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第9話  「懐かしきドツキ合い」


タイムと別れてから俺は真っ先にクラークさんを探す・・はずだった・・
しっかしあんだけ先にどんぱちやられたらどこにいるんだかわかんねぇよ!
おかげでディウエスのおっさんの火に焼かれそうになったり
セシルの氷のつららの流れ弾に当たりそうになったり、ロカルノの内輪モメ見たりと・・
ようやくクラークさんの気配を感じ取った時には
ジャスティンとの勝負の真っ只中で近くの林から隠れてみることにした・・
なんだか遅れて登場するってカッコイイけどここで入ったら情けないだろうし・・
でも・・少し前方に置いてある麻袋がガサガサ動いているけど・・、なんだあれ?
まぁいいや、なんかもうクライマックスか
クラークさんは目を閉じながら居合いの構えをしてジャスティンはダガーを持ちながら突進している・・
クラークさんお得意の居合い『霧拍子』の構えだ・・、久々に見れるか・・

「何のつもりか知らないが、無防備だ!」
「・・、見える!破っ!!」

おっと、仕掛けた。ひゅ〜♪飛んでくるダガーをドンピシャで払い落とした。
それも目を瞑りながら・・、ありゃあ剣術使いなんかが体得できる「心眼」ってやつだな

「まぐれだろ!?こうなったら!」
「まぐれ?心眼を駆使すれば感覚の補正なんか簡単だ!」
・・ほらな?
「!!・・速い!」
「アイゼン一刀流!『霧拍子』!!」


斬!!

・・・・・・
は・・、速えぇ・・。傭兵時代とは比べモンにならねぇ・・
別れてから相当腕を上げたみたいだな・・・そりゃ有名にもなるぜ

「さて、前座は終わりだ。出てこいよ・・クロムウェル!」



・・・・ご指名か・・、まっ、ばれているよな
懐かしい対面と行くか

「・・よう、クラークさん。久しぶりだな」
こうして言葉を並べるのもほんと久しぶりだ。
・・にしても服装、公社最終決戦の時と全然変わらんね〜、
得物の刀の鞘の模様が変わったくらいか?
「相変わらずだな〜、お前は。もう少しちゃんとした服装しろよ・・」
「う・・うるせぇ!久々だってのに説教か?」
「いや、だってアルはもう自衛団団長まで上がったんだし、
タイムさんに聞いたところブラブラしているらしいしさ」
・・・タイム・・・・、俺・・働いているやん・・
「俺は自由なのがいいんだよ!あんたこそまだ一介の冒険者じゃねぇか!」
「それを言われると辛いな〜・・。まっ俺はそれでも昔以上に濃い面々を連れているぜ」
それは納得だ。セシルにロカルノに・・
「・・そう言えば姉御の妹も一緒なんだってな、ちゃんとクローディアの気持ちに応えているのか?」
「??あっ・・ああ。クローディアは一緒だぜ。でも気持ちに応える・・?」
・・駄目だこりゃ。クローディアも散々だよな・・、会ったこと無いけど
「あのな〜・・。その事で姉御もどんなに頭を抱えていたと思ってるんだ!
いいか!クローディアはあんたのことがすき・・っと!!」
やばい!こうしたことは本人から言わないと意味がないんだった!!
「クローディアが・・・、俺のことを・・?」
「あ〜、・・・・今の忘れてくれるかな?」
「・・、まっ、それは今のこととは関係ないか。
ともかく、俺の前に出てきたとなると勝つ自信があるんだよな」
・・・、効果・・あり?俺にできるのはここまでだ。後はがんばんな、クローディア
・・会ったことないけど・・
「さぁ・・な。俺も公社辞めてから色々修行したんだ。
そろそろその答えも見たいと思った・・ってことかな?」
「・・ふっ、どうやら成長はしたようだな」
「えっ?」
「そんな考えをするようになっただけ大きくなったってわけだ。
まっ、知らん奴に比べたら殴りやすいからな・・、全力で行くぜ〜」
「あったりまえだ!今日こそ倒して見せるぜ!」
一気に仕掛ける!なまじ距離を開けたらナマス斬りにされるからな!
「おっ・・と!流石に踏みこみが早くなったな!」
「余裕面もそこまでだぜ!」
懐にもぐりゃ刀の攻撃は扱いにくいはず、この状態で殴る!殴る!殴る!!

スカッ、スカッ・・スカッ・・

全部よけやがった!!?
「成長したってのは俺の間違いか!?クロムウェル!!」

バキッ!!

痛っ!空振りの動作に合わせて蹴りのカウンター・・か
「まだ結論つけるのは早いぜ!クラークさん!」
それでも吹き飛ばされないのは日頃鍛えた結果だ。昔なら彼方まで飛ばされていたしな
ともあれ、片手を鞘に手をかけている以上は体術のメインは足技になるはず!
こっちも蹴りで対抗だ。
手数の多さで動きを止めてやる!
「!・・そうきたか!」
驚きながらも咄嗟に俺の蹴りを手で弾く・・。全くの隙がねぇ!
「くそっ、この手も駄目か!」
「ったく・・この馬鹿が!!」

ドガッ!! ズザザザザ・・・!!

ってぇ!!!見えなかった!
「お前はここ数年何やってきたんだ!?」
何仕掛けた・・?痛みからして正拳突きか?
「ちっ・・、そうだったな。実感したぜ。俺の目の前にいるのはあの剣聖帝だってことをな」
「ふん、んな昔の通り名を出すな。隙探して殴る蹴るがお前の戦い方か?」
「まさか、そんなことしていたら姉御に呪い殺されるぜ。ウェームアップだよ、ウォームアップ!」
「だったら本気を出せ。俺の女だって戦っていて心配なんだよ」
「ああっ、キルケってロリっ子か。クラークさんの趣味も相変わらずだな・・。
ペッタンコがそんなにいいのか?」
「今の台詞で徹底的にやる気になったぜ・・・『招雷』!どっせい!!」

轟!轟!!轟!!

いきなり雷の真空刃!?クラークさんってロリって言われるとキレるんだったかぁ!!?
「うわっ・・っと!本気出すぜ!『ヴァイタルチャリオッツ』!」
潜りぬけるにゃこれしかねぇ!
ギリギリだが・・・いける!!!
「身体強化!?ちょっとはイロハも身についたか!」
「俺なりの結論だ!いくぜ!」
身体能力を底上げすりゃ迫り来る雷の刃も手に取るように見える・・
一気に距離を迫って仕掛ける!!

ドガ!バキ!ガス!!

よしっ、3発入った!
「ちっ!速いじゃないか!」
それでも浅い・・、咄嗟に後に飛んで威力を軽減したか。とんでもない奴だぜ
「まだまだぁ!」
「同じ手が二度も通じると思うな!」

斬!

ぐあっ!モーションを読んだ!腰を浅く斬られたが・・身体が痺れる・・?
この痛み・・姉御の刀『紫電』の効果か!
「こ・・んなぁくそぉぉぉ!!」
なんとか距離を開けないと一気に畳み込まれる!とりあえずは蹴りで先制しないと!
「おっと!雷で痺れているのによく動かせるもんだ!」
「ったく、その装備は反則だぜ・・。姉御の刀。壊さずにちゃんと使っているみたいだな!」
距離を開けれたのは良いが手足の先が痺れてやがる・・、もはやまともに殴り合うのは無理だな・・
「あ〜・・実は紫電の方も一回折っちゃってんだよな、これが・・。
こいつは紫電と雪月花、あいつの二振りを合わせた『紫電雪花』だ」
・・また壊したんかい・・。ったく姉御、祟ってやってくれよ
「ほんと、変わんないな・・あんた」
「それよりもどうするんだ?さっきの雷撃でお前の手足はまだ満足には動けない。
その身体強化もそろそろ切れるだろう・・止めておくか?」
・・何もかもお見通し・・か
「そこまでわかっているんだったら俺がどうするかもわかるだろ?」
「・・・へっ、そうだったな。じゃあ終わりにするか」
腰を落とし刀を鞘に収める・・、踏みこみ型の居合い術『霧拍子』の構えだ
あれをラッシュに組みこんだらもはや手の出しようがない。
目にも止まらない速さで接近して一気にタコ殴りにもできるからなぁ。
チャリオッツの効果も見透かれたようだし、俺も賭けに出るか

コォォォォ・・

「呼吸による練氣、さっきの身体強化術といい・・魔法を覚えない代わりに気孔を学んだわけか」
「・・・へっ、魔法はあんたが壮絶な顔をしていたのを見て学ぶ気が失せたからな」
「・・・・正解だ。じゃあ、今回も勝たせてもらおうか」
「そうは行くか、今度こそ俺が勝つ」

・・・ジリ・・・ジリ・・・

少しづつ距離を狭める・・、こっちから突っ込めばカウンターを食らう
切り札も限りがあるからな。
霧拍子の切りこみの速さはさっき見た・・それに合わせれば・・俺の勝ちだ!

・・・ジリ・・・・

・・・・・・
・・・・・・
・・・根競べか、こうした駆け引きって苦手なんだが・・
「行くぜ!!クロムウェル!!」
!!・・来た!残像を残しての高速踏みこみ・・!
実際受ける側から見たらそれこそ一瞬だ、だが・・
「んならぁ!!『スフィアストライク』!!」

カッ!

抜刀よりも速く叩きつける!作戦通りまともに射程内!俺の勝ちだ!
「へっ!それで俺と止められると思ったか!」
何!!光球を突っ切る気か!?
「嘘だろ!?」
「引いたら負けだ!ナタリーもそう言っていただろ!」
肌が焼けているのに・・光球を潜り抜けやがった・・。
「チェックメイトだ!クロムウェル!」
「まだだ!!もう一発食らえ!」
超接近でもう一発!

キィィィン!

今度は出し惜しみせずに最大級の光球を作った!突っ切る前に溶けるぜ!
「ちっ・・、考えたな!しかし甘い!来い!『九骸皇』!」

ブゥン・・

なんだ!?右手に紅い刀が現れた・・
「砕!!」

パァァァァン・・!

光球が・・・粉々に砕けた・・だと・・・、どういうことだ?
こんな事今までなかったのに・・
「ほんとに成長したな!クロムウェル!!だが・・、俺を超えるにはまだまだ早い!!」
「く・・そぉ!!!」

バキィ!!!!


テンプルにクラークさんの拳がめり込み、鈍い音が脳に響く・・
後は覚えてねぇ・・。が、悪い気分じゃなかった・・


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