終話 「限りなく人に近い人形」
俺がヘキサを倒してから5日が経過した。
結局のところ俺が奴を倒した時点でルザリアオールスター&パッキンケダモノもMV撃破に成功しており
領主屋敷を完全制圧する事ができた
屋敷には確かにギーグの野郎が捕らえられており召還された魔物も駆除は完了・・
ルザリアはその夜の内に解放された
避難している住民はとりあえずその日はもう一晩避難所で過ごし
騎士団が魔物の死骸を撤去してようやく自宅に戻る事ができたようだ
ハイデルベルク騎士団の応援の甲斐あって復旧はすぐに終わり2日もしたら徐々に元の状態に戻ってきた
・・が、流石に今回の戦いはルザリア騎士団の面々には負担が強すぎた
『結界崩しの結界』を行ったアンジェリカは魔力の使い過ぎで未だベッドに寝込んでいる状態だし
各部署の騎士達も負傷者多数、重傷者も多くMVと戦ったシトゥラでさえ傷だらけだったそうだ
そして、俺・・。
いつもの肉体酷使に加えて魔力の使いすぎ、
止めにミーシャの千手観音まで使ったのでもうズタズタボロボロ
歩き回れるようになったのはつい先日ってな訳でまだ戦闘もできない状況だ
医療物資も満足とは言えないが名医クライブの活躍により
治療は最優先で進められ他の騎士達は続々と完治された。
名医がいる街っていいね
これだけルザリア騎士団も打撃を受けたが、悪い事ばかりってわけでもない
避難生活を強いられた住民からは今回の騎士団の働きを賞賛し、
またハイデルベルク騎士団本部からも都市を守りきったという事でお褒めの言葉が来ているんだとよ
まっ、それに応えていられるタイム団長でもなく貿易中継社に対して
都市機能が回復した事の通達だの事後処理に追われていた
・・あいつも結構手傷を負ったんだけど・・代表者は違うね、全くに
倒れてしまわないように適度なところで強制的に休ませるようにニクスには言っておいたよ
とりあえずはそれにて都市機能は完全回復、後は主犯格ギーグの護送だ。
一応観念しているのか抵抗の素振りは見せず自供も行っているがあくまで単独犯だと主張。
自身が造り出した魔物で都市を破壊したいとか言っているが裏がいるのは明白だ
そんな訳でギーグは本部にて詳しい取り調べを受ける事になり
帰還するハイデルベルクの増援隊が護送する事になった
しかし先のラベンティーニの暗殺の事もあったからセシルに頼んで同行してもらった
まぁ、ルザリアを荒らした野郎だから殺す気満々だったけどタイムの説得もあって嫌々引き受けてくれた
奴がいるならうかつに手は出せないだろう・・
・・それでも真実が明るみになるのかはわからないけどな
そして俺は、ベアトリーチェの言葉通り、皆に一声かけてからプラハ近郊の館へと馬を走らせるのであった
・・・・・・・
「ようこそ、よくきたねぇ・・まぁ何にもないところだけどゆっくりしてくれよ」
招かれた居間であの妙に明るい口調でやってくるはベアトリーチェ。
感じは全く変わっちゃいないなぁ・・・
ってか何にもないってのは本当、プラハ郊外の林道を延々と進んだ先、
周囲が森の中にある館にたどり着き
どこから見ていたのかあのホムンクルスメイド達が玄関先で出迎えていた
まぁその割には館はごく普通であり別荘と言ったところだ
「まぁ、急かされてもゆっくりせざるおえないけどな・・」
「はははっ、随分とボロボロじゃないかい。流石のクロムウェルも今回は堪えたかい?」
・・わかっている癖に・・
「まだちょっとかかるよ。重傷には違いないんだからな」
「そりゃそうだ。まぁ大したものさね、ルザリアの方も落ち着いてきているようだしねぇ」
「ああっ、もうほとんど元の生活に戻っているよ。確か今日から交易隊が到着するそうだ。
──それと、ギーグの野郎は無事ハイデルベルクに到着して尋問が開始されるそうだぜ?」
前の一件があるから警戒しろとは言ったけど、いざ何もないと何か・・な
「まぁ奴に関してはレイヤードは手を出さないだろうさ。
例え拷問に遭っても単独犯という主張を貫くだろうし隙を見せたら自殺するだろう」
「断定するね」
「そりゃあねぇ・・。ラベンティーニとかと違ってギーグはレイヤードに忠誠に近いモノを持っている。
だからこそ命令に忠実であり他に被害が及ばないように真実を明らかにはしない・・。
オカルトな神様を崇めるテロリスト達と同じさ」
つまりは骨の髄までお馬鹿さんって事だな、それだけに始末が悪いや
「なるほどなぁ、だが俺はレイヤードの存在を知っているしハイデルベルク騎士団本部も馬鹿じゃない・・
完全に隠しきれるものじゃないぜ?」
「それは覚悟の上さ。今回都市制圧の本当の仕掛け人もそれは承知しているだろう・・
そうまでして現勢力で有力騎士団が守る都市を制圧できるか実験をしたかったのさね」
「・・それをやる意味は?」
「さて・・ね。例えるなら『世界征服』って感じかねぇ?」
・・うわぁ・・
「ベタだね」
「例えだよ。それぐらいスケールがでかくてそれぐらい阿呆な事を企んでいるのさ、レイヤードは」
・・・・企む、か
「なぁ、ベアトリーチェ。そこまで知っている理由ってのは・・やっぱ駄目なんだよな?」
「──あ〜、すまん。だがいずれお前さん自身もそれを知る事にはなるさ・・
今回の一件でわかっただろう?レイヤードに対抗できるのは既存の騎士団では無理だって事・・」
確かに、ルザリア騎士団だけならばいずれ数に押し潰されていただろうな
状況を動かしたのはセシル、奴らを追い込んだのはフィートやアンジェリカ
正規の騎士じゃない。
いあ、一人元騎士だけどね・・
「そうだな・・。騎士ってのは討伐以上に防衛が大切、
こうした事態だと非戦闘員の保護を最優先にする分、事態を動かす力は微弱か・・」
「その通り。正直なところ・・レイヤードが本格的に動いたとなるとそれに対抗できるのはユトレヒト隊や
お前さん、もしくは最近話題のニース騎士団ぐらいなもんさ」
「ニース・・アル達か」
確かに、アルのところはバラエティ豊かな人員だからなぁ・・
普通の騎士団とはまた違うか
機動力高そうだし・・
「まぁ、だからこそ今回の一件はお前さん自身の力で切り払ってもらいたかった。
だからそのための用意は手伝うけど後はお前さんに任せたってわけだ。
観戦の理由はそういうところさ」
「納得した。それで・・そろそろ本題に入ろうか、ヘキサは?」
ここに来るまでで奴の姿は見ていない
っと言っても仲良く同居しているとも思えないんだけどな
「了解したよ、ついてきな」
そう言うとさっさと立ち上がるベアトリーチェ、別の場所か・・
軟禁室?
・・ともあれついていくか。
・・・・・・・・
ベアトリーチェに連れてこられたのは館の地下。
普通の別荘と思っていたのだが地下はそれを覆す程に広い・・
いくつも研究室っぽいものがあったが流石に勝手に覗くことはできず
そのまま地下通路の一番奥まで連れて行かれた
中は無機質な岩の倉庫、
っとは言えども何か馬鹿でかい培養ケースみたいなのが部屋の大部分を陣取っているが中は空・・
部屋の天井から鎖が二つ垂れておりその下にヘキサはいた。
全裸で膝をつき両腕を鎖で繋がれている。両足首にも枷が付けられ鎖が伸びている
半身を起こした状態なのだが頭は垂れ下がったまま、体はピクリとも動かない
それでもその肌にあった傷は綺麗になくなっていた
すごいな、あれだけ焦げさせたり突き刺したりしたのに元通りだよ・・
「生きているのか・・?」
「もちろん、会わせてやると言っただろう?勝手に殺すかい」
「その割には随分な状態だと思うんだけど・・」
すっぽんぽん&しっかり拘束しているし
「そうでもないさね。この姿勢の方が体の状態が把握できるもんだよ・・
まぁ数日前まではそこのケースで治療していたんだがねぇ」
「なるほど、だから全裸か・・。でっ、ベアトリーチェはヘキサに何の用があったんだ?
見たところ気絶しているんだが・・」
それも秘密・・か?
「別にヘキサ自身に何かを聞こうとは思っちゃいないよ、
そもそもこいつにはそこまでの情報を教えられていないだろうしねぇ」
「だろうな、『俺を殺す』・・それを第一にしていたんだからレイヤードの情報なんざ関係ないか」
それでも俺にとっては知らない事は持っていそうだが・・
ベアトリーチェにゃ有益でもないか
「それが普通だ。時にクロムウェル・・お前は人とホムンクルスの違いってわかるかい?」
「んっ?身体能力とかそういう事じゃないのか?」
「ん〜、まぁ外れじゃない。しかし決定的な違いってのがあるんだ、
ホムンクルスってのは人とは違い初めから目的があって造り出される・・
故にそれ以外の事を知る必要がなく人と同じ感情を持つ事ができないんだ」
・・確かに〜、人間は何をするために産まれてきたのかってのは永遠のテーマって奴だからな。
ホムンクルスは人がそれを決めている、
そしてそれに適した能力と適した思考を植え付けるってわけか
「MVなんかがそうだな。自我ってもんがなさそうだし」
「その通り、奴らは自我すら渡されていない。ただ命令に忠実な人形さ・・
ファミリアたんやスレイブたんも似たようなモノ。
私が感情を授けてやったがそれでも自身が人形と思っている以上『人に似たモノ』でしかない。
二人とも私の最高傑作と言っても良い・・が、それが人間かどうかと言うと・・わかるだろう?」
そうだな・・・ファミリアとスレイブはすんごい美女で何事もそつなくこなす。
だが感情ってものは感じられず余りに整い過ぎていて人形に見えてしまう
「でもホムンクルスはホムンクルスだろう?人間とは違う」
「それはわかっている・・が、人の形をし人の心を持つのならばホムンクルスは人と変わらない・・
ヘキサにはその資格がある」
「資格・・?でもヘキサは俺を殺すために創られたんだろう?」
「だが今回のこいつの行動はおおよそクロムウェルを殺す事のみを設定されたとは思えない。
調べてみたがこいつには私が造りだした以上の思考回路を持っている。
つまりはこいつは現状最も人間に近いホムンクルスなのさ」
・・確かに、ファミリアとかに比べて見ても人間的って感じがするよな・・
俺はファミリアとスレイブの考えている事はよくわからないがヘキサならその考えは読み取れる
「なら、どうするつもりだ?」
「私ゃ・・ヘキサには人間として生きて貰いたい」
「──お前が造ったんじゃないんだろう?」
「誰が造ったのかなんてのは些細なことさね、
まぁこいつの制作者はおそらくはこの世で最も歪んだ女だろうけどさ。
・・・・人形の末路はいつも惨めなものさ、
下手に自我を持っているとそれはさらに酷くなる
造り手としちゃ・・そういうのは苦痛に近いのさ」
「・・子を思う母の心境・・ってか?」
「ははっ・・そんなに神々しい考えじゃないさ。
ただ、使い捨てになるよりも自身の考えて最後まで生き抜く方が・・・いいだろう?」
「そりゃ・・な。でっ、そんな事できるのかよ?
感じからしてまだ俺の命を狙いそうなんだけど・・」
流石にそう何度も手合わせはできねぇぞ。こいつは半端じゃねぇ・・
「さてねぇ・・とりあえずは本人に聞いてみるか?ほら・・起きなよ」
軽く前に出てヘキサの頭を軽く撫でる・・するとヘキサの瞳はうっすらと開いた
・・そこらは人間っぽくないな
「・・ここは・・」
状況判断を見ても何かわからない様子のヘキサ、だが抵抗はしない・・
察するに体は動かせないのだな
「起きたようだね。見事な回復力だよ、まったく・・」
「っ、貴様は・・確か・・」
・・ベアトリーチェの顔を見て驚いている・・ヘキサは知っているのか・・?
「私の事などどうでもいい。それよりも隣にいる男に話があるんじゃないか?」
「男・・っ、クロムウェル=ハット・・!」
鋭く睨んでくるヘキサ、様子からして敵意丸出しだ
「よう、元気そうだな・・」
「貴様がいるという事は、またも失敗か・・」
「その通り、あの戦いでお前はクロムウェルに敗北した。
その後止めを刺される前に私が確保したんだよ・・
あの時の傷はお前の回復能力を大きく超え魔導回路は完全に破壊されていた。
今目が醒めたのも奇跡に近いかね」
「ふん・・敵に施しを受けるつもりなどない」
雄々しいもんだ、まぁ負けたから大人しくなるような奴じゃないとは思っていたが・・
「ならばどうする?現状ではクロムウェルには適わない事はお前なら理解できたはずだ。
このままでは任務は達成できない・・
ならばどうするか・・、『あの女の元に戻る』・・それしかないだろう?」
「・・・・」
「だが、それは間違いだ。あの女はそこまで寛大じゃない・・
しくじったお前の末路は戦士としてではなく家畜として繁殖用の雌にする事だよ」
「なん・・だと・・?」
「お前は最も人に近いホムンクルス、おそらくはあの女からもそう言われているだろう?
役に立たないならその性能と情報を次に引き継げばいい」
引き継ぐ・・?
「どういう事だよ?ベアトリーチェ?」
「先にも言ったようにヘキサは人に近いホムンクルスだ。
だからこそ、他のホムンクルスにはない臓器もあるんだよ
・・子宮さ」
「・・子宮・・?」
「そう、使い捨てに人形に生殖能力なんてものはいらない。
性処理用に似たモノを持つホムンクルスもいる・・
だが、それがきちんと機能するのは今まではなかった
しかしヘキサのは違う、調べたが人間のモノとまったく同じだ・・寧ろそれよりも性能が良いぐらいだ
つまりは初めからヘキサにはその能力を引き継がせるように設計がされていたのさ」
「馬鹿な、ホムンクルスが子を孕むだと・・?」
本人が驚いているところ、それを知らされてはいなかったようだな
「不可能じゃない。ヘキサ、お前は限りなく人に近い女だ・・
子を宿す事など何の不思議もないし、
ホムンクルス自体は人の細胞を弄り培養してできる産物だ
元々不可能な話ではない」
「だけどよ、ヘキサは最初から俺を殺すためだけに創られたんじゃないのか?」
それだけが目的なら子宮だっていらないだろうし
「それだけのためにこれだけの手間などかけるかい。
奴らもそこまでお前さんにマークをしていないよ、
あの女にしてみればクロムウェル=ハットを倒す命令はヘキサの出来を確認する単なる実験に過ぎない。
それが確認できたら適当にデータをとり続けた後に繁殖用の実験動物にさせるつもりだったのさ
新しく培養するよりかは既存のホムンクルスが仔を産んでくれた方が成功率は段違いだ
産まれた仔もちょいと弄れば・・すぐに使えるようになるだろうからね」
「馬鹿な!そんな事があるはずがない・・!」
憤るヘキサ、その女ってのは俺はよくわからんが・・相当イカれているようだな・・
「感情を与えそこまで人に近づけたのは各自命令に忠実に動きつつも
個人の判断を最大限に活かし行動させるため・・
ヘキサ、お前は最初からMVに変わる新しい戦力のための道具に過ぎなかったのさ」
「・・くっ!」
「信じられないと言った様子だね。なら・・証拠を見せてやるよ」
そう言うとベアトリーチェは身動きの取れないヘキサの後ろに回り肩に軽く手を添える
すると触れられたヘキサの右肩が静かに光り六角形の紋章を浮かび上がらせた
「っ!?う・・あぁ・・体が・・!!」
その途端にヘキサの様子が変わった、なんだ・・悶えている?
「おい、どういう事だ?」
「身体能力の高くこれだけ誇り高い人格をインプットしているんだ。
繁殖用の雌になるときけば反対し暴れる事を予測していたのだろう
ヘキサの体には色々と特殊な回路が組まれている。今その中の一つを発動したのさ・・」
「ふぅぅ・・ぐぅあ・あ・あ・・・熱い・・!体が・・!」
「抵抗をなくし雌として最大限に活躍できるように強力に発情させるよう仕組まれていたんだ。
しかも念入りな事にその効果は普通の女なら耐えられないぐらいのモノ・・
媚薬なんて生やさしいものさ」
「んんんん・・!こ・・こんな事が・・!!」
全裸で拘束されたまま顔を真っ赤にして悔しがるヘキサ・・
確かに、体が熱にうなされているかのように火照っており乳首はピンと立っている
おまけにアソコからは何もしてないのに透明な液体がドンドン溢れている
「これでわかっただろう?
お前はあの女の元に還ると道具に成り下がってしまう・・私はそれを止めさせたいんだよ」
そう言い再び肩に触れた瞬間、紋章は消えヘキサの体はどうやら元に戻ったようだ
「はぁ・・はぁ・・くっ・・だが・・私にどうしろと言うんだ・・!」
「『人』として生きて欲しい。
どう生きるかはお前次第だ・・、このまま雌として発狂死させるのにはお前は惜しいからね」
「私を利用する気か・・?」
「そうでもないさ。・・・・私の事は知っているだろう?
全てのホムンクルスに対する贖罪・・っとでも思ってくれたらいいさ」
「詭弁を・・」
「だが、お前にはその方がいい事はわかるだろう?
このままその狂った感覚に意識を食いつぶされるか、
人として何をすべきかを考え己を磨くか・・ね」
「・・・・」
しばらくベアトリーチェを睨んでいたヘキサだが視線をずらして舌打ちをした
「決められないかい?なら・・しょうがないねぇ・・。クロムウェル」
「なんだよ・・、殺せって言うんじゃないだろうな?」
「違う違う、ヘキサを犯せ♪」
なっ!?
「おい!」
「お前に仕組まれた快楽がどれほど危険か・・実際に犯されて体験するといいさ。
それでもう一度考えると良い」
・・そういう事かよ・・
「クロムウェル=ハット・・貴様・・」
「・・はぁ、わかった。だが、これはタイムには内緒な」
「わ〜ったよ♪まったくに・・恐妻家かねぇ・・?」
「籍は入れてねぇよ!・・そんな訳だ、ヘキサ。
誰だか知らねぇが今の話を聞いた限り、お前はその女のところに戻るべきじゃない。
そんなわけで・・道具みたいに犯される事がどんな事か・・しっかり体験させてやるよ」
「何を戯れ言を・・っひゃ!!!」
俺を睨みながらそう言うものの快感のスイッチを入れられて途端に悲鳴を上げる
何もしていないのに小刻みに震える体、その顔は懸命に耐えている
「体も動かないだろうけど・・腕の拘束はそのままにしておくよぉ・・足は解放する。好きに犯しな♪」
そう言い足枷を解くが・・余計なお世話だな
「いいだろう。うし・・ヘキサ・・、覚悟はいいな・・?」
乱暴に犯した方が良い・・何の遠慮もなくその様子を見ておっきくなった息子を解放させる
「・・ひっ!?な・・なんだ・・それ・・は・・?」
俺の息子を見て思わず悲鳴を上げている
・・すげぇな、あのヘキサが怯えているよ
「何って、男性の生殖器だよ。これをお前の中にぶち込んでやるのさ」
「っや!止めろ!そんなグロテスクな物体が・・入るはずがない!!」
何とか首を振り叫ぶものの体の言う事が聞かないのか俺のなすがまま・・
その間にもヘキサの足を取り大きく股を開かせる。
秘部は凄まじい濡れ様、熱を帯びており今にも溶けそうになっている
ってか陰毛がないのは趣味か・・?
「ほら・・入れるぜ・・。お前が戻ったらこれが毎回繰り返させるんだ・・」
そう言い肉棒を添えて・・
「やめ・・!」
ズブ・・
一気に貫く!
「うぐぅぅ!!!ひぃ!あぅ!!はぁ・・はぁ・・!」
処女膜を貫き挿入された感覚にヘキサは体を震わせる
「ほら・・お前の中に入ったぜ・・」
「やめ・・ろ・・。くっ、体内に・・異物が・・」
荒い息を吐くヘキサ、表情としては苦痛なのか快感なのか判断がつきにくいが・・
痛みに耐性がある以上快感が勝っているんだろう
「その異物を美味そうにくわえ込んでいるのはどこの誰だよ?
まったく、すごい締め付けだなぁ・・。こんなにキュウキュウ締め付けて・・
俺に抱かれるのを待ちこがれていたのかぁ?」
・・何か、俺が悪役みたいになっている気がするが・・まぁ気にしないでおこう
「違う・・私は・・違う・・ぅ!っあ!止めろ!動かすなぁ!」
「嫌なこった。お前が戻らないと言うまで動き続けてやる」
「ひぃ!っあ!やめ・・・・!抉るな・・!」
俺の突きに合わせて体を揺らす人造の体・・
興奮しているのか汗が滲み出ておりその胸は豊かに揺れる
「おらおらおらおら、気持ちいいだろう?倒すべき相手に犯される感想はどうだぁ?」
「あん!ひぁ!いやぁ・・!やめ・・ろぉ!」
なすがままのヘキサ、強気の姿勢はすでになく息を荒くしながら恥辱に耐えている
「どうだい・・?狂おしいだろう?」
ヘキサの耳元でささやくベアトリーチェ
なんか、こいつ自身楽しんでいないか・・?
「くぅ!体が・・跳ねて・・頭が・・かき回される・・!何も・・考えられなく・・!」
「そうさね、あそこに戻るとお前は永遠にその感覚に包まれ頭を壊される
何も考えられなくなり、犯され産む事しかできなくなるんだ」
「い・・やだ!こんなの・・っああ!やめろぉ!私を・・犯すなぁ!」
激しい攻めに喘ぎながら拒否をする
強気な女がこうも無抵抗に快感に流される姿は見ていて興奮する
それが俺を追い込んだあのヘキサなら尚更だ
「くっ、処女相手にこれ以上は辛い・・!」
最近ご無沙汰だったし!
「ああっ、いいさ。た〜っぷり出してやれ」
「っ!?やめっ!やめろ!!出すなぁ!」
「くっ・・うおお・・いくぞ、ヘキサ!」
「いやっ!いやぁぁぁぁ!!!」
ドピュ!!ッピュウ!!
「ああああああああああああぁぁ!!!」
涙を流し叫ぶヘキサ、そしてその膣に俺は思いのままに射精をする
白い体はビクっと大きく震え精液を受け止めた
射精でヘキサもイっているな・・加えて体がまだ小刻みに震えている・・
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・!」
「突かれながら3回イって、射精で1回かぁ・・上出来上出来♪」
「ふへぇ・・締め付けが良すぎて持たないな」
なんか・・陵辱しちゃったけど・・
「はぁはぁ・・クロムウェル・・ハット・・」
虚ろな瞳で俺を見つめるヘキサ、敵意はない。
そら、陵辱されているとはいえども今の奴は凄まじい発情状態だからな。
「わかったかい?ヘキサ・・?」
「わかった・・から・・もう・・やめ・・」
そう言うとヘキサはゆっくりと目を閉じた
「おいおい、大丈夫かよ?」
「あぁ、精神疲労が激しかったんだよ。
普通なら発狂するぐらいの快感を得てもまだ口答えできたんだからねぇ」
「そうだろうな。あのヘキサが弱々しく喘ぎ続けたんだし」
ともあれ、ヘキサの体からゆっくりと息子さんを引っこ抜く
・・おお・・、久々だから沢山出たんだな・・トロトロ溢れてきているよ・・
・・・ってか、毛がないってすごいな・・丸見えだよ
肉芽もまだピンピンしている
剃毛プレイか・・・、
・・タイムにしたいって言ったら殺されるだろうな・・
「元々、こいつを制御するために仕組まれたからねぇ・・。まぁ、後は何とか私から言っておくよ。
クロムウェル、お前さんはそろそろ戻りな」
・・うえぇ?
「何故に?」
「嫉妬深い嫁さんに勘ぐられてもいいのかい?」
「・・・・・・・・、還ります」
長引けば長引く程疑いは強くなるし今のあいつは疲労困憊で俺を求めてくるはずだ
それが溜まれば危険も危険・・
「ははは、まぁそういう事だ。愛する男が外出していりゃ心配するのは女の常だ。
それに、ファミリアたんを睨んでもいたからねぇ・・。
ここに来ている事が不倫かも知れないと見ているかもしれないよぉ?」
「それは・・・、ないとも言えないか・・」
「そうそう、まぁどうなるかは追って知らせるよ。
だが、どのみちこいつの生を無駄にはさせないさ」
「その点は俺も同じだ。・・まぁ、頼むぜ?」
敵に塩を送るというか・・、複雑な感じだがヘキサの事情からしてみればな・・
まっ、いいか。俺も役得したし〜、ばれないうちにさっさと還るとしますか♪
──────
一週間後
それ以降ベアトリーチェからの連絡もなかったので俺もいつもの生活へと戻った
この頃になるとルザリアはもういつもと同じ状態になった、
あれだけの事があったとは思えないほど元の賑わいを取り戻している
・・まぁ、怪我人多数だったけど死者はいなかったしな。
クライブの活躍で日常生活に支障が出るような奴もほとんどいなくなった。
事後処理も一段落してタイムもようやく落ち着いた状況となり騎士業務に取りかかれるようになってきた。
まぁ、領主逮捕ってのは貴族社会に大激震を起こしたらしく次の領主もまだ決まっていないらしい
そして何よりもあのギーグが取り調べの隙を狙って自殺をしたという事がわかった
レイヤードの事を何一つ話す事はなくあくまで単独犯という事を貫いたそうだ。
流石に、違うねぇ・・。
まぁ、それでもおおよそ誤魔化せるような状況じゃない。
ハイデルベルク騎士団もレイヤード関与の疑いを強めているらしい
そんな訳で領主屋敷跡の調査とかにも情報部がやってきたりしたんだが・・まぁ収穫は無し
フィートがぶっ壊したのもあるんだがどうにも予め証拠隠滅していたらしく
地下にそれとはまた別の爆発が起きた痕跡が見つかったそうだ
結局あれだけの魔物、どこからどう持ち込んだのやら・・
「今回は大変だったね、クロ」
「そうだな〜、流石に今回は肝が冷えたな」
団長室、いつものソファに寝ころびながらもタイムと話をする
うむ〜ようやく訪れた平穏、嬉しい限りだ。
タイムも血色が良く穏やかなご様子、
プレッシャーに耐えて都市防衛を続けていたからなぁ
「クロもお疲れ様」
「いんや、タイムこそ大変だっただろ?
一カ所で防衛するならまだしも各部署毎で避難所があったんだから伝達も遅れただろうし」
「そうね・・、まぁこれだけ広いとそれも仕方のない事じゃないかしら?
小さな村なら一カ所に避難ができるけどね」
まぁな〜、ニースとか楽そうだし・・
ってアルに言ったら怒られるか
「それでもお手柄だぜ?その内新しい勲章とか貰えるんじゃねぇか?」
「別にこれ以上出世するつもりはないわよ・・それだったら・・もっとここで・・」
頬を赤らめてもじもじし出すタイム、すっかり此処で交わる事の虜になったようですな・・
だが、それは・・無理だ。
いつどこでミーシャやアイヴォリーが監視しているのかわからない・・
「まぁまぁ、その内ベイト達も理解してくれる時がくるさ・・
オフィスラブの素晴らしさを」
「・・馬鹿・・」
照れくさそうに笑うタイム、いいねぇ・・そそるねぇ・・♪
コンコン
・・ちっ、誰か来た。
オフィスラブには来客は不要・・、入室禁止の札でも作ろうかな・・
「開いている、どうぞ・・」
一転タイムも団長の顔に戻る、もはや達人芸ですね。
まぁ公私混同をさせないためにも顔を使い分けるのは当然っちゃ当然なんだろうけど
「・・失礼する」
そしてゆっくりと団長室に入ってきたのは・・・・・・
「ヘキサ・・?」
白い軍服に身を包んだ蒼髪のグラップラー、ヘキサ
最初に会った頃のように不敵に立っている
「っ!?貴様は・・!」
タイムも咄嗟に剣を取り俺もソファから飛び起きる
ってか・・やたらと簡単に入ってきたがもしかして・・
「安心しろ、今日は争いに来たわけではない。
それよりもタイム=ザン=ピョートル、警備がなってないぞ。
私という不審人物に気付く素振りもみせない・・それで良く先の一件を解決できたものだ」
「てめぇは企画外だろうが・・」
「そういうのを言い訳というのだ」
「それで、何をしにきた?また我らと争う気か?」
鋭い視線のタイムさん、実際は初対面ながらも報告で危険性は知っている分余裕は感じられない
「また?違うな、私の目的は一貫してクロムウェル=ハットを倒す事だ。
先の一件で騎士団が相手をしたのはギーグに過ぎない」
「そういう説明はどうでもいいんだよ。何故ここにきたんだ?」
一応はこの一件の重要参考人って事になっているんだが・・捕らえるのは難しいよな・・
「あの女・・、貴様らが言うところのベアトリーチェか。奴に事後報告を頼まれただけだ・・
私の身の振りについてな」
・・本人をよこすのかよ?ベアトリーチェさんよぉ・・
「なるほど、でっ、様子からするにレイヤードには戻らないようだな」
「──ああっ、私は奴の道具から脱し個として生きる事に決めた。
当面はこの体を鍛える事にする」
・・うへぇ・・
「それ以上強くなってどうするんだよ・・?」
「決まっているだろう?貴様を倒すためだ」
はっきりと言う・・タイムも殺気立っているよ・・
「懲りないねぇ・・」
「この一件で貴様は強くなった、だがそれよりも私は強くなり・・必ず貴様を仕留める」
「いいだろう、まぁせいぜいがんばれよ。でも、負けないぜ?」
「それは私も同じ事だ」
「ちょっと待って、クロ・・彼女をここで逃すの?」
「重要参考人・・か。だがここでやり合う訳にもいかないしヘキサは組織について知っている情報も少ないだろう
事件はギーグが起こしたって事で片付けられているなら・・それでいいんじゃねぇか?」
「・・、クロがそう言うなら・・」
「まぁ、そう言う事だ。
先の一件はこれでチャラ。事後報告をしたベアトリーチェの使いとして見逃してやるよ」
やりあうのも正直イヤだし・・
「ふん・・。だが、それで私を辱めた事もチャラにする気か?」
ピシィ!!
・・うあ・・、く、空気が裂けた・・!
別の意味でソニックブレイカーだ!
「おい!ヘキサ!」
「ふん、陵辱の報復だ。
こうする事が一番効果があるとベアトリーチェが言っていたからな」
謀ったな!ベアトリーチェ!!?
味方なんて嘘っぱちじゃないか!
「んなもん真に受けるな!ちょっとは考えろよ!馬鹿!」
「何を言う、私を犯した事には違いはない。
ベアトリーチェが言うには処置が遅かったら望まぬ貴様の仔を孕んでいたかもしれない状況だったそうだ
それだけの辱めを与えた分相応の報いを受けて貰わなければな・・。
ほぉ・・なるほど、効果はありそうだな」
恐ろしい!恐ろしいよ!!
「ひでぇ!この人でなし!!」
「私はホムンクルスだ。では・・失礼する。
いずれ相まみえる事になるだろう・・この場を切り抜けれれば・・な」
勝ち誇った笑みを浮かべ・・ヘキサは去っていく・・
残されたのは俺とタイム・・そして団長室に包まれた極上の殺意
先ほどまでの平穏な空気は正しくブレイク・・
平和って儚いものなのですね
「・・・・・・・」
レイピアを持つ手が震えている・・、
顔に影が差して表情はわからないが気配が怖いです、怖すぎです!
「タイム!ま、まずは話をしよう!」
「クロ・・」
「はい!」
「本当なの・・?」
「は、はい!ですが理由はきちんとあります!今からそれを説明するであります!タイム団長閣下!」
「しなくていい・・」
「いあ!だからちゃんとした訳が!」
「クロォォォォォォ!!!」
ひぃぃぃぃ!!!本気だ!本気で殺す気だぁ!!
ちくしょう!ヘキサにベアトリーチェ!覚えておけよぉぉぉぉ!!!!!
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