第7話  「シトゥラVSキース」


ともあれ、スクイードを除く全員が勝利し意気揚々と宿屋に帰る俺達。
まっ、この中でお互いどんぱちするってわけなんだが・・
ともあれ、一日の労をねぎらうために一階の酒場で祝うことになった

「・・・それで、なんでキースさんがいるんだ・・」
ようやく立ち直ったスクイード・・、一緒に来ているキースに驚く・・
まっ、自信喪失された奴だから気になるわな・・
「ああっ、カチュアさんにどうしてもと言われて・・」
「そうそう!話ているうちに意気統合しちゃってね♪今夜は夜通しで語りあうの!」
・・・明日、試合だぞ・・?
「いいのか?キース。大方断りきれなかったんだろ?」
「・・・わかります?」
顔に書いてあるし・・
「カチュア、あんまり強引なのはいけないぞ?」
「先輩がそんなこと言うなんて・・・・」
じゃかぁしい!!
「・・・まぁいいですよ。シトゥラさんとも話してみたかったし」
「私か?」
「ええっ、明日は・・全力でいきます!」
・・・・熱い漢だな・・
「ふっ、私もだ。家主がやられた以上手は抜けないからな」
シトゥラも寡黙ながらやる気だ・・、これは良いカードになりそう・・

「それじゃあ私達はバルコニーで話し合うわ♪みんなおやすみ〜!」
「・・・風邪引くなよ?キースもほどほどにな」
「わかりました・・」
やっぱり嫌なのかな?カチュアに引っ張られて2階に上がっていくキース君・・・
「・・・さて、私達もそろそろ眠ろうじゃないか?」
シトゥラが欠伸をしてながら立ちあがる・・・。
「・・あっ、ああ。」
「まだ落ちこんでいるのなら添い寝してやるが?」
「いい!もう大丈夫だ!!」
・・・ストイックね〜・・って、我慢しなくてももう手をつけたんじゃないのか?
「うんっ、それでいい・・。じゃあクロムウェルにフィート。また明日な」
「ああっ・・、スクイード、我慢せずにヤっちゃいなよ?」
「うるさい!変態!」
あらあら、顔真っ赤にしちゃって〜♪

「・・なんか、男二人になっちゃいましたね・・・」
「・・・そだな。そろそろ寝るか?」
「そうですね・・、でもその前に。」
「?」
「僕はこのまま決勝まで勝ち残ります。先輩が相手でも手加減しませんよ?」
筋肉大男からの敗戦以来、少しは勝負に執着するようになったようだな・・
「・・・・へっ、望むところだ。久々にマジでやろうぜ」
「ええっ・・、じゃあもう寝ましょう・・」
何はともあれ、男二人で寝ることになる・・・。
はぁ、何だろう・・、何か落ちつかない・・・。
タイムがいないから?・・・・俺らしくもない








”さあ、今日も絶好の死闘日和!今日も素晴らしい対戦をしてくれるでしょう!!”
朝からハイテンションやな〜、アナウサー・・
まぁ今日は良い対戦カード揃っているから張り切るのだろうが・・・
”今日は私が昨日から気にしていたあの人が初対戦ですから楽しみです、はい”
解説のフランキーさんが気になる選手・・?
あの匿名希望さんか?
”それでは入場していただきましょう!シトゥラ、キース選手です”
颯爽と登場するキース。ややクマでできているような・・。まぁそれでも
気合い十分だ・・。
そしてシトゥラ。民族衣装っぽい服装で優雅に入ってくる

「「「「「「せ〜の、シトゥラさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」」」」」」

うわっ、昨日のフィートをも越える声援・・、なんかほとんど女?
「・・・負けたな、フィート。」
「・・・まっ、仕方ないですよ。シトゥラさん女性ウケ良さそうですし・・」
”シトゥラちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!・・・あっ、失礼・・”
おいおい、シトゥラが気になっていたのかよ?解説のフランキーさん・・
”え〜、キース選手は昨日説明していた通り、初戦突破にさらに気合いが入ってます。
そして!白髪の狐人シトゥラ選手!豊満なバストに見事なくびれ!そして引き締まったお尻と
これはもう芸術です!!!!”
・・・・・選手の紹介になってね〜・・・
「ほんっと、あんなおっぱい欲しいな〜」
カチュア・・、お前はまだ成長中だ
「まっ、軟らかかったがな」
「「「えっ!!!」」」
「先輩・・・、まさか夜這い・・」
「スクイードがいるのにんなことできるか!」
「じゃあ何でシトゥラの胸の軟らかさを知っているんだよ?」
「・・お前も知っているんじゃないか♪」
「ぐ・・、そ、それは置いといて!」
「まっ、以前アイツと氷山で戦ったときに、な。俺に女は殺せねぇから胸とか揉んで油断させて転ばせたのさ」
詳しくは「スタンピート!!ACT3」にて♪
「・・・う、羨ましい・・・」
「お前はエネの胸を育てて揉め」

「それでは!・・・はじめ!!」
うさ耳審判のジルちゃんもなんだか「負けた!」って感じですな〜
「では・・・昨晩言ったとおり・・、全力でいかせてもらう!!!」
「もちろん・・、勝負!!!」
一気にお互い突っ込む・・、おうおう熱いね〜・・

キイン!!!

キースのクレイモアとシトゥラの獣骨の短剣がぶつかり合う・・。
そのまま乱打戦に・・
「・・・よくあの骨の剣が折れないもんですね・・」
ほんとだな・・おい・・
「シトゥラの短剣は聖獣の骨を使用していて何度も儀式を行った聖剣らしいんだ。だから
僕もハルバートでもびくともしなかったよ」
・・さすがは複雑な仲、よく知っていらっしゃる・・
「でもそうなるとどうしても大ぶりのクレイモアは不利ね。シトゥラさんの短剣って軽そうだし・・」
おうおう、すっかりカチュアはキースひいきだね・・

「そんな大ぶりでは当てにくかろう・・?」
「一撃・・、一撃当たればそれでいい!!」
素早い動きで翻弄するシトゥラ、キースはやはり不利だな・・
「弐之太刀はいらない・・・、一撃で!!!」
目で頼るのを止め気配でのみに集中している・・・。これは賭けだな・・
・・つくづく、俺好みの戦いだな・・
「・・・いいだろう・・、行くぞ!」
素早く飛びこむシトゥラ・・・!
「!・・・見えた!!」
目をカッと開き一気にクレイモアを振る・・・・、心眼が開いたようだな・・

キィン!!!

「それでも防御には間に合う・・・か。スクイード、良い師匠だぜ?」
「・・わかっている・・、シトゥラ!!負けるな!」
熱こもってますな・・
「よっしゃあ!!キース!そのまま攻めなさい!一撃必殺よ!!!!」
・・・・こっちも熱こもってますな・・

「ちっ、仕留めたと思ったが・・!」
「そうそうやられはしない!」
・・とは言え、防御越しにダメージが残っているのか・・、少しよろめいている・・

「「「「シトゥラ様がんばってぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」」
・・すでに親衛隊結成?

「負けるなシトゥラ!僕の無念を晴らしてくれ!!」

”おおっと、観客からシトゥラ選手に対する声援がすごくなってきている!これはやはり彼女の
魅力が引き起こしているのか!その点どうでしょう?解説のフランキーさん?”
”シトゥラちゃんがんばってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!”
”・・あの、解説のフランキーさん?”
”・・えっ、ああっ、少し我を失っていました。申し訳ありません”
・・・・・・お前等・・・・・

「・・・さぁ、次の試合もある・・、そろそろ幕引きと行こうか・・」
シトゥラが両手に持つ短剣を逆手に持ち低く構える
「動きを見切った以上、貴方に勝ち目はない・・。だが・・・容赦はしない」
「・・・ふっ・・・では・・・・」
「「行くぞ!!!!」」
一気に突っ込む二人・・、防御する気配もまるでなし・・・。
これで決着をつけるつもりだ
「・・・その程度か!!もらったぁぁぁぁ!!」
クレイモアでの必殺の一撃・・
しかし

フッ

不意にシトゥラが揺らめいて消える・・
「幻術を応用した残像・・か。面倒だな」
「あれやられたらほんと困るんだよ・・」
「何よ!根性で斬り抜けなさい!!!」
「・・・熱いですね、カチュアさん・・」

あちこちに気配のある分身を作り出すシトゥラ、
どれも残像のように現れては消え、消えては現れる・・
「く・・、とっておき・・か・・・・」
その場に立ち止まり目を閉じるキース
心眼で対抗するか・・
「・・・・・そこっ!!」
残像のうちの一つに大きく横払い!!
しかしその下をかいくぐるように突進するシトゥラ
「これで・・、頂く!!!」
高速で切り上げ、そして両手で切り下ろす・・。
「・・・ぐっ、・・・・あっ・・」
見事なコンビネーションが決まりキースは得物を落として倒れた・・

「そこまで!勝者!シトゥラ選手!!」

「「「「「「「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」」」」」」
うるせぇ・・
「あつつ・・・、くそっ、後一歩だったのに・・」
「ほう、頑丈だな。まぁ私も負けられないのでな」
「大した女だよ。貴方は・・」
「お前も中々だったぞ。ではな」
しずかに振り向き退場するシトゥラ

「「「「「「「シトゥラ様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」」」」

直も声援を送るシトゥラ親衛隊の皆様・・、有頂天だっつーの
「・・ふっ」
シトゥラも長い髪をさらっと振り応援した連中に軽く手を上げる・・
ファンへのサービス心・・・あるんだ・・・
「・・・これでシトゥラさんとお兄さんが対戦・・ね」
「・・・まあ、そうでなくっちゃあな」
以前は俺の勝ちだが今回は・・・、楽しみだ・・。
「それじゃ、そろそろ行きますか」
「おう、フィート。会場壊すなよ?」
「加減はしますよ。僕の大切な女の子が怪我したら大変ですしね」
・・・・使い捨てるくせに
ともあれ、気合い十分で歩いていくフィート
「・・・随分本気ね、フィート」
「まっ、以前痛い目を見たからな・・・、全力で挑まないと手痛い目にあうぞ?カチュア」
「・・・まっ、それは戦ってからのお楽しみ♪じゃ、私も行ってくるわ〜」
颯爽と駆けて行くカチュア・・、わかってないな・・。
まぁ軽くしばいていたから緊張感持つことないだろうしな・・

しばらくして汗を拭きながらシトゥラが戻ってきた・・。
やっぱりキースとの試合で疲れたんだろうな・・
「シトゥラ、お疲れ。」
「ああっ、お前の仇はとったぞ?スクイード」
「ありがとう、見事だったよ」
「ほんとほんと、あんな残像殺法を用意していたなんてな」
「・・ふっ、私も何も観光ばかりで下界に下りてきたわけでもないさ」
・・・密かに修行していた・・ってことか・・・。
「ふぅん・・」
「だが、これでお前ともう一度対戦できるようになった・・」
「へっ、そんなに楽しみにしてくれていて光栄だな」
「・・・ふふっ。」
「シトゥラ・・・」
まっ、その前に激しい戦闘がありそうだがな・・。
カチュアVSフィート・・・。どうなることやら・・


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