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第九話 「そろそろ暴れさせてくれませんか?」


シトゥラの読みが正しかった・・か
三人と別れた後に馬を買うために町に寄ろうとしたのだがシトゥラは気になるといいあの三人を密かに尾行しようと言い出した
俺はあまり乗り気じゃなかったのだが・・シトゥラの真剣さに圧され後を追った

だが・・一歩遅かった

そこにあったのはもぬけの殻の馬車のみ
・・争った形跡もなく一瞬で連れ去ったようだ。詰めの甘さを認めざるを得なかったな・・ほんと
これがタイムだとどうしようもなかったがあの三人でもよろしくないのは間違いない


それから一睡もせずに辺りを探しに探した
・・俺達を本格的に襲ってきたのはダンケルク内森であるからこそ隠れ家なんぞは潜んでいやすい
そしてついさっきシトゥラが朽ち果てた寺院を見つけ一気に中に駆け込みだした
あいつの超感覚だ・・間違いはないだろう
まぁ奇跡的な確率だが俺とシトゥラがいればこんなもんだ
「・・って、地下か。間に合っていればいいんだがな・・」
寺院はかなりボロイ・・何が崇拝していたのかわからんが台座らしきものが埃まみれで倒れている
そしてその中央に隠し階段のようなからくり・ってももう機能してないから普通の階段なんだけどな
暗くて良く見えないがたぶん広い空間になっているな。おまけに男の臭いがここまで臭ってきやがる
こりゃこの寺院は昔から裏でとんでもないことをやっていたんだな・・今でもそうだろうが
まぁ嬲られているんだったら生きている可能性は高いか・・・、精神が崩壊しているしていないは別として
俺が行っても・・気持ち悪いだけだな。あの三人が犯されている姿見て俺の息子が反応しようものなら
シトゥラの報告は間違いなし
すなわち・・確実なる死・・、不謹慎&浮気容疑でタイムが吼えるだろう・・

だが俺にもまだ仕事があったみたいだな

「・・・・・、そろそろ出てこいよ」

かすかだがこのフロアに気配がある・・・、俺にもギリギリわかるぐらいだが・・な
「・・・・・・」
俺の声に応え姿を現したのは一人の男
紫の髪が特徴の美男子って奴だが・・なんだ・・?
何か違和感を覚える
「よう・・どうやらまだ伏兵がいたようだな・・」
「そのようですね」
透き通った声の男・・白衣のような衣を纏い手には竜の頭のような鍔の剣を持っているのだが・・刃がない?
「あの三人を攫ったのはお前だな」
地下からそれほど強い気配はない。こいつが一番不気味だから・・間違いないだろう
「そうです。命令でしたから・・ね」
「女を攫うのは関心できないんだがな・・だが知った以上手加減はできねぇな」
ゆっくりと構えを取る・・
この距離なら息を吸う間に仕留められる・・
「仕事ですよ」
「なんだと・・?」
「強い人間と巡りあうために彼女達と手を結んだのですが・・
まぁ、つまらない仕事のわりには収穫はあったようですね」
「ほう・・?」
ツワモノを探すために敢えて犯罪集団と手を結ぶなんて・・酔狂な野郎だ
「元傭兵公社第13部隊・・御高名はかねがね伺っております」
「そりゃどうも、そんじゃお前をしばき倒したら万事オッケ〜ってことか」
「そうですね・・私はハロルド・・手合わせ願いますよ・・クロムウェルさん」
そう言うとゆるりと剣を構える・・
「・・刃がない剣で俺を倒す気か?」
「刃ならありますよ・・ほら・・」

カッ!!

・・・!!なんだ・・突然赤い刃が現れた・・火じゃない
「これが我が『天龍双牙』・・参ります」
一気に突っ込んできた・・見た目華奢な男なのに度胸のある戦法だ
おまけに詳しくはないが下段の構えってやつか、下にダランと下げた状態できやがった
「色物じゃ俺には適わないぜ!!」
下から切り上げるハロルド・・緩やかなようで鋭い!
だが俺の動きを捉えるほどじゃない・・サイドステップで回りこみ空振りでできた隙に蹴りを叩き込む!

・・フッ・・

!?消えた!!
姿が揺らめくように・・、幻術じゃねぇな!
だが・・!!

キィン!!

「・・ほう、私の一撃を受けますか」
瞬時に後ろに回りこんでいやがったハロルド・・振り下ろすその時も殺気が微塵もなかった
なんとか風を動きを読み奴の攻撃に合わせてこっちも拳で殴りつけた
「そう簡単に俺の後ろが取れると思うな・・」
『天龍双牙』・・って言ったか。見えない刃が突然赤く光出したかと思いきや・・どうやら元々透明な刃だったようだ
それが赤くなったってことは・・どういうことだ?
訳のわからん得物だが・・危険だな
「ふっ・・なるほど・・では・・」

フッ!

再び姿が消えるハロルド!ちっ・・得物だけじゃなくこいつの動きも厄介だ!
だけどなぁ・・
「無差別・・サンダーショット!!!」
360度手当たり次第に撃つ!撃つ!撃つ!!!
下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる!!

「ぬっ?・・ふふ・・これは私が経験したことがない戦法ですね・・」

・・ほらな?結構距離を開けたところで俺の雷弾を剣で捌きやがった
だが、一瞬であそこまで移動する・・ただもんじゃない
「では、こちらも手札を切りましょう。・・「炎」・・」
ゆっくりと剣を振りあがる・・
そして振り下ろすと同時に

轟!!

「ぬおおおっ!?」
魔法陣の展開もなく強烈な炎が地を走り俺を襲ってきた!
速い・・だが回避してみせる!!
「なんとぉぉぉ!!」
ギリギリのタイミングで宙高く飛び上がる・・大きな隙になるが空中戦なら俺に分がある!
しかしハロルドをそれを興味深く見つめているだけだ
「避けるとは・・今までの相手とは違いますね。では次のステップです・・「散」・・」
うおっ!空振りなはずの炎が三つに分かれて俺に飛び掛ってきやがった!!
遠隔操作可能だと!?
「んならぁ!!『ライトニングブレイカー!!』」
四股に雷を纏い・・炎を叩く!!
攻撃は最大の防御!素手で受け止めるよりかはマシだ!

轟!轟!轟!!

立て続けに三発・・凄まじい衝撃が伝うが何とか殴り飛ばす!!
「・・なるほど、ふふふふ・・・」
それを見て笑うハロルド、戦うというか・・観察している?
「んならぁ!『サンダーショット』!」
不安定な体勢だが狙いはばっちり!真面目にやれってんだ!!
「・・おっと、その体勢から放ちますか。だが・・」

パァン!!

・・なっ・・さっきは剣で切り崩したはずなのに今度は何もせずにかき消しやがった・・
それにあの音・・確か破魔が働いて魔が崩される時に出るヤツだ
「ちっ!色々と面倒な事を・・」
「・・ふふっ、勉強になりました。これぐらいにしますか」
・・なっ!?
「おいおい!何剣を閉まって帰ろうとしてやがんだ!?」
「貴方から学べる事は学びました。・・雷の力というのも珍しいですからね」
「って!勝手に自己満足するんじゃねぇ!!」
「何・・別に貴方と本当に戦うつもりはありません。知識を吸収できれば用はありませんからね」
・・俺は教材か!?
「舐めやがって!そうだったらもっと学ばせてやるぜ!」
このままじゃ俺がおさまらねぇ!!
「・・・むぅ?」

コォォォォォォォ!!!!!!

「いくぜ!『スフィアストライク』!!」
陽気球で一気に仕留める!!破魔の能力があろうとも相手を怯ませるくらいのことはできる!!
「・・陽気・・?」
初めてハロルドが動揺の表情を浮かべた!チャンス!!
「いけぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ふふふっ・・」

カッ!!

「何っ!?」
「良い勉強になりましたよ・・クロムウェルさん」

バキ!!

うおおおっ!!何だ・・凄い力で殴り飛ばされた・・?
あの華奢な体躯で俺を吹き飛ばすだと?・・それもスフィアストライクの発動中に・・
「ちぃ!ますます厄介な・・えっ?」
一瞬閃光が走り殴られたのだが・・もうそこにハロルドの姿はない・・
正しく消えたかのようだ
「・・・・・」
言葉を失うぜ・・、あのまま戦っていたら・・殺られていたか・・
くそっ、クラークさん以外で遅れを取るとは・・な


「・・・・、どうした?クロムウェル?」
おっ・・と、階段からシトゥラがゆっくり上がってきた・・肩にはレスティーナとアグリアスと担いでいる
「何・・、難儀なヤツを逃がしてな」
「・・、上で凄い音がしたので何かあったとは思っていたが・・黒幕か?」
「いやっ、連中の協力者だ・・が、もうちょっかい出す気でもないらしい」
「そうか・・」
深くは聞かないシトゥラ・・良く見ればダミーアーマーが赤く染まっている
気絶しているレスティーナとアグリアスは俺達が携帯したシートに包まれているが・・臭いからして散々嬲られたようだ
「派手に暴れまわったか・・エイリークは?」
「地下で眠っている・・結果は思わしくなかったがな・・」
「しょうがない・・あんなイレギュラーがいたもんな。だが・・珍しく怒ったか?」
「ふっ、ああいう輩は好かないんでな。下は凄惨な事になっている・・エイリークは私が連れてこよう」
そう言い二人を床に下ろしシトゥラはまた階段を下りていった
あのシトゥラが凄惨って・・えらい状態なんだな・・っうか気を取られていたが
いつの間にか地下から凄い血の臭いが漂っていらぁ・・
「・・うかつだったとはいえ・・悪いことしたか・・」
気絶している二人・・アグリアスなんかは異臭が漂っている・・人間の相手じゃなかったのか?
レスティーナも綺麗に括っていた髪は解かれ白く濁っている、こりゃ目を醒ましても・・
「やれやれ・・、三人とも命に別状はないが・・」
「心の問題か・・」
「ああっ、エイリークとアグリアスに関しては孕まされている可能性が高い。このまま旅をするのは危険だ」
唯一服を着たままのエイリークだが・・やはり腹が膨れて異常だ
「ちっ・・、不甲斐無い」
「やむ終えないさ・・お前はやれるだけの事をやった。」
判断ミス・・っと責められても仕方がない・・
「・・、それに、あのまま無理に同行したとしてもまた問題があっただろう・・そう気を落とすな」
シトゥラに慰められるとは・・相当落ち込んでるように見えるのかな・・・、俺・・
「まぁ・・そう言ってもらえると助かる」
「それでいい・・じゃあどうする?」
「んん〜、どうしようか?」
こうなったらどう対処していいかわからなくなる・・とりあえずどこか安全なところ・・

・・んっ!?

「・・囲まれているな?」
「・・・ああ・・連中はまだいやがるのか。ったくあったまきた!俺が張り倒してくる!!」
「・・おい、クロムウェル!」
完全なる不完全燃焼だ!このまま終わらせるかよ!!

・・・・

「てめぇら!!いいかげ・・ん?」
寺院跡の前には十数人の男が囲んでいた・・のだが全員制服姿・・
オマケに臨戦態勢?
「・・待て」
それを手で制する隊長らしき人物・・髪で目を隠しているがかなりの身のこなしのようだ
「・・誰だ?あんたら?」
「我らはダンケルク国の機動部隊だ。そういうお前は何者だ?」
・・なるほど、正規の部隊らしい・・
「・・大国ハルデルベルクにある貿易都市ルザリア・・そこに住んでいるクロムウェルってもんだよ」
「・・ダンケルク情報部副主任のアゼフだ。」
隊長らしき男が応え、挨拶をした・・でも情報部?
「我らはダンケルク国内の部隊を集めた特殊部隊だ・・各自それぞれ肩書きが違う」
あら・・先に聞きたいことを言われちゃったよ
「さいですか・・」
「それで・・ハイデルベルク国の人間がここで何をしているんだ?」
「・・ハイデルベルクの国教である三神教の司祭であるエイリークさんを護衛していたんだけど・・ちょいと事態が悪化してな」
「悪化・・?」
「まぁタチの悪い連中に拉致されて今ここから救出したってところだ・・おたくらは?」
「我らは最近国内で問題になっていた集団の居場所を追いつめこれより掃討するところだ・・もっとも・・お前がいるということは
目的はすでに果たせたようだが・・」
「ああっ、悪いな・・・仕事を奪って・・」
「何・・、相手は凶悪で腕も立つらしいから気を引き締めていたのだが・・な」
アゼフという男・・読みは鋭いみたいだけどさして腕が立つというわけでもないみたいだ
まぁそれでも並よりかはだいぶ上みたいだけど・・
「そっか・・あっ、そうだ!それならちょっと助けてもらえないか?その司祭さん達や従者が酷いことになっているんだよ」
「・・司祭様が被害に合われたのならば我らとしても放ってはおけない・・協力させてもらおう」
「助かる・・っと、地下にその一味がいるんだけどかなり凄惨なことになっていると思うから心して降りておくれ」
「・・了解した。よし、では司祭様の保護と状況を調べる・・いくぞ」
中に突入していった部隊の皆さん・・数秒後に悲鳴が響いた・・シトゥラ・・恐ろしい状況を作ったのデスカ?
まぁいいや・・ダンケルク国の保護を受けたら何とかなるだろう

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