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番外  「豹変彼女達」


今にもぶッ潰れそうなぼろっちい宿・・。
内部は意外にしっかりおり頑丈だ
そこで床に焜炉を置き鍋を焚いている一組の男女・・
「まっ、たまにはこんなのもいいだろ?」
クロムウェルが鍋の中身を味付けながら言う
「お前が料理をするとはな・・、初耳だ」
じっと鍋を見ながらシャツにズボンとラフな格好のタイム・・。
いつも仕事中はビシッとスーツで決めているのだがその分私生活は割とラフ姿が多いようだ
「おいおい、俺はこれでも傭兵だったんだぞ?自炊くらいできるっての」
「ふふっ、すまない・・。でっ、シトゥラも来るのか?」
「ああっ、この間は色々がんばってくれたからな。スクイードもいないしたまにはお誘い・ってなことだ」
「・・・そうか」
「・・二人っきりになれないのが残念?」
意地悪な質問・・、それでタイムの反応を見るのが彼の趣味だとか・・
「・・そっ、そんなことない・・。ただ・・、その・・鍋の分け前が減ると思って・・」
「はははっ、じゃあそういうことにしておきましょう。今日はみんなで夜通し飲むぞ〜♪」
「・・・・意地悪・・・」

コンコン

「きたな。開いてるぞ?」
入ってきたのは膝まで届きそうなくらい長い白髪の狐人、シトゥラ
「やっているな・・」
「ああっ、なんだ?その紙袋?」
「鍋をやるのだろう?材料を一つもってきてやったぞ?」
静かに紙袋から色々なキノコを取り出すシトゥラ・・
良い臭いのするものや実が大きいものなど色々ある・・・、その中には妙にオレンジ色のものも・・
「キノコか・・、おいしそうだな」
これにはタイムも喜ぶ。
「・・・き、きのこ・・・?」
クロムウェルはなぜだか浮かない顔・・
「どうしたクロムウェル・・?顔色が優れないぞ?」
「あ・・、いや・・、俺、キノコを食うの苦手なんだよ・・」
「そうだったのか?初めて聞いた・・・。お前が好き嫌いするとはな・・」
「まぁ・・な。元々食えたんだけど・・、13部隊に無茶な姉御がいてな。その人に毒きのこを
むりやり食わされたんだよ・・・」
「むっ、無理やり・・?」
「ああっ、これに毒はない、私がそんな間違いをするわけないだろ!・・ってな感じで・・・
おかげで3日間生死をさ迷ったよ」
「・・・お前を超えるそんな無茶な奴がいるとはな・・」
「ある意味、あの部隊の面々全員が無茶だけどな・・。まあ、キノコはダシで楽しませてもらうよ。二人はキノコ鍋を楽しんでくれ」

そうこうしながらも調味料やキノコを入れて味を整える・・
味付けは塩味ベースで上品な仕上がりに。
普段荒っぽい性格な分、この味付けの繊細さにはタイムやシトゥラも大驚き
「お前・・、料理になると凝っているんだな・・」
「うむっ、てっきりある調味料を全部入れるものかと思った・・」
「お前らな・・、これは世話になったクラークさんに教えてもらったんだよ。あの人は東国の
「カムイ」付近の村出身だから薄味好みなんだ。・・・まぁ教えてもらうまではお前らの想像とおりだけど・・・」
「ほぉ、以前見たが流石な男だったな。彼の子を孕めば一族に新しい風を吹かせれるか・・」
以前クラークと会ったことのあるシトゥラが感心。
子供が一族の宝とし、強制妊娠が掟の白狐族にとってはクラークの血筋はかなり欲しいもの
らしい・・
「おいおい、スクイードが聞いたら嘆くぞ?」
「まぁ、それはおいといて。・・だが、彼にはすでに心に決めた人がいたようだったぞ?」
「?、確かクラークさんは最愛の人を亡くしたんだぞ?それ以来は・・」
「うんっ、確かキルケゴールという一緒に居た少女のことを気にしている感じだった。その
キルケゴールもクラークを熱っぽい目で見ていたな」
「・・お前にしてはほんっとよく見ているな、タイム・・」
「まぁ、セシルが留まっている連中に興味がわいたってところね。・・・もういい?」
鍋が煮立ってきたようだ・・
「ああっ、そうだな、じゃあ頂こうぜ!!」
キノコてんこもりの鍋でのお食事・・、3人はにぎやかに平らげることにした・・・


しばらくして・・・


「うん、キノコが食えなかったけどうまかったな」
知らない間にも酒が数本空いておりクロムウェルも上機嫌だ
鍋もすっからかんで焜炉の火も既に消している・・
「くろ〜♪」
露骨に甘えてくるタイム・・、酒が入っているのか顔が真っ赤だ・・。
シトゥラも部屋の壁にもたれて少しうつらうつらしている模様
「おっ、おい・・、シトゥラがいるんだから・・」
「そんなの関係ない・・、散々一人にさせたんだから甘えたいの〜♪」
「駄目だよ、シトゥラが起きたら大変だろう?タイムはあの時の声が大きいんだからな」
「変態!!」
怒りながらもクロムウェルにベタベタ甘えるタイム・・
彼のこれは酔いのせいだと思っているようだ
「まぁまぁ、ともあれ、シトゥラがうつらうつらしているしな。風邪でも引かない様に毛布でもかぶせてやるか」
甘えるタイムを置いておいてシトゥラに毛布をかぶせようとするが・・

パチッ

「・・・・・・・・」
「・・・目が覚めたか?」
急にシトゥラが目を醒ましたのでなんか気まずい感じ・・
毛布をかぶせると言っても壁にもたれている女性に覆い被さるような構図なのだから・・
「・・きゃ、きゃあああああああ!!!」
「えっ!なんだ!!」
突然シトゥラが叫び出す・・
「おっ、犯されるぅぅぅぅぅ!!!!」
そのまま泣き出し部屋を飛び出していった・・・・・・・
「・・・・・なんなんだよ。あれ・・・?」
いつものシトゥラじゃないので訳がわからない様子のクロムウェル
「酔っておかしくなったのよ・・、それよりも、くろ・・・♪」
クロムウェルにすがってくるタイム
「おかしくなったのはお前の一緒だ、甘えタイム」
「・・もう、くろのいぢわる・・」
「ああっ、そういや帰って忙しかったから忘れていたけど土産があるんだ」
「みや・・げ?」
部屋の隅の紙袋をあさり、中から水色のバニーガール衣装を取り出す・・
「何・・これ・・?」
「実家で武闘大会があったんだよ。それでそこの審判がこの格好をしていたんだ。タイムに
似合うと思ってな・・」
「でも・・、網タイツにこんな際どいハイレグだなんて・・、恥ずかしい・・・」
「きっとタイムに似合うって!さぁ、俺が着替えさせてやるよ・・」
「くろ・・、目が野獣になっているよ・・」
なんだかんだ言ってラブラブなお二人・・。
様子のおかしいシトゥラの事をすでに忘れて二人の世界になったようだ





翌朝
「くろ・・、一緒に仕事に行こう・・?」
朝になっても甘えたなタイム
バニー服は脱いでいつものラフ姿だ
「え゛・・、いやっ、俺はデスクワーク苦手なのこの間証明しただろ?」
いつも仕事場まで来て欲しいとは言わない彼女に驚くクロムウェル・・。
因みに彼は上半身裸で下は寝巻き・・
「でも・・・」
「おいおい、人前では凛々しい団長だろ?俺がいたら駄目だよ」
「うん・・・・」
「よし、じゃあ行って来い!!また後で邪魔しに行くよ」
「わかった・・・」
いつもより女の子しているタイムを見送るクロムウェル・・
「なんか、ほんと昨日からタイムもおかしいな・・・、シトゥラもあんなんだし・・。
・・・・・・酒のせいか?」
あまり気にせず彼は部屋に戻りもう一眠りすることにした・・・・



一方
ルザリア騎士団に隣接する騎士団の寮・・
「ただいま〜、やっと帰ってこれた・・・」
短めの黒髪を掻きながら青年騎士スクイードがピシッとした制服姿で帰宅する
部屋には居候の獣人シトゥラが待っているはずだ
「仕事で朝帰り・・か。やれやれ、シトゥラにご飯を頼んでいてよかった・・」
部屋に入り服を脱ぐ・・
シトゥラが台所で料理をしているのが見える
「シトゥラー、帰ったよ。すまないな、ご飯を頼んで・・」
「ひっ、ひいいい!!!」
「シ、シトゥラ?」
「スクイードさん!!なんで上半身裸なんですか!わ、私を襲う気なのね!!!」
思いっきり後ずさりするシトゥラ、はっきりと怯えの表情が見て取れる
「・・・スクイード・・さん?・・っていつもこのくらいでは眉一つ動かさないじゃないか?」
「こっ、こないで!変態!!」
「へっ、変態って!クロムウェルじゃないんだし!おいっ!どこに行くんだ!シトゥラ!!」
部屋を逃げまわるシトゥラ、しかし我を失っているようで足をつまずきこけてしまった・・
「シトゥラ、落ちついて・・」
気を落ち着かせようとシトゥラの腕を掴むスクイード
「いっ、いやぁぁぁぁぁ・・・・・」
涙目で訴えるシトゥラ、耳も垂れ下がっておりいつもの気高い雰囲気は微塵もない・・
「シ・・、シトゥラ・・・」
「スクイードさん・・、許して・・・」
「シトゥラ・・、ごめん!!」
「!!!スクイードさん!!!?」
いつも見ない居候の表情にスクイードご乱心
晴れて変態への第一歩を踏み出したとさ・・・




「・・・でっ、様子が変だと・・」
「あっ、ああ・・。態々すまないな、クッ、クロムウェル・・・」
しばらくしてクロムウェルと医者であるクライブを呼んだスクイード
シトゥラはベットで静かに寝ているようだ
「クロムウェルだぁ?どうしたんだ?いつもなら変態って言うのに・・」
「・・・うるさい!」
「それよりも、シトゥラさんが変というわりには静かに寝てますね。何があったのですか?」
患者が意外にも静かなことにクライブが不審に思う
「まっ、寝方が変とかでわざわざ呼んだりはしないわな。どしたんだ?」
「その・・、変に怯えていたんだ。今は落ちつけせて眠っているんだけどどうも男が恐くなって
いるような・・」
「男が・・?それじゃあお前はどうやってシトゥラを落ちつかせたんだよ?」
「!!それは・・・」
「まぁ、それは聞かないでおきましょう、クロムウェルさん・・」
「・・・なるほど。わかったよ、変態♪」
「・・・・うぐっ・・・」
普段変態と呼んでいる男から変態と呼ばれても反論できないご様子・・
激しい後悔の念にさらされているようだ
「でも、あのシトゥラが男性恐怖に・・・。まるで性格が正反対になったような感じだな〜」
「性格・・反対・・。」
クロムウェルの言葉に頭を回転させるクライブ・・
「何かわかったか?」
「ええっ、まぁそうなる毒素はありますが・・。スクイードさん。シトゥラの前日の行動はわかります?」
「いや、僕は王都の使いに出ていたからわからないんだ。」
「ああっ、それなら俺がわかるぜ?」
「お前が・・?」
「おう、昨日はタイムとシトゥラを誘って家で鍋をしたんだ」
「!。そこに・・、オレンジの色のキノコはありませんでしたか?」
急に話に食いついてくるクライブ
「え・・ああっ、そういやあったな。シトゥラがもってきた中にそんなのが・・」
「それですね・・。そのキノコは『性毒茸』といって人の性格を正反対にする毒キノコなんですよ」
「・・・じゃあシトゥラはずっとこのまま・・?」
「いえっ、基本的には一時的に精神に異常おを及ぼすだけなのでほうっておけば自然に
回復しますよ。まぁ、性格が豹変するんでみんな最初は恐がるんですよ・・」
「よかった・・。ん・・?じゃあなんでこいつは普通なんだ!?」
おもっきりクロムウェルに指差すスクイード
「俺はキノコが駄目なんだよ。だから食ってないの。まっ、これで一安心・・・・んっ?」
「?どうしたんです?クロムウェルさん」
「いや・・、ちょっと用事を思い出した!!すまないがまたな!!!」
いきなり部屋を飛び出すクロムウェル。
「・・どうしたんでしょう?」
「・・さぁ・・・」
いきなりの行動にしばし二人は呆然としていた・・
そんなことも知らずシトゥラはまだ寝息を立てている・・



「団長、どうしたんですか・・?」
「?、何がですか?」
同時刻、団長室で事務をしているタイムに騎士団の面々が怪訝な顔で詰め寄っている・・
「だって団長・・、いつもスーツ姿なのに今日はなんだかラフですし、言葉使いが・・その・・」
気まずそうに言う男性騎士。まさかいつもより女らしいとも言えない・・
「えっ、これが普通ですよ〜♪それよりも皆さん、今日も一日がんばりましょう♪」
にこやかに微笑むタイム・・
「・・・・。んっ?その・・紙袋は・・?」
でかい団長用の机の横にちょこんと置かれた紙袋
いつも整理整頓を心がけているタイムだけあってそんなところに
置かれているのがおかしい様子・・
「あっ!それは・・」
何故か慌ててとろうと席を立つタイム・・
「失礼ですが中身を確認させてもらいます、おい」
タイムが取るより先に女性騎士が紙袋を取り上げる・・・
「では、団長。失礼します・・・・きゃあ!!」
驚きながら取り出したのはバニーガールの衣装・・
しかも誰かが来た形跡がある
それを見た男性騎士もとい「タイム親衛隊」が驚きの声を上げる
「何なんですか!?団長!?」
「あう・・、これは・・クロのお土産で・・・」
小さな声でごにょごにょと答える・・
「クロ・・・、まさか!変態クロムウェルですか!!?」
「クロは変態じゃない!ちょっとHだけど・・・優しいもん・・」
「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」
その一言に一同沈黙・・
「でっ、では、この衣装はあいつがタイムさんへ・・?」
「・・うん、せっかくだから着てみろって言われて・・その・・・」
「・・・あいつと団長はどういう関係なんですか!?」
女性騎士が耐えきれず狼狽する
憧れの団長が街一番の変態に不埒な衣装を着さされていたんだ。
彼女らにとってはこれ以上のショックはそうはないだろう
「クロは・・、私の・・大切な人・・。いつも傍にいてくれて私を助けてくれるの・・」
照れながら答えるタイム・・。
その言葉に女性騎士、卒倒。
男性騎士信じられないといった表情・・
「あの・・、皆さん、仕事に戻って・・」
「団長!あんな馬鹿よりも僕のほうが!!」
いきなり親衛隊の一人がタイムに襲いかかる!
あまりのショックに自暴自棄になったようだ・・
「きゃあ!くっ、クロ・・・!!」


ガチャアアアアアアアン!!!
「ぐあ!!!」
急に団長室の後方のガラスが割れ、
タイムに襲いかかろうとする騎士が吹っ飛んだ・・・。
「・・・クロ♪」
そこに立つはクロムウェル・・
但し今まで見たことのないような険しい形相で殺気立っている
「お前等・・、今ここで起こった事は全て忘れろ・・」
「く・・変態が・・」
「忘れろ!!いいな!今日この場で起こったことを今後口に出したら!!
二度と口が利けなくなると思え!!」
「・・うっ・・・」
「わかったか!!!」
「・・あっ、ああ・・わかった・・」
「よし!じゃあ仕事に戻れ・・」
「しかし、団長は・・」
「いいから戻れ!戻らなければその目玉潰すぞ!!!!」
鬼のような形相のクロムウェルに唖然とし親衛隊は団長室を後にする・・
狐につままれたような形相で夢でも見ているかのようだ・・
やがて団長室には何が起こったのかと不思議そうなタイムと
息が荒いクロムウェルだけになった・・
「ねぇ、クロ。なんで怒っているの?」
「・・・ああっ、まっ、気にするな。色々あるんだよ」
「そう・・、ねぇ。クロ・・?」
「んっ?」
「好き♪」
「・・・馬鹿、さあ、一緒にいてやるから仕事をしなよ。」
「いやっ!クロが好きって言うまで仕事しないもん!!」
「おいおい、男がそんなこと滅多に言うもんじゃないんだよ!」
「いや!好きって言って・・」
「・・・好きだ・・」
「よろしい♪」
珍しく顔を赤くしてクロムウェルはタイムが正常になるまで傍にいてやった・・


因みに・・
「んっ・・?」
「目が覚めたか・・?シトゥラ・・?」
「スクイード・・、私は眠っていたのか。・・・んっ?私は何をしていたんだ・・?昨日クロムウェルの家まで行ってのは覚えているのだが・・」
「きっ、気にしなくていい!少し都会生活に疲れていたんだよ・・」
「そうか・・、んっ?下着の位置が・・何か変だな・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・・」


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