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「ユトレヒト隊VS極星騎士団」



大戦の中、激戦場に一人の少年が舞い降りん。

民の悲しみを止めん為、大戦を終らせんと兵を率い戦を治める。

彼は認められ守護騎士となり、強きを挫き弱きを助け

仲間達と共に様々な敵との戦いを乗り越えて来た。

しかし異神との戦い、仲間を救わんと命をかけて相討ち

奇跡の復活を果たさんも、権力者の姦計に国を追われる。

逃亡の旅の中、仲間を失い、恋人の止めを己で刺し・・・

辿り着いた先は魔獣に犯される「女神に祝福された地」

その地を治めんとする人々に心打たれ、彼は民の剣となった。

勇気と知恵を持って悲しみを拳に怒りを刃に、

魔獣を斬り、屍を乗り越え、戦いの果てに魔獣の王をも討ち滅ぼし

「女神に祝福された地」を終には征する。

皆を導く者、極星の騎士の称号を得て汚名返上。

地の守護者となりて力を尽くし、村から町へ。町から都市へ繁栄す。

しかし、繁栄には弊害 嫉むものはつきもの。

隣国の謳われる猛者達を、王都に頼る事なく策略に万端の準備で迎え撃ち

剣を交え語り合い己を示して敵を友と成して、宿敵国と友好を結ぶ。

名実ともに都市は国へ。 それは、万種万人の民の為の民が治める新しい国。

そして彼は民に担ぎ上げられ、もっとも新しい王に。 

神に立ち向かい法を守護するもの、龍の称号で謳われる

彼こそ最強にして無敵の剣を持つ者也。


「それは・・・最近流行の英雄譚吟遊詩か?」

 「ええ、人として何か凄く格好ですよね。 感じからして王様、若そうですし」

洗濯日和に町外れの教会裏、

小屋の壁修理をする優しげな青年と物干台に洗濯物を干していく大人しげな娘が

仲のいい兄妹のように平和でホノボノとした光景が繰り広げられていた。

事実、このような風景を見て勘違いした人々多数。 しかし

 「でも、その手の王様って大抵もう中年のオジ様になのよね。」

それを打ち破るのは、屋根の上から覗き応た気の強そうな美女。

「セシル、夢の無い事を言うな。」

 「それが今更、そんな御話が流れるって事は

大方ハーレムでも作ろうとしているのかしらねぇ〜」

「幾らモグリの騎士で裏事情に詳しいとは言え、言い過ぎだ。

本物が例え脂ぎったスケベ親父でも、歌を聞いて夢を見る権利は誰にもある」

・・・二人とも本音もらし、既に娘の夢を踏み躙っていることにすら気付いていない。

 「ふっふ〜〜ん、クラークだって否定しない事はそう思っているんじゃない」

「う・・・ぐっ(汗」

 「クラークさん、何か言い返してください。言い返してくださいよぉ(泣」

今回ばっかりはクラークも眉唾と思っているうえに、上から見下ろされ圧倒的に不利。

「そ、それでも本物は本物、歌は歌。当時はカッコイイ王様だったかもしれないだろ」

 「それじゃ、フォローになってないですよ」

屋根の上では見た目麗美女セシルがはしたなく意気揚々と勝ち誇り

下では困り果てたクラークを腕にすがって涙を浮かべるキルケ。

毎度な風景の一つが其処にあった。 と、そこに

「全くお前達は・・・今度は何で言い争っているんだ?」

仮面の貴公子、もとい仮面の青年ロカルノ登場。

毎度の光景なので今更 である。

 「最近はやりの英雄譚の王様の事です。ロカルノさんは如何思いますか?

やっぱり御話の通りに格好いい王様だと・・・ほら、ヤスパール王さんもいますし」

 「キルケ、彼みたいな王様がそんなにゴロゴロ転がっているわけないじゃない。

それに話通りだったとしたら、

私やクラークみたいなのが王様になったって事なのよ?」

「「うっ・・・」」

その一言は余りにも超怒級の説得力が・・・

 「そんな事・・・・・・あるわけないじゃない・・・(泣」

セシル自身、自分のいった事を理解して自滅した模様。

 所詮、自分達はハグレモノと。

偉くなりたいとは思わない。思わないが・・・現実は余りにも厳しかった。

晴れているのに三人の間に吹く寒風。それを打ち破るかのように口を開いたのはロカルノ。

「・・・ならば確かめに行ってみるか?  ちょうど、その話元の都市シウォングまで

美術品の護衛の話がある。 内容自体は簡単でも少し長旅になりそうだが・・・」

「「「行く」」」

クラークは、逢えるか別として本当に話ほどのツワモノか見てみたい気持ち半分・・・

セシルは、あえて唄に万種万人とあるところ。つまり萌えな珍人種がいるのでは・・・

キルケは純粋にそれほどの王様なら一度は見てみたい。

本当なら会えるはずもないが・・・

ロカルノは美術品の護衛と言っているものの、それは表向き。本当は実家の王家から・・・

そして、4人は商隊と共に旅立った・・・


旅はいたって順調。

道中、しばしば野盗に襲われるものの ツワモノの四人にとっては

それは腕慣らしほどの相手でもなく・・・暇なくらい日は過ぎ、目的地へ。

山の間に造られた街道を抜けると其処には光景は三方を山に囲まれ円状の大都市。

だが其処には他者を阻む城壁は無く、都市の外には青々と広がる畑。

そして、都市からは伸びる街道は別の山々や平野へ吸い込まれるように伸び

豆粒のように人の往来が・・・

「・・・凄いな。本格的な都市となって、未だ10年も経っていないとは思えない」

「話は本当だったのか?」

 「うわ、本当にそんな王様がいたんですね」

と三者三様に驚愕するユトレヒト隊。しかし

「人が飛んでる?・・・違う、翼人。犬だけじゃない。猫も兎もいる(キュピーン」

セシルの目の輝かせ方は、獲物を見つけた肉食獣のそれ・・・

都市に近づけば近づくほど人の往来は次第に激しくなり

都市の敷地に入ってしまえば人ごみに溢れ

 「きょ、今日はお祭りなんでしょうか?」

「いや、ここは毎日こんな感じらしい。交易の為に休むのに丁度いい場所だからな。

差し詰め、陸の港といったところか。

 だから地元民以外の行商や旅人が可也いる。

中にはそのまま住み着いてしまう者もいるらしい・・・」

「それで良く治安が乱れないもんだ」

「人身売買の厳禁を初めとした法律を外から来た商人たちに対しても徹底している」

と、ロカルノが懐から出し見せるのは

 「都市シウォングガイドマップ・・・(汗」

随分と丁寧に作られた小冊子・・・国直々に発行しているものらしい。

ざっと通して中を見ただけでも、分かり易く基本的な法律と大まかな地図。

中央を行政区に商業街,技職街,繁華街,倉庫区,住宅街などが取り囲み・・・

「裏街に入らない限り治安がいいから、得物を携える者は

余所者かヤクザ者とすぐ分かるらしい」

 「「・・・・・・(汗」」

「・・・兎に角、一度宿を取り荷物をおかないか?」

早朝に山の向こうの町を出てから休むことなく街道を来た為、未だ陽は真上。

ユトレヒト隊は繁華街のにある「癒雨亭」に宿を取った。

基本的に中規模な構造に、一階は食事も出来る酒場,

二階が個室が十数個の個室が並び

裏庭は泊客が洗濯をして干せるように可也の広さ。食事は別だが良心的な値段に

並んでそれぞれ個室を。 荷物を置いて得物を携えラフな格好で集合し

「俺は都市の見物と洒落込むけど、皆は如何する?」

 「あっ、私も御一緒していいですか」

とクラークにキルケ。さしあたっては異国の地でデートといったところか。

「私は先、王との謁見を取り付け・・・それからゆっくりと散策に」

 「じゃあ、私は早速」

「セシルは私といっしょに付き合ってもらう。前科もあるからな」

 「うっ・・・(汗」

と、ロカルノにセシル。クラークとキルケにはワケが分からない。

詳細は「ユトレヒト隊2」にて

「・・・くれぐれも問題を起こさないように」

一人得物を携えていないロカルノの注意に、隊は二手に分かれて行動開始。

道の人々の往来は正に各種人種の坩堝。

獣人では犬,猫のみならず兎に羊・・・亜人も。

種が多様であるためロカルノが仮面をしていても意外に目立たない。

人の間を二人はすり抜け、都市中央にある建物を目指し歩いていった・・・・・・

ふと、

「セシル?」

振り返ってみれば、ついさっきまで付いて歩いていたはずの その姿がなく。

右を向いても左を向いても見当たらない。

そもそも、ずっとロカルノの死角に、いついなくなったのかすら・・・

「っ!!?」

例えるなら、野に放たれた獣。 無垢な少女の園に放り込んだ強姦魔。

場合によってはもっと性質が悪い。下手をすれば国家間の戦争の火蓋に

己の油断が招いた事とはいえ・・・

ロカルノの仮面の下、顔から血の気が引いていった。



  

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