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chapter9   「叛撃」


天使勢との戦い。当初、攻撃らしい攻撃は貰わずサブノック優勢に思えた。
しかし余りにも敵の数が多すぎ、性質としても相性が悪すぎた。
一撃に撃破出来ない以上、「回復」に倒した僧兵・・・天使が戦線復帰してくるのは
自明の理であり、属性が相反する相手への攻撃は必要以上に体力を消耗させる。
故に戦えば戦う程、一方的にサブノックの体力のみが消耗され・・・

・・・それでも天使勢が決して衰えることはなく
「ぐっ・・・ぐぅぅ(苦」
 「サブノック様っ!!?」
地に膝が折れる聖魔サブノックにその愛妻セリアが駆け寄る。
そして二人を祝福せんが如く、空も地も完全包囲する天使勢。

HALLELUJAH  HALLELUJAH

「こ、この者等、妊婦のセリアごと、未だ生まれぬ子ごと小生をっ!!?
・・・セリア、我が命最後の輝きをもって退路をつくる。 生き延びよ。
そして我が子を・・・」
 「それだけは聞けませんと」
「言うなっ!!」

ウオオオオオオオオオッ!!!

セリアの声は戦叫にかき消され、その躯から零れるは純なる朱の闘気。
しかし、天使は詠う。

HALLELUJAH  HALLELUJAH  HALLELUJAH  HALLELUJAH  HALLELUJAH

「うぐっ・・・ぐおあああああああっ!!?」

しかし 命をかけた抵抗すら許されず圧倒的な力の前に伏し、悶絶の聖魔。
その漆黒の翼が朽ち、身体に罅が走り崩壊し始め・・・
 「ああっ、さ、サブノック様・・・」
セリアもまた身体の特性ゆえ、讃歌に蝕まれ力が抜け・・・
「こ、これまでか・・・。 済まぬ・・・小生のせいで・・・」
 「いえ・・・私は・・・サブノック様に出会えて・・・幸せでした」
満足に動かない身体でも、それでも手を繋ぐ二人に
天使の浄化の力が二人 否、三人の魂すら滅しようと降り注ぐ

が、

轟っ!!!!

と、天使勢を薙ぎ払うは真空刃の嵐。 弾かれ、避け切れなかった天使数体が星に。
そして当然、捲き込まれるはずだったサブノックとセリアを護るのは晶壁のドーム
「何者っ、我等の邪魔をするのは!!?」

「善にして悪、陽にして陰、聖にして邪、秩序にして混沌。
我は戦龍神たる神威の者也」

その者が放つ気が、その場にいる全ての者を縛る。付き従う者以外のモノを。
左右に影忍戦姫に麗紫毒姫,幼導魔姫を肩車する疾黒戦姫。
その外に勇雄騎将と聖嬢騎姫,聖士魔将と銀狼闘姫。
真龍騎公率いる決戦衣装に完全武装の極星騎士団、ここに見参。

天使の中に出来た路を通り一団は二人の前に立つ。
「選べっ!!!  このまま己の正義と共に大人しく滅ばされるか、
地を這いずり廻り生き恥を曝そうと 愛しき者を護り己の幸せの為だけに拳を振るうか」

「・・・死ねない。 ・・・私は、未だ死ねない。
我が子を見ずに、我が子の成長を愛妻と見届ける事無く」
「ならば戦えっ!! 己の理不尽な運命に怒り、何と呼ばれようと抵抗し続けろ。
それは生きるモノ全ての権利であり、貴様の正義を証明する手段でもある」

聖魔は再び立つ。魔の魔たる力をもってしても護らんがため。
「我は戦う。 今は聖魔である以上に男して、愛するものを護らんがため」
「・・・答えは端より分かっちゃいたがな」
幸せを知らぬ者が他者を幸せには出来ぬと。

気絶したままのセリアはさて置き、再び奮い立つ聖魔に天使勢はようやく我に返り
「魔の味方をするならば諸共滅してくれようぞっ!!!」
「やって見ろっ! 成長無き貴様等に如きが
今生きる者を如何にか出来ると思うなっ!!!」
とは言え、明らかに多勢に無勢。オマケにサブノックは消耗しきり・・・
不意にライがサブノックに投げてよこすのは、淡い光を放つ白濁の魔石。
「・・・これは?」
「こんな事もあろうかと作っておいた月晶石。つまり月の魔力の塊だ。喰え」
摂取に、粉っぽい味は兎も角 確かに魔力は全回復。 共にその身体もまた復活。
アルシアの診断に、セリアは母子ともに無事と確認できた。
「何から何まで済まぬ」
「気にするな。これが俺の正義だ。 それよりコレは元々神と戦うための軍勢。
・・・アレスっ、リオっ!!!」
「「応ッ!!」」
繋ぐ手に、二人は意志レベルで統一。外感覚意識領域拡大。
二人の周りに立体魔方陣が走り、光卵を形成。そして光卵に罅が入り砕け散り
二対の翼が展開。 上に慈愛の白色天翼と 下に勇気の鋼色龍翼
それを背中に生やすのは天使・・・ではなく戦天使。
女性的な身体を白銀の羽衣と瑠璃色の鎧で包み、手には遥かに長い刃の長剣な神剣。
両脇に羽飾り,鷲の嘴を象った額当ての兜のせいで目は見えないがその口元は涼やか。
零れる長い髪は金色。
『・・・勇風星霊セラフ、光臨。』

その姿に天使勢が沸き立つ。
「セラフとやら、天使のくせに裏切り魔の側に着くかっ!!?」
『我は希望を護る者。 端より貴様等側の者ではないっ!!!』
「サブノック、連中のボスな天使を倒せ。 そうしたら、以下の天使は
帰るべき場所に帰らざるえない。案内はセラスがする。雑魚は俺達が引き受けた」
「了解した。」
「それと・・・」
猛回転に、それでもサブノックの手に正しく収まるは神剣「神狼牙」。
「これは?」
「貸してやる。 陽強まればそれより生じる陰もまた栄えん。
ソレでもって限界を突破し、次へ進化して見せろっサブノック!!!」
「・・・おうっ!!!」

漆黒の翼展開に聖魔は空を舞う。
それを妨げんと天使勢が追おうとする。 が
「言っただろう? 雑魚の相手は俺たちがしてやるとっ!!」
跳んだライは一体の天使の脚を掴み投げ飛ばし、捲き込んで天使数体を更に星へ。
侮れば即やる、と。
「おのれ、人の分際でっ素手で適うとでもっ!!!」
「黙れぁっ!!!」
天より襲い掛かる天使の顔面撃ち込まれる甲拳。
滅鎚は天使の霊体を消しとばし、本体の騎士もお星様に。
「折角豪勢な露払いなんだ。 寄ってけや、御客さん(ニヤリ」
強引な客引きに怒り、天使勢はライへ襲い群がり・・・

斬っ!!!
 「・・・舐めるな」
 「私達はオマケではありませんよ」
シエルとレイハの霞斬り魔焔斬式に、天使は逝き 地に伏すその媒体。
ならばと天使は距離を取り、魔法で攻撃をしようとするが

呀っ!!!
の破魔咆哮に発動する事なく、瞬後天使を地に叩き付けるのは
精霊憑依に紫瞳のルナ。 唖然とする天使達を更にディの魔法の矢が追い討ち。

 「ケケケ、制空権を持っているからと我等を侮ったナ。っと言うわけで逝ねっ!!」
魔導師ルーの空で展開する魔方陣からの雷撃により、天使は射程距離まで降りざるえなく
地で待ち受けるのは天使と相反する神叛の戦士たち。
「何故、我々が盾ではなく最強の剣と謳われるか教えてやる。その身でもってっ!!!」


ライ達の奮戦により以下の天使達は追うに及ばず、
天でサブノックとセラフを待ち受けるのは
今まで相手にしていたのより格上な権天使数体。その奥にこそ長たる力天使。
白と朱の鎧騎士なその姿は、悪魔一体を始末するには明らかに役不足。
否、そもそも天使勢が召喚されていたこと自体・・・
『・・・なるほど。サブノックを浄化した後は我々を浄化するつもりだった と』
「ここまで着たら、もはや全て撃破するまでっ!!!」
『まぁまぁ、ここは・・・一気に薙ぎ払うっ(ニヤリ』
「・・・なるほど(ニヤリ」

炎を纏うが如く闘気を放ち始めたサブノックと
大きいモーションでもって長い得物を振り被ったセラフに、天使達は構え

斬っ!!!

と、放たれた大真空刃を緊急回避。 しかし

!!?

其処には既に主の敵たる悪魔の姿はなく、力天使へ迫る紅き弾丸。
つまり、戦天使は悪魔を打ち出していたと。
慌て、力天使の援護に向かおうとする天使達に急制動をかけるのは
いつのまにか間に立ち遮る戦天使セラフ。

『貴様達の相手は私だ。 ・・・そう安々と通れると思うな』

勇気をもたらす四翼の展開に、得物を肩担ぎの身体より立ち上るのは瑠璃の闘気。
戦力では負けている。しかし戦況を左右するのは戦力だけではないと証明する為。


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