番外  「軟派師と王女」


やぁみんな!久しぶり!フィート=オーキシンだよ♪
最近はエネの『生活向上計画』発動中であまり表立った動きはできなかったけど
久々にこうした場に出れたよ。

・・えっ?脅迫まがいで一般市民を家から追い出した?
はははっ、ちょっとしたオチャメだよ♪
好きな女性には幸せになってもらいたい、それを適えるのが男の役目じゃないですか♪

まっ、それは置いといて、数日前に先輩はタイムさんとかと一緒に
どこかに出発して留守なので比較的暇な状態。
結構切羽詰まった表情をしていたから仕事だろうと思うけれども
僕が呼ばれてないところを見ると騎士関係の内輪もめかなんかだと思う。
どこの組織も身から出た錆は見せたくないだろうしね
だから僕一人で仕事してもいいんだけど・・
一人で仕事っていうのもなんだか気が引けるんだよな・・。
何でもかんでも自分で動いて行動しなきゃならないから
その分のタイムロスってのが馬鹿にならないからね
そんなわけで別に仕事するわけもなく今日もエネの手料理を食べて帰る途中というわけ。
まだ昼間だけどこれからエネ親子は散歩に行くらしいんだって
まぁ散歩って言っても郊外の川で野草を摘みに行くみたいなんだけど・・。
故に僕も今日は暇なんだ、他の女の子と遊ぶのもいいんだけど
家買うのにだいぶ貢がせたから・・、切り捨てたほうが身のためだね。

!!
おっと表通りをこちらに走る女の子発見!!
普通の町娘な格好だけどなんだか似合ってない。髪も金髪の巻き毛ってすごいなぁ
全体的に少し違和感があるが美人には違いない・・
少し引っかかるけれども・・まぁ、可愛いから声かけよう〜♪

「やぁ、君どうしたの?そんなに急いで」
「な・・なんだ下郎!私に向かって馴れ馴れしい!」
・・随分高い位な言い方だなぁ・・
「何っ、急いでいる女の子の手伝いをするのが僕は好きなんだよ。」
「・・、軟派な男め!」
「自分に素直なだけさ♪ともあれ、どうしたんだい?君みたいな可憐な少女は走るなんて異常だよ」
「貴方なんかの相手をしている暇などございません!」
あらあら、随分険があるもんだな・・
「まぁまぁ、寛大な心で行こうよ♪」
「ど・・どきなさい!・・!!来ましたわ!」
なんだ?誰かに追われているのか。
「じゃあこっちだ。ほらっ、おいで・・」
「きゃっ!気安く私の手に触らない・・ってちょっとぉぉぉぉ!!」
追われているのに呑気だな〜、まっ、いいや。
裏通りに連れこんで捲いてから骨抜きにしましょうか♪

・・・

僕は一応魔術師だけど裏通りには詳しいほうなんだよな、これが。
まぁ、そんなわけで入り口が見えにくく、かつこちらからその様子が伺えるポジションを見つけ
静かに観察する。・・っても粗大ゴミ置き場なんだけど
どうやら追っ掛けてきたのはいかにもそっち系のスキンヘッドのおっさんと顎髭の優男だ
「くそっ、どこに行った!お嬢は!」
「こっちまでくるのは確認した。ちっ、これでは本末転倒だな!」
「ジェットとフレイアは・・」
「フレイアは疲労しきっている。ジェットは勝手に行動しはじめちまった!」
・・、聞いた感じだと追う人間は計4人みたいだな・・
おっと、別々に分かれて探しに入ったみたいだ、
動きからして何だか軍人のような傭兵のような感じの人間だな・・

「ちょっと!」
「でも・・、見たところかなりできるな。この町の人間じゃないだろうし・・」
「ちょっと!いい加減口に手を当てるのは止めてちょうだい!」
「ああっ、とごめん。とりあえずは捲いたけどあの調子ならすぐ見つけてくるね」
「・・・、もう、なんで自由にさせてくれないのかしら?」
ふぅん・・・、良家のお嬢さんとそれを守るSPみたいなもんなのかな?
まぁ深くは聞かないでおこう、僕が興味があるのはこの目に映る君そのものだからさ♪
ともかく、裏通りのガラクタをベンチかわりにして彼女を座らせる
・・ふふっ、いざとなればベット変わりになるだろうけど・・ねぇ
「まぁ、すぐ見つかるだろうしもう少し僕と付き合わないかい?」
「貴方と・・、まぁ振り切れたことはありがたいですが・・。どこの馬の骨ともわからぬ輩と・・」
「そこがいいんだよ、僕はフィート、君は?」
「・・・、エカチェリーナよ。言っておきますけど変なことしたらただじゃ済まさないわよ!」
「変なことって・・・どんなこと?」
「それは・・その・・・えっと・・」
ははっ、顔が真っ赤だ。温室の薔薇ってやつだね〜、それを枯らすのもまた一興・・
「まぁそれはそうと、君はどうしたんだい?見たところ強引に逃げてきたようだけど」
「ううん、・・別にこれと言った予定はないんだけどとりあえずは物見見物がしたかったのよ?」
「見物?あのさ〜、ここって貿易都市だよ?観光になるようなところなんてほとんどないないし
観光目的ならば王都とか王公認の娯楽都市に行ったほうがいいんじゃないかい?」
王都ならば珍しい大道芸人とか沢山いるんだし、
王国東部にある娯楽都市ラーグとかのほうが華やかだ
まぁ〜、あそこは娯楽な都市なだけに治安は悪いんだけどねぇ
「あんなところ見飽きたわ。面白くともなんともない」
・・うわっ、結構なお嬢さんだなぁ・・。
「じゃあエカチェリーナは何が見たかったのかな?」
「ううんっと、庶民の生活と『金獅子』セシルと会いたかったのよ」
うげっ!!?あの女と・・?
趣味が悪すぎるよ・・
「あんな危険人物と会いたいんだ・・はは・・はははは・・」
「まぁ、確かに危険だったけどすごい憧れだわ!強くて!自由で!!」
・・・僕の言葉が彼女の心に聞こえるならば声が枯れるまで止めろと叫びたいよ
っうか会えたんだ・・
「ま・・まぁがんばって・・。じゃあこの街の様子を見ることが君の楽しみなんだ?」
「まぁそうね。どう暮らしているのか後学のために見たいわけ」
「ふぅん、じゃあ僕に任せてよ、あいつらに見つからないようにこの町の案内するよ!」
「貴方が・・、そんなお願いしても何の見返りもないわよ?」
「ははっ、見返りならあるさ」
「???」
「君の笑顔が僕の報酬・・さ♪」
「ば・・ばっかじゃないの!!」
クサイ台詞っていうのは自分がクサイと思わないことが大切なのさ!
ともかく、貴族のお嬢さんに街を案内してあげますか♪

・・
・・・
・・・・
・・・・・

人目につかないような街案内っていうのも中々面白い。
エカチェリーナと出会った商業地区から工業地区、
貴族関係はどうでもいいと思って騎士団屋敷前を通って住宅地区へと案内した
目に映るものがエカチェリーナには新鮮なのか何時の間にか夢中になって見ている
・・ほんとっ、世間知らずなんだなぁ・・
「どうだい、ルザリアは?」
一通り街を探索して表通りに・・、見つかる可能性もあるけれども案外こうした所にいたほうが
気付かないことが多いんだよ。
ともかく、休憩として露店で口に合うかわからないけど
ジュースを買ってやってエカチェリーナに渡してやる
「い・・意外に楽しかったわ・・これは?」
「ナッツミルクのジュースだよ。お嬢さんには口にしたことないんだろうけどこれも庶民の味さ」
「ありがとう・・・・、美味しい!こんなのはじめて・・」
「僕達には馴染みのある味だよ、野生の植物でもあるから野宿の時とかの栄養補給にも役立つんだ」
「野生の・・植物?」
「ああっ、そうか。これは木の実を絞ったものなんだよ、まぁそのままの果汁でもいけるんだけどね」
「そ・・そう、貴方って何でも知っているのね」
「まっ、そういう知識っていうのは身を助けるもんだからね。
それよりもこれからどうする?他に行きたいところってあるかな?」
僕としたら家に連れこみたいんだけど〜・・
「ううん、さっき道沿いにテントが並んでいた地帯があったじゃない?あそこがいいわ!」
「テント郡・・?あそこは難民とかが溢れているところだよ?
良家のお嬢さんが行くにはちょっと危ないよ」
「危なくなったら助けてくれるんでしょ?行きましょ!!」
あらら・・、思った以上に行動的だなぁ。
まぁ、昔に比べたらあそこもまだマシだし・・、大丈夫か・・。

・・・・

「ここが・・テント郡・・」
砂地に点在するテントと難民の群を見てエカチェリーナは悲しそうな顔をする
・・、貴族の娘さんにしてはこうした反応って珍しいな
大抵はそれに対する自分の生活に優越感感じまくり〜なのに
「そっ、貿易都市の賑わいに誘われ現実に打ち勝てなかった人達の住む場所さ」
「ど・・どうしてこのまま放置しているの?」
「排除しようって動きの都市もあるけれどもこの街は領主なんかは利益重視で
難民の事なんか実害がでなければどうでもいいって感じだ。
一歩間違えれば危険な状態になるんだけどそれを抑えているのがルザリア騎士団だよ」
「騎士団・・?難民を処刑したりする人達よ?なんで・・」
「それは余所の都市の騎士団が犯罪を犯した人に対して極端な処罰を与えているだけのことだよ。
ここの騎士団はハイデルベルクの中でも一番の実績があるとは僕は思うよ。
これだけの難民や貧民の住所録を作って炊き出しをし機会があれば職も紹介しているんだ」
「・・・・・」
「これはハイデルベルクの中でも特殊な光景・・だね。
君が珍しがるのも無理はないし信じられないかな?」
「いえっ・・、良い勉強になったわ。
処で貴方は・・今のカーディナル王の治世ってどう思う?」
・・??・・
「カーディナル王・・かぁ。僕は世の中の政治に対してはどうでもいいほうだからなぁ。
都市の貧富の激しさはあるけれどもそれがなければいいんじゃないかな?
後は騎士と貴族の腐敗が気になるけれどもそれはどうにもし難いし
・・まぁ貴族怜嬢の君に言うことじゃないけど・・ね」
「ふぅん・・。軟派に見えてもしっかり考えているのねぇ」
「こうした人間のほうが案外しっかりしているんだよ♪おや・・」
テント郡の向こうから騎士が二人こっちに来る・・
そういや先輩、騎士団屋敷とテント郡には近づくなって言っていたな・・・って・・あれは!!
「カ・・・・カ・・カチュアさん!!!?」
多少大人びたがあの金髪の女は先輩の妹カチューシャさんに相違ない!
でも・・ルザリア騎士団の制服を着ている・・?
「あら・・、あんたは紫ラーメン!!
そっか、お兄さんと一緒に住んでいるんならこの街にいるわけねぇ」
「先輩の言うことはこれだったか!ってキースさんも!」
「ああっ、俺達はルザリアに配属になったんだ」
隣にいた赤毛の戦士・・キースさんだ。この人はルックスもいいのにカチュアさんだなんて
人にまとわり憑かれているかわいそうな人間なんだよ・・
たぶん・・・、感染したんだ・・、間違いない!!
「・・あんた、今失礼なこと考えているでしょう?」
!?
「いえっ!決して感染しただなんて考えてないです!はい!」
「このガキ・・、まぁいいわ。私達仕事が忙しいの・・。
あんた達に構っている暇なんかないからまたね!」
・・遭遇したことで驚いたんだけどカチュアさんも騎士になっていたんだな・・
まぁ、これからはテント郡に行くのはやめようか
「・・あれが、騎士団の人間?随分騎士らしからぬ人達ねぇ?」
「・・、あの人達は最近の騎士になってここにきた・・んだと思うよ?たぶん・・」
「ふぅん・・。でも、ほんとしっかりした街ね・・・。うらやましいわ」
「何っ、きっかけがあれば誰だってこうなれるよ。」
「えっ・・?」
「要は気の持ちよう。
例え金がなかったり家族がいなかったりしても笑っていればいいことが起こるし
信じていればそれはかなうもんなんだ。
だからこそみんながこうしていられ、騎士団もうまく廻せているんだよ」
「・・貴方ってほんと・・」
「変わっているだろ?」
「うふふ・・」
「はははっ」
ううん、良い感じだ。・・色気がない場所だけどね・・

「いたぞ!ジャスティン!」
げっ!この声は!
「よしっ、囲んだ!ジェットも来る・・一気に仕留めるぞ!」
おっさんと顎髭男・・、テント郡まで追ってくるとは、ね
「やれやれ・・、少々うかつだったかな。貴方達、エカチェリーナさんの使用人ですね。
あまり鼻息荒く追っかけるのもいけませんよ」

「小僧!我等が使用人だと・・!いいか!そこの御方は・・!」
「ディウエス!身分は明かすな!」
「ぬ・・ぐぐぐぐ・・!!」

・・・、まっ、いいや
「何にせよ強引に事を運ぶのは感心できませんね、
素直に頼めばエカチェリーナも納得するでしょうに・・ねっ?」
「いや」
あらっ、どうやら聞く耳持たず
「少年、その方が素直に言って聞く性格じゃないのはわかっただろう。
これ以上我等も時間をかけられないんだよ・・」
説得するつもりだろうけれども腰に下げている得物に手をかけている・・
解答しだいでは痛い目を見てもらう・・ってことかな?

「・・・・、ここか・・」

ちっ、さらに援軍か。今度は黒い鋼みたいな筋肉の男・・、気配も切れているね。
ともかく、エカチェリーナはどうあっても嫌みたいだし流石の僕でも
この3人に囲まれて戦うのは危険過ぎる・・、結構ピンチかな・・

「おい、テント郡でのモめ事は止めろ」
「そうよ!ルザリア騎士団のキース夫妻が退治しちゃうんだから!」
「・・カチュア、脱線するな・・」

キースさん達だ!ラッキーな事に三人の注意も一瞬そっちに向いた!
「エカチェリーナ!いくよ!」
「えっ!?」
二人だとそう遠くまでいけないけど・・!!
「『風翔』!!」
上昇風による高位移動術だ!追ってはこれないだろう!
「フィート!?えっ!きゃああああああ!!」
落とさないようにしっかり抱き締めて上げて・・っと。
そんなに遠くにはいけないけれども逃げきる手としては十分だ!

「飛行術!?あのガキ!何者だ!!」
「くそっ!影を追うぞ!」
「ちょっと待て、ここで騒ぐなんてお前達何者だ」

下ではモめてるけどおかまいなし!逃げるが勝ちだよ〜♪


・・
・・・
・・・・

流石に二人ということで徐々に高度も下がってきてルザリアの表門の外へ不時着した。
街道が長く伸びているけれどももう夕暮れ時だからそれほど人影もいない・・。
もう少ししたら夜間便としてまたゾロゾロ移動するんだろうけどね
「・・・さっ、とりあえずは安全だよ」
「・・す・・、すごい!鳥になったみたい!貴方こんな術まで使えるの!」
最初は悲鳴をあげていたわりには感激しているみたいだね・・
「一応本職は魔術師だからね。このくらいは朝飯前さ。でもあの人達も必死だったよ?
いい加減に向こうとも話し合わないとまずいんじゃない?」
「・・・だって・・、皆怒るんだもの・・」
「ちゃんと理由を話したらわかってもらえるもんさ。僕からも説得しようか?
まぁ逃げたばっかりだから信用してもらえないだろうけど・・」
「・・いいわよ!理由は私が言うわ!」
「それがいい♪」
「・・ねぇ、フィート。貴方はどうして私にこうも接してくれるの?」
「??・・困っている女性を放っておくのは男子じゃないってことですよ♪」
「・・・・、た・・例え私が・・一国の姫だとしても・・?」
姫・・・、ふぅん・・・
「エカチェリーナ、僕がそんなせこい人間だと思ったのかい?
君が何者であろうとも親切にするのは男の義務だよ」
「・・ありがとう・・」
おっ、良い感じだ・・。これは落とせるかな


「ようよう!ガキが二人随分と色気を出しているじゃねぇか!」
「おっ!ほんとだ!最近のガキはお盛んだな〜!げっへっへ!」

・・ゴロツキさん登場、処構わず因縁つけてくるところを見ると・・、酔っているね
「フィ・・フィート?」
「安心して。お二人さん、誰が『ガキ』・・ですって?」
「決まっているだろ!おまえ・・(バキ!!)・・おぶえぇ!」
「な・・いきなりなにしやが(ガキン♪)・・・う〜ん・・」
鉄拳制裁・・、しばらく伸びてくださいな
「・・あ・・貴方って、強いのね」
「生きるためにはそれなりの力が必要だからね。それでもあの3人レベルだときついか・・」


”だとしたら大人しくそのお方を渡してくれないかな”

・・・、もう追いついた・・か。ゴロツキのせいで!!
「何にせよ、彼女が嫌がるのならば引き渡すわけにもいかないんですよね」
振り向くとそこにはあの三人が・・
「聞いたとおりだな。だが我等としてもアルマティの『法王』と争いを起こすのは不本意だ」
・・えっ、僕のことを知っている・・?
「フィート君、その御方を解放するんだ」
「キ、キースさん!?どうして・・」
「この方々はハイデルベルクの聖騎士の人達だ。そしてそのお方は・・」

「・・・、カーディナル王の娘、エカチェリーナ・・よ」

「・・エカチェリーナ・・」
「ごめんなさい、これ以上私のわがままで貴方に迷惑かけるわけにもいかないみたい・・ね」
「姫様、ではようやく・・」
「ええっ、フィートのおかげで観光もできました。
・・説教は道中聞きますので彼は責めないように・・お願いします」
「「「御意に・・」」」
「・・やはり、君はお姫様だったんだね」
「・・ごめんなさい、隠していて」
「まぁ、大方予想はできていたよ。この街での経験・・為になりそうだった?」
「ええ・・、ありがとうございます」
「まぁまぁ、そんな他人行儀にならないで。説教は大変そうだけど・・がんばって。
僕も良い思い出ができたよ」
お姫様だろうが僕には関係ない・・。彼女は彼女だ
「フィート・・、ありがとう。今度は・・きちんとした形でこの街にくるわ。
・・その時はまた、案内してくれる?」
「もちろん、お安いご用さ。」
「・・ふふっ、ナンパなのに良い人ね・・じゃあ・・参りましょう」
観念したのかな?聖騎士達に囲まれてエカチェリーナは街中に消えて行った
お姫様とデートか、ほんと、貴重な体験をしたもんだね



「やれやれ、肝が冷えたよ・・」
「キースさん。」
「あの三人はハイデルベルク騎士団の中でもトップクラスの方々だ。
・・そうとは知らず俺達は関わったんだ」
「・・なんか極秘裏って感じでしたから不問じゃないですか?」
「それもそうだが・・、下手すれば首が飛ぶぞ。君は姫様に粗相はなかったか?
・・傷物にしたとなれば・・」
あ・・あははは・・、ややこしいことになる前に事が終わってよかったもんですね
「まっ、心は奪っちゃったかもしれません♪それよりもカチュアさんは?」
「偉い方とは馬が合わないらしい。テント郡の見まわりを進めている・・」
「そうですか・・、じゃあキースさん、一つ聞いて良いですか?」
「・・、なんだ?」
「・・・感染、してないですよね?」
素朴な、疑問ですよ・・


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