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終章  「新たなる力」


屋敷横の庭・・
天候は晴れにて心地よい風が吹き込んでいる。
遠くまで緑が生い茂り爽やかな気分になれる・・だが今そこにいる者はそんな余裕はない
「怪我しても怯むことなく突っ込んでくるお前だ・・手加減はしないぜ?」
軍服姿で巨大な片手破壊魔剣『神狼牙』を持つライ、
その表情は引き締まっており執務室でだらしなく過ごしている者とは思えない気迫だ
「もちろん。・・よろしくお願いします」
彼と距離を置き体を軽く動かす戦士キース、彼に至ってはフル装備で騎士制服の上に愛用している部分的に革を使用したカスタムアーマー。
そして手にはライの『神狼牙』に負けない大きさを持つガンブレードを持ち、長い柄を両手で支えている
ガングリップはかなり曲がっており握りを持ちながらでもトリガーを引ける構造だ
「トリガーを引くと衝撃と共に魔弾が発射されます。その衝撃も使い様によってブースターのように役に立つでしょう。試してください!」
「まぁ、器用さは必要だろうがナ。ボコボコにやられながら学ぶのが一番タメになる」
観客はルーとディ。そして・・
「キース!いっそのこと倒しちゃえ!」
肌の艶の良さ全開なカチュアが相方に声援を送る・・
彼女も着ている物は荷袋にしまいっぱなしだった騎士制服。
気分によってコロコロ変えていた髪形もこのごろはポニテで収まってきており外見だけだと
秘書官にも見えるのだがそうはならないのが人の不思議(?)
「・・カチュアさん、訓練ですから・・」
こちらも艶の良いレイハさん。彼女は講師ということで彼らほどフル装備ではないが
レオタードにミニスカみたくな巻きスカートに戦闘ジャケット。部外者がいるということでいつもの格好は彼女も少し気が引けるようだ
それでも軽装なのは素早さだけでは二人では落いつけない故にそれ以上防具をつけても余り意味がないと思ったらしい
「とりあえずは魔弾から・・!!」
素早くガングリップへ持ち替えライへと照準を合わせる・・

ドン!

通常の銃声よりも軽く、剣身の銃口からは光の弾が粒子を残しながら疾走した!
「・・早いな!」
予想以上の早さに驚くライだが冷静に横に飛び回避をする。
「く・・、衝撃には慣れていかないとはな・・!」
「それも使いようだ!後方に向けてぶっ放して推力にしてみろ!」
「は・・・はい!」
ライ講師の言われたようにガンブレードを振りかざしトリガーを引く・・・

ドォン!

「うおっ!」
前に駆け出す姿勢だったので少しつんのめったがそれ以上に推力がある・・
見れば銃口からは正しくブースターのように魔光がほとばしっている。
「くっ、制御が・・!」
手に凄まじい衝撃が加わり前方をすべるように駆けながら必死で安定させようとしている
「俺はここだ!うまく切りかかって来い!」
「わ・・わかりました!」
標的はライ・・彼に向って進路を無理やり変え彼の前でブースターを消し

キィン!!

全力で切りかかる!
ライはそれを真っ向から受け止める・・よほどの衝撃なのか彼の足が普段訓練で固まっている地面にめり込んだ
「く・・、すげぇ威力だ・・な!」
「狙いが・・定まりませんが・・ね!」

「力み過ぎダ!その魔弾は持ち手の意思に反映した形で弾を出す。ブースト時にはっきりと
標的を意識すればブレは起こらん!」
「・・あの・・それ・・僕が言おうとしたのに・・」
外野からアドバイスが・・
「なるほどな、変に抑えつければブレるわけか。それに意思で魔弾が形を変えるのならば
刃のようにもできるよな!?」
「もちろんダ!」
「ようし、俺がお手本を見せてやる・・うまく受けとめて見せろ!」
そう言うと鍔迫り合いのままキースを押し返すライ・・凄まじい腕力で見事彼を弾き飛ばすと
神狼牙から光がほとばしりそれを包み込む刃が出来あがる!
「なっ!?」
「こういう戦い方もある!だがこいつはお前にとっちゃ危険過ぎるな・・俺が真空刃を出すから
魔刃にて払って見せろ!それができりゃ即戦力だ!」
「わ・・わかりました!」
急いでトリガーを引く!

轟!

キースの意思に応え銃声は起こらず炎が燃え上がるような音がし銃口から放たれる
黄金光の刃・・、剣全体を包みこみ一体化しているようにも見える
「上出来だ!見事受けてみろ!」
そう言うとライは全力で剣を振り下ろす!

破!!

見えない空気の断層が駆け確実にキースへ走る!
「く・・なんて威圧感だ・・」
「並の代物じゃねぇ!心してかからねぇと怪我するぜ!」
「う・・・うおおおおおおおおおお!!!!!」

キィン!

魔刃を振りかざし真空刃にぶつける!
真空の刃が見えるようにキースの魔刃と拮抗を保っており風が暴れているのがわかる
「はあああああ!!でぇい!!」
再度咆哮を上げキースが振りぬく!・・それとともに真空刃はフッと収まりただの空気に戻った
「はぁはぁ・・」
「基本的な扱いは大丈夫そうだな、後は自分で考えて使ってみるのもいいだろう。」
「ありがとうございます・・」
ニマッと笑うライ、それを見てキースは唖然とする。
鍔迫り合いから自分を吹き飛ばし、あれだけの刃を作っておきながら
息一つ切らしていないのだ
「次はレイハ講師のお時間だ。お前は少し休んでいろ。じゃ進行よろしく〜・・」
そう言うとライとキースはルーが座っている場所へと戻る。
ディはキースが戻ってくるなりガンブレードの耐久のチェック・・。なんだかピットインしたような感じだ

その間にも準備運動を済ませた女傑が対峙する
「さて、忍術を使う・・っとは聞いていますがいかほどでしょうかね」
自然体に立つレイハ・・、
一見隙だらけにも見えるが彼女はそれでもどのような状態にも対応できる。
「まっ、そこらへんはにわか仕込みよ。元は体術メインだからね〜」
対しクキクキと首を鳴らし軽く構えるカチュア。
騎士制服だと動きにくいのかしきりに素振りをする
「とりあえずは打って来てください・・、飛び道具を使っても構いませんよ」
「りょ〜かい・・!じゃあ・・せい!!」
挨拶がてら袖から鋼の串を取りだしレイハに向って投げる!
それと同時にカチュアは駆けだし拳を構えた
「精度はいいですね・・、ですが重量が軽い・・」
レイハは一歩も動かずにクナイを取りだし飛びかかる串に対し投げ放つ!

キィン!キィン!!

クナイは串と全く同じ軌道で進み相殺する。物を投げる技術で言えば正しく名人芸とも言える
「てぇい!!」
そんなことお構いなしにカチュア接近!自慢の蹴りでレイハに挑む!
「カチュアさん・・これが忍術です」

フッ・・

「えっ?」
蹴りはレイハを貫通し彼女の姿が消えてしまった
「そこっ!」
「うわっ!!後にいるなんて・・、これが噂の分身の術!?」
完全に死角の後方からレイハが地を這うような足払いを仕掛けるが野生娘なカチュア、それを間一髪に飛び回避に成功・・
しかしレイハは空振りに終わった足を軸に体を捻り蹴りの追撃を仕掛ける!
「!?・・でぇい!」
咄嗟にカチュアも体を捻りかかと落としでそれに対抗!

ドォン!

蹴りと蹴りがぶつかったのだが何やら重い音が響く・・、次の瞬間にはカチュアとレイハは距離を空けて対峙していた
「なるほど、体術はかなりのモノを持ってますね。それだけのモノでは少々不利ですか・・」
平静そうな顔のしておきながらも足から感じる痺れがただ事ではないと分析している
「へっへん♪これでも小さい頃からメイドさん達にボコられたからね♪」
えっへんと胸を張るカチュア・・だが、その間違ったような発言に一同首を傾げる

「・・メイドがボコる?・・どんな家庭だったんだよ・・」
「カチュアの家のメイドさんはどなたも格闘に長けてましたから、
それに親はかまってやってないからそのメイドさん達が育ての親のようなものらしいのです」
「・・・何人もメイドさんがいるっていうのに幸せな家庭・・ってわけでもないんですねぇ」
「普通に育ったらあんな性格にはならんダロウ。打ち所が悪くて変異したんダ」

「外野!うるさい!!」
勝手な憶測が飛んでカチュアさんご立腹。思わず余所見をするがその間にもレイハは飛びこんでくる
「余所見はいけませんよ・・?」
「わかっているわよ!この・・『五月雨』!」
接近するレイハに対しカチュアは以前イリアより伝授した忍術を発動・・正しく雨のように鋼串を放つ!
「・・良い狙いです・・が・・もっと引きつけてから撃つべきですね!」
襲いかかる串の雨にレイハは地を蹴って空に飛びあがる
鋼串はそのまま何も命中せずに地へと滑空した
「これも狙いよ!『隠者の紫(ハーミットパープル)』・・・嘘♪」
版権に関わる事を言いながらカチュアは魔導の糸が紡がれた鉄の玉が飛びレイハの体にまとわりついた
「・・くっ・・『不動縛帯』・・それなりの術は学んだようですね」
両腕を封じられた状態で自由が利かないはずだがレイハはそれでも見事に体を捻り着地・・
「うふふ〜♪こういうのって戦闘以外でも使えそうだしね♪動きを封じたらレイハさんもやばいんじゃないの?」
「・・やはり甘いですね。忍術は奥が深いのですよ?」

フッ

レイハがニヤリと笑ったかと思うと彼女の体が揺らめき次の瞬間には彼女の姿はそこにはなく
動きを封じていた糸も力なくゆるりと地へ
「また分身!?って・・レイハさんが二人・・」
彼女が驚くように真上からレイハ・・そして前方からもレイハが襲い掛かる
「「驚く暇はあるのですか?」」
「えっ・・きゃ!」
一瞬我を忘れていたカチュア・・・レイハの腕が彼女の体を蛇のように伝い瞬時に関節を決めた
「チェックメイト・・ですね。忍法『分身』存在自体を別ける秘術です」
関節を決めたレイハが無感情に言う・・その間にも、もう一人空へと飛び立ったレイハがクナイ片手に突き立てて降下しているのだ。
もちろん・・・訓練なので本当に刺しはしないだろうが・・
「ま・・まだまだぁ!関節なら小さい頃から外されているもの!」

ゴリ・・

「えっ・・?」
完全に決まったと思ったレイハの技だがカチュアは腕を鈍く鳴らすとともに素早くかがみレイハを投げ飛ばした!

「・・あんなに簡単に外すなんて・・びっくり人間ですね。っうか小さい頃から外されたって・・虐待ですか?」
「・・そう考えるのが自然だな」
「もしくは関節を外すことのフェチかもしれんゾ?」
「・・あの・・・」


外野席、少しカチュアに引き気味・・
しかし今度はカチュアもかまってやるつもりはなくもう一人の彼女の迎撃に構える
「宙に浮いたのはまずかったんじゃないの?軌道が変えにくいでしょう?」
「なんの・・・、その分の速さはあります」
刹那、レイハの体が隼のように落下!

キィィィィィィィン!

鋭い金属音・・そして静寂
「・・お見事、忍術は未熟ですが中々のモノですね」
「・・そんな馬鹿でかい物・・どこから・・」
レイハのクナイをカチュアは串で受け流し彼女の体を流れを変え回し蹴り・・
しかしそれを受けるレイハではなく残った手に巨大手裏剣『十六夜』を持っており
カチュアの一撃を受けている。
「忍たる者、道具を収める場所は幾つも持っているものですよ」
「だからって・・他に・・いったたたたた!!」
丈夫な金属にモロ蹴りをかましたカチュア・・足を抑えてピョンピョン飛んでいたり・・
かなり痛そうだ

「まぁ、こんなもんだな。キースは後はそのガンブレードを慣らせばいいだろう。」
「ありがとうございます、道中慣らしていけば任務でも活躍できるでしょう」
「だが無理に突っ込み過ぎている・・御主、軽く魔法はイリアに教わったらしいナ?」
「え・・・ええ、身体強化法を少々・・基本的な魔導学は割愛されましたので応用は利きませんが」
「まぁそれでも良かろう・・後で私の部屋に来い・・フッフッフ・・」
ステキな笑みなルーさん、親切心なのだろうが悪戯心にも取れるような・・
「おいおい、明日にはここを発つんだからあんまり長引かせるなよ?」
「任せておけ!ふふふ・・」
「企んでますねぇ・・キースさん、がんばってください」
ディも合掌、対しキースもなんとも言えない顔で周りを見渡した
「では、それまでにカチュアさんに忍術を教えましょうか」
「おっ、レイハもやる気だな!」
見れば何時の間にかあの巨大手裏剣を締まっていたレイハ・・、カチュアに肩を貸している
「ええ〜、私は別に良いわよぉ」
「いいえ、忍術の奥深さ・・しっかりと学んでいただきたい・・っと」
教育ママ的レイハさん、やる気満々のようだ
「おおっ!ルナで果たせなかった教育の欲求をカチュアで果たそうとしている・・」
「果たせなかったって・・?」
「逃げ出したんだ、これが・・」
ライの説明にカチュア少し青冷める
「嫌〜!私だって勉強嫌いなんだから〜!」
「ふふふ、逃げてもかまいませんよ?それも修行になります」
先ほどの動きからして逃亡不可、かくして二人は生贄に・・・


・・その夜・・
「よし!何とか発動までこぎつけタ!中々素質はあるナ。機会があればもっと魔法の勉強をするとイイ!」
屋敷の図書室、講義服姿に着替えたルーが鼻高々と卒業証書を渡す
「・・・いえ・・やはり・・俺は肉体労働のほうが・・」
キースは騎士制服姿のまま講義を受け、衰弱の数時間・・。
アレスやリオでさえ苦しんだこの時間、しかもそれが短い分凝縮されているのだ
とりあえず伝授された魔法を発動できるまでにはなったが頭の中にもはや意味も忘れた
魔導学の専門用語が螺旋を描いている
「疲れた芝居がうまいな?体など動かしておらんダロウ?」
「・・心が疲れれば体も疲れます・・」
「ふむ、まぁその分の成果はでるはずだ。これで少しは斬り込みやすくもなるダロウ。アクが強いがな」
「・・ご指導ありがとうございます」
「ふふふっ、たまには良い事をするものダナ!」
至極満足なルーさん、しかし生徒はかなりの疲労っぷり・・思えば彼も任務以上に疲れている出来事が屋敷で起こっている
「はぁ、カチュアの方は・・どうだろう」
「レイハは私よりも厳しいゾ、・・んっ?」
不意にルーの顔が曇る・・。そして一点を見つめだした、そこは壁しかないのだが彼女にはその先が見えるようだ
「・・どうかしましたか?」
「客ダ」
そう言いルーは静かに図書室を出ていった

一方
「よ〜、様子見に来たけど・・どうよ?」
ずっと庭にて講義をしていたカチュア&レイハさん、もう日も暮れているのだが外灯の灯りにて存分に運動はできる・・だが
「順調・・・、ですね。」
「どこが・・」
汗もかかずに静かに立つレイハさん、
一方汗まみれなカチュアは制服の上着を脱ぎ白シャツ姿・・それもベッチョリと彼女の体にへばりついている。
その割には色っぽくないのはご愛敬
「ほう、でっ、何か体得できた?」
「とりあえずは『分け身』は何とか。『分身』自体は素質の問題もありますし『幻身』を行使するには勉強不足です。
それに隠密系の忍術は彼女には合わないようです・・その・・賑やかですから」
「どうせ私は忍耐ないですよ〜だ!!」
「まっ、いいじゃねぇか。攻撃のパターンが増えたことだし・・」
「そりゃ・・そうだけれどもぉ・・」
任務で来て何故に修行・・っと疑問を持つカチュアさん、キースと違い努力嫌いな彼女ゆえの発想
「まぁ今夜はゆっくり休めよ。明日発つんだから寝ていろよ?」
「腰動かす気力もないわよ〜だ」
地べたにゴロゴロ寝転ぶカチュア、それを見てレイハもため息一つ
「まぁ・・真面目にはしてくれましたがキースさんのほうがきちんと参加してくれたでしょうね」
「おやっ?真面目っ子にメロメロですか?レイハさん♪」
「ライ・・もう!」
そんなつもりはあるかもしれないけれどもとりあえずは否定するレイハ
そこへ
「暗くなっても精が出ているナ?」
ルーが魔杖片手にやってくる、目つきは真剣そのもの・・
「どうした?ルー?」
「御主でも分からんカ?まぁ・・出しているのは殺気ではないからナ」
「??・・ルーさん・・・?」
ルーの言葉にレイハも首を傾げる・・、そんな間にもルーは魔方陣を展開しており
そこから舞いあがる風にゴスロリドレスのスカートがはためき出した
「隠れて襲撃する気カ?異形!」

轟!!

爆炎弾が宙を駆け庭の闇を走る・・、しかし爆発はせず不意に炎はかき消された
「・・逃がしは・・しない・・」
闇から姿を現したのは地底人シヴァ・・、驚くべきことに以前あったそのままの容姿でいる
「ふん、魔を吸収するカ・・ちと難儀ダナ」
「ふふふ・・・栄養をくれたことは・・感謝しないとな・・」
「しつこいわよ!地の底で眠ってなさいよ!」
それまで寝転んでいたカチュアも急いで起き上がり構える
「黙れ、我等が悲願を崩した無念・・晴らせずにいられるものか!」
激情するシヴァ・・、銃を構えじっと彼らを睨む
「おい、お前達の存在の話は聞いている。俺達は別に争う気はない、・・お前達が侵略心さえ
抱かなければ街に住む場所もあるはずだ」
ライが静かに説得する・・、シヴァ達が世に阻まれた存在なればシウォング民もまた・・
しかしその言葉にシヴァは見下した様に笑いだした
「くく・・、和解か!我等を地の底に追いやり日の恵みを独占した貴様達に尻尾を振れというのか!」
「和解もクソもあるか、お前も人間だろ?」
「違うな!我等はバラルの民!機神の加護を受けた崇高な民!貴様ら如くと共に歩むほど
愚かではない!!我等にあるのは戦うこと!そして支配することだけだ!!」

ドォン!!

凄まじい砲撃がライを襲う!
「この・・馬鹿が!!」

ガァン!

鋭い音がしたかと思うとライはシヴァの銃弾を拳で跳ね返した
「なんだと・・・、こんな・・」
「他者を滅ぼそうとすれば、自身も滅ぼされると何故分からないっ!!!」
「我々から全てを奪った貴様等がそれをいうかっ!!!」
「過去に何があったか知ったことじゃねぇ!それにこだわるならば俺達も貴様を滅ぼす!」
そう言うとライは雄々しく手をかざす・・、それと同時に見事なタイミングで彼の得物『神狼牙』が飛来し彼の手に納まった
・・見れば彼の後方に各々の得物を持った騎士達が・・
「団長・・こいつらは・・」
一度は対峙したアレスとリオ・・、シヴァの復活に驚きながらも急いで前に駆け出す
「まだ生き残っていたらしいな、それに・・もはや和解もクソもないらしい」
「・・・、ライさん、ここは俺達も任せてくれませんか?」
そんな中キースが静かに前に出る
「・・キース・・?」
「この一件、俺達とアレス、リオさんが遭遇した事件です。ならば俺達で決着をつけるのは道理・・」
「・・一度完勝したお前達が負ける相手じゃないだろう。ケチョンケチョンにノし
てやれ」
そう言うとライとレイハ、ルーは静かに仲間の元まで下がった
「貴様等・・、ふふ・・やはり揃っていたか・・。我等がゆりかごの後始末・・命で払ってもらう
・・必ずな」
アレス達の顔を見てシヴァも狂気に震える・・
「やれやれ・・、しつこいな。いいだろう、キースの言った通り俺達で片付ける・・!」
「うん!もうボッコボコだよ!」
「・・その割には私、疲れまくっているんですけれども〜」
「その分俺が戦ってやるさ・・カチュア・・」
構える四戦士、対しシヴァは笑いながら体を抑えている
「下らん・・機神バラルよ・・我に力を・・!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!

シヴァの叫びとともに彼女の体が歪んでいき腕が生えていく・・首元にも顔が浮き出ており
その姿は正しく異形、6本になった腕には全て銃が握られている
「・・聞いたことのない名ダガ、どうやら人体を改造することができるらしいナ!気を引き締めていけ!」
適切なセコンドをするルー、彼女の言葉ほど説得力のあるものはない・・状況にもよるのだが
「了解!まず私が先制するね!」
フル装備のリオ、常勝手段として牽制用の魔弾を連射する!
「ふふ・・ははははは!!」
笑うシヴァ・・まともに魔弾が着弾したがスッと彼女の体に入っていく・・!
「ええっ?どういうこと?」
「奴は魔法を吸収する!直接的な攻撃で仕留めろ!」
「わかりました!カチュア!お前がやれ!」
「わかった!いっけぇぇ!!」
リオに変わってカチュアが鋼串の雨を降らせる!

ドス!ドスドスドス!!!!

「ぐぅ・・お・・のれぇぇ!!」
ハリネズミのように串が刺さる・・、砲撃に特化した彼女の体にもはや俊敏に動く能力はないらしい
しかしすぐさま再生が始まりそのまま生えてきた計6本の腕に握られた銃の引き金を一斉に引く

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

凄まじい銃声が彼らを襲うがそれよりも早く四人は飛び上がる!
因みに流れ弾はルーが造作もなく処理・・、直接彼女に攻撃できないのだがそれ以外ならば圧倒的である
「先に仕掛けるぞ!キース!」
「任せた!」
「いっくよ!アレス君!」
華麗に空中を舞うアレスとリオ、援護に回ることが多いリオだが直接攻撃もかなりのもの・・
「てぇい!」
「おおっ!!」

斬!!!

動きのにぶいシヴァを上空から飛びかかり腕を全て切り落とすアレスとリオ、その動さ、完全に一致しており見事な連携で仕留めた!
「ぐぉああああ!」
絶叫するシヴァ・・そこへ・・

ドォン!!!

「いっけぇぇぇぇぇ!!」
空中で爆発音がしたかと思うと急転直下に襲いかかるキース、空中でトリガーを引き急襲をかけたようだ
しかしシヴァはそれに気付き首元の奇妙な顔の口から奇妙な光を放つ・・、それは筋を描きまっすぐキースの元へ
「危ない!よけてキース!」
カチュアも思わず絶叫するが・・とっさにキースは目を閉じ光線をまともに受ける!

ドン!!

鋭い爆発音が響く・・・が、キースは健在にそのまま落下する・・その体の周りには鏡のようなものがクルクル回転していた
「キース!よかったぁ・・」
「ふっふっふ!短期間でよく発動できたものダ!」
それを見ていたルー、思わず感嘆をもらす
「何教えたんだ、あれ?」
「領域(テリトリー)と呼ばれる自分の周囲を護る護壁を作る術だ。
詠唱者の動きとリンクしてともに移動する。結界や障壁が使えればもっといいのだがこれはそれの一歩手前ダナ。
その分実弾防御機能は優れているゾ」
「なんか・・アクが強いな」
「あの鉄砲玉のような戦法を取るあ奴には似合うダロウ?」
「・・そうかぁ?」
解説をしている間にもキースはさらに落下!
そして

斬!

巨大なガンブレードの刃がシヴァを真っ二つにする・・腕を落とされ体を切断された彼女だが
まだウニウニと動いている。
「まだ生きていやがる・・、しぶといな」
「延命術の一種・・ダナ。魔法を吸収しあれだけのタフさ・・始末するのは少々やっかいカ」
「ん・・、ならば徹底的に切り刻むか?」
「まぁ、アレス達ならなんとかあるんじゃないのぉ」
外野は至って冷静・・。シエルやアルシア達もいざとなれば加勢できる姿勢を整えている・・っと言っても装備は訓練使用のものなのだが・・
その間にもシヴァの体はまだ変化し続ける・・切断された右半身が砲身の形に変化しているのだ
「げげっ!もう!こうなったら・・忍法『曼珠沙華』!!」
シヴァの狙いはカチュア、彼女も黙っているつもりもなく特製の鋼串を投げる!

轟!

鋼串よりも早くシヴァの砲身から破壊光弾が放たれる!鋭い光がカチュアの鋼串を包んだ瞬間・・!!

ドォォォン!!

串が凄まじい爆発を起こす!・・その衝撃をシヴァはまともに受けて原形を留めない肉塊になっている
「小さな摩擦で爆発する火薬を仕込んだ投剣を投げる忍術『曼珠沙華』・・うまくできたようですね」
「まぁ、総合しても上出来だな!ルー!仕上げだ!」
「任せロ!」
「えっ・・でも・・魔法は・・」
魔法専門なルーがトドメを刺すという事でその場にいたディも驚く
「ハッ!魔法というものは何も直接効果を表すものばかりではナイ!お前等!巻き添え食らいたくなければ下がれ!!」
問答無用に立体魔方陣展開!その規模からしてかなりの魔法だということはわかる・・
「キース!引くぞ!」
「わかった!」
「ひええ・・、何するつもりなのぉ!」
方陣展開に地響きが起こり屋敷の上空に巨大な岩を作り出す・・
地から天へと昇る岩の数々・・それは宙で一つの杭のように変化していく
「ツ・ブ・れてし・ま・エっ!」
ルーが悪魔の笑みを浮かべたとともに巨大な岩石は猛烈な勢いでシヴァの元へ
「がおおあおああああ・・・わ・・・我等の・・夢が・・あぁああああ!!」

ズゥ・・・・・・・・ン!!!!!


断末魔の叫びを上げて巨大な岩を墓標にシヴァは姿を消した
「さて・・、後は魔法属性を持たない効果力の武器にて完全に消滅すればいいですね」
トドメとばかりにレイハさんが巨大手裏剣『十六夜』を取り四刃を展開する
「・・屋敷まで傷つけるなよぉ・・」
ライが忠告・・そしてルーが無言で頷き彼らの前に防御結界を・・
「わかりました。カチュアさん・・これが本当の『曼珠沙華』です」
「え・・・ま・・まさか・・」
カチュアの驚きの言葉を待たずして放たれる十六夜・・それは綺麗な円形を描き
墓標へと突き進む・・そして岩に突き刺さった瞬間!

ドォォォン!!!

強烈な爆発と衝撃、そこにあった岩は粉々に吹き飛んだ・・
「すごいわぁ・・、流石はアルシア印の爆薬♪市場価格でもお目が高いのよねぇ♪」
「・・貴方が作ったのですか・・でも・・いくら仕留めるとはいえあんな巨大な手裏剣を・・あ・・」
キースが言葉を失う、アレほどの爆発を起こしておきながら十六夜はまだ弧を描きレイハの元へ・・、驚くことに傷一つついていない
「流石に丈夫ですね。ふふっ」
得物の頑丈さにレイハも微笑むが周りの皆さん結構唖然としてる
「まっ、これでこいつも起き上がることはないだろう・・後はそのアジトだな。念のために完全に滅しておくか?」
「その方がいいナ・・まぁそれは後日ぶっ放すとしよう」
「ですが・・、これでよかったのでしょうか?彼女達もああは言ってますが・・」
「こいつらが俺達を否定した以上こうなるのは仕方のない話だ。
むしろ、あんな醜い姿から解放されたんだ・・・それでいいだろう?」
「はぁ・・そうですか」
「さっ、風呂入ってさっさと寝ようぜ?お前達もゆっくり休めよ」
「わかったけど・・せめて・・ね」
結局用事がなく極星騎士団は屋敷に帰るがカチュアはシヴァがいた場所を見つめ
自分の串を一つ投げそこに立たせた・・


翌日
「お世話になりました、色々と武器まで作ってもらって・・」
屋敷前、キースとカチュアは荷物を整え主へと礼を言う
「まっ、いいってことよ。あいつらの巣は今日にでも俺とルーで完全に消滅させる。・・安心して報告してくれや」
「はぁ・・、わかりました。」
堂々と消滅させるというこの男にほとほとキースは呆れる、
それほどの強さを持つことそしてそれを制御できる心を持つことに感服しているのだ
「向こうでも元気でね!キース君!」
「リオさん、ありがとう。君もアレスと元気で・・」
リオと軽く握手、それを見てカチュアも・・
「ふっ、アレスさんよぉ、世話になった礼だ。握手してもいいぜ?」
「断る。とっとと帰れ」
「ひどっ!」
・・アレスは冷たいのだ・・
「それよりもキース、できれば手合わせ願いたかったが・・」
「俺も仕事があるのでな・・。余裕があればそうもしたかったが・・すまない」
「いやっ、いいさ・・またな」
「ああっ」
今度は固い握手・・双方、再会と手合わせを願いつつお互いの無事を願い・・
「それでは・・これで失礼します!皆さんありがうございました!」
「おう!またな!」
見送りに出た屋敷の面々に声をかけ二人の騎士は帰路へとついた


・・・・・・・

「ねぇキース?昨日寝る前になんかライさんとアレスと話していたけど・・何していたの?」
シウォングを離れ少々・・、そろそろ馬でも買おうかと思った時不意にカチュアがたずねる
「あ・・ああ、知らないほうがいいが・・知りたいか?」
「気になる!教えて♪」
「・・お前みたいなジャジャ馬をうまく手なずけるにはどうするか・・っということをな。結論はこれだ」
荷袋の中のさらに分けられた袋を見せる・・そこには色んなお薬やぶっとい玩具各種・・
「こ・・これ!?」
「調教について色々と教わった・・あの豊乳の薬も貰っている・・これからもよろしくな」
ポンポンと頭を撫でるキース、対しカチュアは複雑な気分で・・
「気持ちいいなら・・いいけれども痛くしないでね」
っと頬を少し染めながら彼の腕をつかんだ


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