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第2話  「騎士団団長昇進への道」



訓練を一足先に終わり井戸の水で体を流す。
っと言っても頭からぶっかけただけだが・・
いいんだよ、俺は烏行水なんだ。早いのは食事と同じさ・・



「ご苦労だったな」
軽く声をかけタイムがコーヒーをテーブルに置く・・
騎士団屋敷の応接室・・、様々な人がここで騎士団に用件を言う・・
まぁこのソファに一番多く座っているのは俺だろうが・・
・・・良い意味でも・・悪い意味でも・・
「どういたしまして。しっかし俺に団員の相手とは・・、随分思いきった依頼をするなー」
スーツ姿に着替えたタイムを見ながら言う。

はっきり言ってそんじょそこらの騎士団員と俺の力量は雲泥の差だ
士官学校でお勉強した連中と実際の戦場での叩き上げでは話にはなんないよ

「やはりそう思うか?今回頼んだのは団長なんだ」
「団長?あのおっさん帰ってたんだ?」
ここの騎士団長は多忙のため留守なのがほとんどなのだ・・
「帰ってきていて悪かったな」
応接室の扉が開き、禿げ上がった大男が入ってきた

こいつがオサリバン=ハンハーリ。
貿易都市ルザリアの騎士団を束ねる長だ
何度か会ったことあるけど・・、ほとんど初対面だな・・
「おおっと、戻っておられたのですね、オッサンリバン団長殿」
「オサリバンだ。何でもいいから呼びやすいので言え、クロムウェル君」
「・・・へぇ、一介の何でも屋の名を知っているとはね・・」
「タイムから報告は聞いているからな。傭兵公社のあの第13部隊出身・・
その経歴だけでも一流の騎士団に入隊できるのだが・・」
肩を張りながらタイムの隣に着席・・、威厳が漂うな・・
「俺は団体での行動ってのは苦手なほうなんだ。13部隊ではクラーク隊長と
フロス副隊長のおかげでうまくいってただけさ。それに・・、堅苦しいのは苦手なの」
「ふふっ、報告通りの男だな」
・・・どういう報告したんだ?タイム・・・?
「それで、忙しいおっさんがわざわざどうしたんだ?」
「用件は2つ、まずは私の娘が君の相棒に迷惑かけたことの詫びだ・・」
俺にはフィートっていう青少年魔術師の相棒がいる。今回は訓練なので
お呼ばれ無しだ・・。オフなのでまたどこぞの女性を弄んでいるのだろう・・
ほんと、女性が大好きみたいだから・・、
そのうち刺されるな、賭けてもいい
「・・そんな話聞いてないぞ?」
「まぁ彼に詫びていることを伝えてくれたらいい」
フィート・・、団長の娘にまで手を出したのか・・・・・?
・・良い度胸じゃないか・・
「わかった。それでもう一つは?」
「タイムについてだ・・」

「タイムに・・?なんで俺が?」
「ふむっ、君達は何やら良い関係だそうじゃないか?」
「だ、団長!!」
赤面で反論するタイムさん・・
「・・・お〜い・・」
「冗談だ。実は私もここを留守にすることが多々あるためそろそろ団長の座を
タイムに譲ろうと思ってな」
「へぇ、その年で騎士団長か!すごいな・・」
「もちろん、すんなり譲るつもりはない。そこでタイムに一つ試験を与えようと思ってな。
パートナーに一人連れていいといったら君を指名したんだよ」
???
・・・・・んな話、全く聞いてないぞ〜
「・・・どうやら、初耳のようだな。ちゃんと説明したのか・・?」
「・・い、いえっ、中々言い出しにくくて・・」
慌てるタイム・・、俺もジト目で見つめる・・
「・・・・・・ふぅ、まぁ、いいぜ。その話受けよう」
「そうか、ありがたい」
おっさんは嬉しいそうに言う、タイムはうつむいたままだ・・
「た・だ・し♪こんなモンでどお?」
依頼なので当然銭はもらいます!紙に金額を記入・・
「むっ・・、これはいくらなんでも・・。これで・・」
・・・・・・
「おいおい、団長補佐の昇進試験なんだぜ?こんなちんけな金額で済ませるなよ!」
値段交渉戦開始!!
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・

「これでどうだ!!これ以上下げられねぇぜ!!」
帳尻あわせに苦戦する俺・・、このおっさん・・できる!!
「むぅ、それでも少し高いが・・いいだろう!」
「よしっ、商談成立だ。」
固く握手をする。別に友情は芽生えてないので・・一応・・
「それでは内容は彼女に聞いてくれ。そろそろ町を発たないと会議に間に合わない・・」
もう行くのかよ!・・・それでいいのかルザリア騎士団長!?
「ではっ、がんばりたまえ。報告楽しみにしているよ」
そういうと静かに応接室を出ていった・・




・・・・・・沈黙・・・・・



「・・・・・」
「・・・・・」
「なぁ?」
タイムはうつむいたまま黙っているので俺が声をかける・・
声に反応してビクッと震える・・
「・・・すまない」
「いやっ、別にいいさ。それよりもなんでその話を俺にしなかったんだ?」
いつもずかずかモノを言うのに・・
「・・・私のことだから・・、断られた時のことを考えると・・・・恐くて・・・」
蚊の鳴くような声で説明する・・
・・・はいっ?
「お前な〜、だったら最初から俺を選ばなかったらいいじゃないか・・」
「・・パートナーを選ぶのは他の団員がしたんだ・・、確実に成功できる
パートナーを選ぶため、勝手にお前の名を・・・」
「そうか・・、・・・よしっ!お前のためだ。一肌脱いでやるよ」
「・・・本当?」
「本当も何もあのおっさんに金額の交渉までしたんだ。今更降りれるかい」
「・・すまない。迷惑かけて」
「何言っているんだよ。俺に遠慮はいらないぜ?」
「クロムウェル・・」
熱っぽい目で俺を見るタイム・・・、なんだか、照れる・・・・・
「そ、その代わり!団長になったら酒でもおごってもらおうかね!!
そりゃあもうってくらい!」
「・・ああっ、腹に穴が空くぐらい飲ませてやるよ」
ようやく微笑むタイム・・、全く、世話のやける女だ・・
「それじゃ、その試験の内容とやらを教えてくれ」
「ああっ、内容は・・・・・」
なんだかぎこちない雰囲気の中タイムが説明を始めた・・


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