第4話 「おしおきの時間」


屋敷の2階ののぼると懲りずに傭兵さんが待ち構えていた・・
あのヤブ医者、何人雇っているんだよ・・

「おらおらおら!どかんかいー!!!」

面倒なので急所重視で倒していく・・・、実戦で禁止事項なんざぁあない。
何をしても勝てばいいんだよ、まぁ人間としての最低限のマナーは守るがね・・

なぎ倒しつつ大広間チックな部屋に入る、
雇われ傭兵どももどうやら逃げ出し始めたようだ
・・いくらもらってたのか知らないが命あってこその金なのだ、
傭兵って職はそれがもろに出ちゃう・・、だからやばくなったら逃げ出すこともままあるのだ。
まぁ昔俺が昔いた国営ギルド「傭兵公社」なんかはどちらかといえば
騎士団に近かったからそんなことできなかったけどな・・・

大広間は静まり返っている・・、下の階から風の轟きが聞こえた。
フィートが暴れているのだろう。張りきっているな〜、
っていうか俺2階にいるんだから屋敷潰すなよ・・・?
その時、下の階に気をとられていている間にいきなり炎の玉が飛んできた!

「おっと!」

反応が少し遅れたが回避に成功、しかしおかまいなしに連続して炎の玉が飛んでくる・・
魔術師・・か、苦手な相手だな。炎を拳で砕くことはできないし・・
横に飛び炎を回避、避けた瞬間に炎の玉は消えた・・
まぁほっといたら大火事だしな〜
「さすがだな・・・」
暗闇の中から黒い法衣の中年男が出てくる・・
「そりゃどうも、あんたも雇われの身だろう?痛い目見る前に逃げた方がいいぜ?」
「ふん、それはできん相談だな。それにそのセリフは炎を避けることしかできん
貴様のほうが当てはまるのではないか?」
不適にいいつつ身のまわりに無数の炎を浮べる・・
「へっ、あいにく俺は退く事が嫌いでね。」
「ならばここで焼け死ぬがいい!」
魔術師が手を振ったら一気に炎が飛びかかる。
「やなこった!!『ヴァイタルチャリオッツ』!!」
魔術師との会話中に練っていた魔法を使う!

『ヴァイタルチャリオッツ』・・まぁ簡単に言ったら身体能力を大幅に上げる術だ。
魔法が苦手な俺ができる唯一の術さ。
まぁ使用後は肉体を酷使するので身体はボロボロになるのだが・・・・
因みにこの名称は本当の術名ではない。どこぞのうさんくさい道場で習ったもので
本当の名は・・・・なんだっけ?ああっ、「気功剛体術」って名前だ。
気に入らないから俺が勝手に改名した・・・。

チャリオッツの効果で敏捷性が数倍に上がった俺に、もはや炎の玉は止まって見えた。
高速の動きで魔術師に迫る。
「なっ!?おのれ!!」
驚いた魔術師は炎の防御壁を作り出す。
しかし!遅い!
「もらったぁぁぁ!」
炎の壁もおかまいなしに必殺の拳を繰り出す!
はっきり言って今の俺は無敵だ!!!
炎なんて熱くないもんね〜!!!!
「げぼぉ!!」
みぞうちにモロにはいって悶絶する魔術師・・、
さらに!!!
「そらそらそらそらそら!!!!」
連打をお見舞いしてやる!

あまりの衝撃に魔術師は吹っ飛び大広間の窓ガラスを突き破って落下していった・・・、
やべっ、やり過ぎたか・・・・

その音で大広間にあるいくつかの扉の一つから悲鳴が聞こえた。
ヤブ医者の声だな・・!
悲鳴の聞こえた扉を遠慮なくぶち壊し中に入る・・
・・・・・・・・・
ビンゴ!!
予想通りヤブ医者が書類やらなんやらまとめて逃げる準備をしていた・・
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
悲鳴をあげ青い顔をして俺を見る・・、なんだよ?俺の後ろに霊でもいるのか?
「待たせたな!その頭カチ割りにきたぜ!」
指を鳴らしながら凄む俺、ヤブ医者はもはや失禁寸前・・・、
さっきの威勢のよさはどこ吹く風やら・・
「た、頼む、見逃して!あの小娘にももう手を出さないから!ねっ!ねっ!?」
必死にしがみついてくる・・、みっともね〜な〜。
「へぶっ!!」
うっとおしいので裏拳で殴り飛ばす、世の中甘くないのさ・・・
「わかってないな、俺がここに着たのはお前を殴り倒すためだぜ?
目的果たせないで帰れるかい」
「・・・・・うっ、・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
やけくそになったのかメスを握りしめて俺に向かうヤブ医者、馬鹿かお前?
「てぃ」
軽く手を叩いたら簡単にメスを落としてしまった。もう真っ青な顔をしている。
「さぁ、おしおきの時間だ(ニヤァ)」

バキバキドゴドゴドゴドゴバキバキドゴドゴ!!!!!

空高くヤブ医者の絶叫が響いた・・・・・


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