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chapter 17「creature`s tower」


塔内部突入後マーターの行動は俊敏であった

足場を固めるがために各階人数を分けて制圧しつつ上の階へと向かう

迎え撃つ使役者は少ないもののオフィス内に潜む使役者が多く手分けして隅々まで調べる

ここは敵の本拠地、挟み撃ちに遭う可能性が高い分重点的に足場を固める必要がある

奇形者との戦闘に慣れているマーターは各階に人員を分けながら制圧していき

主要なメンバーが上に向かっていく

あちらこちらで銃声が響く中上層階を目指すウルムナフとファルガンは現状最上階とされている20階まで到着した

商業エリアはここまで・・エレベータなどで確認してもこれより上に行く道はない

もちろんこの状況でエレベータなどを利用する彼らではなく階段を使ってでの移動・・・

こんなところで機械に頼るのは危険極まりない行為でありワイヤーとブレーキを不能にさせれば

便利な移動手段もたちまち鉄の棺桶ともなる

 

「さてもさても・・下では派手におっぱじめているようだな」

 

「派手なのは専ら社長のような気がしますけどね」

 

明かりのない通路には呟くウルムナフとファルガン

この二人ともなればもはや隙はなし・・

最前線はこの二人に任して下層制圧にライオットやヘンドリクセン、社長が担当している

その中下から響く爆音は間違いなくゲンジロウ社長さんの物・・

遮蔽物を無効化する弾を装備しているが故に気配が感じたらすぐにトリガーを引く

故に効率が良くバンバン撃っている

「・・爺一人だけで制圧できるんじゃねぇか?」

「同感ですね・・。さて、それではお仕事と行きましょう・・非常階段もエレベーターもここまで・・

どこかで上に続く道があるはずです」

「そしてお出迎えも多数ってか・・」

明かりなき廊下にときよりキラッと光る影が多数

他の階のような待ち伏せではなく明らかに二人を殺す意志が感じられる

「まぁ、常套手段っちゃそうだな・・。狭い通路を利用して剣で斬りかかるか・・

夢幻の前身が刃物を使わない暗殺集団ならば基本的にゃガンタイプよりかは戦闘能力は高い」

「そうですね・・、ガンタイプは大方ロビーに配置されたようですし・・。

でもその条件ならばこちらも同じ・・ですか」

「あぁ・・巣の穴見つける前に掃除するか・・!」

「では、お任せしますね」

ニコリと笑い傍観決定・・ソードタイプとファルガンのスタイルは折り合いが良くない

それでもゴリ圧しで切り払えるものなのだが無駄な労力はかけたくない・・っと

そんな訳でぶつくさ言いながらも襲いかかる影達に対しウルムナフは物ともせずに迎撃

決戦という状況下、そのゴールドルガーに込められるは全てスティンガー弾

廊下と言う狭い空間ではいっそうその凶悪性が増し撃つ弾丸は使役者を次々貫通させる

相手の動きを制限し素早い動きで侵入者を葬ろうした夢幻の配置は見事に裏目に出てしまい

俊敏に飛びかかってくるクリーチャー達に対してもウルムナフは動じる事なく撃ち貫き続けた

その間にファルガンはこの階の間取りを確認し妖しい箇所を特定している

得物には全く手をつけず戦闘は完全にウルムナフ任せで背を見せているぐらいの余裕を見せている

それもそのはず、物の数分にて襲いかかる使役者は全て肉塊と化して異臭を放つのみの物体に化した

「う〜ん、まぁ・・出来損ないの再利用にしちゃお粗末か」

「貴方が化け物なだけですよ、訓練を積んでいない者にとっては使役者だけでも相当な驚異です」

「言ってくれるぜ・・でっ、肉体労働を省いてやった分収穫はあったのだろうな?」

「まぁぼちぼち・・ですね。円形のフロアの四隅に階段が設置され中央にエレベーターが設置されています。

階段もこの階まで・・他には各部署ごとに分かれている普通の造り。

・・その中で一番怪しいとなると・・」

「エレベーターか・・。なるほどな・・」

「この階までのエレベーターならば制御板やブレーキが設置されているはずです。

それならばそれを収納するスペースとして
機械室のような物が設置されていてもおかしくはない・・

可能性としてはそこですね」

「よし・・それじゃ早速行こうか・・」

ルガーの弾を補充しながら二人は闇に包まれた偽りの最上階を進み出した

 

・・・・・・・

 

夢幻もここに辿り着くまでに侵入者を排除させるつもりであったのか最初の襲撃以外に使役者の姿は見えなかった

余り詳しくフロアを調べずに目的のポイントに向かう二人であったがそこはスペシャリスト、

いかに潜んでいようとも敵の存在は感じられる

それでも一応は注意しながらも問題のエレベーター前まで到着できた

漆黒のエレベーター、一応ここには電源は入っているのだが使用者は当然いない

そしてその隣にエレベーター用の機械室が設置されている

っと言えども一流のビルなだけに高級感が漂う鋼鉄製の扉、

周囲の風景にとけ込んでおりノブがなければそれが扉だとは気付かないほど

当然田舎の中古ビルのソレみたく「機械室」なんてプレートが貼られているわけでもなくただただ扉があるのみ

ウルムナフが軽くそのドアノブを打ち抜き鍵を壊して扉を開かせる

中は思ったよりも広い空間となっており絨毯がひかれた機械室内には大きな制御板が設置されていた

制御板からは太いコードが天井に飛びそれは隣接するエレベーターの上に・・

「こいつはエレベーター自身の制御板のみだな。それで・・隣が・・」

「大当たりですね」

機械室の中にある厳重にロックされたドア、

それはまるでシェルターの入り口を思わせるような重厚な造りでドアの中心にはモニターがかけられている

「ふぅん〜、シェルターばりだな・・。こりゃ中にぶっとい鉄柱が何本も入っているだろう・・」

軽くドアをノックしながら状況を判断するウルムナフ

「材質的にも頑丈ですね、スティンガーでも貫通は無理でしょう・・」

「・・だな、っとなると大人しくこれでパスコードを入力して解くしかねぇか」

「そうですね・・、では・・がんばってみますか・・」

軽く腕をまくりながらモニターに手をかけるファルガン

こうした事はファルガン担当、

少し時間がかかると判断したウルムナフは細葉巻を咥え火を付けてその様子を見守るのであった

 

・・・・・・・・・・・・

 

しばらくして、下の階から銃声が鳴りやんでもその扉はまだ開かれなかった

そうそう簡単に開かれるようならばセキュリティとは言えない

例えそれがファルガンであっても開くことが容易ではないのだ

「おい、いつまで待たせるつもりなんだよ?下の連中の戦闘ももう終わったようだぜ?」

前のモニターに携帯端末を繋げにらめっこするファルガンに対し不満をぶつけるウルムナフ

銃器に関する事ならばスペシャリストである彼もこうした事には不得手、

寧ろRJの人間ではないファルガンの方が適している

「そう簡単に行くとは思わないでくださいっていつも言っていると思うのですがね」

「知るか・・ったく、こんな事なら大型バズーカでも持ってくるべきだったな」

「苛つかないでくださいよ。バズーカでも破れないってわかっているでしょう?」

「ちっ・・でっ、後どのくらいだ?」

「何重にもプロテクトが掛かっていますがそれは全て解除しました。

ただ最後のプロテクトが中々に・・、何かの合い言葉を入れろとなると大変な物です

こうした場合の方がパスコードよりも難儀な物ですね」

ため息まじりに呟くファルガン・・すると・・

 

「それならば・・たぶんわかります」

 

不意に後ろから声が響いた、振り向かずともそれが誰なのか理解はできる

「ガキんちょ・・、やれやれ・・追いつかれちまったな」

「制圧は完了です。皆さん続々とこの階に到着しています」

「他からの援護がこないようにシンガリはあの社長が引き受けているわ。遠慮するなって」

彼の隣を守るアザリア、銃を取る覚悟ができた今何のためらいもなく

そのトリガーを引き彼の進む道を援護してきた

腕は良いとは言えないがその顔つきは正しく戦士のモノ

「なるほど・・それで、このプロテクトのパスがわかるのですか?」

「ええ・・『AMATERASU』と入力してください・・それで解けるはずです」

「・・あまてらす・・天照皇大神、ニホンの神様だったか。ガキんちょ・・夢幻がなんでそんなものを・・?」

「夢幻は中華系の暗殺組織と思われがちなのですが日系出身が多いのです。

故に崇めていた神もニホンの神が多かったのです」

「確かに・・翁などはニホン人と思われますしね」

「暗殺者と言えども夢幻はそうした神をなぞる事が多かった・・

だとすれば扉の最終パスはその名が相応しいはずです」

ライオットの言葉にその単語を入力する

すると、ピピっと軽い電子音がし、厳重に封じられた扉が静かに開いた

それと同時に扉の先の暗闇に薄暗い明かりが灯る、

その先は大きな階段となっており床に埋め込まれた明かりが足場だけを照らしている

「ビンゴ・・流石は古巣だな」

「システム云々は別として・・彼ならそうすると思っただけですよ」

上階に待つはかつての親友、彼の事なら把握できる。

もっともその心が完全な異形と化していなければ・・

ライオットはパスコードにかつての彼らしさを感じる事ができ嬉しくもありどこか複雑な気分になった

その時

 

「地獄の扉は開いたようだな・・」

 

「古いフレーズだな、だが適しているか」

 

ヘンドリクセンとティーゲル達が到着・・相当数敵を相手にしてきたのだが全く息が上がっていない

「とりあえず突撃組は全員揃っているが・・ここから先は構造はわからない。気をつけたほうがいいな」

「敵地潜入で気をつけない場所などあるはずもない。とっとと行くぞ」

不機嫌そうにセルフィッシュを握り締め先頭に立つティーゲル

その体躯は正しく敵陣への切り込みに相応しい

「まぁ、不明な以上は気を配るしかないですね。

それでは僕は社長と合流してこのビルのセキュリティにハックしたいと思います」

「お願いします。どこで何があるかわからない以上気をつけて」

礼儀正しいライオットに対しファルガンは手早く手に持つをまとめ立ち上がる

「ありがとうございます、ライオット君も・・くれぐれも早まらないように」

「・・えっ?」

「何、先走る同僚を見てきた者としての忠告ですよ」

そう言い彼の肩を軽く叩き場を後にするファルガン・・温厚そうに見えて曲者の相手をしている分

彼の心内がなんともなしに理解できたのかもしれない

その後ろ姿に呆気を取られるライオットだが

マーターの工作員があわただしく動き出した事に我を返った

「ライオット!突入するぞ!」

「あ・・はい!行こう、アザリア!」

「わかったわ・・!」

ヘンドリクセンの声に従い一同は夢幻の巣へと突入を開始した

 

・・・・・・・・・・・・

 

そこは異様な空間であった

階段を昇った先に存在するのは吹き抜けのホール、

灯りはほとんどなく床から照らす淡い光ぐらいなものなのだが天井はかなり高い

1フロアまるまるホールとしている物と思われるのだが・・

 

「外から見てわからないように細工をしているんだろうな・・、

円形のビルの中にこうまでわかりやすく四角い広間を作るとは」

 

四隅がきちんと確認できる、その余白で外から見ても不自然がないように見せかけているようだ

そしてその広間には巨大な像が建てられておりその両側に巨大な階段が伸びている

広間には所々大型の円形の柱が並べられており先ほどまでの近代的な雰囲気とは違う

それはまるで中華系文化の神殿を思わせる

「本格的だな。ここが本当の入り口か」

「そのようだな・・とりあえずはここからは階段で上を目指すしかない・・か」

面倒くさそうに頭をかくウルムナフ・・だがすでに気配を察知している

「副隊長、ティーゲルさん。ここは私達が引き受けます。

ライオット君達やウルムナフ主任も上階へ向かって急いでください」

銃器を構え周囲に伝えるはこれまで同胞の援護に徹してきていたエド

その表情は引き締まっている

「エド・・どういう事?」

「鈍いな、乳ガキ。お出迎えだよ」

鬱陶しそうに呟いた瞬間頭上の暗闇から幾つも影が落ちてくる・・使役者達だ

それもかなり改造が進んだタイプで両腕が刃と化している、言うなればダブルソードタイプ

その後方には腕分がグレネードと思われる銃身となっているガンタイプも降りてくる

「よし、この場を任せた!各員、応戦しながらエドの指示に従え!!」

 

「「「「「「了解!!」」」」

 

元より覚悟の上のマーター達、ヘンドリクセンの命令と同時にトリガーを引きけたたましい銃声を放ちながらも

フォーメーションを組む

それに対しダブルソードタイプの動きは実に速く広い空間を利用して縦横無尽に飛び回る

流石は本拠地防衛を担当しているだけで一筋縄ではいかない相手だとすかさずそこにいた全員が察知するも

ここで足止めを食らうわけにもいかず主要メンバーは振り向かず上階へと続く階段へと駆け進むのであった

 

・・・・・・

 

鳴りやまぬ弾丸、轟く怒号、待ちかまえた奇形者達にマーターは決死の迎撃戦を展開し

主要な面々はその中を切り抜けてその先に進む

二つある階段の内左側にティーゲル、ヘンドリクセン、ウルムナフが乗り込み

右側にライオットとアザリアが駆け上がった

双方すぐに上の階に続くかと思いきやそこに辿り着いたのはティーゲル達だけであった

「・・どうなっている?このビルの造りは・・」

階段を折り返して辿り着いたのは下の広間と同じくかなり広大な空間、

1フロア丸々広大な空間となっている

しかし三人の近くにその入り口は一つしかなく・・

「おいおい、ライオット達の方は外れで途中で行き止まりって事はないだろうな?」

「そんなもん俺が知るか、大体下らないカラクリ屋敷じゃねぇんだ。

そんな意味不明なギミックはないだろう?

さっきからフロア全体の見取りがわからない上に暗いんだ・・別フロアに移動したんだろうさ」

冷静に考察するウルムナフ、短気なれども状況を打開するための頭脳は鈍くはならない

「なるほどな・・下とは違いここは変だから・・ひょっとしたら俺達よりも上に繋がっているのかもしれないな」

「まぁ可能性としてはあるかもしれないな、大昔にあったウィンチェスターの屋敷みたいなもんだ。

ガキんちょの事はそれでよしとして俺達は俺達で突っ込むぞ」

「了解だ・・。ここも歓迎が良さそうだしな」

軽く笑いながらトリガーを引くヘンドリクセン

放たれるは銃身下部の投擲装置より・・煙を上らせ暗闇の中に飛んでいった弾・・

しかし次の瞬間凄まじい閃光が周辺を包んだ

だがそれも一瞬、再び薄暗い空間が周囲を包み込んだ

「さて、お手並み拝見だ」

「あいよ・・。さて、お前ら・・暗闇での戦いが得意なのは俺達も同じだぜ!」

極悪な笑みを浮かべルガーを構える

すると暗闇に向けて遠慮なく撃ち放つ!

何の迷いもなく突き進むスティンガー弾、それが暗闇の中で何かに貫通させる

「3・・5・・8・・ふん、あの一瞬で良く把握できたものだ」

「音だけで位置はわかるんだが流石にそこまでボロは出さないか。

おい、いい加減灯りをつけろよ?それともこの光量のままケリをつけるか?」

周囲に叫ぶウルムナフの声・・するとゆっくりと灯りが灯った

見ればそこは下ほどではないのだがそれでも立派なホール、否寧ろ道場と言えばいいか

赤い壁に赤い円柱が並んだ中華風の空間が広がっている

そしてその中三人を待ちかまえるは緑色の皮膚を持つ使役者

逞しい筋肉質はさることながら表面的には奇形化されていないのが特徴であり

両腕にカタールを装備している

「新手か・・、色違いとはまたありきたりだな」

「・・それだけじゃなさそうだがな」

冷静に敵集団を見極めるティーゲル、的確な偵察能力は生還を左右する

使役者は今まで見たソードタイプに比べて異質と言える・・何故なら人と同じ武器を装備している点

「上位と思った方がいいか・・そんでもって・・飼い主はお前か」

余裕たっぷりに言い放つウルムナフその視線の先、広間の中央に立つは黒いスーツを身に纏った黒長髪の男

全身を黒で統一しており手にはどっしりと大刃の青龍刀を握っている

「その通り・・私は刃、この塔の管理を行っている者です」

「ジン・・か。ファルガン向きの相手だな」

見るからに接近戦が得意そうな刃、物腰も穏やかでこそあれその実力は肌で感じられる

「それよりもここの管理者だぁ?夢幻の頭は白龍じゃなかったのか?」

「その通り、しかしあの御方が直接本拠地を統治しているわけではありません。

私はこの塔が夢幻の拠点である事を世間の目から隠すことを目的としています」

物腰穏やかだが気を抜けば斬りかかってきそうな不思議な空気を放つ刃

それ故に三人とも一瞬たりとも気を抜かず得物を握り締めている

「なるほどな・・この面倒な構造を考えたのはお前か・・」

「商業地区はまともだったと思うのですがね、さて・・では始めましょう。

貴方達はマスターに会う許可を与えられていない・・」

青龍刀の切っ先を三人にむける、その瞬間使役者達は得物を構え腰を下ろした

「統率が取れている・・。今までみたいな雑魚とはちょっと違った連中のようだな」

「ご名答・・彼らは貴方達が今まで相手にしてきたのとは少し違います。

夢幻仕込みの暗殺術を体得しています

余り甘く見ない方がよろしいですよ?」

「・・だそうだとよ、じゃ・・任せるぜ?ウル」

「ちっ、まぁいいさ。じゃああの刀野郎はてめえらで仕留めろよ」

「・・言うまでもない」

ぶっきらぼうに構えるティーゲル、

対しヘンドリクセンはひょうひょうとしながらセルフィッシュを握り締めた

「・・ふっ、では・・死合いましょうか!」

キッと目つきが鋭く刃が叫んだ瞬間に使役者達は一斉に飛びかかる

それに対しティーゲルとヘンドリクセンはそれを無視するように一直線に刃の元へ

ウルムナフは不敵に笑みを浮かべながら華麗に銃を構えた

精鋭とも言えるカタールタイプは咄嗟にティーゲル達に狙いを反らせるがそれはウルムナフが牽制する

「おらおら!どこ見ているんだぁ!?」

遠慮の欠片もなく撃ちまくる、その様子でカタールタイプは狙いをウルムナフに絞り込んだらしい

彼らは今までのソードタイプに比べてその動きはかなり軽い、

一撃必殺を狙うウルムナフもその動きが読みにくく注意をしている

そしてカタールタイプが標的より離れた地点で不意にその腕を振り払った・・

常人ならば何をしたのか理解できない・・が

「・・っ!?」

何かを察知したウルムナフが咄嗟に飛び退く、すると彼の頬が軽く切れた

何が当たったのかは普通ならばわかるはずもない・・が・・

「鋼鉄線を細く、鋭く加工した刃物か。鞭のようにしならせて俺に当てるとは・・多少はできるなぁ・・」

相手の腕を素直を褒めるウルムナフ・・だが頬から流れる血を軽く舌で舐め取り気合いを入れ直すや否や

「上等だ!まとめて蜂の巣にしてやるよ!」

気迫の篭もった睨みで周囲を威嚇し黄金のルガーにて迎え撃つのであった

 

・・・・

 

「正面から・・突撃兵という事ですか・・」

 

対し刃に向かって走るティーゲルとヘンドリクセン

雑魚には目もくれず一直線に相手に詰め寄る

「ティーゲル、あれでいくぞ!」

「ふん・・」

短く声をかけたと思いきやティーゲルは足を止めてセルフィッシュを構える

装備されていたパーツはグレネード、狙いを定めてトリガーを引いた

「・・・ふっ・・!」

相手の手の内は把握している刃、放物線を描きながら飛来するグレネード弾の弾道を見極めて

頭上に飛び上がる

「へっ、かかったな!」

「何・・っ!?」

地面で爆発するグレネードに気を取られた刃、そしてようやく気付いた

目の前にもう一つグレネードが飛来している事を・・

 

カッ!

 

「!!!!!」

それはヘンドリクセンの放ったフラッシュグレネード、至近距離での爆音と閃光に刃の感覚は奪われ

地面に倒れ込む、人並み外れた身体能力を見せようとした刃だが感覚が鋭い分

予想外の閃光にそれが全て奪われた

そして、倒れた刃の体を踏みつける無骨なサングラスの男・・

目が開けられない刃は青龍刀を振り抵抗するがそれよりも早く手首に弾丸がめり込まれた

「っぐぅ!おのれ・・!」

「お前の相手をしている時間はない・・」

吐き捨てるように言いながらセルフィッシュを突きつける・・

パーツはグレネードを放った直後に付け替えられたらしくそこにあるのは2つの銃口

大元であるセルフィッシュのカービンと同様の銃身を付けられたそれは決闘用に作られたデュエルパーツ

消費する弾の数は圧倒的だが凄まじい威力を誇る・・

そして・・

 

ガガガガガガガガガガガ!!!!

 

耳がおかしくなりそうなほどの爆音を放ちながらセルフィッシュより火が吹き出る

至近距離より放たれる銃の雨、凄惨な光景を作りながら刃は肉塊へと成り代わっていった

「へへへっ、コードGで最も恐れられた男の腕は健在か」

「笑っている場合か、リクセン・・。ウルムナフ、手を貸そうか?」

弾を装弾しながら後方でカタールタイプの相手をしているウルムナフに声を掛ける

当人は至って余裕、視覚では確認しにくい武器を使う使役者相手でも間合いを的確に取り

絶妙なタイミングで相手を仕留める

10体は合った使役者達ももはや残すところ2体・・

「うるせぇ!必要あるかないかは見りゃ分かるだろうが!!」

罵声を放ちながらルガーのトリガーを引く、

スティンガー弾は見事使役者の頭を吹き飛ばしそのまま首ナシの肉塊となって地面に倒れた

「ひゅ〜♪相変わらずやるなぁ・・」

「ったく、こいつらが下に配置されていなくて幸運だったな。マーター相手じゃ荷が重い」

「・・だな。まぁ大将はしょぼかったが・・」

「雑魚に構っていられるか・・。さっさと先を急ぐぞ」

「へいへい、人使いが荒いなぁ・・」

「けっ、グレネード二発ぶっ放しただけで働いた気になるなよ・・

っと、あそこにエレベーターがあるな、乗るか?」

「ここまでくればこざかしい細工はないだろう・・上に行くぞ」

周辺の肉塊を無視して走り出すティーゲル、それに二人は無言で頷き後に続くのであった

 

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