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第6話  「サイレントバトル」


庭先にて氷の熱が飛び交う中、屋敷の屋根でも戦闘は行われている
星を見るバルコニーから屋根に飛び敵襲に備えるは
白道着に黒袴を履いた美しい女侍クローディア・・
襷架けをしており隻眼を静かに閉じている
手には愛用の刀『月華美人』を持ちいつでも抜ける状態にしており
目は閉じていてもすでに戦闘態勢だ
「・・・・・」
静かに待つクローディアに対し一人の男が屋根に飛び乗る
木で出来た屋根に音もなく立つは黒い革のズボンに上半身裸の青年・・ジェット
青龍刀を手に持ち既に刃を出している
「・・・来ましたか」
ジェットが屋根に来た事をいち早く感じ、目を開けるクローディア
「わかりやすい場所にいてくれて助かる」
「礼を言われる筋合いはありません、そちらの不始末でこちらは迷惑しているのですから・・」
どうやらかなり嫌な目にあったようなクローディア・・
「そう言われるとどうしようもないな、姫は・・」
「兄上と一緒です。さて、話はこのくらいにしましょうか」
そう言うと静かに月華美人を抜く、居合いが得意な彼女だが通常の扱いも一級なのだ
「承知。では・・参る!」
カッっと気合いを込めて突進するジェット
鏡のような青龍刀には龍の姿が浮かび上がり神聖な剣気を放っている
「青龍刀・・、久しい得物ですね・・」
対しクローディアはあくまで冷静に刀を構え待ちうける!

スッ!

残像を残しながらのジェットの剣撃にクローディアは半歩ほど後退して難なく回避する
そしてそのまま両手持ちのままの一撃!
「・・!」
体勢の整わない状態での一撃だが致命傷を与えられるだけの鋭さを持ち
ジェットは青龍刀特有の広い腹でそれを払いつつ反撃を行う
クローディアにしても刃の鋭さだけでなく力の篭りやすい青龍刀に警戒して
鍔迫り合いを避けているようだ・・。

鍛え上げているとはいえ相手は屈強な男
女の体では限界があることは彼女も重々招致しているのだ
とは言え、双方そこは剣士。
一般の戦士にとっては無謀とも言える防具の少なさで戦っているので
当たれば勝負は決まってしまう
因みにクローディアは固い樫の木に筋金を通した篭手のみ
ジェットにしてみれば攻撃は最大の防御と言わんばかりに着ている者はズボンのみ・・

「「・・・・・」」

その状況の中、双方黙りながらの攻防は続く・・
刃が合わさることなくただ剣を振り風を切る音があたりに木霊する
・・寧ろ林のほうから響く爆発音や庭先での叫び声のほうがよく聞こえるくらいだ
しかし、空振りというものは思った以上に体力を消耗し、何時しか二人は顔に汗を浮ばせていた

・・・・・・・・・

「ふっ・・、俺の攻撃がかすりもしないとはな・・」
間合いを取り青龍刀を持ちなおしながらジェットが不敵に言う
「それはこちらも同じ事・・、久々の強敵ですね」
しっとりと汗を流しているクローディア、回避しながら攻撃を放ち
なおかつそれが当たらない
基本的な体力で言うならばジェットのほうが明らかに高いので彼女には苦戦のようだ
「女ながらにしてその技量、つくづく刀使いというものは厄介だな」
「それを言うなら貴方も同じではないですか、青龍刀・・、同じカムイにて生まれた産物を聞きます」
「特性は違うがな、ともあれ、俺の今の力量も大方計れた。そろそろ終わりにしよう」
そう言うと大ぶりに青龍刀『龍光牙』を構える・・
「そうですね、これ以上茶番に付き合うつもりもありません」
そう言うと襷を解きいきなり白道着を脱ぎ出す
道着の下は胸が見えないように強くサラシを巻いており凛々しさが増している
「・・ふっ・・」
「いきます・・」
静かに向き合う二人、
まるで時が止まったかのようにピクリとも動かない
・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・

疾!

頃合いを計ったかジェットが先に動き出す!

「行くぞ・・、『神気龍魂』!!」
駆け出すと共に青龍刀を振り、刀身から光輝く龍が現れる!
「!!・・、具現化した気・・、しかし!!」
物怖じもせず迫る龍に駆け出すクローディア・・
「アイゼン我式一刀流・・『屠龍(とりゅう)』!」
刀を持ちクルリと回転させ、龍に向かって切り払う!

閃!!

口を開ける龍に対し放たれた一撃は蒼白い光を放ちながら龍気をかき消した・・
「・・、破魔光、剣士が使うとはな・・」
ジェットはその光景に驚きませずに突っ込み出す・・
「刀には神聖なる気が宿るもの、扱いによってなこのような芸当もできます・・!」
クローディアも負けじと刀を収め構えながら走り出す!
残像を残す高速歩行術『霧足』を使いながら勝負に出たのだ

「『霧拍子』・・・鋭!!」
この戦いにて1度も出さなかった居合いにて勝負をかけるクローディア!
「・・・ちっ!」
思った以上に速い一撃に驚くジェット
青龍刀での弾きには間に合わず、覚悟を決めて居合い斬りをかいくぐる!

・・チッ!!・・

高速で飛びかかる刃がジェットの後頭部をかすめ血を噴き出させる
「!!」
自分の一撃が回避されたことで驚くクローディア
なんとかジェットの攻撃に備えようと手を戻す・・
しかし
「応!!」
それよりも速くクローディアの懐にもぐりこみ、龍光牙を押え腹を突き出す!


ドガッ!

勢いをつけた一撃をまともに腹に受けクローディアは唸ることもできず吹き飛ばされる・・
「あ・・くう・・!!」
屋根を転がりながら唸ったクローディアだが、それが終わるとともに気絶してしまった

「・・・、ふっ、後0.1秒でも遅かったら倒れていたのは俺だったか・・」
頭の後ろに触れて見るジェット
手の感触では居合いがかすったことで出来た傷があり血がまだ流れている
「・・・・、大した女だ」
まともに受けたことを考えフッと口元を上げるジェット
やがて吹き飛ばされる時に手放したクローディアの刀を持って彼女の介抱に向かった


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