいの。

領主の動向を調査するらしいからその内新しい領主がくると思うのだけど

それまでの間は私に余計な仕事が回ってくる事になっているわ」

「ははは、まぁ・・ご苦労さん。

手伝う事あれば手伝うよ、なんなら印鑑押しは俺が引き受けてもいいぜ?」

難しい専門知識を必要とする事でもないからなぁ・・

責任ってのはあるんだが常識さえ持っていたら基本的には誰でも出来る作業と言ってもいいだろう

「ありがと、でも・・本当に任せてもいいの?」

「ああっ、俺は基本的に自由人だからな。それにこの間だって後から目を通しても問題ないだろう?」

「・・それもそうね。それじゃ、今度来たらお願いするわね」

ニコリと笑うタイム、うむ・・余計な仕事だが疲れたタイムが笑ってくれるならば安いもんだ

 

「任せておけって。──っと、それよりも大事な仕事を忘れていたな」

 

「・・大事な仕事?体術の指南でも行うの?」

 

「何言ってんだよタイムさん♪

俺の中で一番大事な仕事って言ったらこの場でタイムに『元気』を注入してあげる事じゃないか♪」

 

オフィスラブ、イズ、エキサイティング

オフィスラブ、イズ、ファンタスティック

オフィスラブ、イズ、エブリシング

男の情熱と夢って奴ですね♪

「な・・何言っているの!?」

「だってこの間から忙しくてシてないだろう?

トロトロ〜っとしたゲル状の白濁液を濡れた膣内に沢山射精してあげないとさ」

「露骨な言い方しない!!

大体クロの家のメイドさんが来てからここでは控えてきているでしょう!?」

──まぁな、育ての親のピンチとなれば手を貸さないといけないとこの屋敷で雇った事になったが

その分ここで交わる回数が減ってきた。

メイドさんだもの、微かな変化にも気付くし俺とタイムにはプラトニックにお付き合いして欲しいらしいんだよ・・

「でも大分シてないだろう?スッキリしたくないかい?」

「・・それは・・私も・・シたいけど・・」

「なら問題はない。愛の営みは全てにおいて優先されるものよ・・」

「だけど・・」

「安心しろぉ、ちゃんと鍵かければ問題ない。それにベイト達も俺達の楽しみを奪う程野暮じゃないって」

基本的にヤっている事は犯罪行為ではないんですからね。

同意の上でやっているスポーツですよ、スポーツ。

私投手、タイム捕手って事で

「・・ばれないように・・シてよ?」

恨めしそうに俺を見るタイムだがすでに羽ペンをペン立てに置いている

何だかんだ言っても欲しいんだよ

そんな訳で座りながらも体を俺に預けるタイム、久々なのでまずはネッチョリ唇を合わせる

 

「ん・・むぁ・・んん・・」

 

何だかんだ言っても自分から舌を絡めてくる、

規律に厳しく常に大局的な視点を心がける冷静な女騎士団長がこうも積極的に、

かつ恥じらいを見せながら舌を動かすのは非常に興奮させてくれる

「んっ・・なんだよ、いつもより念入りじゃないか?」

「馬鹿・・、私だって・・我慢しているのよ?」

上目使いで拗ねた顔、それだけで股間は大膨張です

「そりゃ失敬、ならば十二分に満足させてやるよ」

「うん・・クロ・・」

「タイム・・」

ゆっくりとスーツの上着に手をかけ再び唇が近づく・・

 

『は〜い、そこまでです〜』

 

!!!!!!!!

 

「この声!ミーシャか!!?」

馬鹿な!団長室には俺とタイムしかいない!

だがこの気の抜けた声はメイドのミーシャに間違いはない・・!

咄嗟にタイムから離れて周囲を警戒するもその姿はおろか気配すら掴めない

タイムも身なりを整えて必死に団長の顔を作るも動揺しているのかボロが出ている

 

『は〜い、ここです〜』

 

クローゼットの扉が少しずれてそこから蒼い流髪のほっそりメイドミーシャの姿が・・

「ミ、ミーシャ!!!そんなところで俺達を監視していたのか!?」

「違いますよ〜、私はお部屋のお掃除をしていたのです〜」

・・う、嘘くせぇ!!

「掃除をしていたのならそんなところに入っている訳ないだろうが!」

「見えないところまでお掃除するのがメイドのお仕事ですよ〜?

坊ちゃんは気になさらないかもしれませんがそういうのは大事です〜」

・・・いや、クローゼットの中の掃除に時間を裂くのはもはや潔癖性の類だろう・・

「り、理由はどうあれだな・・のぞき見は趣味が悪いぞ?」

「見るつもりはなかったのですがね〜、ですが〜、不純ですよ〜?」

「・・・・・・」

不純って言葉にタイムは顔を真っ赤にして固まっちまった・・

「これが世界のスタンダートだ。ミーシャ達にはわからない境地なのさ」

 

『いいえ、それは間違いですよ。坊ちゃん』

『・・そうです。男女の営みは少なくとも日が沈んでから寝床にて行うものです・・』

 

増援・・、

この声はジョアンナにアイヴォリーか!

・・ってか二人とも何気に窓から顔覗かしているんですが・・ここ、二階だぜ・・?

「はいは〜い、開けますね〜♪」

それにミーシャが窓を開いて無事合流、

メイドの癖してロッククライミングぐらいは平気でやりそうだな・・

脚立も何にもなしに昇ってきた感じだ

「二人とも〜、お仕事の途中じゃないですかい?」

「庭掃除の最中でしたが、坊ちゃんの性教育に対して指導を行う方が優先されます」

指導と良いながらも軽くシャドーをしだすジョアンナさん。

うわっはぁ、左ジャブのキレは流石だなぁ・・

たぶん髪とか切れるよ・・

「右に同じく。坊ちゃんの不埒な行動にタイム団長が迷惑がっております・・いけませんよ」

アイヴォリーがピシャンと正す、迫力ではヴァーゲンシュタイン四メイド一です

「両者の合意の元だ!なぁ、タイム!?」

「・・そうなのですか?団長?」

顔が真っ赤なタイムに問うアイヴォリー、

いかん・・俺と二人きりなら応えられるが今の状況では・・

 

「・・・・・・・、ク、クロムウェルが・・無理矢理・・」

 

やっぱり!

でも蚊の鳴くような小さな声は葛藤故ですか!?

「っという訳です。さて・・坊ちゃんには指導が必要のようですね。

ここは心を鬼にして
久々に坊ちゃんの矯正を行うと致しましょう」

「マジデスカ!!?冗談じゃない!こうなりゃ撤退あるのみ!」

タイムとイチャイチャしたかったがこの状況下では無理なのにも程がある

加えてアイヴォリー達がいたとなれば幾ら俺でも強くはでれない

怪我する前にトンズラするズラよ!

 

『逃げれませんよ、坊ちゃん』

 

何っ!?伏兵だと!

唯一の退路にして本来の出入り口である扉から現れるは扉全体を覆わんばかりに仁王立ちするベイト!

「何時の間に・・!」

ってか止まれないーー!!

「坊ちゃんの考えなど丸わかりです、はい」

ボスっとドッシリとしたベイトの体に突っ込みながらすかさずホールド、こうなりゃもう動けません

「わかった、降参します、勘弁してください」

「それで済むなら騎士はいりません。タイム団長に対しての無礼、

坊ちゃんを育てた私達がきっちりと直さないといけません。では・・参りましょう」

「参りましょうって・・まさか・・全員で!?」

「久々だからね、坊ちゃんも耐えられるぐらいに成長したでしょう?」

「そうです。嫌がるレディに強引に迫るのは男子にあるまじき行為、この程度は当然です」

「ん〜?そんな感じじゃなかったような気がするのですが〜、まぁいいでしょう〜♪」

乗り気になりやがって!!

 

「よくねぇ!ってかあれは死ぬって!タイム!助けて!!」

 

「・・クロ・・、ごめんなさい・・」

 

俺の必死の叫びもタイムに届かず・・

ってか何としてでも自分からオフィスラブを望んだ事を隠すつもりだ!

相当恥ずかしいんだなぁ・・って言っている場合じゃない!!

「坊ちゃん!男が女に助けを求めるなど論外です!良い機会です!今日はみっちり手合わせいたしましょう!!」

「のぉぉぉぉ・・・・・」

 

 

・・・結局、その後ベイト達集団と手合わせする事になり・・凄惨な目に遭ってしまった。

一芸なら俺より遙かに秀でているベイト達、それが四人で俺の相手をするんだ。

どうやっても勝てはしない。

そうこうしている内に噂のあれが炸裂・・

まずミーシャが超高速で接近し関節にダメージを与え間髪入れずにジョアンナがボディに連続でブロー

顎が下がったところにアイヴォリーがダブルサマーソルトをかまして宙に浮かんだところを

ベイトがフライングDDTで脳天を砕くという最強無比な極悪コンビネーション

『DMC(デンジャラスメイドコンボ)』をまともに受け

そのまま意識を失う結果となった・・

ふっ・・名誉の負傷・・か


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