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第四話  「白肌の狐人」


スクイードがスクルトに対して決闘を申し込んでから一日が経過した。

決闘の日時ってのはまだ未定でスクルトはアンジェリカの私室の一部屋を使用して都会見学している

俺やフィートが住んでいるあのボロ宿に対してスクルトもやたらと馴染んでいるようで

アンジェリカ使用の倉庫のような一室でも実に満足そうであった。

それに対してスクイードは常に鬼気迫る形相のまま・・、殺意の波動にでも目覚めたかのようにしかめっ面のままで

炊き出しに集まった貧民さんに恐怖を与えたとか・・。

まっ、大方スクルトに決闘を申し込んだ事に対する罪悪感と、もしスクルトに負けた時の事に対する恐怖感なのだろう。

こりゃ・・精神的にはスクルトが格段に有利な気がする。

そんな不穏な空気に包まれる騎士団に出張をしていたタイムが昼過ぎに帰ってくるのであった


・・・・・・・


「・・そんな事が・・ねぇ・・」


久々に開かれた団長室、掃除が行き届いた状態のまま出発したために当然中は綺麗なまま。

そこに黒いスーツジャケットをハンガーにかけてため息をつく赤髪のクールビューティーことルザリア騎士団長タイム

活躍ぶりは国内にその名を轟かせており実はかなりの有名人にもなっている。

その分出張をした時などに感じるストレスはまた強いんだってよ。

だから団長室に入った瞬間、緊張もほぐれグテっと椅子にもたれこんだ

「まぁな、色恋沙汰とは言えシトゥラが抜けるのはきついものもあるだろうけどシトゥラはあくまで騎士ではない。

ここはスクイードにがんばってもらわないとな」

「それはそうだけど・・そのスクルト君・・だっけ?彼にも悪いわよ・・。相当な覚悟の上でしょう?」

「・・そりゃな。だから今回は極力手を貸さない、スクイードの実力とスクルトの実力でそれを決めようってわけさ」

「・・・会った事がないけどそのスクルトって子・・どの程度なの・・?」

「実際戦闘しているところを見たわけじゃないんだが大人しそうに見えて中々できるな。

白狐族の成人の儀をパスできたんだ。舐めてかかると返り討ちは確実ってところか・・」

まぁ人が良い分ひ弱そうに見えてしまうんだけどなぁ・・

そこもあいつの武器か、脳有る鷹は何とやら・・

「・・・なるほどね。もう・・問題ばかりね・・」

大げさにため息をつくタイム、まぁ最近忙しいからな。

ここは一つ肩でも揉んでやるか

「よしよし、労ってやるから・・がんばりなさい」

「クロ・・そ・・そんなに肩なんてこってないわよ」

照れながらも止めようとはしない、まぁそんな事言っているけど実際そこそこにこっているんだよな。

事務仕事なんてずっとやっているからだろうが・・

「よっと・・こんなものか・・?」

「ん・・あっ・・そこ・・気持ち良い・・」

白シャツの上から軽く揉んでやる・・こう見えてもマッサージには自信があるんだよ。

ま・・ベイト仕込みなんだけどな・・。これに力を加えると立派な技になってしまう・・

緩急によっては治療のツボも急所になるもんなんだよ

「お客さん、こってますねぇ・・」

「も・・もう、言わないでよ。この歳で肩こりなんて恥ずかしい・・」

ははは・・まぁソレ相当の仕事をしている結果だろうけど・・

・・・にしても・・久々のタイムの香り・・疲れているだろうが・・



ポニュ・・ポニュ・・



「ぁん!・・ク・・クロ!?」

「ここはこってませんなぁ・・(ハァハァ)」

辛抱ならんと後ろから胸部の膨らみを優しく鷲掴み!相変わらず良い弾力だぜ・・・♪

「こ・・ここがこっていたら・・病気じゃないの・・」

あ〜、それもそだな。良い子の皆〜!女の子の胸にシコリがないか揉んでチェックだぜ!

「それもそうだな・・。まぁこうなったらこりなんて関係ない!全身マッサージしてやるぜ!」

「も・・もぉ〜!帰ってきたばかりなのに〜!」

そう言いつつも全く抵抗しないタイムさん、しばしの間再会を祝して俺達は体を重ねる事にしたのであった♪


・・・・・
・・・・・


しばらく二人の愛の語らいを終えて、服装を整える俺達

まぁ流石にオフィスでの交わりは慣れたわけで椅子やら机での性交もお手の物、それ故に服の皺も大分目立たなくなったものだ。

「クロ・・激しすぎ・・♪」

頬を赤く染め、照れながら白シャツのボタンを留めるタイムさん

まぁ今日はもう仕事がないんだけど流石にはだけた状態で自室まで戻れないわなぁ・・

「そういうタイムだっていつもより感じていたじゃないかよ、やっぱ団長室でヤるのが一番か?」

「ば・・ばか!」

なんだかんだ言いながら否定しない、騎士という職に就かなければもっと淫らだったはずだな・・

「まっ、一息ついたとして〜。シトゥラの件・・どする?」

「シトゥラの件?」

んが・・

「ほらっ、さっき話しただろう!?」

「あ・・ああ、スクルト君とスクイード君の痴話喧嘩ね。気持ちよくて・・忘れていたわ・・」

モジモジしながらそういうタイムさんだが、痴話喧嘩ではありません。

・・まだ余韻に浸っているなぁ・・?

「まったくに・・、そんで、・・決闘に関してどうするかだよ・・」

「そうね・・、ん・・?」



コンコン


”タイム・・いるか・・?”


不意に鳴るノック音、声とそのタイミングからしてシトゥラである事は間違いない

これはこう都合とばかりに俺は目でタイムに合図を送る、それと同時にタイム、団長モード

「開いている、どうぞ」

キリっと引き締まった声、これが今の今まで淫らな行いの余韻に浸っていた女のモノとは思えない

そしてゆっくりと入ってくるシトゥラなのだが・・珍しく顔色が曇っている。

まぁ・・渦中の人物なんだしな

「うむ・・」

「やっぱ、シトゥラも悩んでいるようだな・・」

「それは・・そうだが・・な。流石に傍観するのも気が引けるものだ」

シトゥラはシトゥラで思うところがある・・か。まぁ・・そうだよな・・

「それで・・シトゥラとしてはスクルトとスクイード、どっちが勝つと思う?」

両方の人物を知るこいつならば展開もわかるものだろう

「正直・・スクルトの方に分があると考えていいだろう。白狐族の成人の儀は即ち一族を代表する戦士になるための儀式・・

戦える力が無ければ切り抜けられないものだ。

スクルトは未熟者で世話が焼ける人物だがそれを乗り越え子を孕ませる資格を与えられた・・。実力はある」

「なるほどな・・、まぁあんな局地で生活する種族が戦士として認めるんだ。相応の腕はあるだろう・・

対しスクイードは・・まっ、腕はそこそこあろうが所詮は生ぬるい騎士学校出身・・だものなぁ」

「・・むぅ・・、だがこのままスクイード君が敗北して言い訳でもない・・。彼の事だ・・負けようものなら・・」

ははは・・、タイムも同じ事を考えていたか。

まぁ・・あいつの部屋に天上からロープでぶら下がる奇妙なオブジェができちゃうわな・・

「でも・・正直なところ、シトゥラはどう思っているんだよ?どっちでも構わない・・ってか?」

「私・・か。スクイードには世話になっている・・だがそれだけじゃない気持ちは・・ある。

しかしスクルトの事も私は良く知っている。正直なところ・・里にいた時、私はスクルトが戦士になれるとは思っていなかった。

だがそれを成し遂げた・・私に子を産んで欲しい一心で・・」

なや・・むよなぁ・・それは・・

「だが・・決闘はもう決まった事だ。今更それを撤回するわけにもいかないしどちらかが譲る・・っというわけにもいかないだろう」

「タイムの言う通りだ。私は・・二人のどちらが勝つか見届ける。だがそれには・・」

・・なるほど

「スクイードとスクルトの実力の差を埋める・・ってわけだな。極力フェアにするために・・」

「・・ああ。しかしそれに対して私が手を出すわけには行かない・・だから・・タイム達に頼みたいんだ」

流石にシトゥラがどちらかにえこひいきするわけにもいかないもんな、それこそ公平性に欠くってもんだ

だけど・・

「スクイードの特訓か・・。まぁそれなりにできるだろうが〜・・俺が指導したところで一方的なイジメだろうし・・」

「・・クロムウェルは教官職だが指南するには不適切だ・・。だけど・・それ以外で彼を期待となると・・適任者が・・」

タイムが悩むのも無理は無い、何気にスクイードの実力はルザリア騎士団で上位に入っている。

俺が教えるのもなんだし他の連中が鍛えるにしても効果は薄い・・

ベイト達に頼むって線もあるんだが〜、基本的にあの人達、独特な体術しか使わないし・・

「白狐の戦いは機動性を活かすモノ・・獣人との戦闘に慣れていなければスクイードにはかなり不利だ」

シトゥラの身のこなし一つとってもそれは言えているな。

だが、獣人で力量があって〜、指導力がある・・

「・・いるか?そんな奴・・」

「奇抜な動きをする人物なら・・友人にいるにはいるのだけど・・」

奇抜な動き、タイムの知り合い・・

「セシルか・・止めておけ。スクイードが死ぬ・・」

「・・そうだな・・」

あの凶暴女が人に物を教えられるものかよ。

だが、線としては悪くはないかもしれないな

「・・セシルは無謀だとしても、クラークさん達に助けを求めるってのは悪くはないかな?」

冒険者チーム『ユトレヒト隊』、まぁ一介の冒険者ながらハイデルベルク騎士団の精鋭にして

聖騎士達である『ブレイブハーツ』にも引けを取らないデタラメ集団だ

そういや一回スクイードの奴クラークさんに挑んだ事あったな・・内容は頑なに教えようとしなかったけど

「彼らか・・。少々実力に差が飽きすぎている気がするのだが・・」

「だけど他にいるか?ブレイブハーツの連中に頼むにしてもあいつら激務だろうし所詮は一騎士の私情だぜ?」

「うぅん・・それもそうだな・・」

「日数はないが・・、頼めるのはお前達だけだ。すまないが・・よろしく頼む」

行き詰る俺達に対しシトゥラは重い一言を言って静かに団長室を後にする


「・・シトゥラも大変ね」


「・・微笑ましい再会から一転・・だものな・・」


その後どうにも良い案が思い浮かぶ事が無くその日は静かに暮れて行った。

ルザリアやハイデルベルクはさほどに獣人差別はない処なのだが・・優秀な戦士となるとそうはいないんだよなぁ・・



・・・・・・・・


翌日

出張からの疲れという事でタイムは俺のベットで夢見心地で一向に目を醒まさなかったのでそのままにしつつ

俺は気晴らしに緑地公園のベンチに座りこみこれからの事を考える。

昨日提案をしながら体を重ねて乳くりあっていたのだがブレイブハーツって線は消えた。

最近では王都の治安部隊として「リバテー」って小隊が結成されてその中に優秀な獣人騎士がいるって話をタイムがしてはいたのだが・・

実力がわからないし、少々特殊な部隊だからブレイブハーツと同類ということで保留・・

一番有力なのはユトレヒト隊に頼む事、それも抜刀術の鋭さと素早い身のこなし、

防具類に頼らない女剣士クローディアに頼むのが良いって事まで話は進んだ。

スクイードの奴も実際クローディアと手合わせをしたらしい

だけど、実際の相手は獣人であるスクルト。

クローディアとのスタイルは違うのは当然、それでいいのか今一つ決まりかねていた。

それにユトレヒト隊が仕事中ならば元も子もないしな・・



「ま〜ったく・・こんな事ならば道案内しなきゃよかったなぁ・・」


「またまた〜、後悔しても遅いんじゃないですかぁ?」


こ・・この女を泣かせるような声は・・

「フィート・・暇なのか?」

「忙しくはないですよ♪」

木に登りリンゴをかじっているフィート君。俺もさることながらほんと自由人だよなぁ・・

「先輩、スクイードさんは決闘を申し込んだんですって?」

「耳が早いな、その通りだ。だけど実力じゃスクイードの奴が劣っている感じがしてよ、何とかそれを五分五分までもっていきたいんだよ」

「なるほど・・、まぁ確かにシトゥラさんが抜ける事はルザリア騎士団に取っても痛手ですよね」

そういう事じゃ・・いや、そういうことでもあるな・・

「まぁ・・な。スクイードには勝って欲しいが、スクルトには負けて欲しくない〜・・ってところだ」

「・・・、相打ちが理想的ですかね?」

「んなわけあるかい、女を賭けてる戦いだ。白黒つけないで終われるかよ」

「そうですよね・・。でっ、先輩達はその対策を追われているわけですか」

「対策ってもまだ良い案なんざ浮かんでいないんだけどな」

とりあえずは、クローディアにお願いするのが一番なんだが・・

「それで、フィートは仕事しなくていいのかよ?それともまたハベらせるつもりか?」

「まっ、今回の一件は中々面白そうなので仕事中断って事で・・。女の子の方はこの間の一件で満足したのでしばらくはいいですよ」

・・人身売買の被害者を全員魅了して美味しく頂いちゃったからな

「羨ましい奴だよな・・。まったく・・」

「先輩こそ、『ルザリア三大美人』を制覇したんですから羨ましい限りですよ♪」



な・・・何ぃぃぃぃぃぃぃ!!!?


「フィ・・フィート・・手前・・!?」

俗に言うところの『ルザリア三大美人』とは騎士団に勤めていながらルザリアで突出した美貌を持つ美女三人、タイム、シトゥラ、アンジェリカ・・

確かに、俺は多少不本意な事もありながらもその三人とも交わりあいを持った・・。ってか持たされた?

だけどシトゥラについては密室の情事!広まるはずもない!

「僕を誰だと思っているのですか〜?何でもお見通しですよ♪流石先輩!男の中の男!」

「フィート・・その事・・他の奴に言うなよ」

「わかってますよ♪タイムさんに殺されちゃいますからねぇ♪」

笑顔で言うな、笑顔で・・。

アンジェリカの時ですら死を覚悟したのに、こんなスクイードとスクルトがシトゥラに対して

取り合いをする最中にそんな事をしていた事がばれたら・・・・


死ねる・・、苦痛に歪みながら絶望に身を裂かれ死ねる・・



「あっ、フィート君にクロムウェルさん♪」


ん・・?この調教が終わった娼婦のような声は・・

「エネか、良く会うな・・って・・」

いつもの如くな仕事着のエネ、だがその隣には見慣れぬ女が・・

白い布生地の簡素なドレス、ペッタンコな胸だがよくしなりそうな細身の体、

頭は真っ白なボブカットみたいな髪型で右の耳元の髪を伸ばしそれを木製筒状の髪飾りで留めている

顔つきはややキリっとしていて気が強そうなのだが一番の特徴は頭に有る白い狐耳・・

「エネ・・もしかして・・」

「う・・うん。また・・迷っている人がいたから・・案内してあげなさいってマスターが・・」

・・エネの店は観光案内所としてのサブビジネスができるな・・

「まぁ、おおよそわかるんだが・・おたく、白狐族・・だな?」

「ええっ、そうです、クロムウェル=ハットさん」

うおっ?

「流石に俺の顔を知っているか・・?」

「それは・・。もちろん、タイムさんの事も知っています。

貴方達はわからないでしょうけど・・私もタイムさんに負けた1人なので・・」

・・団長試験の時タイムの相手をした奴らの1人か。

俺はシトゥラの方に集中していたから覚えていないんだけどな・・

「そうか、で・・お前もシトゥラに用事か?その様子だとルザリア騎士団行きだろうが・・」

「・・違いますよ。私はツェーラ、・・スクルトの・・様子を見に来ました」

複雑そうな顔つきな白少女ツェーラ、こいつは・・訳ありか

「ふぅん・・。わかった、エネ、ありがとよ・・。ツェーラは俺に任せて仕事に戻りな」

「え・・あ・・はい、それじゃツェーラさん。後はクロムウェルさんに聞いてくださいね?」

「ありがとう、エネさん」

案内してくれたエネに対して礼を言うツェーラ、こりゃスクルトと全然違うタイプだな・・

「フィートは?どする?」

「もちろん♪付き合いますよ?」

こいつに取っても中々興味深いか・・。まぁそれ以上に暇だからって事が大きいのかな


「それじゃ、ルザリアに来た訳を軽く説明してくれよ?」


「わかりました。実は・・」


重い口を開けるツェーラ、そしてその訳をゆっくりと話しだした。


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