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「聖魔VS妾龍」vol6


聖魔、戦聖女の暴走によりニース自衛団の戦力はガタガタに・・
それでも敵の気配がなくなっているで一応に戦闘は終わったものと応急手当を開始した
「・・っ!」
「大丈夫?アル・・」
「いや・・融合を解除した時にちょっと足をひねっただけだよ・・体力はごっそり持って行かれたけど・・レイブン・・
大丈夫か?」
「・・私も・・貴方と同じ状態です」
強烈なブラスターにギリギリ耐え切ったがそのまま戦闘不能になったアルとレイブン
真っ先にマリーが駆け寄って傷の手当てを始めている
マリーは魔法の才能がない分小物入れを常時携帯しており救急セットは欠かせない物・・
とりあえずは包帯を取り出しアルの足を固定している
「レイブン・・敵の気配はもうないのかい?」
「・・・・・、ええ、大丈夫です。サブノックさん!大丈夫ですか!」
少し距離を置いたところで同じく治療をしているサブノック組に声をかける
激闘を繰り広げたサブノック、暴走し力のまま戦い疲労しきったイリアをラミアとタナトスは魔法で回復しているのだ
「こっちは大丈夫だ・・・ラミア、すまんな」
正気ではなかったとは言え我が娘に手をかけかけたサブノック・・、その事が気掛かりな様子だが
「いえっ!これも修行です!父上・・大丈夫ですか?」
「うむ、疲労はしたが・・まだ闘える。」
人間形態へと戻ったサブノック・・、服が元通りなのはお約束・・
それでも傷はそのままにかなり痛々しい
「・・すまねぇなぁ・・」
当の張本人も戦闘続行は難しい様子で・・
「あっ!イリアさんあまり動かないで!」
治癒光にてイリアを癒しているタナトス、内心は役に立てなかった事を恥じているのだが全員が無事だということで
とりあえずは安心している
「まぁ多少動いても何とかなるさ・・、全く・・あんな簡単なトラップにかかってしまうとは情けない」
「・・うむ・・」
「まぁ誰にでも失敗はあるんですから!師匠もラミアちゃんの首を絞めた事はしっかりセリアさんに怒られてチャラにしてください」
「ぬ・・・・、覚悟は・・しておこう」
妻の名前が出た途端に激しく顔色が悪くなるサブノック
「・・そんなにすごいの?」
「・・・椅子が宙を舞いましたね、ビンで頭叩いたりしてましたし・・」
以前ラミアが修行のし過ぎで風邪をこじらせた事があり体調管理を任されたサブノックパパ、責任取れということで・・
「妻は強し・・だな」
「ですね・・、ともかく無事でよかった・・」
安堵の息を漏らすタナトス・・
その時、彼の後ろ髪がチリチリと反応した・・本能的に危険を感じたのか
咄嗟に杖を振り上げたのだ
そこへ

轟!!

閃光が走るかと思うとタナトスとイリアを包み込む!!
正しく一瞬の出来事、光は二人を包み地を焼いた
「タナトス君!!レイブン!これは・・」
「馬鹿な・・ここにいる全員に気配を感じ取らせず攻撃をするなんて・・・」
敵は殲滅したと思っていたレイブンだけにこの攻撃には唖然と・・
「タナトス!!」

「な・・何とか間に合った・・、本能を信じてみるもんですね・・」

巻き起こる砂煙が治まったかと思うとタナトスとイリアの姿がうっすらと見えてきた
彼らの周りの地はごっそり削られておりその威力が伺える
「・・よく防げたな、俺でも気づかなかったぜ・・?」
「勘はいいんですよ・・ともあれ・・まだ終わりではないみたいですね」
ゆっくりと立ち上がるタナトス・・、奇襲をした敵を探す
今彼の中にあるのは純粋な怒りのみ
「ガーネットブラスター!!」
紅の閃光にて木を焼き払う!
・・・、一瞬にしてその周辺の視界は良好に・・
そしてそこに立つは一匹のレッサーデーモン
今までの不完全な異形とは違いきちんと体が更生させておりサブノックに似た黒く屈強な体を持っている
翼は蝙蝠の物・・しかし驚くほど巨大で鋭い爪も覗かせている
顔は龍そのもの・・イリアの情報をも取り入れたのか龍の尾まで付いている
「・・これまでの異形の集大成・・っと言ったところですか・・これは・・」
「しかし・・まずいタイミングだ。レイブン・・融合は・・」
「残念ですが無理です、命にかかわります」
「くそっ・・だがやるしかない!」
よろめきながら立ち上がるアル・・しかし・・
「アル!無理しないで・・・私が何とかする!」
マリーに静止されてしまう・・、そして彼女は得物を抜き・・
「いけません!あれは並の力ではないです!」
「でもこのままでは皆危ないです!タナトス!仕掛けるわよ!」
「上等です!俺達が時間を稼ぎますので皆さんはそのうちに仕留めれるだけの力を!」
気合十分なタナトス・・後には退けない状態・・・故に燃える性格のようだ
「私も戦います!」
「ラミア・・すまぬ、頼むぞ!」
「はい!」
幼いがその気迫はまさに一人の戦士・・ラミアは静かに立ち上がった
「・・ラミア!」
そんな彼女にイリアが声をかける、振り向いたラミアは何かとキョトンとしているが・・
「使え・・、俺がまともに動けるようになったらすぐさま仕留めてやる」
自身の得物『愚者慈愛』をラミアに投げ渡す・・
「私が・・・ですか?」
「お前のセンスなら使いこなせる・・行け」
彼女や真龍騎公にとって大事な剣・・他人に渡すなどよほどの事なのだがラミアならばそれも構わないと
イリアは確信している
「・・ありがとうございます!ラミア・・!参ります!!」
力強く駆ける幼聖魔・・手に振るうは妾龍の剣・・
「・・・・・」
向かってくる敵にレッサーデーモンは鋭い豪腕でそれを迎撃する
熊に憑依したレッサーデーモンと勝るとも劣らない一撃
しかしラミアは華麗にそれを避け、愚者慈愛をその体に突き刺し・・
「斬ります!」
閃光を発動!光の筋がレッサーデーモンの体を貫通し一気に飛び上がる!
身体の半分を切り開かれたレッサーデーモン、何を考えているか見当も付かないが慌てる様子などはない
ラミアはそれだけでは終わらないと光の筋をレッサーデーモンの翼に絡みつかせ急降下!
その肩に飛び移るかと思うと

ドォン!ドォン!ドォン!!


間髪入れずに超近距離からの魔弾乱舞
爆発音とともにレッサーデーモンの身体が大きくよろめくが翼の爪がラミアに鋭く襲い掛かる
「ラミアちゃん!」
鋭い爪がラミアの背中が刺さる前に素早くマリーが飛び掛りラミアを救出!
素早さは群を抜いているマリーならではの技だ
だが次の瞬間にはレッサーデーモンの身体は瞬時に修復された・・
「ちっ・・タフだな!!だがこれならどうだ!」
今度はタナトスがガーネットブラスターを連射する・・、鋭い熱線がレッサーデーモンの身体を裂くが
それも致命傷には至らなずすぐさま回復。しかも
「・・・」
無言のまま展開する魔法陣、タナトスは瞬時にそれを察知し・・
「なっ!うわあああ!!」
放たれる紅の熱線・・タナトスが放った物より数が多く正確な狙いでタナトスを襲う!
何とか回避するもののその分隙ができてしまい・・

バキ!!

強烈なレッサーデーモンの一撃・・まともにタナトスはそれを受け悲鳴も上げずに吹っ飛ばされる
「タナトスさん!・・悪魔光線!!」
それを見たラミアが腕から光線を放ち何とか注意を反らそうとする
「・・・??・・・」
まともに光を受け皮膚がドロドロに解けるモノのそれも一瞬の出来事
修復は一瞬で終わり次の瞬間にはラミアの目の前にまで駆けてくる
恐ろしい加速にラミアは一瞬怯みこそするが・・
「てぇぇえええええい!!」
真っ向から立ち向かう!
ラミアの幼い体ではまともに攻撃を受ければ致命傷になりかねないのだがそれでも雄々しく闘う!
レッサーデーモンの連撃をラミアは素早く回避し身長差を愚者慈愛にて埋める
しかし強敵相手に奮闘するのだがしだいに圧されてくる
そこへ

轟!

レッサーデーモンの背中に突き刺さる炎の矢、アルが膝をつきながらも援護射撃をしてくれている
「・・・・(ニヤリ)」
レッサーデーモンの顔がニヤリと笑った・・ように見えた
そして標的をアルへと変更、絶対的な力を持っている割には敵を殲滅するというほどの知能は備わっておらず
ただただ闘う本能で動いているようだ
しかしアルとて満身創痍な身体なのに無策でこの悪魔に挑む気はなく・・
「・・今だ!タナトス君!」
恐ろしいまでの加速にタイミングを合わせるアル・・
見ればレッサーデーモンの足元一帯が赤く光っており
「昇れ!!」
頬を赤く膨らましたタナトスの気合声とともに無数の炎弾が天へと昇る!
その衝撃にレッサーデーモンは足止めをされる
・・これがアルの狙い・・
そこへ

「でぇぇぇぇぇぇぇい!!!!」

強烈なサブノックの一撃が悪魔の身体を正確に切り裂く!
「イリア殿!!」

すぐさまサブノックがその場を飛びのき

ドォン!ドォン!!ドォン!!ドォン!!

強力な光が立て続けにレッサーデーモンの身体に命中する
「・・へっ、ざまぁみろ」
遠くでニヤリと笑うイリア、戦っているのは彼らだけではないのだ
凄まじい連撃に流石のレッサーデーモンも苦しみだし

GAAAA!!

腕が変異する・・、それは巨大な狗の顔で凶悪なまでに大きな口を開けて咆哮を放っている
「・・しぶといわね!どうする!?」
「あいつの回復能力を超えるだけの攻撃を叩きつけるしかありません・・でも・・」
それだけの火力が出せるのか・・ラミアは悩んだ
しかしそれだけの時間はなくレッサーデーモンの狗手は大きく口を開く
そして集まるは破滅の光・・
「まずい!撃たせてはなりません!!」
レイブンの悲鳴に近い叫び・・それだけの威力を持っているのは誰しも肌で感じ取っている
そしてその狙いは・・妾龍イリア・・
「・・ちっ、この身体じゃ避けきれないか・・」
もはや観念に近いイリアの声・・しかし彼女の前にタナトスが静かに立った
「・・!?タナトス!・・逃げろ!」
「断ります・・、イリアさんの後ろにはちょうど村があります。退くわけにも行きません
それに・・俺は貴方を守りたいと言ったはずです」
「あの一撃に耐えられるかよ!」
「やってみなければわかりません!」
「・・正気か・・?」
「俺の正義魂は・・・伊達ではないですよ」
そう言うとタナトスは静かに魔方陣を描く・・それも今迄で一番規模の大きいモノを・・
対しレッサーデーモンは咆哮をあげながら光を集める
強力な力の渦が出来、サブノックといえどももはや手の内ようがない状態だ
そして

GAAAAAAAA!!!

狗の口が一際大きく輝く!!

「『南方を守護せし紅の翼 天を駆け我らを守りたまえ
 始原の炎甦えらん!  紅蓮朱雀!!』」

同時にタナトスも気合声とともに自身の最高の術を発動!!

轟!!!

レッサーデーモンより放たれる破滅の光・・

轟!!

タナトスより放たれるは鳳凰の姿をした激しき炎・・
それはまともにぶつかり激しき力の地場を形成する
今のところ力はほぼ互角!
「ぐ・・ううああ・・くそ!制御が・・!!」
狙いをレッサーデーモンに合わせる事で必死なタナトス、力の制御など最初からできないのが事実だ
しかし次第にレッサーデーモンの光が鳳凰を押し始める!
「・・く・・俺は・・俺は負けない!!」
最後まで勝機を捨てない・・彼はさらに力を込める
そこへ
「タナトスさん!私も行きます!!」
ラミアが突進!!
愚者慈愛の光のドリルのように身体を包ませタナトスの鳳凰の中に突っ込む!!

カッ!!

その瞬間、鳳凰は一回り大きくなりレッサーデーモンの光を飲み込んでいく!
「これが・・正義の力です!!」
完全に破滅の光を飲み込んだラミア・・鳳凰の炎を纏いながらレッサーデーモンへと飛翔する!!
「!!!!!!!!!」

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!

それは正しく正義の炎・・この世界にあらざる者はその炎に身を焦がれ
奇声を上げながら消滅していった


・・数日後、悪魔を退けたニース自衛団だが全員ヘトヘト故に
しばらくはロクに活動できなかったのだがようやく傷も癒えてきた
そして・・その日は役目を終えたイリアがシウォングへと帰る日となった
「・・何か、悪いな。見送ってもらうなんてよ」
また伸びた髪を切り今はさっぱりとしたショートヘヤーなイリアさん、来た時と同じ服装だ
「いやっ、大切な協力者なんですから・・」
代表してアルが握手をする
「そうかしこまるなよ、ラミア・・よくがんばったな」
「いえっ、イリアさんのおかげです」
イリアに褒められ照れるラミア、愚者慈愛も彼女に返しその代わりに再び伸びたイリアの毛髪をもらったようだ
「ははっ、良い子だ。何かあったら俺がすぐに駆けつけてやるよ」
ラミアの頭を優しく撫でてやるイリア・・聖母のような笑みにラミアも笑顔で応える
別れではあるが今生の別れではない・・本当は泣きそうなのだがそれは彼女に失礼と懸命に耐えているのだ
「・・はい!」
「世話になったな・・イリア殿・・・」
「んにゃ、こっちこそ」
「・・だが、タナトスを留学させるとは・・思い切った事を考えだ・・」
そう、彼女の隣には旅支度をしたタナトス・・カチコチに固まっているのだが
内心はイリアが何故そんな事を言い出したのかわからずパニック状態だったり・・
「・・まぁ、な。一回り大きくなって帰ってくるだろうさ」
「タナトス!がんばってきなさいよ!」
そんなタナトスをマリーは茶化すのだが・・
「・・・ブツブツ・・」
何やらつぶやくだけで上の空なタナトス氏・・少し怖い
「まぁ、そうした点での修行でもありますか・・、アルも行きます?」
「僕には職務があるし・・二人を置いてはいけないよ」
「「アル・・」」
「へいへい・・ご馳走様です。そんじゃ・・機会があったらシウォングまで遊びにきてくれよ、皆歓迎するからさ」
「うむ・・では、いずれまた参ろう・・ラミアも連れてな」
微笑むサブノック・・それにイリアも静かに微笑み・・

「じゃあな!また会おうぜ!!」
妾龍は静かに村を後にした。・・呆然自失な純情青年を引き連れて・・・


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