第1話 「アクティブ トレーニング」


天高くなんとやら・・・・
素晴らしく晴れ渡っている空・・しかしそれを見ている暇はない・・

今俺がいるのはこの町の騎士団専用所有の訓練場
目の前には意気揚々とハルバートを降りまわす黒髪の青年・・・

かくいう俺はクロムウェル、超絶天才な格闘戦士だ!
短い金髪を後ろに上げたイケてる2枚目じゃい!!
職はこの町で何でも屋みたいなことをして生活している。
そんでもって只今仕事中・・、
内容は・・・騎士団員の訓練・・・
そんなもん身内でやれよって話だけどこの騎士団・・、強者の数が少なく
俺と対等に渡り合える人物は・・、百歩譲って2人くらい、かな?
「いくぞ!変態!」
目の前で息巻いている黒髪男はスクイード、団長補佐タイムの元で働いている男だ
若いが素質はある・・、しかし口が悪い!!!
俺は変態じゃないと何度もいってるやろがぁぁぁ!
「やかましい!このチェリー!!手加減無しでその鼻の穴から指突っ込んで
奥歯ガタガタいわしちゃる!!!!」
こいつはチェリーだ、確認してないけど絶対そうだ。
まぁそんなことどうでもいいんで拳を構える。
因みに今の発言で女性団員から非難の声・・・・
へっ・・ブーイングにゃ慣れてるよ・・・・

傷ついてなんかないやい!!

「ダァァァァァァァ!!!」
気合いとともに突っ込んでくるスクイード、こいつはいつでも猪突猛進・・、
まぁ先手必勝で突っ込むのは俺もそうなんだけど・・
こいつのはどちらかといえば〜、捨て身に近い・・
「踏み込みが甘い!!!」
軌道を読み周りこむ、そのまま力をちょいと加え、巧みに投げる・・
いつも、どったんばったん戦っているけどこういうこともできるんだぜ?
「うわっ!!」
一回転綺麗に回って尻餅をつくスクイード君。
しまった、どうせなら頭から落としてそのイカれた性格を直すべきだったか・・・
「もう終わりかい?それで実戦生き残れるとはと〜て〜思えないね〜♪」
倒れているスクイード君を・・見下す!見下す!!見下すぅぅ!!
変態扱いしたむくいだァァァァァ!
「くそ〜!!もう一回だ!変態!!!」
それでも起き上がるスクイード・・、ったく手加減してやっているのに・・
「待て、次は私がやろう・・」
構えるスクイードのなだめ前に出る女性・・
長めの赤毛を束ね片目を隠している・・こいつが団長補佐、タイムだ。
女性ながら中々どうして腕が立つ
「タイムさん・・わかりました」
しぶしぶチェリー君退場〜♪
「団長補佐さんがお手合わせか・・、珍しいな」
普段タイムはあまり戦闘はしない。っというか事務に忙しいみたいだからな・・
「ふっ、お前と一戦交えたくてな」
戦闘服姿で不適に笑うタイム・・、そのまま黄金色のレイピアを抜く
あれっ?こいつこんなモン持ってたっけ?
「・・・新しい得物か?」
「まぁな・・。陽鋭剣『ネェルブライト』だ。いくぞっ!!」
そういうとタイムが突っ込む、ある程度の距離で構えを変え連続して突きを放つ。
「よっ!ほっ!っと!」
並みの相手ならこの時点で蜂の巣だが俺は身体能力にゃ自信があるのさ!
タイムもその点ははよくわかっているので手加減一切無し
「やるな・・、ではこれはどうだ!!」
さらに突きのの早さが増す!
・・腕を上げたな!
「がむしゃらに突けばいいってもんじゃないぜ!」
「その台詞、この攻撃を避けてから言うべきだな!」
ははっ、ごもっとも!そろそろ避けるのが辛くなったので・・・
「そこっ!」
突きの軌道を読み、裏拳ではじく!
「何っ!?」
剣が反れたので体勢が崩れるタイム・・
「てぃ!」
ピンッ!
そのままタイムにデコピン・・
「一本♪それまで〜♪」
唖然とするタイムを尻目に勝手に終幕。
「こら〜!!真面目にやれ〜!!」
スクイード君が罵声を出す!
「やかましい!デコピン入れる隙があるなら目だって潰せるわい!!
訓練でそこまでできるか!」
それに相手はタイムだし・・・、そんなに荒いことできるかよ・・
「全く・・、舐められたもんだな・・」
苦笑いしながら剣をおさめるタイム・・
「そうでもないぜ、一瞬でも集中力が欠けたなら蜂の巣だ。それに見てみろよ?」
腕を見せる・・、皮膚がミミズ腫れのようになっている
「剣の風圧だけでこんなになるんだからな・・。お前の腕もかなりもんさ」
「・・お前にそう言われると自信がつくな・・・・ありがとう」
素直に礼を言うタイム・・、ちょっと前ではこいつが礼を言うなんて
考えられなかったんだが・・・。
変わったな〜、こいつ。
「さぁ、他に相手になる奴はいないか?スクイード以外いないならおひらきにするぜ!!」
騎士団内では最強と言われているタイムが負けたんだから
挙手するやつはいない・・スクイード君が手をあげようとしたが
最初に拒否してやったから唸っている・・
「よしっ!じゃあ終わり終わりっ!タイム、珈琲の一杯ぐらいくれよ?」
「図々しいな。・・・まぁいいだろう。とにかく身体を洗え、少しは汗ばんでいるだろう。
団員はそのまま各自訓練を続けてくれ」
すぐさま2人1組になり訓練をはじめる団員、タイムは信頼が高いのだ・・


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