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第3話  「タイム覚醒」


翌日、ブレイブハーツの連中は得物を磨いたり訓練したり・・っと
流石に聖騎士だけあって昼間から酒は飲んでも訓練は欠かさないってところか


かく言う俺とタイムも揃って屋敷前の公園へ・・
公園は住民もよく愛用しているのだが、タイムが使用すると言うと快く場所をあけてくれる
・・それだけ人望があるってことだ
ともあれ、全力で暴れても大丈夫な距離は取れた
「クロムウェルさんの乱取り組み手だ。全力でこい!」
「ああ・・・!!」
タイムはフル武装、対刃加工のロングブーツにレオタードみたいな戦闘服、
体が動きやすくするため極力軽量したものらしい。
その上に団長用の特注鎧を着込んで正しく凛々しい女騎士な格好だ
まぁ、任務であるならば威厳やくらいを示したりしているマントを着るのだけど・・訓練じゃ邪魔だ
そして得物は綺麗な装飾がされた黄金のレイピア『ネェルブライト』
いつもはそんなに使わないみたいで俺もそんなに見たことないんだよな・・
「あの女のことだ。一気に押せ押せな戦法だろうからな・・、俺も突っ込むぜ!」
「わかっている!」
そういうと俺とほぼ同時に駆け込み超至近距離まで突っ込む!
「はっ!」
「っと!」
タイムが得意の突き攻撃!慣れていないと回避は難しい・・がそこは何度も見てきた俺・・
難なくかわせれる!
しかし、突いてその手を戻すまでが早いからばっちり反撃に備えられる・・
そういうオーソドックスで堅実な戦いがこいつの持ち味・・だが!!
「ほい!」

パン!!

「きゃっ・・っ!!」
意表をつく猫騙し攻撃にタイムが一瞬驚き、その隙に俺の秘蔵な一撃 
無造作(モーションキャンセル)足払いに見事引っかかり転んでしまう・・
「まずは一本〜♪」
「・・く・・まだまだ!」
「向かってくる前に何故引っかかったか学習しろよ?」
「え・・っ?」
「よくも悪くもお前は真面目だってことだ。
今の猫騙しだってお前にとっては子供だましな下らない事だと思ってるだろ?
しかしコンビネーションを組めば立派な戦術にもなる」
「そ・・それは・・」
「意表をつく攻撃に対応しないとセシルには勝てないぜ?
あいつだってゴリ押しだけで勝ってきたわけじゃないだろ」
「・・・そう・・よね・・ありがとう、クロ」
「まぁ、お前も色んな戦いを学んだらいいだろうさ・・。じゃあ続けるぜ?」
「ああっ、頼む!」
・・やる気に満ちているタイム・・、存分に付き合ってやるか

・・・・・
・・・・
・・・
・・


数時間後、ぶっちぎりでやったもんだからタイムが先に根を上げてベンチに寝転がっている
「はぁはぁ・・はぁ!」
「疲れたか?」
「なんで・・お前は・・、普通なんだ・・」
「傭兵時代はこんなもんじゃなかったからな・・。ともかく、少し休憩だ・・」
「すまない・・」
「いいって・・。しかし最後らへんはなんとか俺に当てられるくらいになってきたな・・良い感じだ」
「っと言っても・・かすっただけ・・だがな」
一旦鎧を外し、タオルで汗を拭くタイム・・、戦闘服が汗ばんでなんだか生唾モノ・・
おおっと、いかんいかん・・。まだ昼間です
「しかし、そのレイピアすごいな・・。かすっただけだが肌が焼けるような感覚だぜ?」
なんだか・・、黄金の刃の周りに熱が漂っているような感触がした
「わからん・・、私もセイレーズ老に頂いただけだし・・」
「ふぅん・・何かあるのかな・・。おっ、ちょうど良いところに良いやつが・・」
見れば遠くの噴水広場に紫なラーメン頭発見〜♪


「はい、フィート君、あ〜んして?」
「あ〜ん・・♪うん!美味しい!エネ、これお店で勉強したの?」
「うん、フィート君に喜んでもらおうとおもって・・」
「いや・・あはは・・男冥利につきるね」
「でも家まで買ってもらったんだから・・もっともっとフィート君には喜んでもらいたいの・・。
私、何だってするから♪」
「エネ・・(ニヤリ・・)まぁ僕が望むのは君との一時だけさ・・。」
「フィート君・・」
「エネ・・」

・・聞くに耐えん!!!
「お邪魔します!!」

「うわっ!先輩!」
「クロムウェルさん!」
「な〜〜〜にイチャイチャしちゃっているのかな?ご両人・・」
「ぼ・・僕達のプライベートなんですから突っ込まないでください!」
「そういうのならばちゃんとエネと婚約しろよ?」
「クロムウェルさん・・、ま・・まだ早いですよ〜♪」
エネの括った栗毛がブンブン揺れ取る・・
まぁなんだかんだ言ってもフィートはエネが本命らしいからな・・
他の女は簡単に捨てるけどエネが怒ったらヘコヘコ謝ってたし・・
尽くしているよな・・
「まぁ、そんな話はともかく・・。フィート、この剣、なんだか特殊なもんか?」
未だ向こうのベンチでグロッキーなタイムから借りてフィートに見せる
「このレイピア・・ですか?」
「ああっ、なんだか熱を感じたんだけど・・」
フィートならこうした代物の鑑定はお手のモノだ・・鍛冶師でもやればいいくらい知っている
「この黄金色・・、太陽光の光を受けた鉱石カルサイトの色ですね。
そしてこの刃(コンコン・・)オリハルコニュウム・・かな?良い仕事してますね〜・・」
お前はどこぞの鑑定人か・・
「太陽光の鉱石?じゃあ触るの熱いのか?」
「そういうわけじゃないですよ、いわば熱を封じた剣・・ですね。
魔力をこめればその封を解きそれこそ太陽の力ばりの熱光を放てると思いますよ」
「ふぅん、普通に振ればそれこそただの刃か・・」
「そうでもないですよ?人間ってのは絶えず体内の魔素、内気功が回ってますから
それに反応するってこともあります」
「む・・難しい話を・とりあえず、魔力を込めればいいんだな。サンキュ・・」
「え・・ええ。しかしそんな剣持ってどうするつもりですか?」
「まぁ、タイムの相手だ。用は済んだ。後はごゆっくり♪」
「は・・はあ、じゃあいこっか?エネちゃん?」
「うん♪」
そういうとこれ以上邪魔されたくないのか手を繋いで公園を後にした
・・ったく・・、呑気なもんだぜ

ともあれ、噴水がそこにあるのでついでに俺がいつも使っている手ぬぐいを浸して持っていってやる
ベンチでは呼吸が落ち付いてきたもののタイムはまだバテていた
「ほらっ、これで少しはマシだろ?」
水に浸した手ぬぐいをデコに乗せてやる・・
「ああっ・・気持ちいい・・」
「全く、オーバーワークは体にとっちゃ逆効果だぜ?」
「・・ごめんなさい・・」
・・思えば、素直になったもんだ・・
「まぁいいさ、ところで噴水の広場にフィートがいてな、この・・『ネェルブライト』・・だっけ?
こいつってどうやら魔力を込めるとすんごい効果が出る魔剣なんだってさ」
「これが・・か?」
「ああっ、お前魔導学とかもそれなりにできるんだろ?一回試してみればどうだ?」
タイムは任務に対しても魔法に頼ることは全くない。それが甘えって思っているのかな?
まぁ、魔法が使えない俺にとっちゃよくわからん
・・学ぶ気にもならないしな〜・・。
クラークさんが勉強していた時なんて白目剥いて口からエクトプラズム出ていたのを
隠れて見ていたことがあるんだ、これが・・
まぁあの人の場合は講師が激烈にスパルタだったからな。
「そ・・そうだな・・。じゃあ・・」
「大丈夫か?」
「何時までも寝ていられるか。ネェルブライトに魔力を込めればいいのだな」
手ぬぐいを置き、ネェルブライトを構えるタイム
狙うは目の前の木・・
「・・・はぁ!!」
ネェルブライトの柄が赤く光ったとともにタイムが縦に切り払う・・

轟!

刃から光の筋が出てそれは木を真っ二つに!
・・す・・すげぇな・・
木が二つに割れてから燃え出している・・、切れ味が鋭いってことか
「・・、これは・・」
「全く、セイレーズじいさんも物騒なもんを持っているものだな。」
「ああ・・凄まじい威力だ。この剣にこんな力があったとは」
「しかし、それを使いこなせればセシルのあの氷の剣に対抗できるぜ?」
「・・・、得物では対等・・後は・・」
タイムの目に希望の光が灯っている・・
自分から適わないと認めたライバルに勝てるかもしれないんだ、そうにもなるな
「自分の腕を磨くだけだけど・・、その前に・・」
そう言うと俺はタイムの前に垂らした髪に手をかける
右目を隠すように伸ばす髪・・、それはタイムにとって最も気にしている部分だ
「ク・・クロ、止めて」
「いいから」
嫌がるタイムを言い留め、髪をたくしあげる
別に目に異常はない。ただ・・。目元から頬にかけて深い傷跡がある・・
昔、とある事件で受けた切り傷でその後治療をしても後が残ったらしい
そこはタイムの女であり、髪を下ろして今まで隠してきたんだ
・・傷を持つ女騎士だとあざ笑われると思っているのもあるんだろうな
「・・・、あんまり・・見ないで・・」
「片目だけで間合いを計って勝つつもりなのか?」
「それは・・」
一応は髪の間から見ているらしいんだけど戦闘ではんな器用なことも存分にはできない
それゆえ、片目と気配に頼っているのが現状だ
それでも一騎士団のトップレベルの実力があるのは流石なんだけど・・
「甘いぜ、戦いで受けた傷なんていくらでもあるもんだ。それを恥じることもない」
「・・、こんな顔、クロには見られたくない・・」
「・・・・・、俺は好きだぜ?」
「?」
「顔に傷があろうとなかろうと俺はタイムが好きってことだ!ともあれ!
セシルと戦う時はきちんと髪を上げて両目で動け!
ネェルブライトを駆使して立ち向かえば良い勝負になるはずだ!」
「クロ・・、わかった!でも普段は下ろしても・・いい?」
「別にいつも上げとけって言ってないだろ?
それよりも両目で戦う感を取り戻しておけ、ほれっ、もう一戦いくぞ!」
「・・ああ!」
騎士として一皮剥けた・・かな?
ともあれ、セシルに良い勝負ができる程度には協力してやるか・・
・・でも、夜のために体力残しておかないといけないぞ〜♪

ゴン!!

「あいで!!」
「どうした!クロムウェル、今一瞬隙だらけだったぞ!」
「なんでもねぇよ!」
・・油断した!!




それより数日・・、
ようやく事を起こす時がきた。段通りは訓練云々もさることながら王女の救出も含まれている
・・本来それが最重要なんだけど・・そこらへん王さんからは何も言ってこない
仲が悪いのかな?

ともあれ俺達はすでに街外れに目標がある街プラハの近くの森でスタンバッている
ここからならその教会が見えるしそこまで一直線だ、なにより街に寄らなくて済む
・・かりそめにも極秘裏な作戦だしな、4,5人も強そうな騎士が街中歩いていたら目立つだろう

「さて、今我が隊員が閃光球で仕掛けるために目的の館へ向かった。
閃光の大きさからしてここでも確認がとれる。
このような手が彼らに通用はしないだろうが社交辞令と思って行動を開始してくれるだろう」
すでにフル装備のタイム、まだ髪は下ろしたままだ・・。
ブレイブハーツに見せるのも嫌なんだろうな
「よし、じゃあ俺達はもう少し接近して突撃する。相手も行動の始めならば隙もあるだろうしな」
流石は優秀騎士団、いち早く行動するってか
「まぁ、健闘を祈っているぜ。ジャスティンさん・・だっけ?また後でな」
「先に仕留めさせてもらうよ」
そう言うと笑いながら森を出る
ジャスティンは騎士らしからぬ剣士姿、
ディウエスはそれと対象的に典型的なフルアーマー、これで相手が少女って・・さ・・
ジェットは上半身裸に動きやすい黒ズボン姿
己の体が防具だって言いたそうなくらいたくましい、俺と似たタイプだな
そしてフレイア、動きやすいというか露出が激しいというか・・
レザーアーマーに短刀を握り早くも殺気を出している・・・、すこし尋常じゃなかったな
ともあれ、4人が別行動を取ってくれるのは俺にもありがたい
「・・準備はいいか?」
「・・ああ・・」
緊張するタイム・・、そんなこいつの髪を優しくかきあげる
今度はタイムも何も言わず隠れた右目にも活力がこもっている
「全力で・・臨めそうか?」
「もちろんだ!」
髪を横に流しながらタイムが自信満々に叫んで見せる・・が、やっぱ緊張しているな
「・・・・・」
「な・・なんだ」
「ほれっ(揉み揉み)」
「なっ!どこ触っているのよ!!」

ガァン!!

いって!ガントレットで叩くな!!
「お前の緊張をほぐしてやろうと思っただけだろ!」
「理由はどうあれ白昼堂々人の胸を触るな!
しかも鎧の隙間から手なんか入れて・・変態!!」
「・・夜ならいいんだ?」

ガァン!!!!

同じ箇所を・・
「この痴れ者!!」
「ひっで〜!!・・まぁ、こんな感じだと緊張もしないか?」
「・・・あ・・・ああ」
知らない間にいつもの自分に戻っていて少し声を上げるタイム・・、全く世話の焼ける
おっ、そんなことをしているうちに教会の方から光が!
「・・いくか、がんばれよ!」
「ああっ、お前も勝てよ!」
意を決し森を飛び出す・・、実は俺も緊張しているんだけどな〜・・


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