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第10話  「グラディウスの男」


「大丈夫か?フィート?」
宿屋で包帯姿で飯を食う相方に気遣う・・。
まぁ急所は完全に外しており、突き刺したというよりも通りぬけたような傷だから
心配はないのだがいくらなんでもすぐ動きすぎだし・・
「大丈夫ですよ、受けた瞬間は激痛走りましたけど後はもうこの通り」
腕を振って元気な様子・・
「全く!大口叩いて負けるなんてね!」
破れたフィートをあざ笑うカチュア・・、ってそのフィートにお前が負けたんだろうが・・
「う゛・・・言い返せない・・」
「だが、相手の男・・相当使うな。あの匿名希望という男・・」
「そうだね、風の抵抗を押さえてフィート君への一突き、厳しい鍛錬を積まないと到底できない」
「なんだよ、シトゥラにスクイード。試合見てたのか?」
「まあな。」
「ふぅん、俺はてっきり人気のない場所でスクイードがいきなり・・」
「何言っているんだ!!この変態!!」
「そういう願望はあるだろう?スクイードちゃんよ♪」
うっひょっひょ♪
「ですが先輩、あの匿名希望について何か気付いていたみたいですね?」
「・・まあな」
「もしかして昔、肉体関係をもった男とか♪」
「なんでやねん!!!俺は男が嫌いで女の子が大好きなんだ!」
「そしてタイムさんはもうこの世で一番・・・(ボス!)・・・匿名希望さんより痛ひ・・・」
「でっ、そうなのか?クロムウェル?」
寡黙に飯を食うシトゥラが俺に聞く・・、ほんっとマイペースな女だな〜。
「ああっ、っと言ってもあいつの全てをわかったわけではないんだがな」
「じゃあどの程度なの?」
「匿名希望のあの剣の構えと足の運び、あれが見覚えがあるんだ」
「へぇ・・・、どこなんですか?」
「軍事国家「グラディウス」だ。あそこの軍隊の正式剣術とよく似ている」
「グラディウス・・って。そんな遠方の国の軍隊のことを何で知っているんだよ?」
「あのなぁ・・、スクイード。傭兵公社はどこにあったんだ?」
「・・グラディウス。ああっ、そうか。」
「そう言う事、だから連中の動きとかもよく見ていたんだよ。内戦もあったしな・・」
そう、傭兵公社とグラディウスを巡る悲劇・・・、忘れられない事件だな・・
「じゃああの匿名希望ってグラディウスの人間って事なの?お兄さん」
「たぶんな。ともかく謎が多い、奴もまだまだ本気ではないだろうな〜」
「ちょっと!勝ってもらわないと私あのボンボンの嫁に行くのよ!ちゃんとやってね!!」
・・・自分負けたくせに・・、図々しい妹を持ったもんだ・・
「まぁ、私達には何もできん。せいぜいその戦いぶりを見させてもらうぞ?クロムウェル」
「ま〜かせなさいって!俺も早く終わらせてルザリアに帰りたいんだしな!ちゃっちゃと終わらせるぜ!」

何かおかしい・・、何だか・・、タイムに会いたくてたまらない・・
まっ、こんなことこいつらには言えないか・・




決勝の日
今日は今までにない曇り空、暗雲立ち込めるってか?
目の前に立つ匿名希望・・。
そして早くもウォームアップをすました俺。
これで終わるから気にすることなく暴れられる・・
体力強化法である「ヴァイタルチャリオッツ」も使用できるってね・・
”さぁ、この『カチュアちゃん争奪杯』。本日の一戦で優勝が決まります。通常の運営を
ストップさせて行うだけあってどれも素晴らしいバトルでした”
”決勝に勝ち残ったのは変態格闘家クロムウェルとビップチャレンジに相応しい戦いを披露した匿名希望選手・・。栄光ある勝者はどちらになるでしょう・・”
”個人的には匿名希望選手がいいですね”
”ああっ、私もです”
おのれら・・・!!

”では、決勝まで頑張ってくれたうさ耳審判のジルちゃん、開始してください!!”

「はい!では!決勝戦!レディィィィィ・・・・・・・・ゴォォォ♪」

「行くぜ!!」
一気に詰めて先手のハイキック!!
「ふん・・、この程度!!」
例の構えで受け流しつつレイピアで颯爽と反撃する匿名希望・・
やはり・・、ハンパじゃねぇ・・
「当たるか!」
レイピアを拳で弾きそのまま掌底!!
「ふん!!」
この一撃も回避し、距離をあける匿名希望・・
「ちっ、グラディウスの野郎と戦うってのは・・やりにくいもんだ」
「それは私も同じ、よもやもう一度傭兵公社の人間に剣を向けるとはな・・」
やはり・・な
「お互い、色々過去があるようだな。だが手加減はしないぜ!」
「私情は無用!全力でいかせてもらう!!」
今度は匿名希望から突進するそして・・
「見切れるか!!」
無数の突きを出す!この速さ・・、初っ端からタイムの突きの最高速度を越えていやがる!!
「く・・・、なめぇ・・・るなぁ!!」
『崩天』を武器に払いのける!!
「!私の突きについてくるとは・・!」
「伊達にここまで勝ち残ってはいねえ!」
匿名希望の腹に低姿勢からのボディブロー!!

ドゴ!!

入った!!
「ぐっ、まだだ!!」
「!・・くそっ!」
吹っ飛ばされる前にレイピアで反撃だと!!
ただでは退かない・・わけか
「・・・この私に当てるとはな。・・クロムウェル=ハット。流石は13部隊の戦士よ」
腹に手を当てながら言う匿名希望・・
効いている・・ようだな
「・・思い出したぜ。確かグラディウスの第4王子が兄や王のやり方に反発して国を離れたって・・、ウェーブの金髪が特徴の剣士だったって噂だ・・」
「・・・・・・ふっ、それが私だと?」
「なんとなくな、あんた・・、ボンボンに雇われたわりには正当な剣を使う。それに、動きもなんだか徳の高いもんを感じるからな・・」
「・・ふっ、買かぶられたものだ。話はここまで、一気に仕留めさせていただく!」
「それは俺も同じ!馬鹿妹や俺の帰りを待つ奴のためにも、みっともなく地面に倒れてられねぇ!」
構えながら突進する匿名希望に迎え撃つ俺・・・

コォォォォォ!!!

「仕掛ける!!」
跳躍!そして全力のラッシュをかます匿名希望!
「そんな突きなど!!『スフィアストライク』!!」
右手に発せられる陽気の球体がレイピアに当たる!
「陽気・・!だが!!」
咄嗟に特攻を止め、陽気から離れる・・・が
レイピアは陽気の高熱を浴びドロドロに溶けている・・
・・止めには遠いな!
「一度出してしまえば見切るのはたやすい!クロムウェル=ハット!覚悟してもらおう!」
改めて速攻!こうなったら!
「『ヴァイタルチャリオッツ』!!」
気孔による身体強化!これでスフィアストライクもまだ出せる!
「!!、おおおおおおおお!!」
溶けたレイピアでの渾身の一撃!この男・・、勝負を全く捨てていない!
「なんとぉぉぉぉぉ!!!」
横なぎの一撃を飛んで回避!
勝機!!
「俺は負けない!!『ストライク!ハンマー』!!(超即興)」
両手に陽気を集めてのハンマーアタック!!
「ぐっ、馬鹿な!!!」
まともに匿名希望の頭にヒット!
そのまま地面にめり込む・・・

「ぜーぜー!!俺に連続して『スフィアストライク』を出させるとは・・」
おまけにチャリオッツ使用・・、これで立たれたら何も対抗できねぇ。

「ぐ・・、」
かすかに指が動く・・
来るのか・・・?
「まだ・・・・だ。まだ・・・戦え・・」
立つな・・、寝ていろ・・・
「ぜーぜー」
やがて膝に手をつけながら起き上がる・・。
信じられねぇ・・
「・・・私は・・・負けん!」

バタ・・・

そのまま倒れる・・

「・・・・・・・・気絶してます!優勝!クロムウェル選手!!!」
・・・気絶?いやっ、恐らくあの一撃ですでに気を失っていたはずだ・・・

”優勝はクロムウェルです!まさか!この街の鼻つまみモノが優勝するとは!”
”全く意外で全く面白みがないですがその強さは称えましょう!!”
場外ブーイングと解説と実況の味気ない言葉・・・
もういいや・・疲れた・・・


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