五章  「気持ち」


一方シウォング都市部
カチュアとアルシアはディのお願いにより鍛冶屋に寄った後ブラブラと物見見物
「しばらく来ないうちに新しい店もできたものねぇ・・」
何時もの派手なチャイナ服に白衣を着た姿のままアルシアは賑やかな街を見ている
「すっご〜い!すっご〜い!!ルザリア以上に賑やかだわ!」
「・・・そんなにはしゃぐほど凄いかしらぁ・・」
「いつも見ていると感激もしなくなるわよ、何だか新鮮・・」
獣人達が普通に街を歩いている・・、それも彼女にとっては新鮮そのもの。
同じ騎士団にも獣人戦士はいるのだが彼女はあくまで戦士ゆえ、こうした人間味溢れる
生活をする獣人達を見ればまた違ったものを感じられる
「ほんと、貴方って感情豊かねぇ」
「それ、褒め言葉?」
「もちろん、素直に自分の思った事を言えるのは素敵な事よぉ?」
「・・私も何でも言えるわけじゃないんだけど・・」
「ふぅん?何か悩み事?お姉さんが聞いてあげましょうか?」
年上の余裕、アルシアさんの笑みにカチュアも少し口篭もるが・・
「きっと・・アルシアさんに言っても無理だと思う・・」
「・・なんでぇ?これでも結構知識はあるわよん♪」
「だって〜!そんな爆乳なんだから私の悩みなんて理解できないじゃない〜!」
「・・なるほどぉ。胸が悩みなのねぇ・・そんなに気にしなくても成長するんじゃないのぉ?」
「うう・・そう言われてダイブ経つけど・・さっぱり・・乳なんて!(揉み揉み!)
乳なんてぇぇ!!(揉み揉み)」
恨みながらアルシアの胸を揉むカチュア!・・周りの視線は全て彼女達に・・
さしずめ『金髪姉妹レズ』みたくなっている
「こらこら、そう言うのは自分のでしなさい。
でも、キース君って夜の相方もいるんだったら成長するわよ?胸って愛が育てるもんなのよぉ・・」
「良く聞くけど実際はわからないよ・・」
「う〜ん、身近な例だとリオだって最初はかなり控え目だったのよ、それがアレス君とソイヤソイヤであんな感じに・・」
「嘘っ!?・・リオさんがぁ!!?」
「・・叫ぶのは良いけれども一目が気になるし・・公園にでも行きましょ・・」
そろそろ周りの視線が痛くなったのかアルシアはカチュアを連れて都市中心部にある公園へと・・

円形都市の中央、普通の王政国ならば城が建てられているような敷地だがシウォングにあるのは役所と広大な公園。
賑やかな街でもこの公園地帯は流石に少しは静かだ
奥の方に泉がありその冷気がひんやりと漂っている
アルシアは緑生い茂る公園の一角のベンチに彼女を座らせ露店で買ったジュース片手に悩み相談・・

「それでぇ、キース君は胸とか揉んでくれないのぉ?」
「ううん・・、キースってあまり抱いてくれないから・・・。鍛錬ばっかりで・・」
「ああ〜、それは朝の訓練でもわかるわぁ。女性よりも訓練が好きみたいな・・」
「うん・・、あいつからはそれこそ仕事のパートナーとしてしか接してくれてないのかも・・。
だから、気を引かせようと色んな薬品とか使用したんだけど・・効果なしで・・」
「ちょっとちょっとぉ、薬に頼るのは駄目よぉ?薬師の私が言うのも変だけど・・。
それに色んな物を使いまわしにしたら効果だって相殺しちゃうじゃない」
「え・・・、そうなの?」
専門家の言う事にカチュアもタジタジ・・、たかが薬、されど薬・・
「それに、胸っていうのは本来は赤ちゃんに栄養を与える大切な部位よ?
そんな事でいじってお乳がでなかったら大変じゃない」
「・・うう・・ごめんなさい」
「まぁ、キース君にお願いしてたくさん愛してもらうのが一番いいわねぇ」
「でもぉ、あいつったら中々相手にしてくれないし〜」
「ふぅ〜ん・・・、カチュアちゃん。多少辛い思いをするけれども良い手があるわよぉ?」
「へっ?」
「豊乳が体験できて、キース君を誘惑できる方法があるの♪
・・まぁちょっと・・辛いかもしれないかもねぇ。・・これもきっかけ。試して見るぅ?」
それは悪魔の誘惑・・、っと言っても彼女の親切心でもあるのだが・・
「ぜ・・是非!でも辛いって・・?」
「ああっ、痛いとかじゃないわよ♪・・じゃあ・・今夜私の部屋まで来て・・ね♪」
「は・・はぁ・・」
「よし♪じゃあ屋敷に帰りましょ♪」
アルシアは素敵な笑みをこぼしながら彼女の手を取り歩き出した
・・対しカチュアは何やら落ちつかない様子でそれに続いていった

・・
・・・・
・・・・・・

二人が屋敷に戻った時、珍客が居間に来ていた
他にもライとレイハはもう仕事を終わってノンビリしている。
「あれぇ?その女の子は?」
初めてみる女性にアルシアは驚く・・、
「ああ・・俺の・・生き別れの妹の・・アンネです」
黒ドレスの赤髪女性の隣で何やらギクシャク説明するアレス・・
「へぇ・・、貴方に妹がいたのぉ・・」
「生き別れでして・・なぁ・・キ・・アンネ?」
「え・・ええ・・お兄さん・・」
慎み深く応えるアンネ・・だけど拳を強く握っている・・。彼(彼女)は今最大の恥辱と戦っている・・
「ふぅん。あっ、キースは?もう目が醒めた?」
「あ・・ああ。二人が出かけた後すぐ目を醒まして今リオやディ達と一緒に外に行ったよ・・」
「なんだ・・そうだったんだ。」
「でもぉ、アンネさん・・?綺麗ねぇ・・。髪の色がアレス君と違うけど・・」
ギクッ!
「あ・・ですから・・義理です・・」
「義理の割りには年齢も近そうねぇ。アレス君ってそんなに複雑な家系だったかしらぁ?」
ギクギク!!
「あ・・、結構・・複雑でしたよね・・お兄さん」
「あ・・ああ」
何か隠している・・。アルシアはわかった。
・・って言うかわからなきゃおかしいのだが隣にいるカチュアは全然わかっていないようだ
「ライ・・ちょっといい?」
「おう、じゃあレイハも席を外そうぜ」
「はい・・」
アルシアに事情を説明するためにライとレイハ退場・・、居間にはアレス&アンネとカチュアのみ
「・・しっかり綺麗ね〜、アンネさん。胸もおっきい!」
アンネの隣に座ってあからさまに胸を揉み出すカチュア・・、初対面にしては失礼極まりない
「や・・止めてください。カチュアさん・・」
「・・あれ?私の名前・・なんで知っているの?」
「あ・・それはお兄さんから・・ねぇ?お兄さん」
「ああっ、来客中ということで・・な」
「ふぅん。でもキース、そんなに早く目覚めたんだったら私を追ってくればいいのに・・」
「ええっと。キースさんは貴方の・・恋人・・かしら?」
何とか自分がキースだと言う事をばれなくするために敢えてその話題へと振るアンネ
「うん、あいつは・・恋人っていうか・・パートナーとしか見ていないかもしれないけれども・・
私の恋人・・かな?」
「・・えっ?」
「だって〜、仕事や鍛錬ばっかりでね。
戦闘では守ってくれるけれども・・男と女の関係ではどうなのか私もよくわからなくなっちゃってねぇ」
カチュアの言葉にアンネは少し顔を曇らす・・、対しアレスはそれを悟って静かに居間を出ていった
「そ・・そうなの。大変ね」
二人っきりになったアンネ、本来だったら慌てて助けを求めたいのだが相方の口から出た言葉にそれどころではない様子だ
「ううん、元々は・・私が無理行ってまとわりついていたからね。・・あいつにとっては迷惑なのかも」
「・・それでも・・貴方はキースさんの事を・・?」
「もちろん♪これでもあいつの事を想う気持ちならば誰にも負けないつもりよ!」
「・・そう・・。安心して、その・・キースって人も・・きっと貴方を想っているわ」
「・・・ありがと、何だか貴方に言われると説得力あるわ。じゃあ私少し昼寝しよっと!
何だか誰もいなくなったし・・じゃあね〜♪」
そう言うとカチュアは欠伸をしながら出ていった・・

「・・・・・・」

一人になったアンネ・・いやキース・・考えこむようにうな垂れる
「どうした・・?まだ悩んでいるのか?」
何時の間にか居間にいたライ・・、静かに声をかけキースもそれに気付いた
「・・・いえ、あいつ・・見ず知らずの人間にでも素直な気持ちを言ってました・・。
それに比べ俺はあいつの気持ちに応えず、こんな事ぐらいで下手な芝居を打って・・
それが少し恥ずかしいと思って・・ました」
「・・・・・」
「まだまだですね・・、それにあいつに申し訳ない・・」
「まっ、そう考えただけでも立派なもんだ。それに流石にその体になったのは異常だ。そんなに気にしなくてもいいって。」
「ライさん・・」
「何がいけなかったのか良く考えてみろ。お前はまだ若いんだから幾らでも方向は変えられる
・・そうだろ?」
「ありがとうございます・・」
「とんでもない目に合ったがほんと、良い経験をしたな?」
「そうですね、ルーさんには感謝しないと・・」
「まぁ、素人にンな事を頼む事は問題だ!安心しろ!そこらへんはお前に代わって俺が裁く!」
「・・は・・はあ・・」
何やら陰謀の香り100%なライさん、キースも余りその裁く行為については聞きにくい・・
そこへ

「お〜い!帰ったゾ〜!」

玄関から聞こえてくるルーの声・・
「おかえりなさ〜い♪ルーさん、ちょっと来なさい♪」
・・・事態は終息へ、そして彼女はオシオキへ・・・

「わ・・私が何をシタァァァァァァ!!?」

合掌(チーン)

その夜
何ともなしに会話が続かなかったキースとカチュア、食事の後すぐに部屋に戻り特に会話もなしに椅子に座っていた
「・・キース、どしたの?何だか様子が変よ?」
「・・あ、いやっ、何でも・・ない」
「ふぅん、あっ!そうそう!キースがリオさん達と出かけている時にアレスの妹さんが来ていたわよ!
・・知らない間にいなくなったみたいだけれども」
「!!・・そうか。あいつにも妹がいるんだな」
「そうそう、それも似ても似つかないし髪の色も全然違うの!
・・どちらかと言えば・・キースの肉親のほうが合っているかも・・。でも可愛い女の子だったわよ?」
・・可愛いも肉親も・・それは彼自身・・ちゅうか可愛いといわれても彼には嬉しくもない
「・・カチュアには・・適わないさ」
「・・えっ?何?それって褒めているの!?」
堅物の褒め言葉にカチュアも驚きまくる・・
「いけないか?」
「いや・・、いいんだけれども・・。珍しいね?」
「たまにはな」
双方顔を赤らめてしばし沈黙・・
「そ・・そうだ!私、アルシアさんに呼ばれていたの・・ちょっと行ってくるわね?」
「ああっ。俺は旅の道具のチェックをしておく。まぁゆっくりしてくれ」
カチュアはどこかヨソヨソしく部屋を出ていった
キースは言った通りライに貰った旅の道具の確認をしだす

・・・・・・

確認をすること10分程度・・
「・・アルシアさんに用事か・・何かあるのか・・?」
そろそろカチュアの事が気になりだしてきた。そんなに大した用事のようには思えなかったが何か引っかかる
・・そこへ・・

チャ・・

「キースぅ・・」
「!?・・ど・・どうした?カチュア?」
荒い息使いで入ってきたカチュア、驚いたことに胸が大きく膨らんでおり乳頭部は濡れて
透けて見える・・着ているのが白シャツなだけにそれは一層目立っている
「あうぅ〜、アルシアさんが・・豊乳を体験するって事で薬をもらったんだけど・・あ・・」
歩くたびにビクッと体が反応する・・吐息は艶っぽく顔は高揚している・・
「な・・何故そんなことを・・」
「うう・・、1度でいいから体験したかったし・・その・・キースを誘惑したかったから・・」
「俺を・・?」
「ううっ、やだ・・シャツが擦れるだけで・・感じちゃうよぉ・・」
「大丈夫か・・、カチュア」
急いで彼女を抱き締めてやるキース・・、カチュアは彼に触れただけで喘いでいる
「大丈・・夫。明日までには治まるみたいだから・・。キース・・私・・魅力的・・?」
「馬鹿、胸が大きい小さいは関係ない。俺は・・お前のことを・・」
ベットに彼女を降ろし静かに告げる。・・が・・中々その次がでない。
女慣れしている人間ならまだし彼にとってはかなり難しい注文のようだ
「キース・・?」
「すまない、どうやら俺の態度がお前を悩ませていた様だな」
「・・そんな言葉・・初めて聞いた・・」
「ああ・・そうだな。俺も初めて言ったかもしれない」
「・・ふふっ、だったら胸を大きくしてもらってよかったかも・・きっかけになれたもの」
「その分サイズが合っていない・・キツイだろう」
「・・うん・・、キース・・脱がして・・」
いつもより大人しい彼女にキースは無言で頷き、白いシャツを脱がしてやる
・・そこには一時的だがたわわに実った果実が二つ・・
薬のせいとはいえ以前とは信じられない大きさだ
そして乳首からは透明がかった白い液体が・・
「母乳・・?」
「薬の副作用・・だって・・。別に妊娠はしていないから・・」
「ああ・・わかった・・。触って・・いいか?」
「うん・・、元に戻ったらこのくらい大きくなるまで揉んでね?」
冗談を言い少し微笑むカチュア・・だが
「ああっ!」
キースに軽く揉まれただけで激しく喘ぐ・・
「お・・おい?」
「大丈夫・・、感じやすくなっているんだって・・」
「わかった・・、じゃあ・・いくぞ」
優しくカチュアの胸を揉むキース・・そのたびにカチュアは声を荒げ体を弓ぞりにする

ピュッ!ピュ!

「すごいな・・、勢いよく母乳が出ている」
「や・・だ・・。見ないで・・」
止めど無く溢れる母乳にカチュアも顔を真っ赤にして手で隠す
「せっかくだからじっくり見させてもらうよ・・。こんなイヤらしい胸をしているんだからな」
そう言うとキースはゆっくりとカチュアの胸を吸い出す
「・・や・・・あ・・あああああっ!くぅん!!」
「カチュアの母乳・・うまいな」
「恥ずかしい・・・・うう・・・、キース・・もう我慢できない・・。私を無茶苦茶にして」
「ああっ、今日は壊れるまで付き合ってやる・・遠慮するな」
ゆっくりとカチュアのズボンをずらす・・質素なパンツはその下がくっきり見えるほど濡れきっており金色の茂みもはっきりとわかる
「すごい濡れようだな・・」
「や・・やだぁ!そんなに見ないで・・よ・・」
「悪い・・じゃあ・・ゆっくり入れるぞ・・?」
自分も裸になりカチュアを抱き上げる・・。座るキースにカチュアが上から乗り挿入するつもりだ
「う・・うん・・」

ズ・・ズズズズ・・

「ああっ!!固い・・よ。キースぅ!」
「カチュアの中・・凄くきつくて・・いい・・」
ゆっくりと挿入しついに根元までキースのモノを包み込んだカチュア・・荒い息で彼の胸板にもたれている
「カチュア・・、なんだか可愛いよ」
「うう・・恥ずかしいよ・・」
「・・俺ももう我慢できない・・お前を壊れるまで犯したいんだ」
「うん・・、壊れてもいいから思いっきり・・抱いて・・」
手を握る二人・・、そして強いグラインドが始まる・・、縦に大きく揺れるカチュア・・
その度に胸が彼の胸板に擦れさらなる快感を呼び起こす

ズゴッ、ズゴッ、ズゴッ、ズゴッ・・

「や・・ああ・・・もう・・イッちゃう・・イっちゃうよぉ・・!!」
「・・カチュア・・・!俺も・・出すぞ・・!!」
「キースぅ・・あ・・あああああああっ!」
「カチュア・・うおおっ!!」

激しく痙攣を起こすカチュア・・胸からは母乳が丸で射精するかのように勢い良く飛び出た
キースもそんな彼女を抱き締め自分の精のすべてを彼女にぶちまけた
「はぁはぁ・・はじけちゃうね」
「まだだ。・・今までの分、利子をつけて相手をしてやる・・!」
「やん・・、朝まで・・コレ・・抜かないでね」
その後も激しく求めあう二人・・、カチュアの胸はその後ドンドン縮んでいき
夜明けの頃にはもとの大きさに戻っていたが・・反対に下腹部はポッコリと膨らんでいた

・・・・

翌日
「キースさん!鍛冶師から注文していたパーツが着ましたよ!後は組み立てれば・・・って
・・どしたんですか?すごいクマですよ!」
訓練にも参加せず昼前に起きていたキースとカチュア・・カチュアは肌艶良くアルシアに上機嫌で礼を言っているが彼はほとんど死人・・
目の下はすごいクマ、髪はボサボサ・・目は虚ろ・・
「・・何、若気の至りだ・・。それよりもパーツができたようだな」
「ええっ、朝に届けてくれました。後は魔導回路を組込み組み立てれば完成ですよ♪」
「そうか・・楽しみだ。・・おや・・ルーさん?」
見れば居間のソファでルーが座っている・・のだけれども目がイッちゃっている
「あ〜・・ほ〜・・お〜・・。えへ・・えへへへへ・・」
うわ言を繰り返すルー・・かなり恐い姿なのだが屋敷も面々は至って普通・・
ルナなんかはその隣でお昼寝をしている
「ああっ、ライさんがオシオキしたようで・・。昨日の一件で・・」
「オシオキ・・か。まだ子供なのに随分と厳しいものだな」
「ま〜、見た目だけですよ?それよりもすぐ組み立てれますんで見てください!」
そういうとディは腕をまくり指をコキコキ鳴らす!
そして居間のテーブルに並べられた各部位をパズルのように重ね合わせていった
居間にはディとキース、ルーとルナのみで後は各々の仕事をしている。
・・元々ルーは魔導院に行くぐらいしか仕事はないし、
ディはキースの武器を作る作業をするためにわざわざ時間を空け、ルナは・・たまたま。
「しかし・・そんなにパーツを別けて組みたてても強度に不安が残らないか?」
「大丈夫ですよ。魔術にて強化と軽量を施します。並の剣では受けとめられないくらいの代物にはなれると思いますよ?」
そう言うと見る見るうちに形ができあがっていく・・、その手際の良さは正しく鍛冶師のそれ。
そして現れる銃と剣・・、柄は短剣ほどの長さがあり両手で持っても余裕ができるほどだ
鍔の部分は銃部となっており剣の柄とは別にガングリップが横に出ているそしてグリップの
根元に弾倉がある。そして伸びる刃、大きな片刃のそれの背部分には銃身が伸びており
先端へと解放している
「なるほど、刃の一部として銃身を走らせるか。これだと刃自体の負担は少ないな」
「実際の出来もいいですね!素材も中々いい出来ですし・・、まぁリュート君ならばもっと良い設計をしてくれますが・・。
銃を作ったことのない鍛冶師ですから無理強いはできませんね。
・・どうぞ!」
そう言うと出来あがった剣をキースへと渡す
「・・も・・もう・・できたのか?」
「回路自体は魔石に組み替えて接続してますし・・ああ・・まぁもう大丈夫・・ですよ」
よくわからなさそうな顔のキースにディは簡単に説明を終えた
「・・軽いな。普通これだけの大剣となると重量もかなりのものなのだが・・これが魔術か」
「それだけではないですよ、その弾倉には魔力を蓄積させる魔石を組みこんでいます。
これでトリガーを引けば破壊弾として並の銃弾よりも強力な一撃を飛ばせます。
その弾倉で8発。打ち終わっても一日置いておけば外気の魔素(マナ)を溜めて充電できますので安心してください!」
「???・・つまり魔弾を打ち終わったら放置しておけばまた使えるんだな?」
「まぁそうですね。慣れれば直接キースさんが魔力を注いで充電すればすぐに打てますよ?
・・たぶんその時は無防備になると思いますけれども・・
それに魔弾は持ち手の意思により様々な活用ができます・・まぁそれは実際使いながら慣れてください」
「・・そうか、ありがとう。これだけの代物を造るのも大変だろう」
「いいえ、面白かったですよ。まだ弾倉のストックがありますのでまた造ってみますよ。
8発使い終わっても別の弾倉を装弾すればまた使えますしね」
良い出来にディも満足している・・。そこへ・・

「また玩具を作っているのカ・・?」

ルーが正気を取り戻しその光景を見ていたようだ
「ああっ、ルーさん。もう大丈夫なんですか?」
「いつまでも放心していられん!・・キース、すまないな?変なことをなって」
「いや・・結果として良い体験にはなりました・・。2度はイヤですが」
「ふん、よし!ここは私も御主の得物に人肌脱いでやるか!ディ、この弾倉をよこせ・・」
「え・・あ・はい・・」
そう言うと空いた弾倉をルーへと投げ渡す
「充電方式の魔石が八つ・・、これをちょっくら弄ってやろう・・・!」

バシュ!!

そう言うと共に鋭い光がほとばしり弾倉からは煙が昇っている
「・・そ・・そんなに強烈な魔力を注いだら弾倉が爆発しますよ!?」
「ふん!切り札はそれだけの代償が必要ダ!魔石同士を直結させたからナ、一発でこの八発分を発射できるゾ!」
「・・使う時は気をつけてくださいね。きっと凄まじい反動が襲ってくるでしょうし・・。残りは普通に充電式の魔石にしておきますので」
「戦いにリスクは付き物ダ!だが・・そうだな・・」
何か思いついたのかルーが手をかざすとコースター大の小さな立体魔方陣が現れ弾倉と重なった・・、
それと同時に弾倉が赤く輝き魔方陣は音もなく粉々に消滅していった
「・・何をしたんですか?」
「このルー様特製弾倉にさらにちょいと回路を組んだ。こいつを撃つ時に術式展開するようにな。
そのまま撃つと砲身が耐えられんだろうから、
空間湾曲で仮想砲身が造れるようにしておいたゾ♪」
「空間・・?仮想・・?」
「まぁ、剣が魔弾の衝撃で壊れないようにするために、
特殊な空間を展開して銃剣自体が魔弾に耐えられる砲身形態になる・・っということです」
「???」
・・彼にとっては高レベル過ぎて良くわからないようだ・・ただでさえ寝不足故にそれも仕方ないか
「ともあれ面白い物をうまく使えるためにはそれなりの実習は必要のようだナ。
後でライにでも付き合ってもらえ」
「・・ありがとうございます、ルーさん」
生真面目に礼を言うキース、ルー特製の弾倉を受け取り静かに懐にしまった
「実戦ではライさんとの戦闘が一番ですね。神狼牙もその剣と同じ巨大な剣ですし
それなりの攻撃戦法は教えてもらえると思いますよ?」

「・・な〜に俺のいないところで話を進めているんだ?」

話の途中でライとレイハが居間に入ってくる・・
「・・・、キースさん。夜は・・静かにしておいてください・・ね」
レイハが無表情に注意・・どうやら、聞こえちゃっていた様だ
だが実はそれを口実にライにすがりに行ったので結果はオーライ・・
「す・・すみません・・!」
「いやいや、それこそ若さだ!!・・って脱線はこのくらいにしてそれが新しい得物か・・名前は?」
「・・は、何だろう?ディ君?」
「う〜ん、特に思いつかないからそのままガンブレードでいいんじゃないですか?実用重視ということで」
「・・っということです」
「まぁそのほうがお前らしいやな。それで俺に訓練を挑むかぁ・・いいだろう!どんとこい!」
「・・それでしたら私も付き合いましょう。相方さんはどうやら忍術を扱うようですしね」
レイハも名乗り出てキースも感激にやる気を出す。
かくして新たな得物を携え再びライに稽古をすることになったとさ


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