第六話  「問答無用で介護します」


「なぁ・・俺達ってこんなのばっかだな」
アカデミーの地下、何故か牢獄があり俺達が拘束・・されちゃった♪
むやみに暴れまわったとしても不利なだけだ。
ここは素直に聞いていたほうがいいってリーのじいさんが言うからその通りにしたんだよ
・・因みに俺とアンジェリカとエネがセット、目の前の牢屋には法王組がいる
ハーレム?でも薄暗いになんか好かねぇ・・
「良い事ありますよ♪・・たぶん」
エネ・・君は何時の間にかポジティブの塊になったようだね
「まぁ、むやみに動いても疑惑が膨らむだけですよ。先輩」
「それもそうだけど〜、ちゃんとレイアードの連中だって伝えたんだぜ?」
・・やっぱ裸のままで放置したのがいけなかったか?
「違えよ、こいつは上の陰謀って奴だ」
「???」
「わかんねぇ面だな、要はアカデミーの上の連中がレイアードに通じていたってわけだ。
俺達が動き回っていた事をかぎつけて良い機会に動きを封じたってわけさ」
「じゃ・・じゃあ!もう街では・・!」
「障害がなくなれば行動に移れる。
もうキメラ自体が完成していたのならば絶好の機会でしょうね」
・・なんか、俺とエネ以外はみんな冷静だね。頭脳労働者にはかなわねぇ
「おいおい、じゃあ動かなくていいのか?下手すれば壊滅だぜ?」
「まっ、壊滅する云々はどうでもいいんですが・・、
それ以上に僕達を捕らえる指示を出した人間を特定しないことには
不意打ちを食らいますからね」
「おうよ、まぁおおよその見当はつくがな。
まぁご大層なまでに魔術師用の牢獄を用意しているわけだ。下手に動けねぇな」
・・魔術師用の檻だったら俺が壊したろか?
「ともかく、しばらくは様子を見ましょう。ここは・・う・・・あ・・」
「アンジェリカさん・・?」
「あ・・う・・ふぅん・・・」
なんだ?突然アンジェリカがうなだれだした・・?
「おい、フィート?こいつは・・」
「・・発作・・ですよ。」
「発作・・?ああっ、病気のか?」
「ええっ、危険生物の寄生虫に犯されてますからね。
月に一度くらいの周期で症状が出ているのですよ・・まずいタイミングですね」
「近頃ようやく収まってきたって言ったんだがなぁ・・」
・・事情を知っている奴同士の話は分からん・・、とにかく介抱してやらなければいけないな
「おい、大丈夫か?アンジェリカ!」
「・・あ・・・や・・ぐ・・」

ガシッ!

うお・・人が変わったような目をして俺を掴んで押し倒した・・・。
なんだ?血を吸うとかじゃねぇだろうな・・
「あ・・う・・ち・・くしょう!!」
押し倒したまま葛藤したのか体を震わして俺から飛び退いた
日頃のこいつからは想像できない動きだ
「・・アンジェリカ・・?」
「触らないで!」
・・俺、野獣扱いですか?
「どうしたんだよ?触らないって・・」
「・・先輩、彼女は寄生虫のせいで発情しているんですよ。
でも少しでも精が体内に入ったらどんな生物の雄でも妊娠してしまう体になっているんです」
・・それが・・、病気の正体ってわけか
「そういうこった、男のお前がそこにいるだけで体を堪えるのに必死だ。
そっとしておいてやれ」
「・・おいおい、苦しんでいるのに放っておけっていうのか?」
何かしてやれることだってあるはずだ、いくら俺が傍にいたらいけないって言っても・・な
「・・よ・・余計なお世話よ!・・こないで!!」
「嫌だ」
「クロムウェルさん・・」
「エネはちょいと下がっていな。
アンジェリカ、悪いけれども目の前で苦しんでいる女を
放っておけない性分なんだよな・・俺って」
「やめてよ、私は寄生された汚い女よ!?発情して!
涎を垂らして耐えている!醜い女なの!」
・・・、辛い思いをしたんだな。こいつがナーバスになっているのもこれが原因か
「アンジェリカは事故で寄生された後の扱いは酷くてな、それこそ島中の笑い者になったんだ。
俺の保護がなければそれこそ教師にもなれなかっただろう」
「・・・・・」
「・・・、何・・?そ・・そんな哀れんだ顔をして!笑いたければ笑えばいいわ!
どうせ・・わ・・わたし・・なんて・・・ああ・・」
「そんなに自分を否定するなよ。辛いんだろ?俺が楽にしてやるよ」
「先輩・・、でもアンジェリカさんの寄生虫はまだ治すのは・・」
「甘いな、フィート君。前例云々は関係ない。要は気合さ」
「な・・何を・・」
「陽気を軽く流してそのクソ虫の動きを弱める。
以前違う種類だろうけれども俺の女に試したことがあってな」
以前タイムを助けた方法だ、強ければ超高温で
対象を消滅される光だが微弱だったら体を活性化できる
「・・いいわよ、放っておいて・・」
「いいわけねぇだろ!おとなしく俺の言う通りにしろ!」

ガバッ!

「い・・やぁ!」
・・ここからは大人の・・じ・か・ん♪
っちゅうのは嘘でアンジェリカを素早くホールドに後ろに周り込んだ。
「うわっ、クロムウェルさん・・まさか・・」
「ヤマシイことはせん!だからタイムへの報告はなしにしておいてくれよ〜」
っうかエネ・・手で目を抑えているのは結構だけど指間からばっちり見てますよ・・
「どうする・・の・・よ・・」
「お前の体を活性化させる・・気休め程度にはなるだろ?
ほれ、どこにいるんだ?そのクソ虫は?」
「・・・・・お腹・・よ」
「よし、じゃあ少し我慢していろ」
アンジェリカの法衣の中に手を突っ込み腹に直接手を当てる
ほっひょう♪スベスベ〜♪
「先輩・・顔がいかがわしいですよ」
「・・・はっ!いけねぇいけねぇ!」
監視員が二人もいるんだ下手すればタイムの処刑に合うことを忘れていた
ちゃんとしないとな
「・・あ・・・うん・・」
「でも・・なんか・・見ているほうからしたら強姦ですねぇ」
「ああっ、周りが見ている中で大胆なもんだぜ」
「うるせぇ!外野!ったく・・そんじゃあ流すぞ・・」

コォォォォ・・

気を溜めつつ手から陽気を放つ・・暖かな光がアンジェリカの腹部を覆い出した
「う・・そ・・?引いていく・・」
「おっ、ほんとか?効果があるってことか」
「まぁ、陽気っていうのは体内の力を上昇させますからね。
アンジェリカさんの抗体能力が高まらせているみたいですね」
「気孔かぁ、坊主も見た目よりも変わったもんを知っているじゃねぇか。
・・これだと効果がありそうだぜ」
・・・外野・・中継する暇あるならこの状況を改善する策を考えろよ・・
「・・大丈夫か・・?」
「え・・・ええ、だいぶ・・マシになったけど・・貴方、その汗は・・」
「まぁ、それだけ体力を消耗するってことだ。気にするな」
「気にならないわけないじゃない・・私みたいなのに・・」
「だ〜か〜ら〜!んなこと言うなっての!!お前だって立派な美人なんだ!
それが苦しんでいるのを黙って見ていられないんだよ!」
「・・貴方・・」
「わ〜!クロムウェルさんかっこいい♪」
「ありがとよ・・エネ。で・・その症状はいつもどのくらい続くんだ?」
「だ・・・大体一時間は・・・」
「わかった・・たぶん途中で気を失うけれどもそれまで抑えてやる」
「先輩も男前ですね〜、下手すりゃ気絶ところじゃすまないですよ」
「はははっ、これが二枚目のすることだ!フィート君!」
無謀だけれども男に二言はない!

・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・

あっ、駄目だ・・ガクッ♪





・・・・・・
「・・う・・」
・・・・・・しばらく気絶していたようが不意に目が醒めた・・
なんだか気を失ってすぐなような気もするけどだいぶ時間が経ったような気もする
「・・目が醒めた・・?」
「アンジェリカ・・あ・・俺・・」
目の前にアンジェリカの顔がある・・加えて後頭部から伝わる暖かな温もり・・
こ・・これは男憧れの48のシチュエーション一つ「膝枕」ですな!
・・って何で・・?
「ずいぶん長いこと気絶していたから心配したのよ・・」
「あ・・そうか、どのくらい気を失っていたんだ?」
「ざっと半日、魔法で回復してあげようと思ったけど
魔法障害の牢獄みたいで発動できないのよ・・」
「そっか・・まぁいいや。膝借りて悪いな。よっ・・と」
軽く起き上がる・・確かに小さな窓からは外が夜だということが分かるし
エネも寝息を立てて寝ている。
奥の二人は・・暗くてわからねぇ、月明りのみの牢獄だからな。
見えるのはせいぜい数メートルぐらいだ
「いいわよ。でもタフね、体の中の気を放出して気絶したのに半日で起き上がるなんて」
「・・まっ、前例があるしその時はもっと放出したからな〜、軽い軽い。
でっ、お前の体はどうなんだ?」
見たところ発作関係は全く見られないようだが・・
「うん、貴方の陽気を当ててから嘘のように静まったみたい。
陽気が寄生虫駆除には特効薬なのかもね」
「そっか・・よかったな。」
「・・その・・ごめんなさい。みっともない所見せて・・」
「気にするな、俺なんて何時でもどこでも恥さらしまくりだからな♪
それに比べたら屁でもねえって」
「・・貴方って本当変わっているわね
、今までの連中なんて私をヘマをした馬鹿な女としか見てなかったのに・・」
「まぁ法王二人はそうじゃないだろうけど・・、
俺は俺の気に入らない事が起こった時、俺が思うように動くだけさ。
・・後悔はしたくないからな」
「その様子だと、何かあったのかしら?」
「・・まぁな、馬鹿でも思い出したくない出来事もあるってことさ。」
「・・よかったら・・聞かせてもらえない?」
・・・俺の事を?眠れないついでの世間話か?
「そんなに大したもんじゃない。
俺が慕い俺を叱ってくれた人を助けることができなかった・・ただそれだけだ」
「・・それが今でも忘れられない・・ってわけね」
「まっ、忘れられるような出来事でもないって。それにそれがあるからこそ今の俺がある。
だから目の前の女は守りたくなるん・・だろうな〜。
これがあいつにしてみたらまた浮気って騒ぐか」
「浮気って・・、昼間も言っていた貴方の女?」
「ああっ、普段はお堅い騎士団長なんて仕事についているのにプライベートだとこれが中々な。
まぁ〜、そこがいいんだけど・・意外に嫉妬深いんだよ」
エネにチェックシート渡すくらいだもんな〜・・・、
今頃また寝不足になっているだろう・・
「そう・・」
んっ、何故かアンジェリカが落胆した感じだな・・。どしたんだ?
「だけどさ、その体が治ったらもうこんな島から出たらどうだ?
お前もそのつもりだろうけど・・やっぱここは異常だしさ」
「・・そうね、私もそうしたいと思ったところよ。
まぁ、そのためにはまずこの一件を解決させないとね」
「そうだな〜、まぁさっさと片付けるさ。こんな鉄の格子なんて一発でひしゃげて見せるぜ?」
「頼りになるわね・・明日になれば動きだしましょう。」
「ああっ、じゃあもう寝るか・・」
「貴方・・今の今まで気絶していたのにすぐ寝れるの?」
「これでも寝ることは特技だ!アンジェリカも俺を介抱してくれたんだろ?
もう寝たほうがいい」
「・・寝たいけれども・・寝られないわ。先に寝て頂戴」
・・?不眠症か?まぁこんな辛気臭いところで寝ろっていうのも教師さんにゃ難しいか
「お・・おう、じゃあな・・」
「・・おやすみ・・」
妙に優しく言うアンジェリカ・・・まさか・・な。まぁいいや寝よ寝よ・・ 


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