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第七話  「烈火の法王」


翌日・・、
昨日から進展はなさそうだけれども・・飯が出ないってどういうことよ?
「腹減った〜!飯食わせ〜!!」
「うるせぇ!坊主!叫んで腹が膨れるとでも思っているのか!」
「じいさんとは違い俺は育ち盛りなんだ!」
「せんぱ〜い、もう成長するとこないですよ?」
・・俺は万年二十歳だ!っうか冷ややかな眼で見るなよ・・
「でも・・牢獄に入ってから一回も警備の人間がきてませんね」
「まぁな、魔術師なんか魔法を封じちゃただの人って思っているんだろ?
お嬢ちゃんとクロムウェルも一般人扱いだからな」
「その考えが間違いだっての・・舐めやがって・・」
も〜、そろそろうんざりしてきたな。行動を開始するべきか
「・・なぁフィート。そろそろここから出て行動しないか?」
「・・もう・・ですか?
そうですねぇ・・できればキメラとかが動き出してからのほうがいいと思うのですが・・ねぇ」
「でもさ〜、それで飢え死にしたら洒落にならんぜ?」
「誰が飢え死にするまでここにいるんだ?ったく考えが浅ぇな!」
「ほっとけ!・・んっ?・・来たぜ・・」
かすかに階段を下りる音が・・
「来た・・?何が・・」
「警備兵か、捕らえた俺達を見てほくそえむ連中か、だな」
「・・私には全然聞こえないけど・・」
「ふふふっ、アンジェリカさん。俺は身体能力にゃ自信があるのだよ」
「「それだけが取り得ですね」」
エネとフィート!?初の共同作業かぁ!!
ったく〜、皆して俺を馬鹿にして〜・・
おっと、そうこうしているうちに足音の主がきた。初老の男で修道服を着ている・・
白髪を括って線で書いたような細い眼・・リーのじいさんとは正反対って感じだな
「やれやれ・・牢獄にいても騒がしいものだな」
「学長・・、どうしたんです?無実ということがわかって解放しにきてくれたのですか?」
他人行儀なフィート、こいつがアカデミーのてっぺんか・・
「無実・・?君達は島の浄水場を襲撃した犯人ではないのかね?」
「警備兵には連絡をいれて事情は言ったはずですが・・」
「そう、だが・・その警備兵も死んでしまえば証言も報告もできまい」
・・・・・、自分から本性を出しやがった。全く、勝ち誇っているのかね
「ってことはレイアードを島に入れて生物兵器を造ったのはお前の指示か」
「リー、君は優秀な法王で我がアカデミーの誇りだったが・・
余計なことに首はつっこむべきではないですよ」
「何言ってやがる、どうせ気づかなかったらそのキメラの餌にでもする気だったんだろうが・・」
「ふふふっ、勘がいいですね。
ですがキメラなどと醜悪な生物と一緒にされては困ります・・
再生、修復の理論を取り入れた最強の武器
『アルティメットウェポン』・・っと言ってもらいたいですね」
「・・やれやれ、最強を語る割には他力本願ですか・・。
まっ、自分達の手を汚したくない貴族のらしさが出てますけれどもね」
「フィート君、そう考えるのは君が人を信じないからではなのではないですか?」
「僕は信じる人を限っているだけですよ。
まぁ貴方が黒幕ならばそれを仕留めればいいわけですね・・」
「無駄ですよ、ここは魔法を封じる牢獄。いくら法王であろうとも打ち破る事は不可能です」
自信過剰・・ってか
「じゃあ魔法を使わずに出ればいいんだろ?」
「・・君は・・?」
「お前に名乗る名はないんだけど、まぁ肉体労働しかできないお馬鹿ってところだ」
「・・その馬鹿が何をするんです?この鉄格子はアルマティの錬金術が誇る・・」

ガァン!!!!

「誇る・・何よ?」
錬金合金だろうがこの程度の鉄格子、扉ごと吹き飛ばせる。
「馬・・馬鹿な・・」
「残念だけど、一般市民じゃないんだよなぁ・・」
「おのれ・・こうなったら・・(ドス!)・・・が・・」
「眠ってろ、ゲス・・。さて、今そっち開けるぞ〜・・」

ガァン!

「うわっと!おい坊主!内側に扉をぶちまけるな!」
「鍵開ける技術なんてないんだから我慢しろよな〜」
「・・この材質の扉を蹴り破るなんて・・、すごいのね・・」
アンジェリカが感心している、まぁこんなもんさ♪
「13部隊出身は伊達じゃないんだよ、ともかく・・どうする?こいつ?」
地べたに伸びている学長さん・・、
みぞおちに絶妙な加減で入れたから数日は昏倒しているだろうけどな
「あの拳の入り方だとすぐには目覚めないでしゅうし・・放っておきましょう」
「そだな、じゃあ行こうぜ〜」
や〜っと体が動かせる、なんか関節パキポキ鳴っているし・・
「え・・でも・・入り口には牢獄の監視している人が・・」
「風魔法で眠らせればいいわ。
それに・・魔法が使えなくても彼がなんとかしてくれるでしょ?」
「そうそう♪まっかせなさい♪」
やたらと俺の事を感心するアンジェリカだけどともかく上に上がってみるか

・・・・・・

牢獄があったのは地下1階、そこから階段で一階の牢獄行きのフロアがあるんだけれども・・
不思議なことにそこには誰もいない
「・・変ですね。監視員もいなければ人の気もない」
「もう外でキメラが暴れまわったんじゃねぇか?」
「それだったら牢獄の窓から爆発音や悲鳴が聞こえてくるわ。」
「じゃあ全員お昼寝だとか?」
「先輩じゃあるまいし、学長が絡んでいたとなると考えられるのは・・」

ダダダダダダダ・・・

「・・・すでにアカデミーが占拠されている・・ってことか」
扉や階段から続々出てくるマント姿の不審人物の皆さん。
深く被って顔を隠しているところがいかにもって感じだね。
「やれやれ・・すっかり囲まれましたね」
「まぁ・・そんじゃあ久々にやるか」
「おっ、じいさんがやるのか?エネがいるんだから無茶な戦いするなよ?」
「うるせぇ坊主!見ていろ!」
余裕で話をしているのに不審人物さんは苛立っているのか一斉に魔法を詠唱しだした。
「威勢がいいのは結構だが・・、法王相手にゃこの数は無謀だぜ!」
じいさん、軽く腕を振って構えた・・

パチン!

素早く指を鳴らした途端・・

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

四方がいきなり爆発し、炎が生きているように不審人物を包み込む・・
不思議なことに床とかには燃え移っていなく魔法で作り出したでたらめさが伺える
「・・相変わらず豪快ですねぇ・・」
「一気に全員を焼き払う。『烈火の法王』は伊達じゃないわ・・」
「っうか使えたんだね・・」
「はっ!まだまだ若いのには負けるかよ!」
自信満々なおっちゃん・・、まぁそれは過剰ってわけでもないだろうな。
「なるほど・・予想以上ですね」
「!?・・誰だ・・・!!!?」
不意にホールに声が響いたこの声は・・
「誰・・っとは妙な・・つい今しがた会ったばかりではないですか」
ホールより歩いてくるはあの学長・・っうか牢獄とは逆の方向だし、
俺の当身を食らってそんなに速く回復できるか・・?
「・・先輩、当身に手を抜きました?」
「まさか、入り方でわかるだろう・・」
「ふふふ・・確かにまだ彼は牢獄で伸びているよ」
彼・・?でも目の前にいるのは正しく牢獄の男のだ・・
「なるほどぉ、てめぇ自分の体を分けたな」
「おい、そんなことが可能なのか!?」
すげぇ!もしそんなことができれば完全犯罪のオンパレード!?
「可能さ、坊主、今やましいこと考えただろう?」
「・・あ・・・そんなことない!」
「ったく、禁呪の一つだ。存在自体を無数に分けやりたい放題できるって術だ。
忍がそんな術を使うらしいがこっちはさらに悪質極まりない。」
「何、合理的に研究を進めるための手段ですよ。
地下で伸びている『私』は表でここの学長として働いている役を演じているわけです。」
「なるほどぉ、そうまでしてアルティメットウェポンを作り上げたいわけか」
「ええっ、私のレイアードでの地位を上げるためには必要な存在になるでしょうからね。
すでに私の一人が街でウェポンを放っています・・結果次第では量産化もあるでしょう。
これで眼の上のたんこぶであるアルマティを潰すのと
究極の生物兵器を作り上げる二つの仕事が同時に完遂できるわけです・・」
「おいおいおい、まるで仕事が終わったような言い方だなぁ?
まだそいつを食い止める連中はここにいるぜ?」
「見栄を切るのは止めたまえ、リー君。
君は優秀とはいえども「法王」止まりの術師、他の面々もそのレベルまでは行っていない・・。
それで私に勝てるのかね」
勝ち誇っている・・全く、地下の野郎と同一人物だってのがよくわかるぜ・・
「・・へ・・『炎風』」

ゴォォォォォ!

おおっ!軽く印を切ったかと思うと炎が渦を描きながらまっすぐ学長に突き進んだ!
「ぬ・・っ!?」

パァン!

襲う来る炎の螺旋を学長は結界を張りなんとか防いだみたいだ・・が顔色が悪いな
「く・・貴様・・」
「俺を法王止まりの術師だと思ったかい?これでも日々精進しているんだぜ?」
余裕とも取れるリーのおっさん・・、さらに印を切っている・・

ドォン!ドォン!ドォン!

「ピンポイントで小規模の爆発を起こす・・全く、相変わらずの技量ですね」
「もっと正確になったわ。炎を扱わしたらアルマティ一ね」
弟子達は手放しで褒めているな〜・・、まぁ俺も感心するけどさ。
「ぬう・・これほどとは・・せい!」
「あめぇ!」
やがて巻き起こる魔法合戦、学長も魔法弾を放っているが
リーのじいさんはそれを予測するように動いている
「何してやがる!お前達は街にいるキメラを何とかしろい!」
「おい・・加勢はいいのかよ!?」
「こんな爺一人の加勢されちゃ俺もおしめぇよ!さっさと行け!」
・・あんたも変わらんやん・・まぁいいや。良い勝負っぽいし・・
「行きましょう、クロムウェル・・」
「ああ、じゃあこの場は任せたぜ!」
「行くよ、エネ・・」
「うん・・」

「貴様ら・・ここから・・(ドォン!)・・くぅ!」
「余所見はいけねぇな!学長!」
「貴様・・あくまで邪魔をするつもりか!」
「そのつもりだよ!」
ホールに響く高年齢層の叫び、やがて爆発音のみがその場を支配した・・


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