番外 「戯れ」
それは彼が最初にヨーティアと出会った時の事・・
異世界ファンタズマゴリアに迷い込んで情報を集める際にヨーティアとイオに出会い色々と世話になった。
だが、どこの世界でも何でもタダで事が進むほど甘くはできていない
アンジェリカには内緒だったがあの夜、彼は誰にも言えない戯れにつき合わされていた
・・・・・・・・・・・
ヨーティアが用意したのは本を敷き詰めた仮のベット
一応二つ用意されてクロムウェルとアンジェリカは思ったよりも心地よく眠りに付く事ができた
隠者であるヨーティアが生活の基盤としていた洞穴は枝分かれしておりそれをうまく活用しているために一応は客人用として
造られた部屋があり二人はそこで就寝している
・・まぁ、客人用と言えどもこれだけの山奥、客などそう来るはずもないが故にほぼ、書庫となっているのだが・・
いちいち使っていない部屋を利用したのはヨーティアが今日も徹夜で研究に没頭するとの事らしく
灯りがあっては寝付けにくいだろうというイオの心配りからであった
・・・・・・・
時は回りすでに深夜、夜の山は冷え込む・・洞窟内ならばなおさらだ。
そんな中、クロムウェルとアンジェリカは深い眠りについていた
知らぬ世界での行動・・それは心と体に確実に疲労を残す
それ故二人とも多少寒くても深い眠りについていた
そこに・・
「・・お〜・・い・・。クロムウェル〜」
音もなく客室に入ってきてはクロムウェルに耳打ちする白衣の女ヨーティア
「・・ん・・?」
その声に寝返りをうちながらうっすらと目を開けるクロムウェル。
見た目とは裏腹に寝覚め彼、深夜でもその声にすぐに応えたのだ
「ほらっ、起きろ〜」
「・・どうしたんだよ・・ヨーティア・・」
「ちと頼みたい事があってね、まぁこっちに来てくれ・・」
そう言うと遠慮なくクロムウェルの腕を引っ張り出すヨーティア、対し真夜中に起こされた男は
何が何だかわからないまま彼女の言われるがままに部屋から連れ出された
・・・
「・・・それで、どうしたんだ?」
そのままヨーティアに連れられたのは書籍に満ち溢れている研究室、今までそこで研究に没頭していたのか
灯りは十分であり寝起きの彼には眩しいぐらいだ
「お前さんを男と見込んでちょっと頼みたい事があるんだよぉ」
煙草を咥えながらにやけた笑みを浮かべるヨーティア、彼女の性格からしてどうせ碌でもない事だろうと
思いながらも一宿一晩の恩がある故に無下には断れないクロムウェル
しばらく腕を組んで悩んでいたが・・
「人体実験とか妙な事しなければ、別にいいぜ」
っと条件つきでそれを承諾した
それに大天才の表情がほころびる・・その様子からしてどうも込み入った訳があるらしい
「ありがとよ、まぁ本来ならば出会って間がない男に頼む問題でもないんだが〜・・クロムウェルの人柄なら任してもいいかと思ってなぁ」
「そりゃ光栄だな。・・でっ、何をするんだ?」
「ああっ、イオを抱いて欲しいんだ」
「なぬ!!?」
あっけらんと言うヨーティアに対しクロムウェルは大いにたじろぐ
「何を驚いているんだ?おいおい、ひょっとして柄の悪そうな見てくれとは別に童貞かぁ?」
「いやっ、そんな事ないんだけどよ・・・、何故にイオを抱かないといけないんだよ?」
「そこらは説明しないとな・・。イオが珍しい白いスピリットだってのは昼間話しただろう?」
「ああ、スピリットの中でもほとんどいないんだろ?
っても他のスピリットを見たことないから俺にしてはただの白髪の美女にしか見えないんだけど」
「それでもこの世界の連中には仰天するわけだ。そしてスピリットをモノとして扱う輩に取っては生唾物だった。
・・イオはそんな輩に捕まって暴行され続けた過去があるんだよ」
「・・・、イオが・・か?」
「あぁ、優秀だが戦いには不向きだからね。捕まって犯され続けたわけさ・・
まぁそこを私が助けて助手としての生活を上げたんだけどねぇ」
相当に暗い過去故に流石のクロムウェルも少し黙り込んでしまう
「だけどねぇ、女の体ってのは厄介なもんさ。強姦されようがそれが続くと本能として快感を得てしまう。
それを一度味わうと決して忘れる事はできない・・スピリットも同じさ」
「・・・・、つまりはイオは欲求不満になっているの・・か?」
「まぁ〜・・そんなとこだね。最も本人はたぶん自覚していないだろうから何となく気だるく感じる時がある程度なんだろうけどさ。
そんなのは他人から見たほうがわかるんだよ、特に女同士でその過去を知っているとさ」
「いあ・・だからって無理にさぁ・・」
「あのねぇ、スピリットってのは結構脆いもんなんだよ?それだけ無垢だからねぇ・・
だから私は極力イオの負担を減らしてやりたいんだよ」
「それで俺が抱けってのか?イオが拒んだらどうするんだよ?」
「無理やりでも」
「・・ヲイ・・」
「だから頼んでいるんだろ?まぁ神剣取り出すようならば逃げ出しても構わないからさ。頼むよ〜」
両手を合わせて頼むヨーティア、どうやら真剣らしい・・
「む・・そこまで言うなら・・さ。でもアンジェリカに見つかるとまずいんだよ・・。ゆすられるから・・」
「安心しな、すでに強力な睡眠薬かがしたから朝まで目覚める事はないよ♪」
「・・準備・・いいんだな・・」
「まぁねぇ。さっ、そうと決まれば男を見せてやれ!あ・・でも変なプレイするんじゃないよぉ?」
「あのな・・、事情知っているんだから変な事しねぇよ!・・何か・・変な展開だなぁ・・」
頭を掻きながらもクロムウェルはイオの私室へと足を進ませる事になった・・
・・・・・
流石に助手という事でイオの私室は用意されている
それは彼女の几帳面な性分を出しており実に整理されている、そうとは言えども私物というものは全くなく
他の部屋のような乱雑さの欠片もない
とはいえそこはすでに消灯されており真の暗闇に包まれている、
その中部屋の片隅に置かれた木製のベットに部屋の主は静かに寝息を立てている
(・・美味しい展開だけど・・なんかなぁ・・)
心の中でぼやきながらも気配を完全に消しその中に侵入するクロムウェル
以前までの彼ならば美女に夜這いOKな状態ならば嬉々として寝床に侵入するのであるが彼も成長している
最愛の女性がいる、例え他人の願いと言えどもそんな状態で夜這いなどしていいものだろうか?
っと絶えず良心という名のピックが心に突き刺さっている
(ち・・しゃあねぇ・・男に二言はないしイオが拒めばさっさと退散するか・・)
腹を決めイオのベット前に立つ、暗闇に目が慣れてきて心地よさそうに眠りにつくイオの姿がはっきりと見える
几帳面な性格が出ているのか寝る姿勢もきちっとしていた
(・・ビンタ一発は覚悟しておくか、ごめんよ・・っと)
一礼してシーツ内に潜りこむ、ベットはさほど大きくないが故にすぐにイオの体に触れる
そしてその感覚にクロムウェルは仰天する
(うえっ!?下着姿・・!?・・っ!)
質素な下着しか身に着けていないイオに声を抑えながら驚いていく彼、そこに絹のように白く美しきイオの細腕が伸び彼の肩を掴んだ
「イ・・」
見ればイオの瞳は静かに開いており思わずクロムウェルは彼女の名前を呼ぼうとしたのだが
イオは彼の唇に指を添え微かに微笑む
「・・・」
思っていたのとは全く違うイオの応対にクロムウェルは黙り込む、
対しイオは微かに笑みを残したまま彼の首筋に腕を回し静かに抱きついた
(・・・・、抱いてくれ・・って事・・か・・)
何もしゃべらずに肌を抱き寄せてきたイオに対しクロムウェルはその後髪をソッと撫でてやる
彼のその行為に彼女の体は一瞬だけだがビクっと震わせた
(男に酷い目に合わされた・・か。多少恐れていても仕方ないよな・・)
イオの過去に気を遣いクロムウェルは極力優しく彼女を扱おうと心に決め抱きついてきたイオを一端離してから優しく口付けをした
一瞬驚いたイオだったがゆっくりと眼を閉じ自ら自分の舌をクロムウェルの口へと挿入する
これにはクロムウェルも思わず目を丸くしたのだが意を決したのか自分も舌を絡め出した
ネットリとディープに舌を絡ませる二人、特にイオは冷静な彼女からは想像もできないほど積極的であり
クロムウェルがたじろぐほどであった
しばらくして、どちらからとなく口を離し二人の間に長い唾液の線が伸びた
「・・・イ・・ムっ!?」
再び彼女の名を言おうとしたクロムウェルだがイオの指に再び抑えられた
見ればイオは顔を静かに横に振っている、しゃべらないで欲しい・・そういう意志なのだろう
「・・・」
そんなイオにクロムウェルは気まずそうに頭を掻きながらも静かに頷くのであった・・
そして行為を続けるがために彼女の胸へと指を伸ばす・・
「・・・ふっ・・・あ・・・」
ふくよかな母性に触れた瞬間にイオは目を閉じ微かな喘ぎ声をもらす
下着の上からでも指は何処までも沈んでゆきその柔らかさを示している
だがクロムウェルは手荒な真似をせず、彼女の下着を上にずらしてあくまで優しく彼女の胸を愛撫していく
「・・ぁ・・・ぅぁ・・っ!」
目を固く閉じ静かにその感覚に酔いしれるイオ、その愛撫がよほどいいのか自分の胸を揉み扱く腕に自分の手を添えている・・
「ふぅ・・っ!ひゃ!!」
突如彼女の喘ぎ声が強くなる、クロムウェルの指がその頂きにある膨らみを抓ったからだ
その反応に気を良くしたのかクロムウェルはそこを重点的に愛撫しだす
「っ!ふぁ・・!・・あっ!」
声が強く、艶やかになる。彼女の乳首は愛撫により固くなり刺激を脳へと走らせ続けている
だがその刺激は突如として遮られる
クロムウェルが愛撫を止めたのだ・・、それにイオは片目を少し開けて彼を見つめる
見れば彼は着衣を脱ぎだしている、そして股間にはそそり立つモノが・・
見る限り禍々しいそれにイオの頭には過去の辛い想いが駆け抜けるのだがそれから目を離す事ができない
「・・・」
そんな彼女にクロムウェルは髪を軽く撫でてやりシーツを捲る。
暗闇の中に曝け出したイオの体は美しく完全な美とも言える、そしてその股間を覆う布はしっとりと濡れており女性の甘い香りがした
クロムウェルは遠慮なくその布をずらす・・、イオは抵抗せずに成すがままでありクロムウェルに全てを任すつもりらしい
そして片足から下着が外される・・完全に脱がさないのは彼のこだわりなのか・・
「・・・・・」
だが、どの道イオの秘部が曝け出された事には変わりがなく恥ずかしいのか彼女は瞳を固く閉じた
クロムウェルはお構いなしに彼女の股を広げの中に座る
白き茂みの中にある秘部はまるで処女のような綺麗な形をしておりそこからはすでに蜜がとめどなく溢れている
軽く手で触れただけでももはや前座は必要なしと判断したクロムウェル、これから挿入するという合図のためか
イオの額に軽く口付けしてすでに準備万端な愚息をそこに添える
イオは秘部の入り口に固いモノが触れた感覚にビクッと体を震わすのだがそれが待ち遠しいのか鼓動の高まりを抑える事が出来ず
すでに両手は挿入の衝撃に供えてか敷きシーツを握り締めている
そして・・
ズ・・プ・・!
「・・・っぅぅぅぅ!!」
水音を奏でながらイオの花弁はクロムウェルのソレを飲み込んでいくかのように膣に誘っている
剛直なモノが膣内に入り込む快感にイオは思わず体を震わせ喘ぎ声をかみ殺した
完全に愚息が彼女の膣に埋まったのを確認するとクロムウェルはイオを抱き上げ、より深く挿入させる
奥まで入り込んだ異物にイオの息遣いは荒くなりつつある
「ぅぁ!・・っあ!!・・・・はぁ!!」
深く入り込んだ状態のままクロムウェルの肉棒が暴れ出す、イオは両手で彼の肩を掴みながらシッカリと感じ出す
「ぁ・・っ!ぁぁ・・・・」
蜜はとめどなく溢れるがイオはその喘ぎ声を押し殺しながら感じている
そんな白きスピリットをクロムウェルは愛らしいと感じ腰を振る速度を速める
「・・はぁ・・!・・ぁ・・はぁ!!」
イオも膣で激しく暴れる肉棒に合わせるように腰を振りながら絶頂への高みに上り詰める
イオの膣はまるで彼から精液を全て吸い取らんとせんばかりの締め付けを見せており彼の射精感を高めさせていく
「・・っ!」
限界を迎えたクロムウェル、咄嗟に愚息を引き抜こうとするのだがそんな彼の意図を読んでいたのか
イオは深く腰を下ろしそれを防ぐ・・、次の瞬間今までにない締め付けが愚息に襲い掛かり・・
ド・・ップウ!!
「ふぅぅ・・ん!!」
膣内で大量に射精・・、白いマグマが彼女の膣に一気に流れ込みそれと同時にイオの体が激しく痙攣して絶頂を迎えた
「・・・」
そのまま彼の体に持たれかかり息を切らすイオ・・、クロムウェルは中で出してしまった事に対する後ろめたさを感じていたのだが
そんな彼の心を読んだのか、イオはこれでいいと言わんばかりに優しく彼に口付けをする・・
クロムウェルはそんな彼女の様子をただ見つめる事しかできなかった
・・・・・・・・・
しばらく絶頂の余韻に浸っていたイオだがいつまでもそのままというわけにもいかずに
クロムウェルはベットにゆっくりと寝かしつけて服を着だす。
イオは呼吸を整えこそしているのだが体を動かそうとはせず着替え終えたクロムウェルはしばらく悩んだ後に口を開く・・
「・・俺で、よかったのか・・?」
彼女の方を見ずに呟くようにそう言うクロムウェル・・
「・・・・、戯れ・・ですよ・・」
昼間出会った時と変わらぬ冷静なイオの声が背中から聞こえた
「・・・、そっか。じゃ・・、おやすみ・・」
「・・・おやすみなさいませ・・」
何事もなかったように静かに言うイオ、クロムウェルは彼女の方を振り向かずに彼女の部屋から出て行った
・・・・・
部屋を出た後クロムウェルは一直線にヨーティアの研究室に入る
室内ではヨーティアが未だに何かの書類に目を通していた
「ん・・?おおっ!その様子だとうまくいったかぁ?」
「ヨーティア・・、お前この事イオに言っていたのか?」
「・・あん?」
何言っているんだといったヨーティアの顔、その様子からしてクロムウェルの夜這いの事をイオに伝えているとは思えない
「いや、イオは下着姿のまま寝ていて俺を全く拒まなかったから・・さ」
「ふぅん・・、イオはいつもは寝巻きをつけているから・・それは変だねぇ・・」
「最後に戯れだって言っていたよ」
「・・・・、どうやら、私の考えが読まれていたみたいだね・・こりゃ一本とられた!」
満足そうに笑みを浮かべるヨーティアだがクロムウェルは少し後味がよろしくない様子
「まぁ・・、イオが満足しているならそれでいいんだけど・・俺、中で出したんだけど・・」
「おっ!やるねぇ!それでこそ男だ!」
「・・いあ、心配する事あるだろうが・・」
「安心しな、スピリットと人が交わって子ができたという話は聞いた事がない。中で大量に出そうが安心だ。
・・まぁ、人とスピリットの仔って言うのも面白そうだけどねぇ。もし懐妊したスピリットがいるならば色々と研究してみたいもんさ」
「あっそ・・。まぁ、これでよかったんだよな・・?」
「あぁ、まっ深く考えるな、『戯れ』だよ」
「・・ったく、俺は遊びで女を抱くタイプじゃないっての・・。そんじゃ、もう寝るぜ」
「おう、まぁ気になるならば良く寝て忘れることだな♪」
能天気なヨーティアの言葉にクロムウェルは眉をしかめながらも静かに研究室を後にした
「・・それにしても・・、イオの奴がねぇ・・。そこまで拒まなかったって事だったんなら私もつまみ食いしようかねぇ」
ニヤニヤ笑いながら独り言を言うヨーティア、結局この大天才の餌食になったのは
ヘタレ王となったそうな・・
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