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第六章  「ダークネスVSプリンセス」


仮面をつけたただの武闘会と観客は思っていたのかもしれないが参加者は異能者揃い。

意外な展開に観客は熱狂し仮面に覆われた空間は一種異様な空気に包まれた。


初戦を勝ち抜いた選手は6名


Aブロック、デストロイベアー、グランセイレーン、ローズキラー


Bブロック、マスク・ド・ダークネス、ナイトプリンセス、ハンサムガイK


となりローズキラーとハンサムガイはシード枠、第二試合はデストロイベアーVSグランセーレーン、

マスク・ド・ダークネスVSナイトプリンセスとなる。

誰もが兵、そして誰もが普通とは少し違う故に先の展開は見えない。それ故会場は興奮のルツボと化している


「次の試合はロカルノさんとデストロイベアーですか・・。強敵ですね・・」



そろそろ底が見えてきたポップコーンを摘みながらキルケも興奮気味に呟く

「そうね、デストロイベアーの体術は並じゃない・・気を抜けばお兄さんでも・・」

「刃物を持っている分あいつには有利だ。だがベアーに取っては刃物相手だろうがスタイルは崩さないだろう。

捕まる前に倒す・・それが要求されるな」

顎を摩りながら黒服パツ金男が唸る、ある種彼が一番二人の力量を把握しているだけに

先の展開を読んでいるようだ

「でも黒服パツ金男さん、ロカルノさんにはあの高速な身のこなしがあります。掴まれる前に抜け出せば・・」

「そこだな。だがそれはベアーもわかっているだろうからな・・、どうなるか・・注目だぜ」

腕を組みながら戦場に足を踏み入れる二人の戦士を見つめる黒服パツ金男

それと同時にジルさんも気を引き締めながら入場、リングの中央に立った。



”さて、第二試合Aブロック。初戦を勝ち抜いた猛者同士の戦いとなります。

対戦するは卓越した投技を披露したデストロイベアー選手と今大会注目の男グランセイレーン!

力と技の戦いと言っても差し支えないでしょう!”



「それでは・・はじめぇ!」



アナウスとジルさんの掛け声が観客を興奮させる、

だがベアーもロカルノもまずは相手の様子見と言う事でそう簡単には仕掛けない

特に蝶々仮面から見せるベアーの瞳はロカルノを食い入るように見つめているかのようだ

「・・良い面構えだよ、ほんと・・」

悦びこみあげるかのようなベアーの声にロカルノは眉をひそめる

「私の顔に何かついているのか・・?」

「ああっ・・セイレーズを継ぐ者としての品格・・ってところかい?」

「ご冗談を・・」

「冗談なものかい、まるでセイレーズの生き写しだよ・・。その布仮面もね・・」

「・・これをご存知で・・?」

「もちろんだよ、これでもセイレーズファンでね。

名探偵ウィロウとハイデルベルク王国秘宝をかけて昼間に争われた時に素顔を隠すために使用したのだろう?」

意外な知識をひけらかすベアー、察するに生粋のファンらしい・・

「ふっ、あの人も人気があるものだ・・。ともあれ、ここで負けるわけにもいかない。素手相手とは言えやらせてもらおう」

「遠慮はいらないよ!私ゃあんたと戦うために参加したんだからね!」

雄々しく構えるデストロイベアー、巨体から放たれる闘気は正しく熊・・

対しロカルノは静かに微笑みながらゆっくりと歩を進めるや否や・・

フッとその姿を消す。

怪盗に相応しき身のこなし・・、デストロイベアーに到底真似のできない芸当。

だが彼女は防御に転じようとはせずにそのまま鋭く目を光らせ

「そこだ!」

ごつい腕を伸ばす、豪腕が瞬時にして掴むはグランセイレーンの腕、

「っ!?」

その体に似つかわしくないまでの敏捷性に驚くロカルノだが、ベアーは遠慮なく片腕で自分の体を地面に叩きつけようとする

しかしそれをまともに受ける彼ではない、地面に激突する瞬間に手を付きベアーの投げから逃げて距離を空ける。

・・置き土産つきで・・

「・・あの投げをスレスレで回避して私の足にダメージを与えるとは・・流石だねぇ・・セイレーズ」

投げより抜け出す瞬間、ロカルノは体勢を整えるために体を捻りそのついでに彼女の足を蹴ったのだ。

転んでもただでは起き上がらない、それも師の教えか・・

「そちらも・・初戦での動きを見ていたのだがそれをはるかに上回る敏捷性だ・・。パワーファイターである事が惜しいな」

「他の相手がすばしっこいから慣れてきただけだよ。いいねぇ・・セイレーズとの戦い!ゾクゾクするよぉ!」

憧れ・・であろう人物との対戦にベアーの感情の高ぶりは凄いものに・・

流れはベアー優先になっている

「やれやれ、私は貴女の中にいるセイレーズではない。勘違いは遠慮してもらおうかな」

そう言うと再び構えるロカルノ、但し腰に下げる剣には手をつけない

「その格好をしておきながらその台詞はないだろう?きな!」

「ふっ・・!」

瞬間姿を消し高速で接近する、だがその身のこなしにベアーは慣れておりロカルノが仕掛けるよりもその肩を掴む!

正しくコンマ数秒の勝負、だが相手を捉えた事はベアーにとってはそれはまさに相手の首元に刃を突きつけるのと同じ事・・!

確実に捉えたと思った瞬間ロカルノはガッチリと掴まれた腕を払いのけ彼女の懐に入り込み・・


ドォン!


瞬時にして彼女の体を持ち上げて地面に叩きつける、あまりの早業にベアーは目を丸くしている

「セイレーズとは違い私はパワーファイトも生業としている。それに・・重心を作用しての投げ技もな」

「この投げ・・東国の柔術かい?」

「ふ・・、知人に使い手がいてな・・。確かに私は彼を継ぐ者だ、だが彼と同じでは・・ない」

「ふ・・はは・・はははは!!完敗だよ!見事だ!グランセイレーン!」

大の字に倒れながら高らかに笑うベアー、自分の敗北を認めた瞬間だ



「それまで!勝者グランセイレーン!」


司会進行のジルさんもごついおばちゃんではなく男前なロカルノの勝利に何気にときめいている。

前回の時といい意外に恋多き乙女である

対し観客も体格差からロカルノが勝利する事など想定外であったらしくしばし呆気に取られながらも拍手にて勝者を称えた

”正しく大番狂わせを思わせる一戦でした!

投げ技のスペシャリストであるデストロイベアー選手に対し同じく投げで挑み体格差をもろともせずに撃破したグランセイレーン選手!

武器を使わず相手にあわせる技量といい、彼こそこの大会の主役と言っても過言ではありません!!!”


「・・すごいですね・・、ロカルノさん・・」


「え・・ええ、でもあんな技・・いつの間に・・」


見事な勝利にキルケとフレイアは呆気に取られている。

対し黒服パツ男は顎を摩りながらにやけだしている、彼にはそれに心当たりがあるのであろう

「それよりも次はロカルノとローズキラーだ、こりゃ決勝進出は間違いないな」

「パツ金男さん・・でも、セシルさんが本気だったら・・わかりませんよ!」

「あの野蛮騎士が下克上でもするっていうの?・・・ちょっと信じられないわね」

ライバルがいようとも基本的にロカルノとセシルは恋仲・・ロカルノが色々と指導するも基本的に喧嘩などした事がない仲故に

二人の本気の戦いと言う事に関してはフレイアも想像がつかないようだ

だがセシルは魔氷技を巧みに使い意表を突きながらも正統剣術を扱う

対しロカルノは主力ではないが卓越した剣捌きを見せ身のこなしはもはや重戦士の枠をはるかに超えた万能戦士、

天才肌な分隙もない。

型破りVS正統派・・っともなるが激戦である事には違いはないだろう

「でもこれでセシルがコテンパンになって愛想尽きたら・・私にも・・」

「晴れてアミルさんとカップルになるわけですね♪」

アミル派のキルケ、もはやセシルはお邪魔蟲に見えている・・かもしれない

「注目の恋人喧嘩の前にもう一つ対戦があるぜ・・?」

「・・そうだったわね・・、マスク・ド・ダークネスVSナイトプリンセス・・謎の仮面戦士達の戦い・・気になるわ!」

「・・(こっちも恋人対決なんだけどよ)」

未だに正体がわからないフレイアとキルケ・・、これが仮面の魔力なのか・・

そう黒服パツ金男がぼやいていたところで次の試合が始まる・・





「・・・許さない・・絶対に・・!」



「ふん、戦う前から殺気がにじみ出ているぞ・・」



中央で向かい合うダークネスとプリンセス・・

双方相当な因縁があるのかはたまたプリンセスの勝手な恨みなのか、禍々しい気配が周囲を包み込んでいる

試合は開始されていないのだが今にも切りかからんばかりの気迫にジルさんも怯え気味

相当な激戦になる予感を放ち・・意を決してジルさんは中央に立った!

「そ、それでは・・Bブロック・・はじめぇ!」

試合開始の合図、それとともにプリンセスが素早く踏み込む!

桃色鞘からレイピアを抜き寸分の狂いなくダークネスに突き立てた!

「ダークネス!覚悟ぉ!」

「ふん・・!」

怒りに我を忘れ気味だがその一撃は正確に彼を捉えている、それでもダークネスは的確に間合いを外しながら距離を開けた

「え・・えええい!!」

それに対し尚も追撃、鋭い剣撃を放ちまるで舞うかのような動きを見せるのだがダークネスには掠りもしない

「互いの手の内は百も承知・・そうだろう!プリンセス!」


ドォン!


一瞬を隙を突き掌底突き!咄嗟にプリンセスは鍔で受け止めるもその衝撃に華奢な体は大きく吹き飛ばされた

「く・・う・・、容赦ないわね・・」

「当然だ。いくらお前でも遠慮はしない」

「こ・・この・・外道!人でなし!甲斐性なし!」

非常に憤慨なプリンセス、だがダークネスは涼しい顔をしている

「ダークヒーローとはそういうものだ。嫌なら危険しろ・・弱者に用は無い」

「・・もう!怒ったわよ!!月の女神に代わって断罪よ!!」

地団駄を踏みながらもポージング、やや情緒不安定ながらも美少女な剣士としての掴みを如何なく発揮させる




「・・わぅ?」さっきから・・何だか呼ばれているの・・

「ルナ、どうしたんだい?」

「・・がう!!」お前か!!

「え・・!?ちょっと!?う・・わぁぁぁ!!」

遠い空の下、誰かに呼ばれている不快感を相棒のせいする銀狼が一匹・・プリンセスがそれを言うたびに不快感に襲われるのであろう

それはよしとして美少女オーラ迸るプリンセスに対しダークネスは軽く身構える

「いいだろう!真っ向から迎え撃つ!!」

呼吸は同じ・・構えも同じ、だが膨らむ力は光と闇・・

「プリンセェェェス!!」「ダァァァクネス!!」

「「アタァァァァック!!」」


轟!


二人より放たれる光の波動と闇の波動・・力と力はぶつかり衝撃を放ちながら相殺された・・・

「互角・・、えっ・・!?」

衝撃に怯みながらも相手を確認するプリンセス、だがダークネスの姿はどこにも見当たらない

「もらったぞ!」

見ればダークネスはすでに目の前にまで駆けておりすでに必殺の間合いまで踏み込まれている

「え・・くっ!!」

何とか直撃は避けようと飛びのくプリンセス・・

しかし放たれたダークネスの拳からは逃れられない!

そして・・


ビリィ!


微妙な間合い故にその一撃はプリンセスのフリフリなドレスを破り捨てる

そして豊満な胸がポロリと零れ場内の視線を一気に集める!

「・・ちっ、仕留め損なったか!」

「へ・・!?あ・・ああっ!」

自分の状態を確認して顔を真っ赤に染めるプリンセス、だがダークネスはそんな事に構わずさらなる追撃を放とうと仕掛ける

「これで・・」「ア・・・アレス君の馬鹿ぁぁぁ!!!」


パチィィィィィィィン!!!


凄まじいまでの快音、鋭いダークネスの一撃より速くその手がダークネスの頬を叩く!

「ぬ・・ぐっ!」

神速のビンタが見事に入りダークネスの仮面が吹き飛んだ・・

その素顔は・・

「あれは・・アレスさん!?」

「アレスって・・真龍んところのあのアレス?どうして・・?」

「わ・・わかりません。あの人がダークネスだなんて・・」

「・・・(お決まりの反応・・・ですか?)」

見知った顔に驚く面々、だが他の観客もその素顔が美男子である事に様々な反応が出ている


「リ・・リオ・・?俺は・・一体・・?」

「ふぇぇぇぇん!こんな不特定多数に胸を見られた〜!やだぁ!還る〜!!」

呆然とするダークネス、ことアレス。対しプリンセスはあらわになった胸を隠しながらランナウェイ・・

「ま、待ってくれ!リオ!」

正気(?)に戻ったアレスはそのまま逃げ出すプリンセスを追って場外へと駆けていく

その場に残ったのはジルさん一人・・どうしたものかとルールブックを見た後に・・


「・・え〜、マスク・ド・ダークネス選手は仮面を剥がされたので大会規定により失格、

ナイトプリンセス選手も棄権ということでこの試合・・ドローとします!!」


余りの出来事に一瞬辺りが静まったかと思うと一斉に抗議の声が広がった・・

「・・ま、注目カードが水の泡となっちゃ観客も怒るわな・・」

うるささに耳を塞ぐ黒服パツ金男、彼にとってはそれはどうでも良いことらしい

「ですが・・ダークネスがアレスさんだったとは・・!世の中わからない事もありますね!」

「・・あ・・いや、キルケちゃん?」

「で、でも・・アレスさん・・仮面つけているからとは言え女の人に手を上げてましたよ!?これはリオさんも怒るでしょう!」

「・・あ〜・・(プリンセスに向ってモロにリオって言ってたのに・・わからないのかな・・?)」

もはやこの場の空気に常識というものを望めない、

そう思いながら黒服パツ金男はひたすら頭を下げるジルさんを見続けるのであった


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