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第十一話  「シルフィスティア・ラッシュ」


アルティメットウェポンの超放電により吹き飛ばされた俺達・・
すでにそこらへんは街だったと思えないくらいの荒地となっている。
俺達がやったのもあるけれども奴の放電が一番被害はでかい。
攻撃のレベルが違う・・
「くっ・・大丈夫か・・?」
吹き飛ばされる瞬間、俺はアンジェリカを抱きしめ体に電気を流した
体は頑丈だし放電による感電も俺自身に電気を纏っていれば無効化できる・・
それは成功したんだが・・、もはや戦闘は無理っぽい・・
「だ・・大丈夫・・。でも・・貴方・・」
破片があっちこっち刺さってやがる・・おまけに額を切ったのか血で視界が悪いときたもんだ
「少々やばいな・・リーのじいさんは・・けっ、向こうで伸びてやがる・・」
俺より少し離れたところでうつぶせに倒れるじいさん
・・流石にあの衝撃は老人にゃきつかったようだな。
アルティメットウェポンは俺達を探しているのかかなり遠くで下をうろうろ見ていやがる
気絶していたり生命反応が低いと感知しにくいらしいな・・
「待って・・今、回復を・・」
「そんなことしてみろ。向こうで俺達を探している化け物が気付いてすっ飛んでくるぜ・・」
「で・・・でも・・その傷じゃ・・」
普段の彼女からは想像もつかないくらい動揺している
「俺はこう見えて丈夫なのさ。ともかく・・俺は奴を引き連れる・・
その間にお前はフィートと合流しろ・・悔しいが不利もいいところだ」
「そんな傷で何するつもり?無謀なのは止めて」
「どっちにしろ気付かれたら終わりだ。ならばお前が生きてくれたらいい」
「馬鹿な事を言わないで!貴方を犠牲にしてまで生き延びたくないわ」
・・じいさんならいいのかよ・・
「ったく・・じゃあどうするんだよ・・。」
「貴方の傷を塞ぐ。わずかな時間でしょうけれども・・出血を抑えるくらいは・・」
「馬鹿、そんなことしたら・・」
「貴方に世話になってばかりじゃない。・・このまま逃げるのは嫌・・」
目は真剣・・風で帽子は飛ばされてオレンジ色の髪は
砂まじりで見るも無残だが目は諦めていない
全く・・勝気だぜ
「・・わかったよ。お前に任せる・・」
「じゃあ、行くわよ」
手にほの明るい光を作り傷の患部に当てる・・。
それだけで痛みが引いていくのだけれども・・
もうアルティメットウェポンの野郎こっちを向きやがった。
こうなったら残った体力で『取っておき』で刺し違える覚悟か。
タイム・・怒るだろうな。いやっ、泣くか・・。くそっ!
「そこかぁ!」
嬉々としてアルティメットウェポンが飛び上がる!
馬鹿でかい翼で巨体を支え上昇してやがる・・どこまでも化け物だぜ
「アンジェリカ・・逃げろ!巨体ごとぶつけてくる気だ!」
「まだ・・今のままじゃ貴方動けないじゃない」
「いいから!」

「死ねぇぇぇ!!」

高速で突っ込むアルティメットウェポン・・こりゃ・・クレーターどころじゃすまねぇな・・
これでおしまいかよ・・畜生!

ドォン!!!

・・爆発音が響く・・死ぬのって痛くないんだな。・・って・・感覚がある?
「先輩〜、苦戦しているみたいですね」
呑気な声がした、目を開けて見るとアルティメットウェポンが
不自然な格好で地面にめり込んでおりそして俺の目の前には・・
「フィート・・!手前、遅いぞ!」
「すみませんねぇ。少々手間取ったわけで・・。
先生も気絶か・・予想以上の能力のようですね」
「フィート君・・その様子だと・・」
「まぁ僕に任せてください、エネ、先輩の介抱を。
出血が酷いからすぐに手当てしないと危険だ」
「わかった!一通りの道具は持ってきてるから大丈夫!」
早速俺の隣に座り手当てをはじめるエネ・・ありがたい
「じゃあ私はクロムウェルと先生の手当てをするわ。あいつの相手は・・」
「了解です。先輩も戦闘は難しいわけですからね。僕がふんばりましょう!」
ったく、いつもながら不敵な野郎だ
「半端じゃねぇぞ。そのライオンモドキ・・」
「わかっています・・。まぁそれでも良い実験相手ですよ」
そう言うとフィートは魔術師のマントを脱ぎ去り軽く腕を鳴らした

「・・くっ!とんだ邪魔が入ったな!今更何をしにきた!」
アルティメットウェポンは起き上がりながら叫ぶ・・全く無傷だ
「何って・・貴方を細胞一つ残さず消滅しにきたんですよ」
「若造が・・やれるものならやってみろ!」
「それでは遠慮なく・・」
躊躇なく魔方陣を展開するフィート・・、加勢できないのは痛いところだ
「クロムウェル、動かないで」
「そうですよ!普通ならとっくに死んでいますよ!」
「・・わかっているけど・・この状況でじっくり見ているのも・・」
口惜しいが・・二人に凄んでくる・・今ならエネにでも殺されるし・・黙ってみているか・・
「では・・行きますよ!『アルティメットノヴァ』!」
フィート最強の風の魔法・・、以前は言霊の力を借りて詠唱しなければ発動できなかったが
あっさり真空球を出している・・
どうやら風の皇女の力とやらで大幅にパワーアップしたようだな


「ぬお・・貴様!」
予想以上の速さで駆ける見えない凶器・・、
アルティメットウェポンもそれを察知できずモロに翼に直撃する!
そのまま見事に翼を木っ端微塵に粉砕・・音もなく臭いもない真空の球なだけに回避は難しい
流石のアルティメットウェポンも回避はできない・・
「大当たり・・っと。消滅の時でさえ音が出ない分騒音騒ぎにならないのがいいですねぇ」
・・付近に誰もいないっての・・
「ち・・舐めるな!この程度の傷なんぞ!!」

ブシュ・・!

傷口から新しい翼が再生された・・。なるほど・・、
丸ごと消滅させても完全じゃない限りすぐ甦るわけか・・
「便利な体ですね。しかしそれでは『究極』の名を持つ存在としては頂けませんね」
「抜かせ!一気に終らせてくれる!」
そう言うと今度こそ力任せに突進してくる・・!
「おい・・俺達を置いて避けるんじゃねぇぞ・・」
フィートは避けれても俺達には無理だ。クロムウェルせんべえの出来上がりになっちまう
「わかっています。こっちもそろそろ茶番に飽きたところですしね。

『暴挙の風 滅亡と再生の嵐とならん
外法に司りし王の元に具現せよ!疾風の皇女!! 』」

フウゥ・・

フィートの背中に裸の女がユラユラと現れた。蒼い肌で胸もでかいが・・透けて見えている
「クリスティア・・先生・・?」
その姿を見てアンジェリカも目を丸くしている
「おい・・知り合いか?」
「え・・ええ・・フィート君が殺した・・恩師よ」
「あれが・・か?エネ、どういう事だ?」
「あの姿はシルフィスティアがフィート君の心の中にある弱さを表したものみたいです。」
・・良い性格な奴なんだな・・そのシルフィスティアって

「さて・・一気に行きますよ!!『ウィリーウィリー』!」

轟!

「ぬおっ!な・・なんだと!!?」
ピンポイントで強烈な竜巻を作りアルテイメットウェポンを打ち上げる!
アンジェリカの作ったものとか比べ物にならないくらいの威力だということがわかる
「さらに!『エクスカリバー』」

斬!!

素早い動きで奴を打ち上げた場所まで走り白い巨大な刃を作り出した!
見たことのない魔法だがド鋭い刃らしく
アルティメットウェポンの胴体を真っ二つに切断しやがった
「ぐ・・ぬ・・おのれぇ!」
体を切断されながらも獅子の口から爆炎を吐き抵抗する・・やばいぜ、
頭上からまんべんなく降り注ぐつもりだ!
「甘い!『ストームブリンガー』」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

・・すげぇ、フィートの腕から風の弾丸が雨のように発射されている・・
「う・・おおおおおおっ!」
余りの数と威力でアルティメットウェポンの炎は
かき消され体は衝撃で徐々に天に打ち上げられる・・
「良い高さまで上がりましたねぇ・・次は降りますか!『グランプレス』!」

ドン!

巨体が隕石の如く急速落下をしていく・・、まるで玩具を扱っているようだ
「・・私の術を・・何時の間に・・」
パクられたアンジェリカもこれには言葉もないようだ

ガガガガガガガガ・・・!!

猛烈に地面に衝突するアルティメットウェポン、切断された体同士キリモミ状態だ
「こ・・こんなはずでは!!」
「理論で戦いは征せませんよ!さぁ微塵の残さず消え去れ!!!!
『真アルティメットノヴァ』!!」
シルフィスティアの力を借りてさらに巨大化したアルティメットノヴァ・・
周りに蒼い膜を張り中心部にはドス黒い塊が見える!!
「う・・うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
地面を抉りながら走る超真空球・・それはすっぽりと
アルティメットウェポンの体を包み完全に消滅させながら尚も走る・・!
それが消える頃にはノヴァが走った方向の遥か彼方まで
地面に丸いくぼみを描いた道が続いていた
「『これぞ・・シルフィスティア・ラッシュ』」
フィートの声が女性のモノと重なっている・・シルフィスティアの声か?
それを確認する前にシルフィスティアの姿は音もなく消え去った
「・・これが・・風の皇女の力・・」
「すげぇな・・。」
フィートがこれほどまで力を、・・俺置いてきぼり食らっちゃうよ
「これで影も形もなく消滅させましたよ・・一件落着ですね!」
・・明るく言いやがって・・
「お疲れ様!フィート君♪」
「うん、先輩も大丈夫ですか?」
「あ・・ああ。なんとか起きれるようになったよ。流石はアンジェリカ、回復魔法も一級だな」
「ありがとう・・。でもあれがシルフィスティアの加護による力・・凄まじいわね」
自分が学ぼうとしただけにその完成形を見たら嫉妬するんだろうなぁ
「まぁ、制御できてませんがね。
さっきのも風魔法をぶつけただけです・・さらなる鍛錬は必要ですね」
「ったく・・俺も置いていかれないようにしないとな。
ともあれ、これで何とかなったか・・でも・・なんか忘れていないか?」
何か・・忘れているような・・
「そうね・・さっきから気になっていたんだけど・・」

「て・・めえら・・・おれを・・ほうっ・・て・・」

・・あっ、じいさんだ。地べた這いずりながら怨霊じみた声を出しちゃっている
俺のせいじゃないよ・・・

・・・・・・・
・・・・・・・



数日後、俺とリーじいさんの傷も治った日に俺達はアルマティを後にすることにした
学長の複製はもうおらず地価牢でノびていた生き残りに事情を聞き
レイアードの計画を吐かせているらしい・・。
最も、自分の成果として長年思い描いていたアルティメットウェポンが
無惨に消えうせたんだから自暴自棄気味だったそうだ
それに加えアルマティの住民やらアカデミーの人間は
レイアードの連中と対抗しようともせず港まで避難していたらしい・・
自分の事ばっか考えているからな・・
まぁそんな連中だからアルティメットウェポンを倒しても俺達に礼の言葉もなし。
逆に街を「破壊しやがって」とでも言いたいような目をしている奴もいた。
こんな性格は死んでもなおらないね、絶対

「それじゃ、お別れだな。」

アンジェリカの部屋での休養も終え塔内の転送部屋ってところに俺達はやってきた
何でも魔素を飽和状態まで満たして瞬間移動を可能にするすごいところらしいけれども・・
ローエンハイツに行くのに失敗したら海のど真ん中にドボン!・・ってならないのか・・
「おう、結構役に立ったじゃねぇか!坊主!」
じいさんだけにまだ傷が癒しきれていないリーじいさん、それでも見送りにきてくれた
「じいさんよりは役に立っただろ!?」
「うるせぇ!年寄りは大切にしろ!」
生涯現役とか言っていたくせに便利な言い訳を・・・
「へっ、だったら年寄りらしくしていろってんだ!・・でもほんと、瞬間移動で大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、アカデミーを落ちた生徒が今まで何万人とここから追い出されたわけだしね」
いつもの黒い鍔広帽は結局見つからずいつもより垢抜けているアンジェリカ
「それに、ここにはアルマティでトップクラスの魔術師が3人もいますからね。
これだけ魔素が満ちていたらローエンハイツどころじゃなくルザリアまで一瞬ですよ?」
・・すげぇな、おい・・。そんなことできるのかよ
「ならすぐあいつの顔を見れるな。でも二人とも・・どうするんだ?」
「今回の一件で俺もここにゃ愛想が尽きたからな。世界を巡礼でもすらぁ!」
・・年寄りの癖に全世界周る気かよ・・。まぁそれも出来そうだからな
「私は・・もう少しここにいて病気の治療に勤めるわ。
それが終ったらどこかで就職でもしようかしら・・」
「おっ、そうか。陽気を使えばいいってわかってきたんだしな。すぐよくなるさ♪」
「・・ありがとう、クロムウェル」
にこやかに微笑むアンジェリカ、良い事するのは気持ちいいな!
「ボソボソ・・(フィート君、アンジェリカさんってもしかしてクロムウェルさんのこと・・)」
「ボソボソ・・(みたいだね。先輩もタイムさん一筋になってきたし
他は全くモテないからそれに気付いていないみたいだよ・・)」
「・・ああっ?何ボソボソしゃべっているんだ?お二人さん?」
「いやっ!何でもありません!じゃあそろそろお暇しましょうか!
では先生にアンジェリカさんこれで失礼します!」
「おう・・まぁがんばれ!」
「・・また、会うこともあるでしょう。さようなら」

バシュ!!

二人の言葉が終ると同時に目の前の視界がシャットダウン・・
ほんと、魔導ってすごいもんだ


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