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chapter1 「新婚旅行な二人」


1.新婚旅行な二人(聖魔side)



大戦の中、激戦場に一人の少年が舞い降りん。
民の悲しみを止めん為、大戦を終らせんと兵を率い戦を治める。
彼は認められ守護騎士となり、強きを挫き弱きを助け
仲間達と共に様々な敵との戦いを乗り越えて来た。
しかし異神との戦い、仲間を救わんと命をかけて相討ち
奇跡の復活を果たさんも、権力者の姦計に国を追われる。
逃亡の旅の中、仲間を失い、恋人の止めを己で刺し・・・
辿り着いた先は魔獣に犯される「女神に祝福された地」
その地を治めんとする人々に心打たれ、彼は民の剣となった。
勇気と知恵を持って悲しみを拳に怒りを刃に、
魔獣を斬り、屍を乗り越え、戦いの果てに魔獣の王をも討ち滅ぼし
「女神に祝福された地」を終には征する。
皆を導く者、極星の騎士の称号を得て汚名返上。
地の守護者となりて力を尽くし、村から町へ。町から都市へ繁栄す。
しかし、繁栄には弊害 嫉むものはつきもの。
隣国の謳われる猛者達を、王都に頼る事なく策略に万端の準備で迎え撃ち
剣を交え語り合い己を示して敵を友と成して、宿敵国と友好を結ぶ。
名実ともに都市は国へ。 それは、万種万人の民の為の民が治める新しい国。
そして彼は民に担ぎ上げられ、もっとも新しい王に。 
神に立ち向かい法を守護するもの、龍の称号で謳われる
彼こそ最強にして無敵の剣を持つ者也。


「・・よく覚えたな、セリア・・・」
だだっ広い草原の中、街道を行く一人の女性と黒い狩犬・・
今のセリフは犬が女性にしゃべったものだ・・・
女性は馬にのり鼻歌まじりで上機嫌だ・・・
「だってこの歌好きなんですもの♪サブノック様は興味ないですか?」
「吟遊詩人が作ったものなど大抵美談でまとめているからな・・・。
小生には合わない」
サブノックと言われた犬が返答する
なぜ犬なのにしゃべれるのか・・、それは彼が人外の者「悪魔」だからだ。
彼ら黒狩犬サブノックと女性セリアは夫婦として新婚旅行がてら
遠方の都市に出かけている
妻のセリアは妊娠しており腹も膨れている。旅行するにはあまり賛成できないのだが彼女がどうしても行きたいところがあると言ったので仕方無しに出発することになった。
行き先は歌の舞台となった都市シウォング・・
「でもシウォングって遠いんですね〜」
「観光旅行に行くにしては長旅だな・・。でも観て見たいんだろう?
その歌の主、『真龍騎公』とやらに」
「そりゃあもう!きっと男前ですよ〜!!もう!これでもかってくらい!」
目を輝かせながら自分の世界に入る・・・
「・・・まっ、会えるかどうかは実際所見の受けつけをするまでわからんが・・・」
ため息まじりで自分の世界に浸っている妻を見る・・

ガサガサ・・

「・・・。セリア」
不意に警戒した声でセリアを呼ぶサブノック
「わかってます。野盗・・ですね」
「全く、どこに行こうがいるものだな・・。」
そう言っている間に数人の男が二人(?)を取り囲む
「妊婦にしゃべる犬か・・、俺達ってついているな!両方マニアには
高く売れるぜ・・。へっへっへ!」
これでもかってくらいお下品な笑みを浮かべる野盗さん・・
「・・・ふぅ、くだらん。死にたくなければさがるがいい」
「抜かせ、ワンコちゃんが!」
「・・一応忠告はしたぞ?」
そう言うとサブノックは疾風の如く飛びあがり固い爪で
野盗の首筋を次々と斬っていった・・!
瞬く間に血を流し倒れていく野盗・・
「すごいすごーい♪サブノック様〜!」
馬の上から黄色い声援を送るセリア
「ちっ、犬が駄目なら女だけでも!!」
野盗の一人が馬に乗るセリアに斬りかかる。
・・が

ゴス!!

どこから取り出したが固い樫の棍を取りだし野盗の脳天に
叩きつけた・・
「がぁ・・・」
急所に激烈な一撃を受け野盗は前のめりに倒れた・・
その野盗の首に棍を入れ無理やり顔を上げさせる
「私達の邪魔しちゃ駄目じゃない・・」
上から見下す妊婦・・・・
その異様な光景に恐怖を覚える野盗
「た・・、助けて・・」
「助けて〜?・・う〜ん、そうね・・、私の靴を舐めたら助けてあげる」
無慈悲なセリアさん・・
それを信じプライドを捨ててセリアの靴を舐める野盗さん・・
「あら〜、あなたの汚い舌で舐められたら靴が余計に汚れちゃったわ
・・・やっぱり駄目ね♪」
「・・き、貴様・・!」

バキッ!!

野盗の頬を思いっきり棍で叩き飛ばした・・・
「無事か、セリア?」
「大丈夫ですよ、サブノック様♪」
「しかし・・、そこまでやらなくても・・」
「これだけやれば懲りるでしょう?悪女ぶるのも大変なんですよ?」
(・・あれは芝居には見えないのだが・・)
心の中で妻の豹変ぶりに驚くサブノック・・・
辺りは野盗が倒れている・・、血は流れているが絶命しているものは
一人もいない。
まぁセリアの靴を舐めた男は気絶しているが・・
「それじゃ、先を急ごうか・・」
倒れている連中を全く無視してその場を去る二人・・
その光景を見ている者がいた・・。
法衣を着て槍を持つ男たち、やがて彼らは二人の後を進み出した・・




・・道中の宿場町・・
旅をする者達にとってはありがたいものでたくさんの人が酒を飲んだり
博打をしたりと旅の中の憂さを晴らしている・・
その中のこじんまりとした宿
犬も泊まれる場所はここしかないので2人はその一室を一晩借りることにした・・
「ふぅ、一日馬に乗るとお尻が痛いですよ・・」
「ならマッサージでもしてやろうか?」
尻をさするセリアを気遣うサブノック・・、昼間の黒狩犬姿ではなく禍禍しい鎧姿だ・・
これこそ彼の本当の姿・・、夜の闇の中でないとロクにこの鎧姿にはなれないのだ・・
「サブノック様ったら〜♪でも・・揉むときはついでにいっぱい愛してくださいよ〜!」
「・・あ、ああ・・」
「それで・・、その時は犬の姿で・・お願いします・・♪」
「ああ・・・・・・ああ!?」
妻の趣味にやや引くサブノック・・・
「楽しみ♪そういえばアルさん私達が村を出るとき何か身支度していましたがあの人も
またどこかに行くのですか?」
「・・ああっ、かつての恩師に会いに行くそうだ。吟遊詩人の歌が好きなセリアなら
知っているだろう?13部隊の隊長を・・」
「・・ええっ!13部隊の隊長って!あの傭兵公社第13特殊遊撃部隊ですか!?」
「・・ああっ、クラーク・・っと言ったかな?」
「知ってます!『剣聖帝』の称号をもって数々の戦績を治めた男ですよね!
・・ってアルさん、剣聖帝なんかと知り合いだったのですか・・・」
「・・っというよりかアル殿はその13部隊の一員だぞ・・?」
「・・・ええっ!!!そうだったんですか!!」
「知らなかったか?全く・・、セリアはおっちょこちょいだな・・」
「・・今度サイン貰っておこ♪」

コンコン

不意に扉をノックする音が
「は〜い!」
セリアが応対する。サブノックが行くわけにも行かないので・・
セリアが声をかけたのに返答はない・・
「・・・!!セリア!!」
サブノックが直感で判断しセリアを抱きかかえる・・
っと同時に扉を突き破り侵入する槍・・
セリアがそこにいたなら間違いなく串刺になっていただろう
「おのれ!悪魔め!邪悪退散!!」
二人の僧兵風の男たちがそのまま槍を抜きさらに襲いかかる・・
「・・不意するような輩に手加減はせんぞ!!」
いきなり妻を襲おうとした男たちにサブノックも怒り爆発!
僧兵の槍をへし折り必殺の拳を突き出す!!
「チェストォォォォ!!!!」
僧兵二人は声もなく吹き飛ばされ、窓から落下していった・・
普通の町なら大騒ぎなのだがここは旅の宿場町・・
このくらいの騒動はよくあることなのか不思議と誰も気に止めていない・・
「・・大丈夫か?セリア・・」
穴の開いた扉を閉め妻を気にかける・・
「ええっ・・、でも、サブノック様を狙っていたようですね・・」
「・・どうも小生の正体を知る者がいるようだ・・・。これから先用心しないとな・・」
そう言いながら黒狩犬の姿に戻るサブノック・・

酒場から聞こえる賑わいを尻目にその日は二人とも早めに床に着いた・
最も・・、やることはやっているようだが・・・・

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