「彼と彼女と妾龍と・・」 第二話


シウォングの真龍騎公からの使い、
妾龍イリアを引き連れてクロムウェルは相方のいる宿へと向かう
住宅地区の影になるような裏道を入ること数分・・、そこに辿りついた
「・・、なんというか・・、よく倒壊してないな?」
見るからにボロっちい・・壁に所々穴が空いていたりして・・。
それでも日当たりが微妙にいいのが不思議である
「ま・・、中は意外に頑丈にできているんだよ。
ともあれ今日はどこにも行っていないはずだからな・・」
そう言うと先にクロムウェルが中に入る・・。
中のロビーは正しくに無人・・、カウンターには誰もおらず人の気配0・・
「なぁ、中身は意外に丈夫そうなのはわかったが・・他の客にここのオーナーは?」
「こんな所に来る客もいないし、オーナーは・・、あれ、そういや姿見せないな。
もうよぼよぼだったからな、あの爺。くたばったと思う」
「思うって・・、そんな状態でお前達ここに住んでいるのか?」
「まぁ、金は最初にたんまりやって
『どうせ客はこんからいつまで住んでもかまわん』って言ってたからな・・。
ともかく2階だ。案内するよ」
さっさと2階に上がっていくクロムウェル・・、イリアも唖然としながらもそれに続いた

・・・

2階の廊下は外のボロボロな印象とは違い黒光りした木が重厚感を出しており
意外な品の良さを出している
そして『フィート』の部屋に到着・・。
「フィートォ〜、入るぞー」
ノックもせずに堂々と入るクロムウェル、中はでかい本棚に囲まれていた
「せ・・先輩!ちゃんとノックしてくださいよ!」
部屋の奥からフィートの声が聞こえてくる・・のだがやけに慌てているようだ
「っうかこっちから本棚が邪魔で見えないんだから別にいいんじゃないか?」
「そんな無作法だとタイムさんに嫌われますよ、と・・とにかく・・エネ・・うん・・」
どうやら一人ではない模様・・、イリアも怪訝な顔をする
「どしたんだ?あいつ・・」
「何っ、恋人がいるんだろうさ」
呆れながらも本棚の奥から上半身裸でズボン姿のフィートが登場・・、
そして彼の前を頬を染めながら歩く栗毛の少女が・・
長袖と長いスカートで身を固め肌を見せないように袖を握りながらそそくさと歩いている
「よう、エネちゃん。ちゃんとしたところで住める様になっているんだからわざわざここにこなくても・・」
「クロムウェルさん・・えっと・・ここじゃないとできないことも沢山ありますから・・」
「・・・さいですか・・」
「と・・とにかく僕はエネを家に送ってきますね!ちょっと待っていてください〜!!」
クロムウェルの隣にいたイリアに一瞬目の色が変わったフィートだが
近くにかけてあったシャツを着てエネを抱き締める様にして外に出ていった
「何焦っているだ?あいつ・・?」
イリアもフィートの慌て様に驚いている
「さぁ・・、何かヤバイことでもやっていたんじゃないか?」
分けのわからないまま奥に進む・・がそこで全てがわかった
ベットの前の空いたスペースにあるのはソッチ系の人が愛用する木馬さん・・。
そして床に点々と落ちている蝋・・、決め手はベットの上に置かれた鞭・・
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
長い沈黙・・、見てはならなかったものが目の前にある
「あ・はははは・・、フィートの奴も結構変なインテリアをしているなぁ!」
「そ・・そうだな!こんな棚に水晶玉を並べられているところも変わっているよな!」
なんとか話題を変えようとイリアがベットに近い棚に並べられた透明の水晶球を触る

ポウゥ・・

すると水晶球の底に小さな魔方陣が現れ水晶の中身に映像が・・
それは一人の泣き叫ぶ女性とそれを囲む無数の男達、
男達が女性を押え付けているところを見るとそれは紛れもなく・・
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
イリアが静かに手をどけると映像は消え元の水晶に戻った
「・・イリア、俺達は何も見ていない。そして何もしてない」
「・・おうとも・・」
「俺の部屋で待とうか」
「イエッサー」
そう言うと回れ右して退室、正しく見てはならないものを見てしまった二人。
しかしそれを本人に聞くのが恐い・・故に見てみぬふり決定。
隣のクロムウェルの部屋にてフィートの帰りを待つことにした


クロムウェルの部屋は元々は雑貨云々で散らかっていたが
ここに頻繁に通うようになったタイムが掃除してくれているので今は小奇麗に整理されている。
とりあえずはイリアを床に座らせて茶を入れてやるクロムウェル・・
「しかし、前に屋敷に行った時にゃいなかったけど
身内に明かせない存在ってことはあの屋敷と別のところで住んでいるのか?」
自分で入れたながらも少々濃い茶を飲みながら顔をしかめてるクロムウェル
「あ〜、ま〜、なんだ。色々あるんだよ・・色々とな・・」
対し苦笑いではぐらかすイリア・・
「ふぅん。お前も大変そうだな、おまけに騎士団連中は手が離せないからって
わざわざこんな遠方までこさされて・・、ご苦労だな・・」
「まっ、良い気分展開さ。
この街だって色々と面白い物が多いし露店だって見ていて飽きない・・役得ってやつ?
俺はそれだけでも満足しているぜ?」
「おおよそ欲がないなぁ。男でも女でも欲が大切だぜ?特に肉欲」
「お前はそればっかだな・・」
「欲は大切さ!そのために世の中は動いているんだ!故に俺は欲を隠さない!!」
「・・タイムが哀れでならない・・」
「まっ、それよりも連中は元気か?遠くてそうそう行けないからな〜」
「用事がない限り出れないだろうし一人旅だとタイムが泣いちゃうってか?」
「まぁ・・な。ああ見えてそういうのに弱いんだよ・・」
「お〜お〜惚気ちゃって。まぁ皆元気だぜ?
前の一件の少女も元気そのもので医者になるべく猛勉強しているってよ?」
「なら良かった。っうかあいつらの生活が早々変わることもないだろうな・・。」
「そうでもないさ、平穏そうに見えて色々あるんだぜ?現に俺がここまで来ているんだ」
「それもそだな。しっかし前に屋敷行った時にもイリアがいてくれたらなぁ・・」
「水浴びシーンを覗けたのに・・ってか?」
「な・・俺の行動が読まれている!!」
「お前・・そればっかだからな・・」
笑いながら時間を潰していると外から階段を上がる音が聞こえた
「おっ・・戻ってきたか・・お〜い!フィート!こっちだ!」

ガチャ・・

「あっ、こっちにいたんですか?」
頭を掻きながら入ってくる紫ラーメン・・、爽やかそのもので眩しい笑顔をしている
・・どうやらナンパモード・・
「おう、でっ、昼間だってのにエネちゃんを家まで送ってどうしたんだ?」
「まっ、僕は心配性でして。
それにエネがちょっとヤケドしちゃったんでそれを治すのもかねてですよ♪」
「「・・・・」」
「それよりもそちらの見たところパーフェクトな美女は?」
「俺はイリア。真龍騎公の遣いだ。久しぶりだな、フィート」
「ああっ、ライさんの所の人間でしたか・・。しかし・・面識ありましたか?」
「一応は初対面だな。お前の事はライやカインからよく聞いているぞ」
ニヤリと笑うイリア、とどのつまり、『ナンパしても無駄だぞ この野郎』っという釘刺し・・
「なるほど、あの人達もこんな美女を一員としていたなんて・・。
あっ、そう言えばカインさんはヒルデさんと籍を入れました?」
「・・??いいや、まだエージェントとして活動しているぜ?っうかもう夫婦な感じだけど・・」
「ふぅん・・ならば僕もまだ結婚するわけにもいきませんね・・」
「何の基準だそりゃ?ともあれ、イリアから仕事の依頼だ。お前にも手を貸してもらうってよ?」
「そうですか。・・内容は?性の悩みからなんでもこの僕が解決してみせましょう!」
「ほんと相変わらずだな・・・お前ら・・。じゃあ話すぞ?」
呆れながらも手短の事件のことを話すイリア
フィートはそれを静かに聞き腕を組み始めた

・・・・・・
・・・・・・

「大容量魔力蓄積体の壷モドキですか・・、便利なようで厄介なもんですね」
「悪さをされてはやばいからなすみやかに処理をしたいんだ」
「・・了解です。間違って邪神でも召還されちゃ被害が及びますしね・・
話だと自身では害を出さないわけですよね?」
「ああっ、まぁ身の危険を感じたら話は別だけどな。問題はどこにあるかだ・・」
「壷なんてどこにでもあるものですが・・、それだけの物ならば魔力の強さでわかりますか」
「ところがどっこい。壷状態は正しく壷だ・・感知するのに手が焼ける。かなり厄介だぜ?」
「なら・・足で稼いで不審な壷を探すしかないな。
・・よし!俺様の下僕達(スクイード以下略)を駆使して探索といこうか!!」
「先輩・・、スクイードさんは下僕じゃないですよ」
言葉に出してないのにクロムウェルの下僕発言が誰に対してかわかるフィート・・
それは彼の直感が鋭いのか彼もスクイードを下僕として見ているのか・・
「まぁまぁフィート君、すでにタイムも騎士団として協力をすることを約束しているんだ!
・・奴らに拒否権はない・・(ウニャリ)」
「まぁ、治安を守る上では騎士団としても無視できないもんですしね。」
「違いねぇ・・。しかし壷が蟲に変形ねぇ・・。
世の中そんなキテレツな事が本当に起こるもんなのか・・、
疑うわけじゃないけど今一つピンとこねぇな」
「世の中変形するもんなんて色々ありますよ。動物でも身体の色変えるものだっていますし、
超高位の魔導書なんて意思を持って少女の姿になるらしいですよ?」
「・・マジ?」
「風の噂ですけどね・・。」
「何の話だよ・・、じゃあ詳しいことは明日からでいいのか?」
脱線気味の話にイリアが締める・・
「そうですね・・じゃあ今日は準備をして明日から散策としましょうか・・イリアさん。
今日は表通りの綺麗な宿で休んでくださいな」
「んっ?俺は別にここで寝ても問題ないぜ?」
「う〜ん、僕の部屋だと僕の身体が黙っちゃいないでしょうし
先輩と一緒に寝たらタイムさんがヤケ酒飲んで泣いちゃいますからね・・」
「・・おい、あたかもその場面を見たかのように言うんじゃねぇ・・」
「容易に想像できちゃうんですからしょうがないですよ」
「ふむ・・、まっ、いいや。じゃあどこか適当な宿で泊まることにする・・。
明日になればまたここに来るってことでいいか?」
「そうですね、まずここで集まることにしましょう」
「おう、わかった!じゃあまたな〜!!」
手をひらひらしながら出ていくイリア・・
対しクロムウェルは怪訝な顔をしている
「フィート、何も別の宿に泊まらせなくてもここの空き部屋使えばいいんじゃないか?
・・埃がすごいだろうけど・・」
「・・先輩はイリアさんに対して何も感じませんでしたか?」
「んっ?感じるも感じないも美人には変わりないけど・・」
「いやっ、そうじゃなくて・・・」
「???」
「・・・・・・、まっ僕が敏感になりすぎているだけ・・・かもしれませんけどね」
顎をさすりながら思案にふけるフィート・・・
「はぁ?イリアを疑っているのか?ライの身内だし俺なんか一晩飲み明かした仲だぜ?」
「何、足元をすくわれないためには全てを疑うことが大事ってことですよ・・
ともあれ、探索に対して役立てるものがあるか色々漁ってみますね」
そう言うとフィートは自室に帰っていった
一人部屋に残ったクロムウェル、フィートの言動にちょっと呆れながらため息をつく
「疑う・・ねぇ。まぁその心構えがあるから今まで泣かせた女に刺されずに済んだってわけか」
そう言いながら茶を片付けようとしたその時!

・・ドタ・・ドタドタ!!

「せっ、先輩!僕の部屋の水晶球に触りませんでしたか!?」
慌てたフィートが駆けこんでくる!!
「知らん!俺は何も知らんぞ!!神に誓って知らない!だから帰れ!
これ以上その話題に触れるなぁぁぁぁぁぁ!!!」
・・今日もルザリアは騒がしかった・・


翌日
朝早くからイリアと合流したクロムウェル達は騎士団屋敷へと赴いた
団長室ではすでにタイムが段通りを取っていた
「おはよっすタイム、昨日はよく眠れたかな♪」
「・・(ギロッ!)」
どうやらまだご立腹の様子なタイム、茶化すクロムウェルに射殺す視線を投げかける
「まぁまぁ・・、でも騎士団屋敷に入るのも久しぶりだな〜」
呑気に仲裁するフィート・・、黒い魔術師姿の割には爽やかだ
「フィート君、そう言えばそうだな・・。まぁ彼らが来るまでゆっくりとしてくれ」
「彼ら?」
「壷による警戒は全騎士に通達した・・が、探索するとなれば3人だと心もとないだろうからな
・・不足の事態にも対応できるように数名この一件専属の者を決めたんだ」
イリアの疑問にタイムが淡々と応える・・
「考える事は一緒か、つまりそいつらを好き勝手使っていいってことだよな?」
「・・・命令を出すのはイリアだ。お前はこき使われていろ・・変態・・」
「ガーン!」
「ふんっ・・」
「だけどそこまで気を使ってくれなくてもいいんだぜ?」
「まぁ、メンツみたいなものだ。気にしないで使ってくれ」
どうやら昨晩慰めにきてくれなかったのがタイムは嫌だったらしい・・
それに対しクロムウェル凹みまくり・・
そんなこんなしている内に・・

コンコン

「団長、スクイード以下4名、召集命により参りました」
「ご苦労、入りたまえ」
扉越しに聞こえる凛々しき声に団長として毅然と話すタイム
それに応えるように一礼して4人の騎士が入ってきた・・のだが・・
「なんだよ、シトゥラにキースに愚妹じゃん」
凹みもそこそこにソファでくつろぐクロムウェルが呆れた感じで呟く
フィートとイリアもとりあえずはソファでその様子を見ている
入ってきたのはツンツン黒髪の青年・・スクイードと腰まで届くくらいの長い白髪の狐人シトゥラ
ぶっきらぼうに伸ばした緋髪の騎士キース、
そしておおよそ騎士とは言えないだらしない金髪の娘カチュア・・の計四名。
・・正しく個性的・・
「変態・・、貴様タイム団長を傷つけてのうのうと団長室に来ていたのか!!」
「おだまらっしゃい!!ソチは今回に限りそれがしの下僕なるぞ!」
妙に上流階級的発言にてクロムウェルが反撃・・するのだが・・

ドス!

問答無用にタイムが羽根ペンを投げてクロムウェルのテンプルに突き刺さった・・
「馬鹿は放っておいて、おおよその内容は昨日話した通り。シウォング王ライの依頼だ
君達優秀な騎士達がその助けになってやってくれ。彼女が依頼主のイリアだ」
イリアを方に手をやるタイム・・それに対しイリアは軽く手を上げ
「よろしく!」
っと一言のみ・・。
「ともあれ、今後の予定はイリアと良く話し合って行動してくれ。
私からは以上だ。話合いは会議室を使うといい・・」
「了解しました、イリア殿、会議室へと案内します」
丁寧な物言いのスクイードだが酔いつぶれて路頭で眠りこけていたのを
見ているだけに内心はかなり複雑な様だ・・
「おっ、そんじゃあ行こうか。クロムウェル・・行くぞ?」
「・・急所に羽根ペンが刺さっているのに・・誰も心配しないわけ・・?」

”そのぐらいで死ぬタマじゃない・・”

団長室にいた他の面々の心の言葉が一つに重なった瞬間だった・・

屋敷内の会議室・・、計3つある会議室の中でもスクイードが案内したのは一番小さな会議室だった。
それでも10人は座れる長い机に
ルザリアの街の地図を張ったボードなど一通りの設備は整っている・・
「あっ、まず最初に言っておくけどあまりかしこまらなくていいぜ。気軽にいこうじゃないか」
椅子に座るなりイリアが明るく言う・・
「王の遣いだってのにそれは難しいんじゃないの?」
意外そうなカチュア・・だがそれに対し一同やや失笑しつつ
「手前にそんな器用に態度を変えられるもんか」
「うるせぃ!愚兄!」
「まぁまぁ・・。とりあえずはイリアさんとは初対面なんですから皆さん自己紹介したらどうですか?」
・・意外にもフィートが進行役になりそう・・。一番騎士とは無関係なのに・・
「そうだな〜、お前達以外は〜・・シトゥラは知っているな」
「・・ほう・・、私は初対面だが・・」
「ライから色々とな。以前シウォングに来てただろ?」
「ふむ、そうか・・。しかし、イリアはどこかライに似ているな・・、家族か?」
「まぁそんなもんさね、詳しく言ったら微妙に違うけどな。
他は〜、そこの黒髪がクロムウェルの言っていた
『今世紀最後にして最強の阻害戦士スク=イード』か?」
それを聞いたスクイード青年・・。顔を真っ赤にして反論開始!
「違う!おい変態!僕が阻害されていないって何度言ったらわかるんだ!
おい!耳ほじくるな!腹を掻くな!そんな目で僕を見るな!
大体、イリアさんもこんな危険人物と飲み明かすだなんてなんて不謹慎なことを!」
「っうか知り合いと飲んだだけで過剰だぜ?でも本当に阻害されていないのか?フィート君?」
急にどこからかサングラスを取り出すイリア・・
声をかけられたフィートも同じタイミングでサングラスをつけ手元の資料を取り出す
「去年極秘裏に実施した『ルザリア騎士団で一番煙たい騎士ランキング』で
スクイードさんはダントツで一位でしたね。
『良い人だが自室にシトゥラさんを同居させたり一々熱い処が嫌』っという意見が多いみたいです。
後街頭アンケートでも『仕事熱心だけれどもなんだか冤罪で捕まえていそう』
との意見も出ているようです。」
「・・う・・・そんな・・」
力なくうなだれるスクイード、そんな彼の背中をシトゥラはポンポンっと叩いてやっている
実はフィートの資料は全部白紙ででっちあげだったり・・
「え〜っと、次はカチュアさんですね。感染源です、以上」
「かわいそうに・・」
「こらっ!紫ラーメンにボイン!何気に人を哀れむな!!」
「「冗談デスヨ、冗談」」
・・意外に息が合っているイリアとフィート・・
「まぁ感染の件はクライブに頼んで解析中だ。
このデリカシーと胸のない女はカチューシャ=・・今はラクレインだったな?俺の妹だ」
「愚兄!あのナヨっちょドクターとそんなことやっていたのか!」
「ボクの愛するルザリア10億の民のためだ・・許せ・・」
「まぁ、冗談は置いといて・・。クロムウェルの妹か〜・・血縁って恐いな」
素直な感想のイリアさん、それだけで全ての感想になっている
「何よ!こんな甲斐性無しな兄と一緒にしないで!ボイン!!」
「ほぉう、胸に執拗さを抱いているところを見ると気にしているのかなぁ(ユッサユッサ)」
豊満な胸を自分で持ちからかいアピール!
男性陣は針より鋭い目で見つめる者や気まずそうにそっぽ向く者やと反応は様々だが・・
「お・・大きければいいってもんじゃないのよぉ・・ねっ?キース?」
「落ちつけ、カチュア。大事な依頼人だぞ。」
「キ〜ス〜・・」
「キースって言ったか?この子の保護者?」
「一応はそうです・・、キース=ラクレイン。よろしくお願いします・・」
「おおっ、固いね〜。その分頼りになりそうだな・・まっ、頼む」
「まぁ自己紹介にはなってないような気もしないでもないですが
とりあえずはここら辺にしておいて・・、どうします、『夢幻の壷』散策・・」
おふざけもここまでっとフィートが顔つきをかえて話し出す
「そうだな、計7名・・。一緒にダラダラ探すってのもなぁ・・・。
まぁそこらへんはこれから煮詰めていくか。」
椅子に持たれながらだらしなく伸びをするクロムウェル。
彼にとってはタイムの機嫌を直すほうが急務か・・・?
ともあれ、会議室の中で今後の展開に対しての話し合いが行われた。


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