chapter 15 「One Love」


武器は揃った

後はどう攻めるかを示さなければならない、マーター本拠地襲撃より一日が経過された都市には雨模様となった

薄暗く鬱そうとした気候の中、時は昼過ぎ・・

ルドラ社の社長室に戦士達は集った

 

「さて・・色々と大変な状況であったがそうも言っていられない。

あの地下施設の存在がわかった以上連中はここに抵抗勢力が集っている事にも気づいているはずだ」

 

専用にデスクチェアに座り珍しく真面目な表情で言うはこの武器庫を扱う企業の長

流石に現状からしてみればいつもの好々爺ではいられない

彼も夢幻の動向は見逃せない、彼には相応の責任があり今の夢幻を造りあげた物を滅ぼさなければならない

表だった奇形細胞の集団・・それはルドラが倒すべく真の相手・・

「必要な物は揃えた・・後はどう攻めるかだ・・。

数日マーターと共同で調べた結果、夢幻の本拠地は『塔』そのものとなっている」

「っ!塔が!!?」

「うむ、調査結果としてようやくわかった・・。カンパニーの代表ゼクスト氏にはもう一つ名前があった・・

『白龍』・・わかるな?ライオット君」

「・・・・はい・・」

彼とのつながりはすでに報告しておりここにいる人間全てが知っている

だが誰も彼を疑わない、それだけ今のライオットが信用するに値するだけの人物となったのだ

「現夢幻代表とカンパニーの代表が同一人物だなんて・・」

「調べるのには骨が折れた。細胞なのか奴自身の腕前なのか・・カンパニーの頭もろとも乗っ取ったらしい。

下部組織はともあれ幹部組織はほぼ奴の傀儡と化している

カンパニーを抑えていると言うことはこの都市を支配するのと同じ事だ・・

今までの夢幻に関する事件で警察が動かなかったのもその影響だからだろう」

「あれだけ大きなコングロマリットだと頭が変わったのに報道されなかったのはおかしいと思っていたんだが・・」

今となってそれに気づかなかった事にティーゲルはやや苛立ったように言う

冷静沈着な頼れる男、しかしその内側はいつも火が燻っている

「カンパニーほどにもなると情報操作なんざぁお手の物だろう、

実際そのゼクストって奴もマスコミに出たことがない幹部数人を操ればどうとでもなるんじゃないのか?」

「そりゃ夢のある話だ、事が終わったらそこらの金持ちに銃口を突きつけようかな?」

「てめぇの脳天気さじゃボロが出るさ・・リクセン」

緊迫しているはずなのだがヘンドリクセンとウルムナフは至っていつも通り

余り顔を合わす機会はないものの中々馬が合うらしい

「脱線しとるぞ・・ともあれ、相手の拠点は都市部最大のビルである『塔』だ。他のカンパニー関連社は無関係だろう」

「・・では、塔で夢幻は戦力温存していたのですか?」

「だろうな・・、表だっては商業ビルとなっている。

情報だと高層階には高度のセキュリティがしかれていて一般社員は立ち入る事ができないばかりか

そこに繋がる移動手段すらわからないそうだ」

「ふぅん・・ここのビルと同じってわけ」

周到なシステムはこのビルも同じ・・この1フロアまるまる使った社長室に足を踏み入れる事ができるのはほんのごく僅か

ほとんどの社員は決められた階以上の行き来ができないのだ

「──だな、まぁ向こうは自分達が働いている上で化け物が寝泊まりしているなんざ夢にも思わないだろう」

「手の込んだ真似だが・・マーターの地下組織よりも見つかりにくい事は確かだ。

なんせここから見えているのに気付かなかったのだからな」

「それで・・どうやる?」

「ティーゲル・・決まっているだろう?正面から突っ込む」

「社長・・また・・無茶な・・」

突如として打ち出された強引な案にファルガンは顔をしかめる、それは他の面々も同様

正直なところ全員無茶だと思っている・・

「無茶ではない、一番効率的な事を言っているだけだ。

相手も懐をつつかれるとはいえ警察を呼ぶわけにもいかんだろう?

塔に突入して夢幻の巣である高層階への通路を探し一気に殲滅する」

「──やれやれ、まるで神風特攻隊だな」

「ふふふふ・・かもしれんな。大和魂でも燃やしてみるか?・・烈人よ?」

「・・・・ウルムナフだ、その名前で言うんじゃねぇ」

「へぇ・・ウルムナフってレットって言う本名なんだ・・何か変ね?」

不機嫌そうに唸るウルムナフにこれこそ好機とツッコむアザリア

実権はヘンドリクセンが持っているが故に話に首をつっこむ機会がほとんどなさそうで

ここぞとばかりに口を挟んだ事に満足そうに笑みを浮かべている

「うるせぇ、俺がつけたんじゃないんだから名前の感想はそこの爺に言え!」

「字数が悪かったのか使用した漢字が悪かったのか・・名の通り気性の荒いのができたもんだ」

「だからうるせぇ!名前で性格が決まるか!」

「──いえいえ、あながちそうとも言えないらしいですよ?

旧世紀のニホンでは子供の名前などを決めるのに自覚や字を慎重に選んだそうです

まぁ、崩壊前はそのような事を無視して意味のない当て字に走っていたようですが・・

一説によるとニホン崩壊の原因は親が変な名前を付けだして

神に祝福されずまともな性格の子供が育たなかったから・・っと唱える学者もいるようです」

「ファルガン・・てめぇまで調子に乗るんじゃねぇ。っうか学者の論に神なんかひっぱってくんな」

「まぁ・・脱線し続けているがおおまかには言ったとおりだ、

とはいえ商業ビル内には無関係な社員もいるだろう・・ルドラはそれの保護を手伝う」

「民間人に罪はない・・か。人道的だ」

元軍人ティーゲルが人道を呟く、戦争を経験した者ならばいやでも知らされる

戦場に秩序などはない、人道を守っていては真っ先に地獄に行く事を・・

戦争にもルールがある──しかしそれを作るのは戦場に出ない者達なのだ

「人道などどうでもいいが・・わしらは奇形者を倒しに行くのだからな。

っとは言えおそらくはビル周辺にXYZの雑魚どもが警戒はしておるだろう」

「ほとんどのギャングは奇形ES細胞実験に使われて使役者にされたようですがまだ数は残っていると思われます。

おそらくは失敗が許されない分死にものぐるいで襲ってくるかと・・」

「骨の髄まで使われるか、考えてみりゃ哀れだな」

「完全なる自業自得だ。そういうわけでXYZの相手と商業ビル内の敵掃討はわしが行う。

他にルドラから協力できるのはファルガンとウルムナフのみ・・

ファルガンは巣に通じる道を、ウルムナフは巣へ突入してマーターの援護を行え」

「ここの防護隊は夢幻からのカウンターアタックに備えて待機になる・・だが役者としては十分だろう。

マーターと俺が行くのなら戦力的にはなんとかなる」

ニヤリと笑うマッドサイエンティストガンナー、確かに言うなれば一騎当千とも言えるウルムナフ

・・否、彼の場合は殺人()精密(ラー)機械(マシ)人間(ーン)と呼んだ方が相応しいか・・

「・・って、こんなおじいさんに任せて良いの!?XYZや夢幻だって何用意しているかわからないのよ?」

 

「ご安心を、アザリア嬢。社長は普通の社長ではありませんので」

 

「──ああっ、世界最恐の化け物だ」

 

揃ってため息をつく社員達・・この二人も十分化け物なのでは・・っとライオットは密かに思う

「失礼な社員どもだ。・・まぁそういう訳だ、アザリア。自身の得物もちゃんとある」

そう言い大事そうに取り出して見せるは白と黒がセットになった超大型リボルバー

「カスタムリボルバー、通称『スーパーイーグル』

・・タウルスのレイジングブル500Magnumを参考に爺がルドラで造り出した化け物銃だ」

「社長はレイジングブルのファンですからね・・」

「ふふふふ・・」

「白いのが『ホワイトチャリオッツ』、黒いのが『ブラックストレング』

基本性能は同じだがそんな銃を二丁拳銃にする酔狂なのは爺ぐらいだろう

加えて・・『ルドラ』を使用するんだ・・

封印してやがったのに使うとなればガキんちょのtype"es"の一位が二位に下がっちまったな・・」

「・・・ルドラ?」

「この会社の名前の由来ともなった特殊装甲貫通弾です、

それをウルムナフが追い越そうとして作ったのがスティンガー弾ですね」

「──ああっ、爺の弾を超えようとして作ったが今一歩及ばねぇ・・。化け物銃にふさわしい化け物弾さ」

「そんな弾が・・」

「火薬配合から弾の形状まで、作り方はわししか知るまい・・。もっとも手作りになるからそう数は多くはない、

仕方ない、それなりに量産体制が整いつつあるスティンガー弾をこいつに合わせて使ってやるか・・威力は落ちるがなぁ」

「爺・・大体そんな銃なら弾がしょぼくても問題ねぇだろうが!

XYZの連中皆殺しにした後奇形者狩りでもする気か!?」

「──気が向いたらそれも悪くない。部外者が余りでしゃばるのも気が引けるがなぁ。

まぁ心配しなくていい・・」

「し、しかし・・500の二丁拳銃だなんて・・よく撃てますね?」

「年季が違うよ、ライオット君。それにこのぐらいの方が手にくる衝撃が心地よい」

「──化け物だな・・俺でも無理だ」

「マ、マスターでも・・ですか・・」

「当たり前だ、そんなもん連続でぶっ放したら体がいかれる・・」

「・・だがそれなら『トーチカ』も無効化できるだろう。頼りにしているぜ?化け物社長」

「ああっ、武器会社の社長たるもの・・たまには悪人を射殺しなければと思っていたところだ!存分に暴れさせて貰おう!」

 

「・・・・──なぁ、ウル・・この会社・・大丈夫か?」

「知るか」

 

改めて知る社長の異常性(すごさ)・・流石のヘンドリクセンもその反応に困りウルムナフは全くもって不機嫌な様子だ

「まぁおおまかな分担はこんなもんだ、後はお前達に任せる。

結構は今日の日付が変わった時だ・・速攻で片をつけるつもりでいろ」

速攻(クイッ)逆襲(クカウ)作戦(ンター)ってやつか。まぁ後はマーターの領分だ、突入部隊の編成はさせてもらおうか」

「うむ、では解散。大事の前だ・・社内での行動は制限しない、ゆっくり休んで事に備えろよ」

指揮官宜しく社長が言う

しかし歳のせいか彼の昔の顔のせいか、その言葉は妙に頼り甲斐があった

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

都市を覆う雨はいつの間にか止んでいた、しかし天には重い雲が覆われ景色は暗い

多くの人間にとっては何でもない曇の一日なのだが決戦を控える者達にとってはややありがたくない

しかしそうは言っていられない、最善を尽くし無事に生きて帰れるように得物の整備に余念がない

そんな中屋上ヘリポートに一人静かに立つ男が一人

 

「・・・・、パイロン・・」

 

雨水に濡れた地面など気にせず立ちつくす男・・ライオット

その視線の先は屋上より見渡せる中心部のビルの数々。

ルドラ社よりも大きなビルは少なくほとんどが見下ろす事ができるのだが遠くにルドラを超える巨大なビルがそびえている

通称『塔』と呼ばれるカンパニーのセンタービル

そして夢幻の巣でもあり友の拠点、ここから見える目標をジッと見据えライオットは拳を握りしめた

「・・君は今でも僕の友達だ、・・だけど・・君が牙を剥くのならば僕も迷いはない。

お嬢さんを守るため・・全力で君を止める」

誰にも届かない決意を述べ黄金の銃を手に取る。

奇形者に対応できる銃、あの純粋なる化け物にどこまで通用するかはわからないが

ウルムナフが言う限り切り札にはふさわしい物

しかし撃ち手として使いこなせるか・・彼にはその不安があった

事実襲撃時にシャンファの攻撃を捌き切れていなかった

エドの援護があって切り抜けたものであのままでは殺されていたのは間違いない

──それでも彼が立ち止まる事が許されない、この戦い・・彼は知らぬ間に中心となっているのだ

 

「・・ライオット・・」

 

そんな彼に静かに声をかけるアザリア・・

「アザリア・・」

「作戦が決まったわ、私と貴方がペアで行動・・後は好きにしろ・・ですって」

「ヘンドリクセンさんらしい、だけどアザリア・・」

「くるな──って言うんでしょう?」

「・・・危険過ぎる、骸との一戦とは違うんだ」

「でも私は貴方と一緒に戦うわ」

「アザリア!」

強い口調で彼女を睨む・・しかしアザリアは動じる事はない

その表情は全てを覚悟したもの・・顔は幾分強張っているもののどこか吹っ切れたような感じがする

「怖い顔してもダメ、私はマーターの頭領なの。高見の見物なんてしたくないわ」

「──死ぬかもしれないんだよ?今度ばかりは僕も君を気にして戦えない」

「そのぐらいわかっているわ。私は私のできることをするだけ・・貴方の援護ぐらいはできるでしょう?」

「・・・・アザリア・・」

「貴方は気にせず自分のやる事をすればいい、ねっ?」

ニコリと笑ってみせる、珍しい爽やかな笑みを見せられてはライオットとしても反論しようもなく・・

「・・わかった、その様子だと何を言ってもついてくると思うしね」

「わかっているじゃない、流石はライオット!」

「ははは・・伊達に君に振り回されていないよ」

「なんですって!」

途端にギロリと睨む・・

この時彼はいかなる時でも彼女は失言を見逃さない事を学んだ

「あ〜、言葉通りの意味ということで・・」

「もう、ライオットも言うようになったじゃないの」

「そうかな?・・ああ、アザリア・・君に言っておきたい事があるんだ」

「──えっ?」

真剣な顔つきにアザリアはポッと頬に朱を乗せる

・・・が・・

「・・うん、夢幻の事なんだけど・・」

「・・・なんだ・・」

それも一瞬、顔を赤らめたのがばからしくなりうなだれだした

「・・?何落胆しているの?」

「なんでもない・・でっ、夢幻がどうかしたの?」

「うん、余計な混乱を招きたくなかったので黙っていたけど・・襲撃してきたシャンファって奇形者・・実は君に瓜二つなんだ」

「・・・どういう・・こと?」

告白ではなかったものの彼が伝えた内容は実に奇妙なもので

甘い気持ちが一気に吹き飛んだ

「わからない、君と何か関係があるかもしれないしただの空似かもしれない」

「──そう、私には家族はいないから・・気にする事もないわ。

夢幻で、奇形者である以上敵である事には違いはないもの」

「・・そうか、ならいいよ」

「〜〜・・それよりもさ、ライオット・・他に言う事ないの?」

「えっ?他に・・?何かあったのかな・・」

伝える事が終わったライオットは途端に呑気な素顔に戻る

これにはもう我慢の限界・・

「もう!決戦前なのよ!?言うなれば告白タイムなのよ!!?私に言う事ないの!!!?」

ずいずいと彼に詰め寄りながらそう言ってのける

ムードなどまるでないのだが彼にそれを期待する事自体が明らかな間違い

「え゛っ!あ・・そう言う事か・・」

「そう言う事じゃない!」

「・・アザリア、顔が赤いよ?」

「ええい!うるさい!それを言うならあんただって同じよ!」

「しょ!しょうがないじゃないか!僕はそう言うのは苦手なんだから・・!」

「苦手で済まさないで!!こうして話をするの・・もう最後かもしれないのよ?」

「──アザリア」

目の前で急に潮らしくなる少女にライオットの鼓動が加速される

「・・で・・・でっ何かないの!?」

暗殺者と言えども恋愛上手なわけでもなくそういう出会いが全くない彼には落ち着ける状態ではない

それ故に・・

「え〜・・あ〜・・うん、アザリア・・今までありがとう」

あっさりと問題発言をしてのける、これも若さか

「──だぁ!別れの挨拶してどうするの!!このバカライオット!もう!」

「あっ、アザリア!・・えっ?」

激怒するアザリアを宥めようとした瞬間、彼女の唇が静かに彼の唇に触れた

「ん・・・ふぅ・・」

「アザリア・・」

「もう、こんな時ぐらい・・私の気持ちに応えてよ」

頬を赤らめジッとライオットを見つめる、それに込められるは怒りではなく・・

「アザリア、僕なんかよりも・・もっといい人がいるよ」

「キスまでしておいてよくそんな事言えるわね、信じられない」

「だって、僕だよ?何もできない男なんて君にふさわしくはないよ」

「何もできないわけないでしょう?貴方が今まで・・私を助けてくれたじゃない」

「それは・・」

「そりゃ、私だって最初はなよっちくて一々怯えていてだらしがない男だと思ったけど、実際は皆の役に立っている。

それは誰よりも私がわかっている」

「・・そうかな、僕はただ無我夢中で・・」

「私が言うのもなんだけど無我夢中に動いているだけで生き残れるわけないでしょう?

リクセンやエドだって貴方の事は認めているわ」

「ははは・・そう言われると・・照れるね」

照れくさく笑ってみるもののアザリアは真剣な眼差しを自分に向け続けている

冗談なんて通用しない、思い詰めた瞳・・

それを見た瞬間に彼から笑いが消える

「──ライオット、お願い・・私を見て。

麗華を守るって誓いはわかっている・・でも、それでも・・私を見て欲しいの」

「・・・・・・、僕でいいのかい?こんな僕で・・」

「違うわ、こんな気持ちになれたのは貴方だけ。だから・・」

「アザリア・・」

見たことがないほど穏やかな表情で微笑みかけるアザリア、

その華奢な体をライオットは静かに抱きしめて今度は彼からその唇を合わせるのであった

 

──────

 

「こんなところで・・怒られないかな・・?」

 

「行動は制限しないって社長も言っていたからいいじゃない?」

 

「そうか・・な」

 

想いが通じれば行う事は一つ、

今宵は決戦・・生きて帰れる保証がない中二人はもはやそれを行う事にためらいはなかった

しかし場所が場所、濡れた地面で体を重ねる訳にもいかず

だだっ広い屋上ヘリポートを見渡しそこに駐められているヘリに目が止まった

そこで思い出されたのが社長の言葉

・・ここでいいだろうとアザリアはライオットの手を取り意気揚々と後部座席の扉に手をかけた

流石に関係者以外立ち入り禁止地区に駐められたのか

ドアロックもされておらずすんなりと扉が開き中に入る事ができた

中は天井は高くないが十分なスペース、

座席も広く二人が並んで座り照れくさそうに互いを見つめている

何ともなしに間が持たず扉を閉めたそこはもはやヘリポートの風も入ってこない二人の空間

趣としては余りよろしくはないヘリの室内だが二人はその事を気にする様子もない

「ライオット・・あのね、私・・初めてなの」

さっきまでは意気揚々だったのに対し密室になってから急に潮らしくなるアザリア

「うん、そうだと思った」

「なんですって!」

「え゛っ!ぼ、僕何か変な事言ったかな・・?」

「十二分に失礼な事を口にしているわよ。

・・で・・でっ、貴方は・・その、経験・・したことあるの?」

「僕は・・うん、それなりに知識はあるけど実際にやった事がないんだ。

だから、その・・すごく緊張している」

「そうなの、だ・・ダメな男ね」

そう鼻で笑いながらも安堵の息を漏らすのが彼にも伝わった

「はははは・・、じゃあ初めて同士、緊張するけど・・始めようか」

「・・うん、ライオット・・」

「アザリア・・」

ぎこちなく見つめ合いどちらかともなく唇を合わす

互いの温もりを感じた時ライオットの方から舌を滑り込ませる

「──!!?」

不意に侵入してきたものに目を見開いて驚くアザリア、

だがライオットはそんな彼女の頭を撫でながら彼女の舌と濃密に絡ませる

「──んむぅ・・んっ!んふぅ・・ぁ・・ライ・・オッ・・ト・・」

初めての感覚に酔いしれながらも目を閉じ彼の真似をして自らも舌を動かせる

「んっ・・あ・・むぅ・・ふぁ・・・あ・・・」

興奮しながら体を抱き合いゆっくりと唇が離れる

舌と舌を透明な液体で繋がり消えていく

「・・どう、かな?」

「どうって・・よくわからないけど・・すごい・・ドキドキしている」

「ああっ僕も・・心臓がどうかなりそうだ」

「でも・・すごい積極的じゃないの?」

「そうだね、こんな時ぐらいリードしないと・・」

「ふふふ・・妙に頼り甲斐があるライオットって・・何だからしくないかも」

「僕もそう思うよ、アザリア・・胸・・見せて」

「いいよ・・、じゃあ」

「僕が脱がすよ・・」

「えっ?あ・・やっ・・!」

積極的なライオットに焦るアザリア、

しかし服のボタンに手をかけられると恨めしそうに睨みながらも抵抗するのを止めた

「結構・・単純な作りだったんだね」

「・・変な服でしょう?どこで買ってきたんだか・・」

他愛のない会話をしながらアザリアのボタンを解いていく、

漆黒のゴスロリドレスはフリルなどもついているのだが上着は前のボタンで留めているのみ、

それ故にボタンを解く度にアザリアの素肌が覗かれライオットの心拍数を上げていく

「アザリアらしくていいと思うよ・・他の服を見たことがないだけなのかもしれないけど・・」

「ん・・馬鹿・・。生きて帰れたら・・もっと色んな服を着て貴方に見せてあげる」

「楽しみにしているよ、でも・・僕にはこのドレスが一番かな・・」

そう言い首元のボタンを外し前を解放する、見れば下には何も付けておらず控えめな膨らみも自然と彼に晒している

それを見た瞬間にストッパーが外れたのか、ライオットは恐る恐る脱がせていたドレスを脱ぎ取った

「・・胸、小さいでしょう?」

「・・あ〜・・何て言ったらいいかわからないけど・・だから・・下着を・・?」

「うん、つけるほど大きくないし・・このドレスが結構厚みがあるからシャツも着ないの」

「そう・・か。でも、可愛いよ」

高鳴る鼓動を抑えながら小さな膨らみに手をかける・・、

発育途中のそれは愛撫するには心許ないのだが

その手の経験が乏しいライオットはそれでも優しく触れ柔らかさを感じる

「・・んっ!」

「あっ!ごめん、痛かった?」

声の質が変わった事に慌てながら手を放す

「ううん、いいの・・痛くないから・・」

「う、うん。痛かったらすぐに教えて・・」

照れくさそうに笑うアザリアにぎこちなく笑い愛撫を再開する

「っ・・ん・・んぁ・・」

丸みの外側から優しく揉むとともに彼女から聞いたことがない艶やかな声が漏れる

「──ぁん、声・・勝手にでちゃう・・んんっ・・」

「ん・・っと、大丈夫?」

「うん・・っ、ピリって来て・・体が・・震えるの・・」

「そ、そう・・じゃあ・・」

これで合っていると確信したところでその膨らみの中央にある突起を撫でる

「っ!!・・ぁ!そこ・・すごい・・!」

「アザリア・・」

「ビクって来て・・あっ・・んん・・」

「すごいよ、乳首がピンって勃っている」

「っやぁ・・そんな事言ったら・・恥ずかしい・・っあ!」

「アザリア、可愛い・・」

今まで見た事はおろか想像した事すらないアザリアの艶姿、

性の免疫がないライオットにとっては女として成熟していない体でも

十分誘惑されておりもはや心臓は破裂寸前、何とか冷静になろうと再びアザリアに唇を合わせる

「ん・・っちゅ・あ・・む・・」

「アザリア・・下も・・いいかな?」

「・・・う、うん・・いい・・けど・・余り見ないでね」

恋しい男の願い、胸を見せるならまだしもやはり女として大切な部分を見られる事に抵抗がある

しかし彼女も愛撫に羞恥心が麻痺してきておりその言葉ですら忠告としての意味を成していない

「わかった・・、ふ、普通なら暗いところでするもんだからね・・。は・・はははは・・」

何ともなしに笑ってみるライオット、しかし手が小刻みに震えている

彼にとってはどんな戦場よりも冷静さを保てない空間となっている

薄暗い空のせいで明るいとは言えない屋上、何もないはずの場所に作られた二人の空間

あり得ない場所でのあり得ない行為は彼の理性を崩壊寸前まで追いやっている

「──ふふっ、ほらっ、震えていないで・・上は脱がせておいて下は自分で脱げって言うの?」

そんなライオットに対しアザリアは落ち着き払った様子でニコリと笑う

気の強い彼女からは想像もできないほど穏やかで彼女の女の部分を感じさせる

「・・アザリア・・すごい冷静だね、羨ましいよ」

「馬鹿ね・・今にも心臓が爆発しそうなぐらい緊張しているのよ?」

よくよく見れば彼女の手も小刻みに震えていた

「アザリア──うん、わかった。僕もがんばるよ」

再び唇を合わせスカートに手をかける

ファスナーを下ろしやや短めなゴスロリスカートを下ろしていくライオット

その下には質素な白い下着がつけており白く細い足が清楚さを引き出す

高鳴る鼓動を抑えスカートとともにニーソックスも脱がす・・

「下は・・履いていたんだね?」

「あっ、当たり前でしょう!」

「あ・・そうだ、そうだよね・・」

上下セットが下着と思っていたライオット、

貧乳故に上を装着していない故に下も同時につけていないと思いこんでいた模様で

アザリアが顔を真っ赤にして怒る様子を見てようやくそれに気付いたらしい

どうにも冷静さを保とうとしつつももはやその欠片も維持できていなさそうだ

「──もう、変な事言うんだから・・でも、ライオットらしいかな」

「ははは・・あ・・アザリア・・パンツが濡れている・・」

「っ!!」

なにげない一言にアザリアが耳まで赤くなり硬直する、

ライオットは構わず下着の上からその透明な部分を指で撫でる

「ふぁ・・!」

途端にいっそう甘い声を上げるアザリア・・

「シットリしている・・感じてくれているんだね」

「ば・・か、感じていないわけないでしょう?」

「そうだね・・ここは・・余り触らないほうがいい?」

「ん・・すごい・敏感だけど・・ライオットの好きにして・・いいよ・・」

堅く目を瞑りながら静かにそう伝える

「じゃあ・・下ろすね。余り汚すといけないし・・」

自分に言い聞かすように言いながら彼女の下着に手をかけゆっくりと下ろしていく

それが膝にかかったところでふと彼の手が止まった

「・・どうした・・の?」

薄く目を開けて彼を確認・・

緊張した面持ちのライオットは下着を脱がす事も忘れ一転に視線を集中させたまま硬直している

「あ・・いや・・その、ごめん・・」

彼が見つめるはアザリアの股間、生え揃ったばかりの薄い銀色の茂み

そこからは女の甘い匂いを放ちヌラヌラと濡れている

「っ!!ライオットの馬鹿!」

照れ隠しのためなのか、パァン!と快音が響き頬を叩く

余り見ないで欲しいと言う要望があった手前、これは仕方がなしと頬をさすって苦笑い

「ごめん・・」

「うぅ・・こんな事ならもっとちゃんとした場所にするんだった・・」

「そうだね、瀬戸際にならないと進展しないって不器用だけど・・アザリア・・」

「・・な、なに?」

「──たぶん、どこでやっていても・・見ていたと思う。・・とても、綺麗だから・・」

「───!!!」

アザリア、完全ショート

率直な感想な分それは余りにも恥ずかしく・・

「・・アザリア?」

「ば・・ばかぁぁ!!」

 

パァン!!

 

本日二発目の快音、場所が場所ならば発砲音と間違えてしまうほどのいい音なのだが

幸い音が外に漏れることはなかった

「ごめん・・」

「も・・もう、恥ずかしいんだから見ちゃダメ」

「わかった、極力見ない事をがんばるよ」

っとは言え目の前には一糸まとわぬ白い肌の美少女、

肩まで伸びた美しい銀髪、対照的に朱く染まりきった頬、誰にも穢された事のない華奢な股体

その全てが破壊力を持ち理性を妨げている現状では見るなと言われても困るものである

しかし

 

「──でも・・余り見たがらないのもそれはそれでイヤだけど・・」

 

聞こえないように呟くアザリア・・

ライオットの耳にしっかりと届いていたりするのだが

どう応えていいのかわからないので敢えて聞き流す事にした

じっくりと見つめたいしそれを彼女も望んでいるだろうがやりすぎはよくない・・

彼女からもらった張り手は彼に再び冷静さを取り戻させたようである

「うん、アザリアを抱くんだから・・ちゃんとアザリアと目を合わせないとだめだね」

「・・うん、でっ・・ライオットは・・その服のままでするんじゃないでしょうね?」

「え・・僕・・?」

「私だけ裸なんて変よ・・ぬ、脱いで?」

「わかった・・一応は室内だからね」

苦笑いをしながら手早く服を脱ぐライオット、小柄と言えども元暗殺者

体を動かす事に適したしなやかな筋肉を解放する

着痩せするのかその体は意外に逞しかった・・だが・・

今の行為にて興奮して股間の肉棒は雄々しく天に向かって勃起していた

「──────・・」

ライオットの裸体に対してアザリアが注目するのも当然そこであり口をパクパク動かしたまま体を震わしている

「な、何か変なのかな・・?」

「ライオット・・何・・その・・グロテスクなの・・」

恐る恐る指さすは当然ソコ、小柄な彼には不釣り合いな大きさ・・加えてすでにチャージ完了

その姿は正にグロテスクな凶器の一言、初体験の少女が見て動揺しないはずはない

「あ〜・・一般的に言うと・・ペニス?」

「そんな事わかっているわよ!馬鹿にしているの!?

私が言いたいのは何でそんなグロテスクなのって事!SFのエイリアンみたいじゃない!」

「──そう言われても・・僕だけ特別じゃないと思うからこんな物だと思うけど・・」

「・・信じられない、人畜無害そうな顔してそんな物今までぶら下げていたの・・」

「アザリア、いつもはこれよりも小さいから・・これはアザリアを見て大きくなっているんだよ」

「私を・・?」

「──うん、いつもこんなのだったらズボンから丸わかりだろう?」

「そう、ね。そう考えたら・・怖くないかも・・」

「お互い初めてだからね、アザリア・・」

裸のままアザリアに寄り添い彼女を優しく座席のシートに押し倒していく

「ライオット・・」

直に愛する男の温もりを感じ思うがままに彼の唇をむさぼる

さっき覚えたばかりのディープなキス、彼もそれに応え舌を絡める

その間、ライオットの手がアザリアの体を撫でながら股間に滑り込む

 

・・チュクっと水音を奏でその指が花びらを撫でる

 

「ん・・むぅ!ぁん・・むぅぁ・・ん・・ちゅ・・」

そこを触られる事に一瞬眉をひそめるのだが抵抗をせずに舌を絡めながらも甘い声を上げ出す

その息づかいの一つ一つがライオットを興奮させていく

指は濡れた花びらを撫でながらその上にある肉芽に触れる

「──っあ!そこぉ!だめぇ!っああん!」

肉芽を弄られるとともに強い快感に襲われ悶えだす

「アザリア・・」

強く反応を示す彼女の様子に気を良くしたのかライオットはそこを重点的に攻める

アザリアの膣から溢れる愛液に濡れた手で肉芽を撫で、抓る

「っあ!ひゃ!そこ・・ひゃ・・!」

体をビクッと震わせながら喘ぐ、体を伝う快感を恐れるように自分を抱きしめる彼の手を握りしめる

「はぅ、あっ!だ・・め!イ・・ック!!」

体を大きく震わせ絶頂を迎える・・快感の余りに目からは涙が流れ息を切らしている

「アザリア、大丈夫・・?」

自分の腕の中で達した少女に対し優しく声をかける

「はぁ・・はぁ・・うん・・すごい・・自分でするのと・・全然違う・・」

「いつも、自分で慰めていたの?」

「──!・・そ、そうよ・・。貴方が気付いてくれないから・・いつも・・」

彼が見ている中で絶頂を迎えただけにもはや恥じることは何もないっと照れながら告白する

そんな健気な少女が愛しくてたまらなくなり彼はその華奢な体を強く抱きしめた

「ごめんね・・」

「・・今こうしていられるからいいの・・。さ、さぁ・・ライオットのコレも何とか・・しないと・・」

ニコリと笑い鈍感な彼を許す・・そしておずおずと今にも爆発しそうな彼の肉棒を触る

「ああ・・準備はできているけど・・」

「私も・・最後まで・・シよ?」

「うん、わかった・・」

彼女の前髪をかき上げ口づけを交わしながら体位を変え、アザリアの股を広げてその間に座り込む

絶頂を迎えたアザリアの秘部はしっかりと濡れておりまだ男を欲しているように見える

「見られている、私のアソコ・・ライオットに・・」

羞恥に顔を染めるアザリアだがすでに欲情しきっておりそれがブレーキになることはない

それどころか堅く目を瞑りながらも両手を股間に添え

不器用ながらもライオットを迎え入れようとすらしている

「アザリア・・女の子って最初はとても痛いらしいから、痛かったらすぐに言うんだ・・いいね?」

「うん、でも・・大丈夫から・・」

意地らしく応えるアザリア、処女故の痛みは彼女なりに覚悟はしている

後はその気持ちに応えるのみ・・

ライオットは今にも爆発しそうなほどいきり立った肉棒を初めて男を招く花びらに添える

緊張の余りそこに触れただけでアザリアは体を震わせる

そして・・

グ・・っとゆっくりそれは中に収まっていく

「ひ・・ぐぅ・・あ・・!!」

「アザリア・・力を抜いて・・」

「ふぁ・・わかった・・こ・・こう・・」

男のため、中に入ってくる物に導くため、何とか力を抜くアザリア

「ああっ・・これなら・・」

力みを解いた膣に肉の棒が入っていく・・が、

流石は初体験の女性器は侵入物を拒絶するかのような強烈な締め付けを与えライオットの顔をしかめさせる

「っう!!」

それはアザリアも同じで男を招く行為に対し痛みを感じている

「アザリア、痛い・・?」

「う・・ううん。大丈夫・・だから・・」

「わかった、余裕ができたらもう少し力を抜いて」

「うんっ!っぅあ!・・あぐ・・・は・・いっている・・。ライオットのが・・私の中を抉って・・」

「アザリア・・泣いているの?」

「ぅぅ!・・あ・・大丈・・夫・・、これ・・嬉しいから・・。痛っ!!!」

急に顔をしかめるアザリア、それにすかさずライオットは動きを止めて様子を見る

見れば結合部から一筋赤い線が流れてる

「・・ごめん、もっと気をつけるべきだったかな・・」

「え・・?あ・・、これって・・」

ゆっくりと結合部を見てその筋を確認するアザリア、

本人としてはそれよりもライオットと繋がっている事の方が驚きで

あのグロテスクなモノが自分の体内にある事を想像しただけで体が震えだした

「うん・・、たぶん・・」

「ふふっ、いいのよ・・。改めてこれから膜を破るって言われた方が緊張するし・・ずっと痛かったと思う」

「アザリア、じゃあ・・このまま・・いくね?」

「あっ・・ライオット・・」

不意にアザリアが彼の手を握りしめる、それも強く・・

汗ばんだ手と手が繋がれるとともに二人の気持ちが重なったようで互いの顔を見て微笑み合う

そして挿入は再開され、締め付けられながらも肉棒は彼女の中を抉っていく

「ぅあ・・ライオット・・ライオット!」

彼の手を強く握りしめながらライオットを招き入れる、

それが苦痛なのか快楽なのかわからなくなった時二人は一つになった

「ふぅ、何とか・・繋がったね」

「うん・・すごい・・ライオットが膣でビクビク脈打っている」

「僕も・・アザリアの中・・温かくて締め付けて・・気持ちいい。ちょっと・・このままでいようか」

「──うん、そうね。もうちょっと・・このままでいたい」

そう言うと交わったまま口づけを交わす、二人の体はすでに汗ばんでおり機内は性臭に包まれている

「まさか──君とこんな関係になるとは思わなかったよ」

「私も・・最初は剣呑だったし・・」

「今でも出会った頃と変わらない睨みをしているけどね」

「そう簡単に変わらないものよ、でも・・貴方に会えて・・よかった」

「・・そうかい?こうしているけども、僕は君に何かしてあげれたか・・よくわからんだ」

「ふふっ、それがわからないから無能って言われるのよ」

「手厳しいな、それで・・その答えは?」

「そうね──・・今夜生きて還れたら教えてあげる・・」

「ははは・・、なら、がんばらないとね」

「そうよ・・間違っても死んだらダメ。絶対許さないんだから」

「気をつけるよ、そうとなったら何が何でも生き残らないとね」

ニコリと笑うライオット、しかしその言葉とは裏腹に彼はすでに死ぬ覚悟はできている

そうだとしても今目の前で自分に抱かれて幸せそうに微笑む少女を見ればそう応えるしかない

「大丈夫よ、ライオットなら・・きっと・・勝てる・・

──んっ、そろそろ大丈夫・・かな、いいよ・・動いて・・」

「うん・・じゃあ、いくよ」

再び手を握り締め互いの気持ちを確認するかのように唇を合わせる

そしてゆっくりと腰を動かしアザリアに刺激を与える

「──んんっ!あっ・・ふっ・・」

彼女を傷つけないように大切に抱く──、彼の気遣いはしっかりと伝わっており握り締める手に力が加わった

「ひぅ!あっ!・・っん!いい・・よ・・」

「アザリア・・」

「うん、気持ち・・良い!もっと・・!」

初めて故にぬぐい去れない痛みのためか、愛する男に抱かれる喜びからか、

知らず涙を流すアザリアだったがそれでも眩しい笑みをライオットに向ける

「あん!あっ!もっと・・強く・・して」

「わかった・・けど、辛かったらすぐに言うんだよ?」

「ば・・か、辛い事なんて・・ないわ・・よ、嬉しいんだから・・っ!

貴方が、私の・・中にいるんだもの・・っ!ふぅん!」

「・・わかった、じゃあ僕も思うまま君を愛するね」

「ライオット・・ひぅ!」

優しく髪を撫でた瞬間にアザリアの体を抱き上げ座位に移る。

起こされた体にライオットの肉棒が深く突き刺さり快感とも苦痛ともわからない声を上げるアザリア

それでも彼を拒絶せず愛しい男の体に抱きついた

「っあ!!・・あん!あん!深い・・深いのぉ!」

「アザリア・・っ!きつい・・」

「はぁ、はぁ!おっきいのが・・抉って・・すごく・・っあああ!」

もはや遠慮もない、繋がる快感、抱かれる悦びが二人の理性を完全に崩壊され獣のように抱き合う

結合部からは密が溢れ、濃い性臭を放ち、二つの体は汗にまみれ息が上がる

アザリアは目の前に男に自分の女をさらけ出し体を伝う快感に素直に応える

ライオットは自分の事を想ってくれていた少女の乱れた姿をまるで夢でも見ているかのように見つめつつも、

その気持ちに応えようと自分にできる形で応える

「ああっ!もう・・もうだめぇ!頭が・・真っ白に・・なっちゃう!」

「アザリア・・!僕もダメだ・・もう・・出てしまう・・!」

「じゃ・・じゃあ!一緒に!一緒にイこう!」

「わかった・・でも、中は・・」

「ダメ!・・お願い・・だから!・・全部・・頂戴!」

離れるものかと彼を抱きしめる、膣圧は最高潮、加えて女性経験が乏しいライオットは当に限界を超えており

もはや堪える事ができなくなっている

「ライオット!ライオットォ!」

「アザリア・・だめ・・だ!」

二人の呼吸が合わさった瞬間、アザリアの奥深くでライオットが果てた

熱い精を注がれるとともに彼女の体が大きく痙攣し声にならない嬌声をあげる

彼の首元に手を回しながらも絶頂の余韻に浸り結合部とまだ注がれ続けている下腹を見つめ静かに微笑む

「──流れてくる、ライオットの熱いのが・・私を満たしてくれる・・」

「アザリア・・」

「ふふっ、どうしよう?できちゃっていたら?」

「もちろん・・責任は取るよ」

「じゃあ・・ちゃんと責任取って貰うためにも今日はちゃんと生き残って、

ちゃんと受精している事を確認しましょう?・・二人で・・」

「気が早いな、アザリアは・・」

「ライオットが遅いだけ。私は・・この繋がりが一時の夢じゃないようにしたいだけよ・・」

「・・・」

「どこにも・・行かないでね・・ライオット・・」

未だ一つに繋がったまま、悲しげに微笑み彼に優しく口づけをする

そんな健気な少女を彼は抱きしめるも、彼女の願いに応える事はできなかった。

もはや言葉は不要、互いに体の温もりを感じそのまま目を閉じる

いつしか空からは再び雨が降り出していた


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